「夫子憮然曰、鳥獣不可與同羣。吾非斯人之徒與、而誰與。
「論語」微子、第十八、六

2015/12/31

偶然と必然

「奈何トモスベカラズヲ知リテ、コレニ安ンジテ命ニ若フハ、唯ダ有徳者ノミコレヲ能クス。羿ノ彀中ニ遊ブニ、中央ハ中タルノ地ナリ。然リ而シテ中タラザル者ハ命ナリ。」 (「荘子」徳充符篇第五より)

(私の解釈)。人の力ではどうしようもないことを知って、心安らかにその命に従うことは、有徳者にのみできることである。人はだれも皆、(伝説の弓の名人)羿の射程の中で遊んでいるようなものだ。羿の射程に遊んでその只中にいれば、ひとたび狙われて矢が命中しないはずがない。それでも矢があたらないのは、それはたまたま射かけられなかったという偶然と必然であり、それが命である。

2015/12/30

「顎十郎捕物帳」

大掃除は明日大晦日にすることにして、今日一日はのんびりと何もせずに過す。

読書は「エマ」(オースティン著/阿部知二訳/中公文庫)の他に、「顎十郎捕物帳」(久生十蘭著/朝日文芸文庫)。私は久生十蘭ファンなので、もちろん何度目か分からないほどの再読。ちなみに久生十蘭は私が生まれて初めて全集(三一書房版)を買った小説家である。

2015/12/29

今年最後の忘年会

夜は神保町のピザ屋にて今年最後の忘年会。弊社の元社長で、今は VC 的な活躍をしておられる K さん主催。関係会社がかなり増えて、大変な盛況。いつの間にか、知らない顔の方が多くなってしまっている。活躍している会社、急成長した会社と、あれこれあるけれども、基本的にはスタートアップとかベンチャー企業とか言うものは、色々と大変なことには変わりない。苦労を買っているようなものだから、せめて楽しい苦労にしたいものである。

21 時過ぎに一次会はお開き。人工衛星ベンチャー A 社のカレンダーをもらって帰る。

2015/12/28

「エマ」

「幸福について」(ショーペンハウアー著/橋本文夫訳/新潮文庫)を十何度目か読み終えて、「エマ」(オースティン著/阿部知二訳/中公文庫)を読み始める。「エマ」を読むことが私の冬休みのメインイベント。

読書の他には家事をあれこれ。少し気が早いが、「田作り」と「叩き牛蒡」を作った。時間をかけて煮染めを作ったりした年もあったのだが、歳のせいだろう、面倒になってきたので、簡易版。

2015/12/27

「幸福について」

「幸福について」(ショーペンハウアー著/橋本文夫訳/新潮文庫)。これは私が最も多く読み返している本で、おそらく十回目どころではないだろう。私の厭世的で悲観的で知足的な性格はこの書物によって形成された可能性が高いという意味で罪作りな一冊ではあるが、一方ではこの本によって救われたことも数知れず、その面では感謝している。

しかし、この本を読み返す度に思うのは、これほど愛読してその教えを肝に銘じながらも、まだ敢て間違いを犯し続けている我が身の愚かさである。まさに、「緒言」に引用されているヴォルテールの言葉、「われわれはこの世をみまかるときも、この世に生まれて日の目を仰いだときと同じく、愚かで悪党であることだろう」に頷かざるをえない哀しさである。

2015/12/26

「薔薇の輪」、読了

普通、老人の朝は早いのだが、疲れていたのか、寝付きの良くなかったせいか、8 時過ぎまで寝てしまった。カフェオレ、パンとチーズ、林檎を一つの簡易版朝食。朝風呂の湯船で「論語」(吉川幸次郎著/朝日選書)を読み始める。午前中の読書は、他に「薔薇の輪」(C.ブランド著/猪俣美江子訳/創元推理文庫)もスタート。

昼食は、焼き餃子と黒ビール。午後も読書など。夕方になって再び風呂。丁度、佳境に差し掛かっていたので、「薔薇の輪」を湯船で読む。

夕食の支度。蒸しブロッコリ、豚肉と玉葱の生姜焼き、若布と麩の味噌汁。

「薔薇の輪」、読了。それほどトリッキイな作品ではないし、代表作群に比べれば小品の風情だが、やはりブランド・ブランドの刻印が押された佳作か。私はブランドが好きだが、そのポイントは私にとって丁度いい塩梅の意地の悪さだと思う。パトリシア・ハイスミスほど人間嫌いで冷酷な感じではなく、かと言って、けして読後感が良いとは言えない。著者本人があまりに頭が良いため、あまりに人間を正確に理解しているがゆえに、はからずも本人の方が少し意地悪く見えてしまう。そういうところが好き。

2015/12/25

カップ酒

今年最後の出勤日。

午後、タフなミーティングを終えてから、オフィスの掃除を手伝い、年内最後のメイルを書いたりして、親会社が仕事納めの乾杯をしている声を聞きながら退社。帰り道で、握り鮨のお土産と花を買う。年末だし派手なのがいいかな、と思い、赤薔薇の "Freedom"。

帰宅して、風呂に入ってから夕食。お土産の握り鮨とカップ酒。カップ酒って、何だか、やつれた感じがするなあ……買ってきた薔薇を見つつ、カップ酒。

2015/12/24

チャーシュー饂飩

今年の通勤もあと二日。既に冬休みに入る人も多いのだろうな、と思っていたのだが、朝の電車はいつも通りの混み具合だった。

夕方退社。帰宅してまず風呂。湯船の読書は「意識と脳」(S.ドゥアンヌ著/高橋洋訳/紀伊國屋書店)。夕食の支度。自家製の煮豚とその煮汁を利用して、チャーシュー饂飩。卵と刻み葱。思いつきで適当に作ったわりに美味しかった。

夜は「幸福論」(アラン著/串田孫一・中村雄二郎訳/白水社uブックス)などを読みながら、静かに過す。

2015/12/23

祝日の神保町

週の中日の祝日休みって何だか有り難い。いつもと同じように寝床で「古楽の楽しみ」を聞いてから起床。ヨーグルト、珈琲、パンとチーズ、林檎を一つの簡易版朝食。朝風呂の湯船の読書は「春秋左氏伝 上」(小倉芳彦訳/岩波文庫)、僖公十七年まで。

ランチがてら神保町に出て、年末の用事をいくつか片付ける。冬休み間近の祝日だが、天気が良くないせいか、人もさほど多くない感じ。雨が降り出す前に帰宅。夕方まで読書など。「スマイリーと仲間たち」(J.ル・カレ著/村上博基訳/ハヤカワ文庫)。通勤の車中で少しずつ読んでいたのだが、あとわずかだったので、お茶の時間に読了。

再び風呂に入ってから、夕食の支度。ポークソテーに蒸しブロッコリ添え、パン、赤ワイン少々。のち、スモークト・カマンベールを少し追加。明日の弁当のために、生姜焼きも作っておく。

2015/12/22

この優しい二の腕の黒蜥蜴

今日は会議デー。冬休みはまだ遠い。しかし、夜の江戸川乱歩生誕120周年没後50年記念 ドラマ「黒蜥蜴」と明日の祝日を心の支えに頑張ろう。それはさておき、映画、戯曲、TV ドラマで色々な俳優が緑川夫人(実は黒蜥蜴)役を演じているが、私が観たことのある中では、チープな TV ドラマでの島田陽子が一番良かったような気がする。島田陽子が一人だけで頑張って空回りしている感じのさんざんなドラマではあったが。

夕方、最後のミーティングを終えて退社。帰宅して風呂に入ってから夕食の支度。蕪とブロッコリと豚腿肉の鍋。冷酒を五勺。のち、雑炊。

さて「黒蜥蜴」を観よう。

2015/12/21

鰤茶漬

さて、年末最後の週、がんばっていきましょう。往きの車内の読書は谷崎源氏。「鈴虫」の帖を読了して、「夕霧」へ。

帰りの読書は「スマイリーと仲間たち」(J.ル・カレ著/村上博基訳/ハヤカワ文庫)。帰宅して風呂に入ってから、夕食の支度。蒸しブロッコリのサラダ、豚腿肉の漬け焼き。赤ワインを少々。のち、鰤茶漬。鯛茶もいいけど鰤茶もね。

夜の読書は「幸福論」(アラン著/串田孫一・中村雄二郎訳/白水社uブックス)など。


2015/12/20

冬休み読書リスト改

昨夜は忘年会で食べ過ぎ、飲み過ぎたので、朝食はヨーグルト、珈琲、パンとチーズを少しだけ。朝風呂の湯船の読書は「幸福論」(アラン著/串田孫一・中村雄二郎訳/白水社uブックス)。

冬休み中の読書リストを改訂。クリスチアナ・ブランドの「薔薇の輪」と、ショーペンハウアーの「幸福について」を追加。ヒギンズの「鷲は舞い降りた」は変わらず予備。

昼食は長葱と卵とじゃこの炒飯、葱のスープ。食後に林檎を一つ。しばらく昼寝。良く眠れ過ぎて困る。午後は家事のあれこれ。牛蒡のきんぴらを作った。

夕食は、鰤の刺身で冷酒を五勺、のち、蕪の葉と油揚げの煮浸し、豚肉と玉葱の炒めもの、若布と麩の味噌汁。豚もも肉ブロックの残りを煮豚にしておく。

さて、何はともあれ、何が起ころうと、あと一週間で冬休みだ。


2015/12/19

ゼミ忘年会

ああ良く寝た。ヨーグルト、珈琲、パンとチーズ、林檎を一つの簡易版の朝食。朝風呂の湯船の読書は「食に神が宿る街」(フリーマントル著/新庄哲夫訳/TBSブリタニカ)。昼食は蕪の葉とじゃこのアーリオオーリオ、白ワインを少し。

午後は「反哲学入門」(木田元著/新潮文庫)などを読んでのんびりしてから、出動。定例のデリバティブ研究部会自主ゼミ。いつもは午前開催だが、今日は忘年会と接続するために、午後に設定。ガウシアン K スキーム論文の S さんによる解読、続き。

続けて夕方から忘年会。東京駅近くの焼き鳥屋にて。そして今、帰宅。

2015/12/18

朝の通勤、車中の読書の谷崎源氏は「横笛」から「鈴虫」の帖へ。

夕方早い時間から、親会社のクリスマスパーティ。宴も高輪、いや、酣のところでお先に失礼させていただく。帰宅して風呂。夜の読書は「反哲学入門」(木田元著/新潮文庫)など。

色々ありましたが、何とか今週も終わった。今週が今月の山と思っていたら来週が山だった、という感じではあるが……週末はゆっくり休もう。

2015/12/17

お好み焼き?

いやあ、眼鏡チェーン便利だ。朝の車中の読書は谷崎源氏。「柏木」から「横笛」の帖へ。どうやら光源氏に歳を越されたらしい。私も昔は、今源氏なんて言われたもんじゃったがのう……(嘘)。

夕方退社して、帰宅。何故か今日は昼から、「お好み焼き」または「洋食焼き」的なものが食べたかった。風呂のあと、油揚げの葱詰めの網焼きなどで冷酒を五勺飲んでから、お好み焼き風のものを作ってみる。キャベツがないので代わりに玉葱、肉がないので代わりにじゃこ。紅生姜がないので代わりに生姜の甘酢漬け。それでも、意外に美味しかった。

2015/12/16

老人らしく

私は昔から老人趣味で、小さな子供のうちから、老成していると人からも言われ、自分でも早く老人になりたいものだと思っていたし、今でも一刻も早い隠居が夢だ。そんなわけで、できるだけ老人くさく、いや、年相応に、見えるように努力している。例えば、よれよれの背広を着て、蝋纈染めのネクタイをする、などだ。

お金に余裕がないので、そこまで贅沢はしないが伊丹十三が「女たちよ!」に書いていたような、鶯のウンコ色の毛の上衣に、グレイのフラノのズボン、血膿色のネクタイ、抹茶色の腐った感じのカシミヤのセーター、靴は赤茶色のオックス・ブラッド、なんて感じに憧れたりもする。

それはさておき、そして今日はさらにもう一つ老人グッズを手持ちのカードに加えた。眼鏡チェーンである。

2015/12/15

柏木

朝の車中の読書は谷崎源氏。「柏木」の帖。女三の宮は出家、柏木は死去。外でミーティングをしたり、内でミーティングをしたりの一日。あれこれと心配の種は尽きず、「仁者ハ憂エズ」とはなかなかいかないものだなあ……と。まだまだ修行が足りないのか、もしくは、早く出家すべきなのか。

夕方退社して帰宅。風呂に入ってから夕食の支度。今日のメインは牡蠣と牛蒡の炊き込み御飯。牡蠣の煮汁を使った蕪葉と油揚げの煮物などでビール。

夜は心静かに「反哲学入門」(木田元著/新潮文庫)などを読んだり。

2015/12/14

お茶の水にて講演

今月の山と思われる一週間の始まり。夕方からお茶の水で、自然言語処理のビジネス課題みたいな内容で一時間半ほど講演する。そして今、帰宅。夕食を食べる時間がなかったので、これから饂飩でも茹でようと思う。

明日も外でのミーティングがあるので、さっさと風呂に入って、さっさと寝て、体力を回復せねば。

2015/12/13

日曜日

八時過ぎまで寝てしまった。朝から雨。昨日少し弱っていた薔薇が、手当のおかげか元気になっていてほっとする。珈琲、パンとチーズ、林檎一つの簡易版朝食。朝風呂に入って湯船で「『論語』再説」(加地伸行著/中公文庫)を読む。午前中は他に "Three Men Out" (R.Stout 著/ Bantam books) など。

昼食はレバニラ炒め、溶き卵のスープなど。午後は一週間分の家事と、その合間の読書やパスタイム的なパズルなど。

夕食は、牡蠣と蕪の葉の味噌炒め、豆腐と細葱の澄まし汁。夜も読書など。今日も静かで良い一日だった。

2015/12/12

土曜日

ああ良く寝た。今日は良い天気。パンとチーズと林檎と珈琲の簡易版朝食。朝風呂の湯船の読書は「春秋左氏伝 上」(小倉芳彦訳/岩波文庫)、僖公十二年まで。

昼食は焼き素麺と黒ビール。午後の読書は "Three Men Out" (R.Stout 著/ Bantam books)より短篇を一つ。

夕方、風呂に入ってから夕食の支度。豚肉と長葱の照り焼き、大根おろしとじゃこにポン酢、豆腐の味噌汁。食後はまた読書したり、パスタイム的なパズルを解いたり。ああ土曜日って素晴しい。

2015/12/11

大雨と若菜

朝から大雨。少しおさまってから家を出たものの、電車のダイヤは乱れていて、駅でかなり待たされた。おかげで「若菜 下」の帖を読えて、「源氏物語 巻三」(谷崎潤一郎訳/中公文庫)を読了。

雨がやんで午後になると、ぐんぐん気温が上がったようで、オフィスの中まで蒸し暑い。奇妙な気候と激しい寒暖変化に老体がついていけない……夕方退社。外は生暖かい風がびゅうびゅう吹いている。

帰宅して風呂に入ってから夕食の支度。蒸しブロッコリ、お土産の鶏唐揚げでビール。さらに餃子を焼く。いい金曜日の夜だ。来週は忙しそうだし、週末はゆっくり休もう。

2015/12/10

コニーの山荘

曇り空で、温かい一日。雨が近いのだろう。

今日も色々あって、夕方退社。帰りの車中の読書は「スマイリーと仲間たち」(J.ル・カレ著/村上博基訳/ハヤカワ文庫)。引退した天才的モスクワ観測家コニー・サックスの象の如き記憶を求めて、スマイリーが彼女の山荘を訪ねる名場面。

帰宅して、南瓜の煮付けでほっと一息。御飯が炊けてから、タイ風の炒めものかけ御飯でビール。夏向きの料理だが、冷蔵庫の残りものと相談した結果、なんとなく。のち、ビールの残りのあてにスモークド・チーズ。

今週もあと一日。明日が締切の仕事には今日中に大体の目処をつけておいたので、落ち着いて過せそう……と思ったら、朝の出勤時間は大雨の予報。

2015/12/09

索引

最近、良く眠れて困る。今日も寝坊。今年始めてコートを着て、出勤。寝坊のおかげで昼食はまた学食のかき揚げ蕎麦(非組合員 360円)。

今日は特に長いミーティングもなかったので、来週頭の講演の準備を進める。どうやら来週が今月の山だな。夕方一つ打ち合わせをして退社。帰宅して風呂に入ってから夕食の支度。蒸しブロッコリと茹で卵のサラダ、豚肉と玉葱の炒めもの、ビール。のち、卵かけ御飯、焼き海苔、豆腐と細葱の味噌汁。

夜の読書は「論語 [増補版]」(加地伸行・全訳註/講談社学術文庫)。金谷訳、貝塚訳と読んで来たが、またこれはずいぶん解釈が違う。この三人の中では、貝塚先生の解釈が一番私の好みで、先生のお人柄や教養が滲み出た注解もとてもいい。しかし、索引が全くないのが残念で、一方、この加地版は索引がものすごく充実している。語句索引、人名索引に加えて、漢字一字からでも引ける「手がかり索引」というものまでついていて、例えば「暇」という一字から、「子貢、人を比ぶ。子曰く、賜や賢なるかな。夫れ我は則ちあらず、と」が 337 ページにありますよ、と分かるのだ。語句索引と人名索引もあわせれば、「ええと、あれ何だっけ」と思ったとき簡単に調べられて、とても便利。


2015/12/08

弁当作り

まだ火曜日か……と思いつつ、今日も弁当を持って出勤。この頃は、出勤時間を少し遅らせることで余った時間で、弁当を作るようにしているのである。とは言え、全然こったものではなくて、猫まんまに近いくらいの単純なものだが。

夕方、今日最後の会議を終えて退社。帰りの車中の読書は「スマイリーと仲間たち」(J.ル・カレ著/村上博基訳/ハヤカワ文庫)。夕食は、南瓜の煮付け、湯豆腐で冷酒を五勺。のち、鮭茶漬。

2015/12/07

院と大殿と殿

また週の始まり。往きの車中は谷崎源氏。このあたりは「院」と称される人が光源氏を含めて三人いて、しかも源氏は院になる前の習慣に従って「大殿」とか単に「殿」とも呼ばれているので、誰が誰なのか読みとるのが難しい。谷崎の注釈に「はなはだまぎらわしいため、注意して読まれたい」なんてあるのだが、そんな注釈をするくらいなら、どれが誰かを注釈してくれればいいのに。

夕方退社して帰宅。風呂に入ってから夕食の支度。花と冬休み用の本を眺めながら、鯛の昆布締めで冷酒を五勺。これが幸せと言うものだろうか……。のち、ブロッコリと茹で卵の温サラダや、煮麺。

2015/12/06

冬休み課題図書リスト完成

朝は良い天気だったが、午後から冷たい曇り空。いつもの通り、一週間分の家事をまとめてこなす一日。朝食はヨーグルト、珈琲、パンとチーズだけで軽く。昼食はたらこスパゲティと白ワインを少し。夕食は、南瓜の煮付けと塩鮭で冷酒を五勺。のち、鯛まぶしと白菜と油麩の味噌汁。鯛の刺身って御飯と一緒の方が美味しいような。

最近の愉しみは、冬休みに読む本の準備。リストが完成してしまったので、明日からはテーブルの上に積んだ本を眺めながらあと三週間をやり過し……いや、頑張りたい。

冬休み課題図書リスト
  • 「顎十郎捕物帳」(久生十蘭著/朝日文芸文庫)
  • 「アナバシス」(クセノポン著/松平千秋訳/岩波文庫)
  • 「エマ」(J.オースティン著/阿部知二訳/中公文庫)
  • 「古書奇譚」(C.ラヴェット著/最所篤子訳/集英社文庫)
  • 「論語 (上/下)」(吉川幸次郎著/朝日選書)

予備としての番外

  • 「鷲は舞い降りた [完全版]」(J.ヒギンズ著/菊池光訳/ハヤカワ文庫)


2015/12/05

芝居納め

朝は定例のデリバティブ研究部会自主ゼミ。そのあとの参加メンバとのランチ。神保町で所用を片付けて、喫茶店で一服してから、東銀座へ。歌舞伎座にて「十二月大歌舞伎」夜の部を観劇。これが今年の芝居納め。

「妹背山婦女庭訓」より「杉酒屋」、「道行恋苧環」、「三笠山御殿」の段。大化の改新の話なのに皆お江戸風スタイルという歌舞伎らしい演目。お三輪に七之助(前二つの段)と玉三郎(最後の段)、折求女(実ハ藤原淡海)に松也、橘姫に児太郎など。玉三郎と言えども、お三輪のような初々しい娘役はそろそろ厳しいかもなあ、しかも七之助とダブルキャストでは……と思ったが、さすがに立派なものだった。でも、ちょっと立派過ぎるのではないか、という気も。

2015/12/04

数え年

良い天気だ。冬らしく空気のぱりっと冷えた朝。往きの車中は谷崎源氏、「若菜 下」の帖。光源氏、四十七歳。いつ追い抜かれるかなあ、などと思っていたのだが、当然ながら向こうは数え年なのだ。数え年なら私はまだ光源氏より年上で、一ヶ月以内にさらに私だけ歳をとる。思いがけず、デッドヒートの展開に(?)。嗚呼、逝クモノハ斯クノ如キカ、昼夜ヲ舎(す)テズ。

帰りの車中の読書は「スマイリーと仲間たち」(J.ル・カレ著/村上博基訳/ハヤカワ文庫)。帰宅して、いただきもののステーキ肉を玉葱の微塵切りとあわせて仕込んでから、風呂に入る。夕食の支度。シャリアピンステーキ、つけあわせにブロッコリ、パンを少々、赤ワインを少々。食後にチーズを少し。さらに珈琲。週末はいいなあ。

2015/12/03

本選び

冷たい小雨の中を出勤。今日は一二時間空けてはミーティング、という感じだったので、忙しいような忙しくないような。夕方の来客対応を終えて退社。

帰宅。今日は遅くなったので、風呂より先に夕食の支度。白菜と豚肉の鶏だし鍋。白ワインを少々。のち、饂飩。

冬休みの課題図書を考えるのが最近のストレス解消法。J.オースティンの「エマ」、そして C.ブランドの「薔薇の輪」の二冊はほぼ確定かな。あと五冊くらい、じっくりと選びたい。

2015/12/02

水曜日

特に予定もなく、比較的に静かな水曜日。風邪気味なのか更年期障害なのか体調がやや良くないのだが、講演の準備作業などで穏やかに過せて良かった。

夕方退社。帰宅して風呂。湯船の読書は「意識と脳」(S.ドゥアンヌ著/高橋洋訳/紀伊國屋書店)。脳や意識に関する実験的な研究はいつの間にやらものすごく進んでいるのだなあ……。夕食の支度。白菜と豚肉の水炊き。白ワインを少し。

夜は趣味の短篇ミステリ研究と、「論語」(貝塚茂樹訳注/中公文庫)など。

2015/12/01

冬休みの課題図書

往きの車中の読書は谷崎源氏。「若菜 下」の帖に入った。光源氏は四十六歳。もう少しで追い抜かれそうだ。

出社していつもの如く、あれこれお仕事。ちょっと風邪気味かなあ。夕方退社して帰りの車中、そうだもう十二月なのだから、冬休みの課題図書を考えよう、と思って、急に楽しい気持ちになる。何にしようかなあ。

帰宅して風呂に入ってから夕食の支度。卵焼きで冷酒を五勺ののち、常夜鍋とそのあとの雑炊。夜の読書は、「エドガー賞全集 (下)」(B.プロンジーニ編/小鷹信光・他訳/ハヤカワ文庫)より「殺人のH」(L.トリート)など。上巻(1962 年まで)の私的ベストは平凡な趣味だけれども、「ブレッシントン計画」(S.エリン)か、「女主人」(R.ダール)かな。

2015/11/30

猫とスパイ

往きの車中では谷崎源氏。「若菜 上」の帖。猫が出てくる有名な場面。帰りの車中では「スマイリーと仲間たち」(J.ル・カレ著/村上博基訳/ハヤカワ文庫)。

久しぶりに今日の昼御飯は自作のお弁当。四月以降、普段は 90% 以上の確率で近くの学生食堂、そのうち 50% 以上の確率でかき揚げ蕎麦(360円)で済ませているので、ちょっと新鮮。やはりこの方がいいなあとは思うのだが、朝の時間は貴重だし、悩ましいところ。

帰宅してまず風呂。湯船の読書は「エドガー賞全集 (上)」(B.プロンジーニ編/小鷹信光・他訳/ハヤカワ文庫)より「不運な男」(P.クエンティン)。今日の夕食はピェンロー。煮込んでいる間に、鰤あらの塩焼で冷酒を五勺。

夜の読書は「論語」(貝塚茂樹訳注/中公文庫)など。

2015/11/29

猫とホットカーペットと私

寝坊。八時近くまで寝てしまった。休日用の簡易朝食。風呂に入って湯船で「編集者を殺せ」(R.スタウト著/矢沢聖子訳/ハヤカワ・ミステリ 1767)を読む。読了。私もネロ・ウルフのように家から一歩も出ずに暮らしたいと願って久しいが、いつその夢が叶うことやら。次はまたスマイリー・トリロジーに戻って、「スマイリーと仲間たち」(J.ル・カレ著/村上博基訳/ハヤカワ文庫)。

昼食は半熟茹で卵とブロッコリのサラダ、たらこスパゲティ、白ワインを少し。食後に珈琲。午後は一週間分の家事あれこれをまとめて。そろそろ寒くなってきたのでホットカーペットを出す。人生って一体なんなのかにゃ、と猫に訊いても答えてはくれず、一緒にホットカーペットに並んで「論語」(貝塚茂樹訳注/中公文庫)を読む夕暮れ。

ほほう、クロや、「朝ニ聞カバ夕ニ死ストモ可ナリ」「道」を抽象的な真理と見て学者の心意気のように捉えるのは朱子らの新注だってさ。そもそも古注では、「道」を孔子が理想とした社会の実現として、この乱世のありさまでは自分が生きている間には訪れないだろうという絶望にも似た願いと解釈したものだそうだよ、勉強になるねえ。

夕食は、鰤大根の残りで冷酒を五勺ののち、豚肉の漬け焼き、玉葱の塩胡椒炒め、小松菜の味噌汁。さてまた週の始まりだ。

2015/11/28

土曜日

良い天気だ。ヨーグルト、パンとチーズ、珈琲、林檎の簡易的な朝食のあと、洗濯など。朝風呂の湯船の読書は「春秋左氏伝 上」(小倉芳彦訳/岩波文庫)、僖公五年。午前中は「スクールボーイ閣下」(J.ル・カレ著/村上博基訳/ハヤカワ文庫)。読了。

昼食は子母澤寛流のうどんすきとビール。午後も読書などしてのんびり過す。続けて「スマイリーと仲間たち」を読むのはちょっと重い気がしたので、間にレックス・スタウトをはさんでみることにした。「編集者を殺せ」(R.スタウト著/矢沢聖子訳/ハヤカワ・ミステリ 1767)。他に「論語」(貝塚茂樹訳注/中公文庫)。こういう古典も古い資料が新たに見つかったりで研究が日々進展しているため、新しい訳註の方が良い面は多々あるのだが、貝塚先生の注解は流石に味わい深い。

夕方再び風呂に入ってから夕食の支度。鰤大根で冷酒を五勺、小松菜と豚肉の常夜鍋、雑炊。夜は「エドガー賞全集 (上)」(B.プロンジーニ編/小鷹信光・他訳/ハヤカワ文庫)より「ラホーア兵営事件」など。

2015/11/27

割り箸

やれやれ今週も何とか終わった、と思いながら帰宅すると、青年実業家の N さんからお届け物が。中を開けると、某弁当屋が無料で弁当につけてくれる割り箸であった。

以前、N さんの贅沢を「象箸」の故事を引いてお諫めしたことがあるのだが、その御返しであろうか、昨年に私が社長就任したときの祝いには塗りの箸を贈っていただいた。そして今年は、割り箸である。なお一層、清貧の生活に励めよ、との主旨であろう。肝に銘じたい。


2015/11/26

朝の猫

猫は気楽でいいなあ……と電気座布団の上の猫を眺めつつ、出勤。外は冷たい雨が降り、電車は鰯の缶詰のようにぎっしり満員、あまりの混雑に大幅に遅れる。「君子ハ坦トシテ蕩蕩タリ、小人ハ長ク戚戚タリ」とは言うが、蕩蕩たるのは難しいものだ。

夕方退社して帰宅。鰤大根、大根の皮のポン酢漬け、たらこ、御飯、里芋と麩の味噌汁。白ワインを少し、パンとチーズ。

これからお風呂。さて、週末までもう一日だ。

2015/11/25

老猫と電気座布団

朝はそれほどでもなかったのだが、午後から急に気温が下がったようだ。帰りはかなり寒かった。帰宅して、老猫のため電気座布団にスイッチを入れてやる。私にもそろそろ暖房機を使う頃合いだろう。

風呂に入ってから夕食の支度。塩鮭に冷酒を五勺で、座布団に伸びている猫を眺めながらの一服。やれやれ今日も働きました。この猫が死んだら、慰めてくれるものもキャットフード代を稼ぐ必要もなくなるので、そのタイミングで隠居かなあ、と思っているのだが、そう言っていると意外と猫又になるまで生きてしまう可能性もあるので、源氏物語を原文で読み終えたら、あたりの心積もりにしておこうか。

のち、たらこ、焼き海苔、
大根の皮のポン酢漬け、里芋の味噌汁、御飯。

2015/11/24

週始めの火曜日

朝は小雨。やや温かい。往きの車中は谷崎源氏、「若菜 上」の帖。帰りの車中は「スクールボーイ閣下」(J.ル・カレ著/村上博基訳/ハヤカワ文庫)の下巻。

帰宅。湯船の読書は「意識と脳」(S.ドゥアンヌ著/高橋洋訳/紀伊國屋書店)。夕食の支度。「論語」(貝塚茂樹著/講談社現代新書)を読みながら、塩をしただけの鰤のあらを焼く。熱々のところを肴に冷酒を五勺。のち、しらす大根おろし、焼き海苔、御飯、里芋の味噌汁。

夜は趣味の短編小説研究など。

2015/11/23

大根づくし

月曜日が祝日って素晴しい。(自分自身の)日々の勤労に感謝して、一日のんびり自宅で過す。

朝食は休日用簡易版。ヨーグルト、パンとチーズ、林檎一つ、珈琲。朝風呂に入って、「春秋左氏伝 上」(小倉芳彦訳/岩波文庫)を読む。閔公元年。「エドガー賞全集 (上)」(B.プロンジーニ編/小鷹信光・他訳/ハヤカワ文庫)より「壜の中の謎の手記」(G.カーシュ)などを読んでいるうちに昼時。

昼食は目刺し、たらこ、人参に糠漬、納豆に刻み葱、長葱の味噌汁。食後にしばらく昼寝。午後も特にすることがないので、読書など。

夕食の支度。今日のメインは鰤大根。他にしらす大根おろし、千切り大根の味噌汁、と大根づくし。夜ものんびりと漢籍に親しんだり。

あ、そうだ、NHKラジオで久保田万太郎原作「釣堀にて」を聴かなきゃ。

2015/11/22

ステーキと珈琲

まだ暗いうちに目が覚めた。朝食は、ヨーグルト、カフェオレ、パンとチーズ、林檎を一つ。朝風呂に入って、湯船で下巻に入った「スクールボーイ閣下」(J.ル・カレ著/村上博基訳/ハヤカワ文庫)を読む。

昼食は納豆としらすのスパゲティ。しばらく昼寝をしてから、午後は家事のあれこれ。夕方、二度目の風呂。湯船で「春秋左氏伝 上」(小倉芳彦訳/岩波文庫)。

夕食はいただきものの牛肉でステーキ。他にブロッコリと茹で卵のサラダ、人参のグラッセ、パンとチーズと赤ワインを少し。夜は珈琲を飲まない習慣だが、脂っこいステーキのあとは強い珈琲が欲しくなるもので、カップ半分だけ淹れる。

夜も「スクールボーイ閣下」の続きや、「エドガー賞全集 (上)」(B.プロンジーニ編/小鷹信光・他訳/ハヤカワ文庫)より「夢見るなかれ」(P.マクドナルド)、「ブレッシントン計画」(スタンリイ・エリン)など。

もう一日、家で暮らせるって素晴しい。

2015/11/21

パンとチーズ


休日用の簡易式の朝食、ヨーグルト、カフェオレ、パンとチーズ、林檎一つを食べてから、身支度をして出動。

午前中は定例のデリバティブ研究部会自主ゼミ。A さんが最近の研究について話す。圏論を数理ファイナンスに応用する話。少し早く失礼して、別の会食へ。そのあと、三菱一号館でのプラド美術館展を観て、帰宅。

買って来たトルコ桔梗を生けてから、風呂。湯船の読書は「春秋左氏伝 (上)」(小倉芳彦訳/岩波文庫)。「宋の人は二人とも塩漬け肉にした」、なんてさらっと書いてあって怖い。夕食の支度。焼き餃子でビール。のち、蒸しブロッコリのサラダ、しらす丼、長葱と麩の味噌汁。

あと丸二日、家で休めるのは嬉しいなあ。

2015/11/20

すれ違い

今日も特に予定がなかったので、作業に集中。かなり進めることができた。

夕方退社して、神保町へ。E 社の N 社長と会食。店の一階で 30 分以上待っても来ないので、勘定を済ませて店を出たのだが、ひょっとしたらと思って店の二階を覗くと、先方は二階で私を待っていたのだった。かなり久しぶりに旧交を温めて、神保町でお別れする。良いお年を、と言っておられたので、これが今年最初の忘年会になるのだろう。

今、帰宅して、これからお風呂。

2015/11/19

早寝早起き

昨夜は 10 時には寝ていたので、朝も早くて 5 時起床。しばらく寝床で本など読み、6 時からは「古楽の楽しみ」。7 時起床。猫がなついてくるから、今日は少し寒いのだろう。いつもの納豆定食を作って食したあと、クロスワードパズルを傍らに珈琲で一服してから、身支度をして出勤。

今日は一日予定がなかったので、作業に集中できた。夕方退社。帰宅して風呂に入ってから夕食の支度。冷奴、だし巻き卵、焼き海苔、しらす丼、長葱の味噌汁。

夜は「エドガー賞全集 (上)」(B.プロンジーニ編/小鷹信光・他訳/ハヤカワ文庫)など。

2015/11/18

水曜日

変わらず生暖かい日が続いている。いつものように出勤。今週は予定が少ないせいだろうか、一週間が長く感じる。まだ水曜日なのが意外な感じ。

夕方退社。帰宅して、まず風呂。最近の夜の湯船の読書は「意識と脳」(S.ドゥアンヌ著/高橋洋訳/紀伊國屋書店)。夕食の支度。常夜鍋で冷酒を五勺。のち、長葱と卵で雑炊。

夜は「エドガー賞全集 (上)」(B.プロンジーニ編/小鷹信光・他訳/ハヤカワ文庫)など。

2015/11/17

吝嗇

今日は朝から妙に温かい。なかなかぴりっとした冬になってくれないものだ。往きの車中の谷崎源氏。四十歳くらいの光源氏が、異母兄である朱雀院にせがまれてその愛娘、まだ十三、四歳の女三宮と結婚することに。正妻的地位にある紫の上の心情や如何に、というあたり。

ここ二週間ばかり悩んでいた懸案事項をえいやと片付けて、すっきり。悩んだ末に、お金と手間のかからない方で、という感じ。人ヲ治メ天ニ事ウルハ嗇ニ若クハ莫シ。これで今週の残りは作業に集中できるかな。

夕方退社。帰りの車中は「スクールボーイ閣下 (上)」(J.ル・カレ著/村上博基訳/ハヤカワ文庫)。帰宅。明日着だと思っていた地ビールが今日届くらしいので、チーズで赤ワイン少々を飲みながらビール待ち。ようやく届いたビールで焼き餃子。うまい……明日も頑張ろう。

夜は「エドガー賞全集 (上)」(B.プロンジーニ編/小鷹信光・他訳/ハヤカワ文庫)などで、短篇小説研究。


2015/11/16

エドガー賞全集

また週の始まり。往きの車中の谷崎源氏は「若菜 上」に入った。今週は定例のミーティング以外には予定が入っていないので、作業を進めるチャンスなのだが、人間はそう賢くはできていないものだ。ゆるゆると作業したりしなかったり。

夕方退社。帰宅して風呂に入ってから夕食の支度。湯豆腐で冷酒を五勺。このために生きているようなものだなあ、と初老の独身サラリーマン的感慨。のち、しらすポン酢、御飯、豚汁。

夜の読書は、「エドガー賞全集 (上)」(B.プロンジーニ編/小鷹信光・他訳/ハヤカワ文庫)など。最近、短編小説にこっているので。

2015/11/15

著者ニック・カーターの謎

八時過ぎまで寝てしまった。朝食はヨーグルト、林檎、珈琲だけで簡単に。朝風呂の湯船で、「黄金の十二」(T.バーク他/黒沼健・他訳/ハヤカワ・ポケット・ミステリ 219)より「13号独房の問題」(J.フットレル)を読む。

何とはなしに「黄金の十二」の奥付を見て、著者名が「ニック・カーター」になっていることに驚く。アンソロジーなので正しい著者名に議論の余地はあるだろうが、ニック・カーターは架空の探偵の名前であり、この本の著者であるはずがない。誤植にしては面白すぎるし、何かポケミス豆知識的な言われがあるのだろうか。

昼食は小松菜と豚肉の常夜鍋でワインを少し。のち、饂飩(長葱と卵)。午後は小一時間ほど昼寝をして、「黄金の十二」から「犬のお告げ」(G.K.チェスタートン)、「スクールボーイ閣下 (上)」(J.ル・カレ著/村上博基訳/ハヤカワ文庫)などの他は、掃除洗濯などの家事。

夕食はしらす丼、白菜の浅漬、豚汁。食後にチーズとワインを少し。ほんの少しずつとは言え、昼も夜も飲んでしまった。でも日曜だから良しとしておこう。夜も読書など。

2015/11/14

雨の神保町

涼しい雨の日。昨夜あまりに早く寝たので、今朝も早起き。ヨーグルトとカフェオレだけの簡単な朝食。朝風呂に入って湯船で、「スクールボーイ閣下 (上)」(J.ル・カレ著/村上博基訳/ハヤカワ文庫)を長々と読む。

昼前に家を出て神保町へ。インドカレー屋で昼食をとってから、古書店を周り、そのあと数理ファイナンス系の研究会に顔を出す。昔の教え子たちは皆えらくなっているのだなあ、私も歳をとるわけだ、と感慨。

帰宅して、また風呂。湯船の読書は「春秋左氏伝 (上)」(小倉芳彦訳/岩波文庫)、桓公十六年。夕食の支度。豚肉とブロッコリの和え物、白菜の浅漬、御飯、豚汁。

2015/11/13

リメンブランス

往きの車中の谷崎源氏は「藤裏葉」の帖を終えた。

普段はぼんやりしているうちに過ぎる金曜日なのだが、今日は珍しくあれこれすることがあった。夕方退社。帰り道の花屋で薔薇(リメンブランス)を買って帰宅。変わった花も生けたいのだが、薔薇は日持ちがするし、やはり綺麗だし、種類も豊富だし、などと思って、つい薔薇にしてしまう。保守的で、無難なものが好きな私の性格のせいだろう。夕食はお土産の握り鮨で冷酒を五勺。のち、豚汁を作って食す。

夜は「意識と脳」(S.ドゥアンヌ著/高橋洋訳/紀伊國屋書店)、「スクールボーイ閣下」(J.ル・カレ著/村上博基訳/ハヤカワ文庫)など。

2015/11/12

帰路のラーメン

朝からばたばたと予定や今日中に対処すべきことが入ってきて、順番にこなしているうちに夕方になり、最後は渋谷へ往訪仕事。やれやれ、ようやく終わった。遅くなったので帰り道でラーメンの夕食。よれよれの背広の猫背でラーメンをすする初老のサラリーマンであるところの私に我ながらしみじみする。

帰宅して、今からお風呂。

2015/11/11

水曜日

珍しく、すっきり晴れ。今日は特に予定がなく、一日自由に使えたので、「意識と脳」(S.ドゥアンヌ著/高橋洋訳/紀伊國屋書店)を合間に挟みながら、あれこれ。

夕方退社。湯船の読書は「老子」(蜂屋邦夫訳注/岩波文庫)。夕食の支度。小松菜と豚肉の常夜鍋。あとは長葱と卵の雑炊。ワインを少々。

夜は「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」(J.ル・カレ著/菊池光訳/ハヤカワ文庫)の最後の部分。読了。やはり傑作であるなあ。

2015/11/10

コンシャスアクセス

朝から雨。良く眠れたが、まだまだ眠い。冬眠したい。いつもの納豆定食の朝食をとって、身支度をして出勤。

夕方退社。帰宅すると注文していた「意識と脳」(S.ドゥアンヌ著/高橋洋訳/紀伊國屋書店)が届いていたので、湯船で読み始める。夕食はブロッコリと玉葱のサラダ、豚肉生姜焼き、白菜の浅漬、御飯、玉葱の味噌汁。

夜は「意識と脳」や「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」(J.ル・カレ著/菊池光訳/ハヤカワ文庫)など。

2015/11/09

健忘症連盟

昨夜は何だか暖か過ぎて、なかなか寝つけず、眠りも浅かった。少し寝坊。慌てて朝食を作って食べ、身支度をして、いかにも睡眠不足という感じの寝癖のついた頭と曲がったネクタイで出動。

夕方からミーティングがあったので、いつもより遅い退社と帰宅。夕食の支度。豚肉と白菜のしゃぶしゃぶ鍋。大根を買い忘れていて、大根おろしを添えられないのが痛恨。

これから風呂に入って、夜の楽しみは、「黄金の十二」(T.バーク他/黒沼健・他訳/ハヤカワ・ポケット・ミステリ 219)より「健忘症連盟」(R.バー)の分析。歴史的名作とされる「健忘症連盟」だが、私はあまり出来の良い作品だと思っていない。アイデアは良いし、ポーやドイルのパロディ的な面白さも分かるが、もうひとつ無駄が多い印象だった。今、じっくり読んでみるとどうだろうか。

2015/11/08

日曜寝坊

雨のせいだろうか、十時間くらい寝てしまった。遅い朝食は軽く、ヨーグルトとカフェオレだけ。朝風呂に入って、湯船で「春秋左氏伝 (上)」(小倉芳彦訳/岩波文庫)を読む。

昼食は、蒸しブロッコリと魚肉ソーセージのサラダ、豚白もつと葱のアーリオオーリオ、白ワインを少し。午後は家事のあれこれと、「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」(J.ル・カレ著/菊池光訳/ハヤカワ文庫)など。

夕食は、油揚げの葱詰めの網焼き、葱入りのだし巻き玉子、鮭茶漬。夜は短編ミステリ研究など。

2015/11/07

土曜早起き

何だか早起きし過ぎて、寝台で「邦楽ジョッキー」や「ビバ!合唱」など聞いてしまう朝。

簡単な朝食をとって、朝風呂に入り、午前中は「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」(J.ル・カレ著/菊池光訳/ハヤカワ文庫)を読んだり。昼食は塩鮭、納豆、胡瓜の糠漬、油揚げと葱の味噌汁。食後に少し仮眠をとってから出動。

午後は、R 大学の数学物理系学科の元教員や卒業生の同窓会的な組織の関東支部にて、講演をする。そのあと、懇親会。もう十年以上会っていない元同僚の先生とお話ができたりして良かった。

今、帰宅してお風呂。湯船のおともは「春秋左氏伝 (上)」(小倉芳彦訳/岩波文庫)。

2015/11/06

旧訳新訳

往きの車中の谷崎源氏は「真木柱」から「梅枝」の帖に入った。

今週は色々といつもとペースが違ったので、週末らしい気がしない。とは言え、帰宅して風呂に入ってから、餃子を焼いてビールを用意しながら、さて、「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」(J.ル・カレ著/菊池光訳/ハヤカワ文庫)をじっくり読み始めるかな、などと思っていると、やはり週末である。

「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」はスマイリー・トリロジーの第一作で、菊池光による旧訳と、第二作と第三作を翻訳した村上博基による新訳版がある。この新訳版の評判が大変よろしくない。菊池光は人によって好き嫌いの激しい、かなりクセのある訳者だし、三部作で訳者が揃っている方がいいだろうしで、新訳に期待する声は高かったように思う。その反動だろうか、新訳が出てみたら、あとの二作と同じ訳者とは思えないほど酷い、という不評が主なようだ。そこまで酷いなら、かえって読んでみたい気もするのだが、私が持っているのは菊池光訳なので、とりあえずは旧訳を再読することにした。

2015/11/05

昼行灯

昨夜遅かったので、朝起きるのが辛かったが、何とか「古楽の楽しみ」をぼんやり聞いている寝床から抜け出す。いつもの納豆定食に替えて、今朝はあっさりヨーグルト、林檎、珈琲だけ。身支度をして出動。

いつものように昼行灯的に一日を過し、夕方退社。帰宅して風呂に入ってから夕食の支度。豚肉生姜焼きと蒸しブロッコリと茹で卵のサラダ、鮭茶漬。鮭茶漬はいいね。

夜の読書は「黄金の13/現代編」(E.クイーン編/宇野利泰・他訳/ハヤカワ文庫)より「物は証言できない」(A.デイヴィッドスン)、「一滴の血」(C.ウールリッチ)。

2015/11/04

打ち上げ

月曜日のような水曜日のような金曜日のような変な具合の一日。

夜はオフィスの近くの牛鍋屋にて、弊社の第二四半期を終えての会食。帰宅は今。これから風呂。

ふと思ったのだが、今頃こういう会食をすると、忘年会や新年会のタイミングが難しい。忘年会は飛ばして新年会、もしくは忘年会と新年会をはしょって、春に期末の打ち上げ兼創立記念パーティだろうか。

2015/11/03

吉例顔見世大歌舞伎

一日ゆっくり静養したかったのだが、どうやら今日の昼の部しか、今月の歌舞伎座で観劇するチャンスがないようなので、当日予約。夜の部は、海老蔵の子供が初お目見えだからだと思うのだが、既に全日程の席が完売している。

白ワインを水筒に詰めて、出動。三越で生春巻と握り鮨を買って、歌舞伎座へ。昼の部で「実盛物語」、「若き日の信長」、「曽我綉俠御所染」を観劇。実盛に染五郎、信長に海老蔵、五郎蔵と土右衛門に菊五郎と左團次など。

夕方帰宅。風呂に入ってから夕食の支度。豚肉の漬け焼き、白菜の炒めもの、御飯、油揚げと若布の味噌汁。夜の読書は「黄金の13/現代編」(E.クイーン編/宇野利泰・他訳/ハヤカワ文庫)より「二重像」(ロイ・ヴィカーズ)と「決断の時」(スタンリイ・エリン)、など。

2015/11/02

真木柱

往きの車中の谷崎源氏は「藤袴」から「真木柱」の帖に入った。

明日の火曜日が休みなので、今日が会議デー。夕方、今日の最後の会議を終えて退社。帰宅して風呂に入ってから夕食の支度。また、豚肉と小松菜の常夜鍋。白ワインを少し。のち、饂飩。油揚げと葱と卵。

夜は短編小説研究など。ああ、明日も休みって素晴しい。明日の昼御飯はカレーライスとビールにしようかな。

2015/11/01

日曜日

9 時間近く寝たのだが、まだまだ眠れそう。寝て暮らしたい。朝食はヨーグルト、林檎、珈琲のみ。朝風呂。昼までは洗濯などの家事と、読書。「黄金の13/現代編」(E.クイーン編/宇野利泰・他訳/ハヤカワ文庫)より、「追うものと追われるもの」(S.フレイジー)。

昼食の支度。ブロッコリと玉葱のサラダ、豚肉の生姜焼きで黒ビール。ビールのあてに潤目鰯。のち、お土産の秋刀魚御飯の最後の残り、じゃが芋と葱の味噌汁。午後も家事と読書など。「最後の国境線」(A.マクリーン著/矢野徹訳/ハヤカワ文庫)。

夕食の支度。ピエンロー。そのあとの雑炊(卵と刻み葱)。夜は短篇ミステリの研究など。古今東西の賢人が皆、口を揃えて言っていることではあるが、一人で過す余暇ほど素晴しいものはない。

2015/10/31

塩味と音程

昨夜が遅かったので辛い。しかし、行かねば。ヨーグルト、林檎一つ、珈琲だけの朝食のあと、風呂に入ってから、出動。定例のデリバティブ研究部会自主ゼミ。楠岡近似の基本論文の読解の続きなど。そのあと所用があったので、いつものランチは失礼して水道橋へ。

帰宅して、少し昼寝。夕方になって買い出しなど。また風呂に入ってから、夕食の支度。豚肉と小松菜の常夜鍋。のち、鍋の残りのだしを使った味噌汁と、昨夜のお土産の秋刀魚御飯。美味しいのだけれども、やはりお店の味は塩がきつい。店で食べている時は気付かないが、家で自分の料理と並べると明らかに塩分が多い。お店では、いかにも美味しい、というはっきりした味つけをしないと意味がないので、当然のことではあるのだが。演奏会でピッチを少し高くとるようなものだろうか。

夜の読書は「新書漢文体系34 淮南子」(楠山春樹著/本田千恵子編/明治書院)など。

2015/10/30

ボッケリーニ

ようやく週末にまた辿り着いた、と毎週金曜日の朝、「古楽の楽しみ」のリクエスト特集に思う。今朝は、ボッケリーニのチェロソナタが聞けて良かった。

比較的静かな一日をオフィスで、正確には、コモンルームで過し、夕方退社。西麻布にて会食。帰宅が随分遅くなってしまった。明日の朝の定例ゼミが辛そうだなあ……お風呂に入って早く寝よう。

2015/10/29

藤袴

往きの車中の谷崎源氏は「行幸」の帖から「藤袴」へ。今日も比較的時間があったので、来週末の講演の準備を一気に片付ける。来週は忙しそうだし、念のため早めに。

夕方退社。帰宅して風呂に入ってから夕食の支度。豚肉と小松菜と常夜鍋、白ワインを少しだけ。あとは雑炊。卵と刻み葱。

夜の読書は、「黄金の13/現代編」(E.クイーン編/宇野利泰・他訳/ハヤカワ文庫)、「老子」(金谷治訳・註/講談社学術文庫)など。

2015/10/28

中日

週の中日でぽっかり何の予定もない日、ドキュメントを書いたり整理したり、講演の準備をしたり、あれこれ雑用を集中的に片付ける。ついでに、"El Capitan" にアップデートした。

夕方退社。帰宅して、風呂に入ってから夕食の支度。ブロッコリと玉葱と魚肉ソーセージのサラダで、白ワインを少し。のち、塩鮭、胡瓜もみ(若布、胡麻)、卵かけ御飯、じゃが芋の味噌汁。食後に林檎を一つ。

夜の読書は、「黄金の13/現代編」(E.クイーン編/宇野利泰・他訳/ハヤカワ文庫)、「老子」(金谷治訳・註/講談社学術文庫)など。

2015/10/27

コンピティション

火曜日は会議デーで、ミーティングを複数こなし、オフィスの近くで担々麺の夕食をとってから、夜は親会社で開催された講演を聴く。"kaggle" を始め複数のデータ解析のコンピティションでの優勝経験を持つ方のお話。

競争の面白さは理解できたが、競争のための競争と言う感じで、個人的にはもう一つ魅力を感じなかった。おそらくこの種のコンテストやコンピティションというものは、人材や才能を探すのにはいいと思うが、理論的にも応用的にも良いモデルやソリューションを探すのには向いていないような気がするからだろうか。

2015/10/26

行幸

また月曜日。朝は涼しくて快適だ。往きの車中の谷崎源氏は「野分」から「行幸」の帖に移った。会社にマイナンバーが到着して、ああ、マイナンバーって法人にもあったのだな、と今頃気付く。何故か人間より一桁多い。夕方退社。帰りの読書は「侵入」(D.フランシス著/菊池光訳/ハヤカワ文庫)。

帰宅して、夕食の支度。じゃが芋と玉葱とブロッコリと魚肉ソーセージのサラダで、南仏の白ワインを少し。のち、豚肉の漬け焼き、胡瓜と若布と胡麻の酢の物、御飯、里芋と葱の味噌汁。

夜は短篇ミステリの研究など。

2015/10/25

日曜日

特に何もない日曜日。朝食はヨーグルト、林檎、珈琲だけ。洗濯などのあと朝風呂。「淮南子の思想」(金谷治著/講談社学術文庫)を読んだり、クロスワードパズルを解いたりしているうちに、昼時。

ポテトサラダ、鶏肉の漬け焼きに山椒、冷凍庫の隅っこに残っていたしめじと牛脂身のアーリオオーリオ。小一時間昼寝をして、午後も家事と読書など。

また風呂に入ってから、夕食の支度。塩鮭、胡瓜と若布と胡麻の酢の物、御飯、里芋と葱の味噌汁。夜は「黄金の13/現代編」(E.クイーン編/宇野利泰・他訳/ハヤカワ文庫)など。

2015/10/24

屠竜の技

ああ良く寝た。朝食はヨーグルトと珈琲のみ。朝風呂の湯船で「荘子」(金谷治訳/岩波文庫)を読む。雑篇の終わりのあたり。朱泙漫という人が竜の屠り方を学ぶため、財産を注ぎ尽し、三年かかってその技を習得したのだったが、使い道はなかった。うーむ、大学院の博士課程で数学を学ぶことの比喩だろうか……と思ったりして(笑)。

この短い一節を指して「屠竜の技」の故事と言い、高価な犠牲を払って身につけても実際役に立たない技芸のことを指すことが多いようだが、「荘子」の精神から言えば、もっと深い哲学的な意味を内包しているような気がする。

ちょっと検索してみると、消防庁のハイパーレスキュー隊がこの言葉(「屠龍技」)を心得としているそうで、災害を竜に喩え、実際に現れなくても敵に備えるため研鑽を積む、というように解釈しているようだ。昔々、中国のある村に時に竜が現れて村民を苦しめていたのだが、ある青年が竜を殺す技の修行を始め、一生をその精進に捧げた。しかし、竜が村に現れることは二度となかった、というような話が添えられている情報もあった。実は、その青年を恐れて竜が来なくなったのだよ、という隠しオチなのだろう。

しかしながら、「荘子」雑篇にあるのは、屠竜の術を学ぶために家財を尽して三年かかって技を身につけたが使うことはなかった、という単純で短い文章だけであり、その解釈も書かれていない。

2015/10/23

津山ビール

ようやく週末に辿り着いた。今週はどうも体調が良くなかったのだが、何とか無事に金曜日。

夕方退社。帰宅して風呂に入ってから、夕食の支度。津山の地ビールで、ほっと一息。本格的で美味しい。しかし、津山といえば横溝正史的なことしか思い浮かばないのだが、どうして津山でビールなのだろう、謎だ。

さて、週末はゆっくり休んで体調を取り戻そう。

2015/10/22

包種茶

昨夜は会食で食べ過ぎ飲み過ぎ、睡眠は不足気味で、今日は非常に不調。往きの車中の谷崎源氏は「篝火」から「野分」に入った。昨日、お土産にもらった包種茶で一服してから、今日の業務開始。

夕方退社。帰宅して、注文していた荷物待ち。夕食は豚肉の漬け焼き、長芋短冊、焼き海苔、御飯、油揚げと若布の味噌汁。

夜の読書は、「黄金の13/現代編」(E.クイーン編/宇野利泰・他訳/ハヤカワ文庫)、「荘子」(金谷治訳/岩波文庫)など。

2015/10/21

東京タワーと豆腐

相変わらず涼しいような、まだ暑いような気候。

夜は東京タワーのほぼ真下と言っていいほどの好立地にある豆腐屋にて会食。これは外国から来たお客様にはエキゾチックでいいかもなあ。何かの機会のために覚えておこう。

そして今、帰宅。最後の会食を除いては、ほとんど予定のない作業日だったのだが、なんだか色々あって気疲れした一日だったような。

2015/10/20

1on1

朝夕は涼しいのだが、昼休憩に近所の学生食堂に行くと、まだ昼間は夏の日差しであることを知る。火曜日は主にミーティングの日。通常は連続している定例のミーティング二つの隙間が空いたことを利用して、その間に言わゆる "one on one"、つまり一対一面談を二つ入れる。

以前に弊社でパートタイムで働いてくれていた方が、某超有名エリートIT大企業 G 社で学んだことは「one on one 重要」だと、しきりに主張していた。だからと言うわけでもないのだが、春から二回目の面談を実施。全社員が数名しかいないし、毎日顔をあわせているので、わざわざ面談をする必要があるのか、と思わないでもない。また、私の理想の社長像である「いるのかいないのか分からない社長」にも反する。しかし、実際に "one on one" をやってみると、意外にも色々と教えてもらえることがある。四半期に一度か、あるいはもっと、実施してもいいのかも知れない。

夕方退社。帰宅して風呂に入ってから、夕食の支度。ポテトサラダ、鶏肉の漬け焼きに粉山椒、卵かけ御飯、焼き海苔、油揚げと葱の味噌汁。茶。

夜は短篇小説の研究の他、読書。「黄金の13/現代編」(E.クイーン編/宇野利泰・他訳/ハヤカワ文庫)、「荘子」(金谷治訳/岩波文庫)など。

2015/10/19

大根おろし

週明け。今日は特に予定もなく、比較的のどかに書き物などをして過せた。夕方退社。帰りの車中の読書は「侵入」(D.フランシス著/菊池光訳/ハヤカワ文庫)。今回は素直に主人公が騎手、しかも障害競争の騎手だ。

帰宅して風呂に入ってから、夕食の支度。豚と白菜の水炊きで冷酒を五勺、のち、しらす大根おろしに二杯酢、御飯、しめじと葱の味噌汁。大根おろし、うまい。どんな食べ方も美味しいが、シンプルにしらすと二杯酢が個人的にはベストだなあ。

夜の読書は「黄金の13/現代編」(E.クイーン編/宇野利泰・他訳/ハヤカワ文庫)など。

2015/10/18

世界一統

日曜日。いつも通り、一週間分の家事あれこれ。今日も鍋料理で、水炊き鍋。自家製のポン酢にて。冷酒を五勺。鍋のあとは饂飩。

夜は読書。「黄金の13/現代編」(E.クイーン編/宇野利泰・他訳/ハヤカワ文庫)、「南方熊楠」(唐澤太輔著/中公新書)など。南方熊楠は大きな酒造の息子だったので、あの時代に超長期留学も可能だったのだが、その南方酒造はいまも和歌山にある。ただ、社名は主力製品の名前にあわせて「世界一統」に変わっている。酒の「世界一統」は和歌山では一番有名なくらいのメジャー銘柄だが、県外では見かけたことがない。外に出すほどの酒ではないということもあるだろうし、それほど商売熱心でもないのだろう。

2015/10/17

大長編と短篇

特に何の用事もない土曜日。カフェオレだけの朝食。朝風呂に入って、"S/Z" (R.Barthes 著/ R.Howard 訳/ Hill and Wang)を読み始める。昼食は豚白モツのトマトソースのスパゲティと赤ワインを一杯だけ。

午後も読書など。通勤帰りの車中で読んでいる「幻の森」(R.ヒル著/松下祥子訳/ハヤカワ・ミステリ 1667)があとほんの少しになっていたので、読み終える。一ヶ月以上かかってしまった。R.ヒルは長くなる一方なので困ったものだ。最近の私は短篇小説の方に興味を持っているので、通勤車中は大長編でバランスがとれて良いのかも知れない。

他に「黄金の十二」(T.バーク他/黒沼健・他訳/ハヤカワ・ポケット・ミステリ 219)より、「黄色いなめくじ」(H.C.ベイリイ)、「ほんものの陣羽織」(E.C.ベントリイ)、「疑惑」(D.L.セイヤーズ)。

今日はちょっと肌寒いので夕食は鍋にしてみるかな、と思い、今期初のピェンロー。鍋のあとは雑炊。卵と刻み葱。

2015/10/16

コーヒーブレイク

往きの車中の読書、谷崎源氏は「蛍」の帖を終えて「常夏」に入った。昼は往訪仕事、午後は原稿書きなど雑用あれこれ。今週も色々ありましたが、何とか週末に辿り着きました。

夕方早めに退社して、家の近所で一つ用事を片付け、花屋で「コーヒーブレイク」という名前の薔薇を買う。秋薔薇の季節だそうで、色々な種類の薔薇が色とりどりに並んでいて目移りし、しばらく悩んでしまった。最後に「エーデルワイス」と迷った末に、「コーヒーブレイク」で。

帰宅して、風呂に入ってから夕食。「コーヒーブレイク」を愛でながらビール。夜の読書は、「黄金の十二」(T.バーク他/黒沼健・他訳/ハヤカワ・ポケット・ミステリ 219)、「荘子」(金谷治訳/岩波文庫)など。

2015/10/15

自然公園

今日も良い天気。昼食のあと久しぶりに自然公園を散歩した。ナチュラリストではないので、どの木も草も花も虫も魚も私にとってはほとんど無名の存在なのだが、先方にとっては私も無名なので相応だろう。秋とは言え、まだ日差しも厳しく、散歩には早かったかなあ、と後悔。

夕方退社。帰宅して、風呂に入ってから夕食の支度。長芋の短冊切りに鰹節とポン酢、塩鮭、しらす丼、小茄子の味噌汁。林檎。茶。

夜の読書は、「黄金の十二」(T.バーク他/黒沼健・他訳/ハヤカワ・ポケット・ミステリ 219)、「荘子」(金谷治訳/岩波文庫)など。

2015/10/14

胡蝶から蛍へ

往きの車中の読書は谷崎源氏。「胡蝶」の帖を終えて、中公文庫版巻二を読了。源氏は夕顔の忘れ形見の玉鬘を引き取って、あれこれと父親ぶるのだが、やはりそこはそれ光源氏なので、玉鬘に手を出し始めるまでは時間の問題だった。明日からは巻三、「蛍」の帖に入る。

今日も昼行灯らしく日中を過し、夕方退社。帰りの車中では、「幻の森」(R.ヒル著/松下祥子訳/ハヤカワ・ミステリ 1667)。時系列順に読んでいるのだが、ヒルはどんどん話が長く、大作になっていく。このあたりからはあまりに重厚で、ミステリとしては破格になってしまっている気がする。

2015/10/13

サラジーヌ

三連休のあとの火曜日は辛い。朝から妙に疲れている気がするのだが、これがいわゆる更年期障害だろうか、半世紀近くも生きていればしようがない。

帰宅が少し遅くなったので、風呂は後にして、夕食の支度。冷奴(生姜、鰹節)と塩鮭で冷酒を五勺。のち、長芋のとろろ御飯、落とし卵と細葱の味噌汁。林檎。お茶。

風呂に入って、湯船で「サラジーヌ 他三篇」(バルザック著/芳川泰久訳/岩波文庫)より「サラジーヌ」を読む。

2015/10/12

短編

月曜日祝日のおかげで三連休。昨日に続き、自宅で静かに読書と家事で過す。

「奪回」(D.フランシス著/菊池光訳/ハヤカワ文庫)、読了。「ロラン・バルト」(石川美子著/中公新書)、読了。バルザックの短編「サラジーヌ」のバルトによる分析に触発されたわけでもないのだが、夜は「黄金の十二」(T.バーク他/黒沼健・他訳/ハヤカワ・ポケット・ミステリ 219)、「黄金の13/現代編」(E.クイーン編/宇野利泰・他訳/ハヤカワ文庫)を題材に、短編ミステリの研究など。

2015/10/11

雨の日曜日

家事と読書で静かに一日を過す。まだ残っていた酢橘が黄色くなってしまったので慌ててポン酢に仕込んだり、マリナーラソースを作ったり。午後には雨があがって夕方には晴れ間も見えた。

「奪回」(D.フランシス著/菊池光訳/ハヤカワ文庫)。今回の主人公は誘拐対策会社の派遣コンサルタント。色々と考えてくるなあ。誘拐身代金の要求がポピュラーなビジネス分野になっている国もあるので、ヨーロッパなら誘拐対策専門の会社があっても不思議はないし、実際に少なからず存在するようだ。

相変わらず馬が出てくるのだが、今回は誘拐の被害者二人が騎手と馬主の息子。そうまでして馬を出す必要はないと思うのだが、やはり著者が心底から知り抜いていることを書き込めることは、他の方法ではできない深みを物語に与えるのだろう。

2015/10/10

阿古屋

午前中は定例のデリバティブ研究部会自主ゼミ。参加メンバでランチのあと、神保町へ移動。古本屋を周って、珈琲屋で一服。夕方からは歌舞伎座にて「壇浦兜軍記」の「阿古屋」の幕と、「梅雨小袖昔八丈」つまり「髪結新三」を観劇。

玉三郎が阿古屋を演じるのを観るのは初めてだったのだが、なかなか凄かった。玉三郎なら琴と三味線くらいはできても驚かないが、胡弓の演奏の手さばき指さばきが只者ではない感じ。しかしあまりにリアルに上手過ぎて、逆に芝居としてはどうなのだろう、と心配になるくらいだった。髪結新三は松緑と左團次が役柄にぴったりで予想通りの安定感。

2015/10/09

週末

今週もようやく週末に辿り着いた。今週もいろいろなことがありましたが、まあいいじゃない、と思いつつ、蒸し鶏と胡瓜の和え物でビール。うまい。のち、お土産の握り鮨。これから三連休だと思うと、なおビールがうまい。

夜は、「ロラン・バルト」(石川美子著/中公新書)や、「日影丈吉傑作館」(日影丈吉著/河出文庫)より「かむなぎうた」など。

2015/10/08

本の注文

今のオフィスの困ったところは、近所に本屋がないことだ。おかげで、普通の新刊書店で手に入るような普通の本でも注文で買うことが多くなる。

帰宅すると、「日影丈吉傑作館」(日影丈吉著/河出文庫)、「ロラン・バルト」(石川美子著/中公新書)などが届いていた。週末にゆっくり読もう。

2015/10/07

末摘花

往きの車中の読書は「潤一郎訳 源氏物語」(中公文庫)、「初音」の帖。光源氏は六条院の御殿に関わりのあった女性たちを集め、この人は西南の町に、この人は東北に、この人は西北に、などと住まわせて、ハーレム状態で暮らし始めた。

なんだかんだ言って、鼻の紅くて不細工なのをからかいながら、御殿にまで住ませて末摘花の世話をみている光源氏は優しいのか、優しくないのか。とは言え、末摘花がいなかったら、源氏物語がずいぶん締まりのないものになりそうなのは確かだ。


2015/10/06

プロジェクト

今日は秋らしく涼しい。氷河期が来てくれないものかな、と思っているくらいの私としては、もっと気温が下がってほしいが。帰宅して、風呂に入ってから、湯豆腐。冷酒を五勺。のち、出来合いの鰻かば焼きでひつまぶしと、長芋の味噌汁。煎茶と和三盆糖豆。

夜は自分のプロジェクトを色々。

2015/10/05

紫式部とラブレー

また月曜日だ。「潤一郎訳 源氏物語」(中公文庫)を読みながら出勤。現在は第二巻の「玉鬘」の帖を読んでいるのだが、ふと計算してみると、この調子で全五巻、あと三巻と少しを読み終えるには十ヶ月ほど、つまり来年の夏までかかりそうなのだ。

「源氏物語」を読み終えたあとは、ラブレーの「ガルガンチュアとパンタグリュエル」を同じようにして読もうと思っているのだが、やはり全五巻くらいあるので、そのあと一年半程度かかることになる。私が隠居するのが先か、源氏物語そしてラブレーを読み終えるのが先か、楽しみだ。

2015/10/04

ワインとイギリス人

今日も特に予定のない一日。家事と読書とクロスワードパズルの類。

朝食はヨーグルト、林檎一つ、珈琲。昼食は玉葱とハムのオムレツ、パンを少し、赤ワインを少し。夕食は、鯛の昆布締めに塩と酢橘で冷酒を五勺、冷奴、蒸し鶏、鶏スープかけ御飯。

「証拠」(D.フランシス著/菊池光訳/ハヤカワ文庫)、読了。今回の主人公はワイン酒屋の主人で、利き酒の名手。私はワイン通ではないので、ワインの銘柄や産地に寄せた微妙な意味合いがとれないところが多々あったかも知れないが、なかなか面白かった。ディック・フランシスの中期以降には、何らかの喪失感を持った主人公が冒険に巻き込まれた結果として本来の自分を取り戻す、というテーマがいくつかあって、多くは初期の傑作と比較して今一つの出来なのだが、「証拠」は成功作のような。

ところで、イギリス人のワインに対する思いは一種独特な面があるように思う。あまり知られていない作品だが、私のお気に入りの「ワインは死の香り」(R.コンドン著/後藤安彦訳/ハヤカワ文庫)でも、そういう印象を持った。それはさておき、「証拠」にも「ワインは死の香り」にも戦争ゲームが出てくる。かなりマニアックな趣味なので、偶然ではないかも知れない。つまり、ディック・フランシスがコンドンの作品にインスパイアされて「証拠」を書いた可能性もあるのではないだろうか。

2015/10/03

東郭先生、命を説く

特に何の予定もない週末。「証拠」(D.フランシス著/菊池光訳/ハヤカワ文庫)、「新釈漢文大系 第22巻 列子」(小林信明訳/明治書院)など。「列子」の「力命」第二章。こんな話が書かれていた。

北宮子が西門子に言うには、君と私とは氏素性も歳も容貌も言うこともすることも皆同じようなのに、君は高い身分と財産を得て皆から尊敬されていて何をしてもうまく行き、一方私は貧乏で身分もなく誰からも認めてもらえず何をしてもうまく行かない。それだからだろう、君は私を軽んじて侮り続けているね。人として自分の方がずっと上だと思っているのだろうか。西門子が答えるには、実際どうかは分からないけど、結果がこうなっていることからして、君と私が違うということを示しているんじゃないかね。それなのに君は、私を君と同じだと言う。ちょっとずうずうしくないかい。

北宮子はこれに答えることができず、がっくりとして帰る途中、東郭先生に会った。先生が、そんなに恥じ入った様子をしてどうした、と訊くので、北宮子は事情を話した。すると先生は、私が言い返してやろうと言って、二人は一緒に西門子のところに行き、再び同じ話を聞いた。先生が西門子に言うには、君は才徳の差を言っているだけだね、しかし私思うに、北宮子は徳は厚いのだが、命が薄い。君は命に厚くて、徳に薄い。君が恵まれているのは智の徳のせいではないし、北宮子が困窮しているのは愚かだからでもない。これは皆、天であって、人ではない。なのに、君は命の厚さを自ら誇り、北宮子は徳の厚さを自ら恥じている。もとからそうであるという理がどちらも分かっていないよ(「皆夫ノ固ヨリ然ルノ理ヲ識ラザルナリ」)。

これを聞いた北宮子は、もうやめて下さい先生、と言って、家に帰った。そのあとも北宮子の境遇は困窮したまま全く変わらなかったが、一生安らかに過し、栄辱が人にあろうが自分にあろうが気にしなかった。それを聞いた東郭先生は、彼は長く寝ていたが一言で目が覚めた、簡単なもんだね、と言った。

2015/10/02

週末

夏休みのあと、もう一つ調子の出ない週だったが、何とか金曜日の夜に辿り着いた。やはり世間に出るのは疲れるものだ。土日は「列子」でも読みながら、のんびり隠棲しよう。

親会社の全体ミーティングのあと、すぐ退社して帰宅。風呂に入ってから夕食の支度。油揚げの葱詰めの網焼き、鮭に玉葱のピクルスで冷酒を五勺。しらす丼と、落とし玉子の澄まし汁。

2015/10/01

列子

往きの車中の「潤一郎訳 源氏物語」(中公文庫)は「玉鬘」の帖に入った。休みボケから少しずつ回復。帰りの車中の読書は「幻の森」(R.ヒル著/松下祥子訳/ハヤカワ・ミステリ 1667)である。

帰宅したら、注文していた「新釈漢文大系 第22巻 列子」(小林信明訳/明治書院)が届いていた。岩波文庫版が品切れで相当の高値がついているし、どうしたものかと思っていたら、「新釈漢文大系」版の古本が千二百円くらいで市場に出ているのを発見したので購入。気軽に鞄に入れられるサイズでないのは残念だが、いい買い物をしたなあ、と思いつつ、夕食後の御茶請けに読む。

2015/09/30

殿うつり

往きの車中の読書は相変わらず「潤一郎訳 源氏物語」(中公文庫)。「乙女」の帖。光源氏は六条に贅を凝らした広大な邸宅を建て、関わりのある女性たちをここに集めて暮らし始める。どうやらこれが平安朝の貴族男子の理想の生活らしい。厄介なだけのような気がするのだが。

長く休んだあとに昨日、急に激しく働いたせいか、体調はもう一つ。運良く今日は特に予定がなかったので、普段よりもゆっくりしたペースで仕事をする。

夕方退社して帰宅。風呂に入ってから夕食の支度。油揚げの葱詰めの網焼き、しらす大根おろしで冷酒を五勺。のち、塩鮭、御飯、里芋の味噌汁。

夜はラテン語の勉強と、「荘子」(金谷治訳/岩波文庫)など。

2015/09/29

出勤

12日ぶりに出勤。昼間はミーティングの連続、夜は親会社の新人さんたちの企画のイベントで講演、帰宅は今。キックスタートは老体にこたえる。

明日はちょっとゆっくりめに仕事をしよう…

2015/09/28

休暇第十一日(最終日)

「夏休み」の最終日の正午少し前、神保町の「ランチョン」で、世間が忙しく動いている昼間に飲むビールはうまいなあ、と思っていると、新聞だけを片手に持った老人が階段をゆっくり上がって来た。

私の近くのテーブルについたその老人が日本酒を注文したことに驚いたのだが、確かにこの店にも日本酒があるらしく、瓶詰めの「大関」一合とガラスの猪口が運ばれてきた。老人はチリビーンズだけを肴に、安酒をちびちびと飲みながら、小一時間かけて読売新聞を隅から隅まで読み、満ち足りた顔で帰って行ったことであった。おそらく毎日がこの調子なのであろう。

これは私の如き凡庸な人間にはとても及び至らない境地である、さては巷の賢人もしくは真人、至人の類であろう、と感心し、人はかくありたいものだ、とも思ったのだったが、明日からはまた労働を日銭に替える私の毎日なのである。

2015/09/17

課題図書

雨。気温も低く、秋らしい雨の一日。しかし私は明日から「夏休み」なのだ。セキュリティ分野の方が商談にやってきてマニアックな話をひとしきりしていった他は、細々した問題をあれこれ片付けて休暇の準備をする。夕方退社。

以下は休暇中の課題図書。


2015/09/16

エラータ

曇り空。昨日よりもさらに気温は低いが、やはり上着を着るほどではない。どうも世の中が乱れているようで、税務署は知らない会社の納付書を送ってくるし、某政党本部は何故か私に党代表の精緻な活動スケジュールをメイルで報せてくるし、一体どうなっているのか。

夕方のミーティングを終えて退社。雨がぽつりぽつり微かに降っている。帰宅して、冷奴(生姜、鰹節)、焼き餃子、イクラ丼と落とし玉子の澄まし汁。

2015/09/15

深層学習

まだ暑いが乾いた空気はやはり秋の気配か。今日も真面目に働き、夕方少し早く終わった会議の後の隙間時間を利用して生協食堂で夕食をとり、夜は親会社の企画で、人工知能と言えば最近はこの人、M 先生の深層学習についての講演を聞く。特に知らない話はなかったが、講演後の質疑応答は面白かった。

帰宅して今、湯船に湯を張っているところ。

2015/09/14

月曜日

さて、また一週間が始まった。ようやく少しは涼しくなってきたが、シャツ一枚の上に何か上着を着るには暑過ぎる。

夕方退社。帰宅して、また今夜も秋刀魚を焼く。あはれ/秋かぜよ/情あらば傳へてよ/—男ありて/夕餉に ひとり/さんまを食ひて/思ひに耽る、と。なんだかんだと言って、やはり佐藤春夫は心の詩人であるなあ……。それはさておき、たっぷりの大根おろしと酢橘。他に冷奴(茗荷、鰹節)、梅干し、御飯、油揚げと若布の味噌汁。

読書は、「幻の森」(R.ヒル著/松下祥子訳/ハヤカワ・ミステリ 1667)、「エラスムス=トマス・モア往復書簡」(沓掛良彦・高田康成訳/岩波文庫)など。

2015/09/13

酢橘

知り合いの方が今年もご実家から酢橘を送って下さった。ありがたし。これで冬の鍋用のポン酢を秋に仕込むのが恒例。もちろん、秋刀魚によし、豆腐によし、酢橘は大変にけっこうなものである。

夕食は、秋刀魚の塩焼に大根おろしと酢橘、玉子かけ御飯、大和芋のとろろ汁。

秋刀魚は素晴しく美味しいし、酢橘は大量にストックされたし、筋子からイクラの醤油漬けを作ったり、「幻の森」(R.ヒル著/松下祥子訳/ハヤカワ・ミステリ 1667)をゆっくり読んだりの、静かな一日だった。

2015/09/12

HFT

午前中は定例のデリバティブ研究部会自主ゼミ。S さんによる Gaussian K-scheme 論文読解の第一回。今回は H さんが香港から一時帰国のついでに顔を出してくれたり、懐しい方が中国からネットで参加してくれたりと、充実したゼミだった。ゼミ後のランチは鉄板焼屋の壺焼きカレー。この激辛カレーは金融業界の一部のセクションに中毒者が多いという噂である。

午後は桜上水に移動して、自主ゼミ仲間の A 先生の講演を聞く。3時間もお一人で話されるマラソン講演会。高頻度取引について。やはり 2000 年からの十年間、ニューヨークの HFT 業界で戦った経験者の言葉には重みがあり、色々と勉強になった。個人的には、機械学習や「人工知能」の文脈での最近の動向が知りたかったのだが、それはまた別の機会に私的に訊いておこう。

帰宅してお土産のお寿司と冷酒を五勺。

2015/09/11

平安時代の大学

往きの車中で「潤一郎訳 源氏物語」(中公文庫)より「乙女」の帖を読んでいて、蛍雪の故事はこの時代から既に日本に伝わっていたのだなあ、と感心していると、さらに、この頃は上中下の階級の人々がわれもわれもと学問をしようと大学に集まってくるので、才人や賢人が多く、博士や学者どもは優遇されていて、総じて何の道につけても才能のあるものが世に認められる時代です、なんて書いてあって、「マジか平安時代!」と思う。

夕方退社。途中下車して神保町で焼き餃子のお土産を買い、帰宅。お風呂に入ってから、ギネスと焼き餃子二人前で餃子祭。いやあ今週もとりあえずは無事に週末に辿り着けて良かった良かった。これくらいの贅沢をしても罰は当たるまい。

2015/09/10

乙女

今日も雨。東京の雨はそれほどでもなかったが、近県では特別警報も出て大変なことになっていたようだ。往きの車中の「潤一郎訳 源氏物語」(中公文庫)は「槿」の帖を終えて「乙女」に入った。

喉のいがらっぽさが抜け切らないまま週末を迎えそうだ。体調が特に悪いわけではないが、良くもない、という中途半端な感じ。やや控え目に仕事をして、夕方退社。

帰宅して風呂に入ってから夕食の支度。ブロッコリと茹で玉子のサラダ、鶏肉の甘辛煮、御飯、若布と麩の味噌汁。林檎を一つ。

「反射」(D.フランシス著/菊池光訳/ハヤカワ・ミステリ文庫)、読了。シリーズ中の凡作かも知れないが、それなりに面白かった。主人公がアマチュア写真家で、プロットとからんで相当に専門的な知識が書き込まれていることや、全き高潔な人格ではないところなど、ちょっと他の作品とは違う雰囲気を持っている。

2015/09/09

大雨警報

ずっと雨が続いている。午後いつものようにコモンルームで仕事をしていたら、あちこちから大きな警告音らしきものが鳴り出し、何事かと思ったら、港区に大雨警報が出たため携帯電話にその情報が一斉通知されたらしい。きっとオフィスはもっと賑やかだっただろう。

夕方、雨が少しおさまったところを狙って退社。うまい具合に激しい雨には出会わずに帰宅できた。夕食の支度。油揚げを網で焼いて山葵と醤油でビール。蒸しブロッコリと茹で玉子のサラダ。大和芋のとろろかけ御飯、胡瓜の三杯酢漬け、若布と麩の味噌汁。

夜はラテン語の勉強、風呂、「痴愚神礼讃」(エラスムス著/沓掛良彦訳/中公文庫)をこの順序で。

2015/09/08

火曜日

一日、雨。雨で涼しいようだが、やはり少し蒸し暑い。風邪はかなり良くなった。明日には完治しそう。

夕方、退社して雨の中を帰宅。今日は少し遅くなったので、風呂より先に夕食の支度。焼き油揚げと三つ葉のポン酢和えで冷酒を五勺。ポテトサラダ、えぼ鯛のひらき、御飯、じゃが芋の味噌汁。林檎を一つ。

夜は風呂と、ラテン語の勉強と、「痴愚神礼讃」(エラスムス著/沓掛良彦訳/中公文庫)。

2015/09/07

槿(あさがお)

通勤の往きの車中での「潤一郎訳 源氏物語」(中公文庫)。「薄雲」の帖を終えて「槿」に入った。「薄雲」は、自分が光源氏の隠し子であり不倫の子であったことを帝自身が知るという衝撃展開だったのだが、「槿」の帖ではまた光源氏が性懲りもなく昔の恋心を再燃させて槿の姫君に猛烈に言い寄っている。

それはさておき、昔は天皇の系図についてもおおらかだったのだなあ、と。なにせ、唐土(中国)ではこういうこともたいそう多いことが公然の秘密だし、日本では文献の中には見つけられないが、あったとしてもそういうことは伝えられないもんね、なんてことがさらっと書かれているのだ。

まだ喉のあたりに風邪が残っているが大分と良くなって、食事も美味しくなってきた。夕食は、三つ葉と網で焼いた油揚げのポン酢和え、ポテトサラダ、親子丼。林檎を一つ。

2015/09/06

安静日2

今日も主に寝室で安静に過す。まだ喉が少しいがらっぽいものの、夜にはかなり良くなったような気がする。

「反射」(D.フランシス著/菊池光訳/ハヤカワ・ミステリ文庫)、「痴愚神礼讃」(エラスムス著/沓掛良彦訳/中公文庫)、「古代懐疑主義入門」(J.アナス&J.バーンズ/金山弥平訳/岩波文庫)など。

2015/09/05

安静日

今週はかなり調子が悪かったのだが、どうやら風邪らしい、と判断して、今日明日は安静に過すことにする。家事もできるだけサボり、寝室で読書などして過す。

「反射」(D.フランシス著/菊池光訳/ハヤカワ・ミステリ文庫)、「痴愚神礼讃」(エラスムス著/沓掛良彦訳/中公文庫)、「古代懐疑主義入門」(J.アナス&J.バーンズ/金山弥平訳/岩波文庫)など。

2015/09/04

秋味

ようやく週末。今週はかなり危なかったが、何とか週末まで持ち堪えることができた。

夕方から親会社の全体会議のあと、特別企画として弊社の前社長の講演。これで今週の全予定終了。退社して、帰り道のスーパーに立ち寄って食材を買い、花屋でトルコ桔梗数本を求めて、帰宅。

そしていま、やれやれ今週も大過なく週末に辿り着いたことを一人で言祝ぎ、お土産の焼き餃子でビール(秋味)を飲んでいるところ。この土日はしっかり休んで体力を取り戻そう。

2015/09/03

木曜日

今週はかなり体調がよろしくないのだが、とにかく、あと一日になった。既に初老なので、体調が気候や気圧の変化に大きく影響を受けるのは、もうそういうものなのだと諦めてはいる。

夕方退社して帰宅。風呂に入ってから夕食の支度。近所の肉屋のチキンカツとポテトサラダ、自家製の玉葱ピクルスでギネスを一杯。のち、鯛まぶし御飯と大和芋のとろろ汁。残った鯛を昆布締めにしておく。

夜は「痴愚神礼讃」(エラスムス著/沓掛良彦訳/中公文庫)を読んだり。風邪のような風邪でないような。何にせよ良い調子ではない。

2015/09/02

夏の名残

やはり蒸し暑い夏が帰ってきた……蝉まで鳴いている。夏と秋の間の憂鬱な気候だが、今日は特に予定がなかったので機嫌良く働く。とは言え、後回しにしていた雑用をあれこれの一日なのだった。

夕方退社。帰宅して風呂に入ってから夕食の支度。鯛の刺身、油揚げの葱詰めの網焼きで冷酒を五勺。のち、鮭茶漬。

夜はラテン語の勉強と「痴愚神礼讃」(エラスムス著/沓掛良彦訳/中公文庫)。

2015/09/01

「反射」

いくら寝ても寝たりないような、いつも寝不足のような、今週は体調がもう一つ。多分、夏の疲れなのだろうなあ。

低空飛行気味ではあるが、今日することを何とか片付け、夕方退社。駅を出たところで豪雨につかまり、軒下で雨宿り。「反射」(D.フランシス著/菊池光訳/ハヤカワ・ミステリ文庫)を読む。ディック・フランシスの作品の主人公の中では、この「反射」のフィリップ・ノアが一番近いかなあ、この大変に消極的で、自分で重大な決断をしたことがない、なんて言うところとか。などと思いながら二十分ほど。

帰宅して、夕食の支度。たらこを芯にしただし巻き玉子。鮭茶漬。食後はラテン語の勉強などして、これからお風呂。夜は「痴愚神礼讃」(エラスムス著/沓掛良彦訳/中公文庫)でも読むかな。

2015/08/31

薄雲

月曜日。今日も一日がんばろう……往きの車内では「潤一郎訳 源氏物語 巻二」(中公文庫)。「松風」を終えて「薄雲」の帖に入った。結局、紫の上は光源氏の愛人の子供を育てる気になったらしく、明石の上のエピソードはめでたしめでたし(?)。

夕方退社。帰りの車内で「反射」(D.フランシス著/菊池光訳/ハヤカワ・ミステリ文庫)を読み始める。なかなかの滑り出しで傑作の予感。帰宅して風呂に入ってから夕食の支度。冷奴(茗荷、生姜、鰹節)、蒸し鶏と胡瓜の三杯酢漬けで冷酒を少々。のち、親子丼の要領で竹輪玉子丼。けっこう美味しいものだが、卵を一つしか使わなかったのが悔やまれる。

夜はラテン語の勉強など。

2015/08/30

日曜日

ゆっくり 8 時過ぎまで寝てしまった。涼しくなって、いくらでも眠れる。珈琲だけの朝食ののち朝風呂。洗濯など家事をして、早めの昼食は、蒸し鶏、たらこスパゲティ、ワインを少々。

外は雨。午後は「完璧な絵画」(R.ヒル著/秋津知子訳/ハヤカワ・ミステリ 1664)を読む。読了。絵のように美しい小さな村で起こる不可解な事件とその顛末。珈琲とお菓子を用意して、レジナルド・ヒルのこんな作品をじっくり読む雨の日。完璧な午後と言えよう。

残った家事を片付けてから、夕食の支度。またアボカドと竹輪(気に入ってしまった)、鮭の塩焼、玉子かけ御飯、大和芋のとろろ汁。夜の読書は、「ツァラトゥストラかく語りき」(F.W.ニーチェ著/佐々木中訳/河出文庫)、「エセー 5」(モンテーニュ著/宮下志郎訳/白水社)など。

さて、また五日間をがんばろう。

2015/08/29

土曜日

ああ良く寝た。休みなので朝食はヨーグルトと珈琲だけ。朝風呂に入ってから外出。定例のデリバティブ研究部会自主ゼミ。楠岡近似の簡明な解説書を書くプロジェクトの相談。結果、Gaussian K scheme の難解な主論文を読みこむという険しい道は避けられないという結論になり、次回から。ゼミ後のランチはおでん。

帰宅して午後は昼寝のあと、オンラインでのチェスや読書など。「完璧な絵画」(R.ヒル著/秋津知子訳/ハヤカワ・ミステリ 1664)。

再び風呂に入ってから、夕食の支度。竹輪とアボカドを山葵と醤油で、冷奴(大葉と茗荷)、冷酒を五勺。のち、大和芋のとろろと生卵かけ御飯、鮭の塩焼、長葱と油揚げの味噌汁。夜も読書など。

2015/08/28

きぬぎぬ

ようやく週末に辿り着く。昨日に続き、雨が降りそうな曇り空で、気温は低め。

「源氏物語」の新英語訳についての "The New Yorker" の記事を教えてもらって読んでいたら、「後朝(きぬぎぬ)の文」のことが 'a "morning after" poem' と書かれていて、趣きというものがないなあと思う。「きぬぎぬ」という折角の美しくも奥床しい表現を「アレの後」と訳された感じではないか。

それはさておき、Waley, Seidensticker, Tyler らの旧訳と、新しい Washburn 訳の比較のところなど勉強になった。この記事を読む限り、Washburn にはかなり問題があるような気はするが。Waley は正宗白鳥がその英訳を読んで源氏物語に開眼した、という話もあるくらいで、さすがに味がありそうだ。どれかと言えば、Waley と Washburn の両極端を読んでみたい気がする。

ちなみに、Waley の英訳をさらに日本語に訳した、という不思議なものも出版されているようだ。読みたいような読みたくないような。

2015/08/27

唐辛子と茄子

曇り空。今日も涼しいかと思って、ジャケットを着て出たのだが、流石にちょっと早かった。蒸し暑い。

夕方退社して、白金高輪の中国料理屋にて会食。沢山の唐辛子と一緒に炒めた茄子が美味しかった。そして今、帰宅。風呂に入って寝よう。

2015/08/26

夕方の蕎麦屋

朝から雨。ずいぶんと涼しく感じるが、まだ油断はできない。残暑は次の曲がり角で棍棒を片手に待ち構えているに違いない。

通勤の車中の読書。主人公が明石から愛人と隠し子を京都に呼び寄せたのだが、奥さんに気をつかってなかなか会いに行けない。用事にかこつけて、あっちの方にちょっと二三日行ってくるから、みたいなことを言うと、奥さんが、どれくらいかかるんでしょうねえ、その間に斧の柄が腐り落ちなきゃいいけど、なんて遠回しにちくちく愚痴を言う。正妻との間に子供はいないのである。主人公は、いやいや私がすっかり気持を入れ替えたことはよく知っているじゃないか、などと言って、愛人の元へと急ぎ、物心ついたばかりの娘の可愛さにでれでれしている。ちなみに源氏物語の松風の帖である。

夕方まであれこれ雑用仕事をしてから、早めの夕食をオフィスの近くの蕎麦屋にて。オフィスに戻って、夜は親会社の部署のイベントに参加。

2015/08/25

松風

往きの車中の読書、「潤一郎訳 源氏物語」(中公文庫)の巻二、「絵合」から「松風」の帖に入った。中公文庫で言えば巻二に入ってから、帖の名前で言えば、「須磨」あたりから源氏物語が面白くなってきて、毎朝通勤が楽しみ。

火曜日はミーティングが集中しがちだが、今日は三つで済んだ。夕方退社して帰宅。夕食の支度。冷奴(茗荷、葱、鰹節)、蒸し鶏、ビール。のち、蒸し鶏から出たスープを伸ばして、汁かけ御飯。

夜の読書は、「完璧な絵画」(R.ヒル著/秋津知子訳/ハヤカワ・ミステリ 1664)など。

2015/08/24

ジェーン・オースティンの手紙

まだ湿度は高いが、気温はかなり下がって秋の気配。なんて思うとは私はなんと猛暑に苛められて、過酷な気候に慣らされてしまっていることか。30度を切ったくらいで秋らしい、なんて。秋と言ったら10度台だろう、最高気温が。

今日も一日こまごまとした雑用をしているうちに夕方になり退社。帰宅して夕食の支度。あごの竹輪と胡瓜で冷酒を五勺。のち、鮪の切り落としのヅケ丼と、落とし玉子の澄まし汁。

夜の読書は「完璧な絵画」(R.ヒル著/秋津知子訳/ハヤカワ・ミステリ 1664)。今回はジェーン・オースティンか、楽しみだ。「こんなに大勢の人が殺されるなんて、なんと恐ろしいことでしょう!—そして、それがどうでもいい人たちばかりなのは、なんとありがたいことでしょう!」(ジェーン・オースティンの手紙より)。こんな文章を手紙に書くなんて、なんと聡明で可愛らしい女性なのだろう。

2015/08/23

処暑

今日も特に何の予定もない日曜日。処暑とは言え、昼間はまだ真夏の光の強さ。夕方から急に曇って蒸し暑い。

いつもの通り、日曜日は家事のあれこれと、「利腕」(D.フランシス著/菊池光訳/ハヤカワ・ミステリ文庫)、「金融工学入門(第2版)」(D.G.ルーエンバーガー著/今野浩・鈴木賢一・枇々木規雄訳/日本経済新聞出版社)、「キケロ −ヨーロッパの知的伝統−」(武田康成著/岩波新書)など。

夕方、風呂に入ってから夕食の支度。オクラの大根おろし和え、鮪の切り落とし丼、大和芋のとろろ汁。

2015/08/22

土曜日

特に何の予定もなく、のんびり「利腕」(D.フランシス著/菊池光訳/ハヤカワ・ミステリ文庫)を読んだり、オンラインでチェスをしたりする一日。「利腕」は、毎回主人公や設定が異なるディック・フランシスには珍しく、「大穴」のシッド・ハレーの再登場。やはり使い捨てるには惜しいヒーロー像だったのだろう。

ちなみに私は、今のように一から読み始める前は、ディック・フランシスは片腕義手の名探偵ハレーのシリーズものを主に書く作家なのだろうと勘違いしていた。実際は数十作ある「競馬スリラー」シリーズの中で、かなり間を置いて四作しか書かれていない(「大穴」「利腕」「敵手」「再起」)。

朝食は珈琲とヨーグルト、昼食は豚汁と大和芋のとろろかけ御飯、夕食はえぼ鯛の干物、新生姜の甘酢漬けで冷酒を五勺。のち、豚肉のうどんすき。

2015/08/21

週末に辿り着く

曇り空で蒸し暑い一日。特に夕方の雨が降ったあとなど蒸し風呂のよう。

夕方退社。帰り道の花屋で緑色の薔薇を六本買い、スーパーであれこれを買って、帰宅。風呂に入ってから、今週はオレけっこうがんばったよ……と思いつつ、出来合いの鶏唐揚げと生キャベツにレモンで、ビール。のち、お土産の握り鮨。

昨夜、「甦った女」(R.ヒル著/嵯峨静江訳/ハヤカワ・ミステリ 1648)を読み終えたので、今夜の読書はディック・フランシスに戻って「利腕」(D.フランシス著/菊池光訳/ハヤカワ・ミステリ文庫)を読み始める。

2015/08/20

その後の空蝉

気温は低いが雨がちで蒸し暑い一日。往きの車中での読書は「潤一郎訳 源氏物語」。「関屋」の帖。短い帖なのですぐに読了。これまた「並び」の巻で、「空蝉」の後日談。末摘花と違って、その後の空蝉の人生はあまり幸せでもなく、あっけない。女の人生って色々だな……花の命は短くて辛きことのみ多かりき。

夕方退社して帰宅。風呂に入ってから夕食の支度。しらす入りの大根おろしとだし巻き。のち、素麺(茗荷、大葉、生姜)。夜の読書は「甦った女」(R.ヒル著/嵯峨静江訳/ハヤカワ・ミステリ 1648)など。

今週はどうも疲れがたまっている気がする。もう一日がんばるために早く寝よう。ばたん&きゅー。

2015/08/19

その後の末摘花

今日も蒸し暑い一日。往きの通勤の車内の読書は「潤一郎訳 源氏物語」(中公文庫)。「蓬生」の帖を読み終えた。本筋の「澪標」と並行している、言わゆる「並び」の帖で、「末摘花」の後日談。なかなかいい。しんみりしてしまった。光源氏って色々あれだけど根は悪い人じゃあないのねえ、という感じ。そういうところが女性にモテるポイントなのだろうが、光源氏に学ぶには遅過ぎる。

夕方退社。空気がお湯のようだ。帰宅して風呂に入ってから、夕食の支度。タイ風炒めものかけ御飯とビール。夜の読書は、「甦った女」(R.ヒル著/嵯峨静江訳/ハヤカワ・ミステリ 1648)など。

2015/08/18

マキアヴェリ

今日も蒸し暑い。立秋は過ぎたが、目にはさやかに見えぬどころか何の気配もない。秋はいずこ。そして、心清められる美しい冬、私の愛する、涙さえも凍りつく清らかで美しい冬は本当にまたやって来るのだろうか。モスクワはグレイの雨、忍び寄る黄昏、と口遊みながら帰路につく。

お湯のような空気をかき泳いで帰宅。今日は少し遅くなったので、先に夕食。冷奴にビール。しらす丼。のち、風呂に入って、湯船でマキアヴェリなど勉強する。

2015/08/17

よもぎふ

雨のせいで気温は低いが、たまらない蒸し暑さ。今年は夏休みをとらないつもりだったのだが、さすがにバテてきた。どこかで休むかなあ。

往きの車内では「潤一郎訳 源氏物語」。「澪標」の帖を終えて「蓬生」に入った。今日もなんだかんだとありまして、夕方退社。復路では、「軌道学園都市フロンテラ」(J.スロンチェフスキ著/金子浩訳/創元SF文庫)。

帰宅して風呂に入ってから夕食の支度。冷奴で冷酒を五勺。のち、出来合いの鰹のたたきで散らし寿司。

2015/08/16

日曜日

猛暑日は去ったようだが、熱帯夜はまだまだ続くようだ。

朝食は珈琲のみ。昼食は海老めしとビール。夕食は冷奴、胡瓜もみ、鰹のたたき、御飯、じゃが芋の味噌汁。

家事あれこれの他の時間は、昼寝と読書。「甦った女」(R.ヒル著/嵯峨静江訳/ハヤカワ・ミステリ 1648)など。

2015/08/15

土曜日

土曜日。朝食は珈琲とヨーグルトのみ。風呂に入って、湯船で「ビギナーズ・クラシックス 論語」(加地伸行著/角川ソフィア文庫)を読む。昼食は出来合いの鰻の蒲焼の残りと葱をざく切りにして山葵で和えて、うざく丼。他に小茄子の糠漬に辛子、茗荷の澄まし汁。

たっぷり八時間寝たのに、さらに二時間昼寝してしまった。午後は「甦った女」(R.ヒル著/嵯峨静江訳/ハヤカワ・ミステリ 1648)や、「金融工学入門(第2版)」(D.G.ルーエンバーガー著/今野浩・鈴木賢一・枇々木規雄訳/日本経済新聞出版社)など。

夕方、再び風呂に入ってから夕食の支度。鶏笹身を焼いて一つは梅肉を挟み、一つは大葉で巻く。胡瓜もみ、ピーマンの味噌汁、御飯。

ビギナーズ・クラシックス 論語」(加地伸行著/角川ソフィア文庫)、読了。「夫子喟然トシテ嘆ジテ曰ク、吾ハ点ニ与セン、ト」か……

2015/08/14

八月納涼歌舞伎

夕方退社して、歌舞伎座へ。三越で握り鮨の折詰を買ってから、「八月納涼歌舞伎」の夜の部を観劇。「芋掘り長者」と「祇園恋づくし」。

どちらも肩のこらない楽しい演目だが、特に「祇園恋づくし」の京都弁と江戸弁の言葉のかけあいが面白い。勘九郎は先代にどんどん似てくるが、まだちょっと物真似っぽい印象も。それから七之助が意外と芸達者になってきたような。

2015/08/13

讃岐うどん

猛暑日にはならなかったものの、猛烈な蒸し暑さ。お湯の中にいるようで、それが夜になってもおさまらず、ますます酷くなってくる感じ。

夜は神田の讃岐うどん屋で、元 A 社のおじさん社員中心の飲み会。帰宅したのは今。さて、風呂で汗を流そう。

2015/08/12

おだまき

銀行で用事を片付けてから出勤。銀行の窓口が開くのが 9 時なので、いつもよりはゆっくりした朝だった。とは言え、昨夜が遅かったのでちょっと寝不足。

ミーティング予定をできるだけ入れない週間。PC の引越しを一週間かけてぼちぼちやろうと思っていたのだが今日で終わった。他に資料読みと作業を少々。今日しようと思っていたことは済んでしまったので、夕方からミーティングに一つ出てから退社。

猛暑日ではないとは言え、蒸し暑くてたまらない。帰宅して、まず風呂。湯船で「塚本邦雄歌集」(国文社/現代歌人文庫)を読む。私が昔から一番好きな塚本邦雄の短歌は、「閑雅なる君のかなしみ苧環の花芽に繭ごもる蟲ありと」なのだが、全然代表的な歌ではないようで、他の人が挙げるのをほとんど聞かない。確かに私自身も、塚本邦雄の歌としてはそれほどではない、と言うより、むしろ凡作かも知れないと思うのだが、何故か好きだ。

2015/08/11

澪標

朝の通勤電車はいつもの通りの混み具合。お盆でも特に関係ないようだ。車中の読書はいつもの通りに「潤一郎訳 源氏物語 巻二」(中公文庫)。「明石」の帖を終えて「澪標」に入った。

いつもの通りに働いて、夜は目黒にて S 社の A 社長と会食。色々とご苦労をなさってきたようで、会社設立の経緯などを興味深く聞く。意外なところで色々なつながりがあって驚くこともあり。

そして今、帰宅。

2015/08/10

閑中忙あり

猛暑日にはならなかったものの、雨が降ったあとに日が照るもので猛烈に蒸し暑い。お盆の週に入って少しは通勤電車も空いているかなあ、と思っていたのだが、月曜日の段階では大差ない。日本人は働きものだ。

今週は出来るだけ会議やミーティングの類を避けているので、ゆっくり色々なことが考えられる……はずなのだが、結局、特に今日する必要のない PC の引越し作業やらドキュメント作成やらの雑用で一日過してしまった。時間があればいいというものでもないのだなあ、と反省して明日こそ、と思う。

夕方退社。帰宅して風呂に入ってから夕食の支度。冷奴(茗荷、生姜、鰹節)、鶏笹身を焼いて梅肉と大葉、鯛の昆布締めを使って鯛茶漬。

夜は心静かに「ツァラトゥストラかく語りき」(F.W.ニーチェ著/佐々木中訳/河出文庫)など。

2015/08/09

海老めしとうざく

今日も特に予定がない。ヨーグルトのみの朝食ののち朝風呂に入り、湯船で「試走」(D.フランシス著/菊池光訳/ハヤカワ・ミステリ文庫)を読む。シリーズ中の異色作に属するのではないか。もちろんディック・フランシスの主人公造形はいつもワンパターンなのだが、そういった人物がモスクワオリンピック時代のソヴィエトを訪れたらどう反応するか、という面白さがユニーク。

昼食は海老めしとビール。レシピにもわずかに砂糖を入れるのがポイントだと書いてあったが、こういう東南アジア系の料理は砂糖の甘さとレモンの酸味とパクチーの香りの三位一体が本質的らしくて、暑い季節に冷たいビールと一緒に食べるには、進化論的な到達点とでも言おうか、「これが正解」といった感じがするものである。

午後は昼寝と読書と家事。「試走」の続き。注文していた「ツァラトゥストラかく語りき」の新訳が届いた。河出文庫版、佐々木中訳。河出文庫と佐々木中のコピーの煽り方の雰囲気は、ニーチェにあっているんじゃないかなあ、とは思っていた。一通りの家事をして、夕方また風呂に入ってから、夕食の支度。冷奴(大葉、茗荷、生姜)、うざく(鰻と葱のざく切りに山葵醤油)、汁かけ飯。うざく美味しい。

「試走」、読了。シリーズ中では特に出来の良い方ではないが、前述の通り異色作だし、他の作品同様に楽しめる。夜は心静かにツァラトゥストラなど。

2015/08/08

イントリーグ・ノベル

土曜日だが習慣で 6 時前に起きてしまう。朝食はヨーグルトと珈琲のみ。朝風呂に入って、午前中は読書や家事やオンラインでチェスなど。

昼食はまたタイ風炒めものかけ御飯とビール。しばらく昼寝。午後は「試走」(D.フランシス著/菊池光訳/ハヤカワ・ミステリ文庫)を読み始める。今回の主人公は引退した元騎手で言わゆる上流階級の男。王子の依頼でオリンピック目前のモスクワに潜入調査するエスピオナージュ的なストーリィ。これこそ競馬をからめる意味があったのだろうか。それはさておき、この文庫本の郷原宏によるあとがきで、「イントリーグ・ノベル」という言葉を初めて知った。「陰謀小説」という語にルビでふってある。

私は今まで "intrigue" と言えば「興味をそそる」という意味しか知らなくて、「それはイントリーギングだね」なんて気取って使っていたのだが、ひょっとすると不適切なニュアンスを持つシーンもあったのでは。辞書を引くと、自動詞で「陰謀を企てる」「不義密通をする」、名詞で「陰謀、謀略」、「不義密通」などという意味が出ている。また、"intrigue novels" で検索してみると、「興味をそそる」「ミステリー」「陰謀」のようなキーワードに対応する小説と一緒にハーレクインロマンス的な小説もひっかかってくるのだが、日本語の感覚だとこれらのジャンルに共通点がある気がしない。

夕食は鯛の刺身で冷酒を五勺。のち、鰻丼と落とし卵の澄まし汁。

2015/08/07

だし巻きと大根おろし

我ながら、柄にもなく、今週は頑張ったのではないだろうか……今週最後の予定は、叩きつけるような西日の中、どの駅からも遠い場所にある企業への往訪。歩いていて熱中症になりそうになった。

帰りも渋谷駅まで歩いてから地下鉄でオフィスに戻り、今週中に片付けるべき仕事を片付けてから退社。私としては遅くまで働いた方だが、弊社も親会社も遅い出社で遅い退社の働き方の人が多いせいか、まだ沢山の人が残っていた。と言うか、むしろ佳境、なくらいだった。

帰宅して風呂に入って、しらす入りのだし巻きと大根おろしでビール。いまここ。だし巻きと大根おろしのコンビネーションは最高。

来週は、他の人に若干の迷惑をおかけすることになってしまうが、できる限り会議やミーティングの類はサボって、一人で作業したり考える週にする予定。今から楽しみだ。

2015/08/06

ペンギン属性

また猛暑日。予報によれば明日も猛暑日。連続猛暑日の記録が日々更新されていく。ペンギン属性を持つ私には辛い毎日だ。だれかオフィスに氷柱の差し入れとかしてくれないだろうか。

夕方退社して猛暑の中を帰宅。風呂に入ってから夕食の支度。タイ風炒めものかけ御飯とビール。どうも手抜きになってしまうなあ。

2015/08/05

修辞学とチェスプロブレム

今日も猛暑日。段々と疲れがたまってきたような。そもそも暑さに弱い白くま属性なのだ。週末まで逃げ切れるだろうか。

今日は一日、特に予定がなかったので、懸案の作業をいろいろ。夕方退社。帰宅して風呂に入ってから夕食の支度。肉豆腐でビール。のち、しらす丼と玉子の澄まし汁。

夜は、「キケロ −ヨーロッパの知的伝統−」(武田康成著/岩波新書)を読んだり。キケロ風のラテン文の修辞が面白い。ふと思ったのだが、チェスプロブレムで色々な解の間のパターンを追求したりする何が面白いのだか分からない謎の趣向は、キケロの「完成文」の影響とまでは言わずとも、修辞学が文化的背景なのではないか。

2015/08/04

会議の才能

行きの通勤電車では「潤一郎訳 源氏物語 巻二」(中公文庫)。「須磨」の帖を終えた。帰りの電車では、「軌道学園都市フロンテラ」(J.スロンチェフスキ著/金子浩訳/創元SF文庫)。

一日、会議室から会議室へと七つの会議を移動した会議デー。何だかものすごく仕事をした気になるのだが、おそらく錯覚だろう。しかし会議やミーティングでは、うまく行ってるね、ということもあれば、新たな問題やその予感が発覚することもあり、それが交互にやってくるので、精神的に疲れるのは事実だ。主な仕事が会議というに人は、何でもありのままに受け取れる客観性か、または、厄介な状況を何でも主観的に面白がれる能力が必要な気がする。つまり、常に一歩後ろに引けるか、または、常に一歩踏み込んで関われるか。

帰宅がやや遅くなったので、風呂より先に夕食。冷奴、れんこ鯛の開き、素麺。

2015/08/03

白くま

今日も猛暑。通勤電車は普段より若干空いている気がする。夏休みとかヴァカンスとか言うもののせいかも知れない。

今日はもう一つ体調がすぐれなかったので、意識的に低空飛行で過した。昼休憩に身体を冷やすために白くま。夏に弱い白くま属性には辛い季節だ。夕方退社。帰宅してお風呂に入ってから夕食の支度。冷奴(茗荷、大葉、生姜、鰹節)、鰹の叩き(茗荷、大葉、大蒜)、御飯、落とし玉子の澄まし汁。

昨夜、「闇の淵」(R.ヒル著/嵯峨静江訳/ハヤカワ・ミステリ 1565)を読了。今夜は「キケロ −ヨーロッパの知的伝統−」(武田康成著/岩波新書)などゆっくりと読んで、明日の会議集中デーに備える。

2015/08/02

日曜日

今日も猛暑日だったらしいが、外に出なかったので快適な一日。終日、家事と読書など。

朝食は釜玉うどん。昼食はタイ風肉野菜炒めかけ御飯とビール。夕食は鰹の叩き、茄子の焼きびたし、御飯、柴漬け、葱と麩の味噌汁。

「モンテスキュー」(世界の名著34/中央公論新社)より「ペルシア人の手紙」(井田進也訳)、読了。他に、「軌道学園都市フロンテラ」(J.スロンチェフスキ著/金子浩訳/創元SF文庫)、「金融工学入門(第2版)」(D.G.ルーエンバーガー著/今野浩・鈴木賢一・枇々木規雄訳/日本経済新聞出版社)など。

2015/08/01

久しぶりにSF

午前中は定例のデリバティブ研究部会自主ゼミ。ランチは鱶鰭のかた焼きそばなど。今日も猛暑日で、帰りは最も暑い時間帯。帰宅してほっと一息。

午後は昼寝や読書など。久しぶりに SF 小説を読んでみよう、と思い、「軌道学園都市フロンテラ」(J.スロンチェフスキ著/金子浩訳/創元SF文庫)。著者の Joan Slonczewski はこの作品を含めて二度キャンベル賞を受賞しているし、小説家であると同時に分子生物学者だったりもして、興味は持っていた。出版された翻訳はあまり評判が良くないようなので、これは私が読んであげなきゃ駄目だな(?)、と思って久しぶりの SF 読書に選んだ。

夕食は鯵のひらき、だし巻き玉子、胡瓜の即席三杯酢漬け、御飯、味噌汁。

2015/07/31

歓送会

今日も蒸し暑い。来週もこの調子だそうで、熱中症予備軍の初老男子にとっては辛い季節だ。

夜、神保町にて歓送会。もともとメンバの少ない会社なので、人が抜けるのは大変に痛いのだが、しようがない。退職者の前途を祝しての歓送会。今、帰宅。

2015/07/30

木曜日

今日も蒸し暑い。午前中は外に出る「往訪」のお仕事。終了後、出先でチキンカツカレーライスを食べて、オフィスに戻る。午後は資料の作成や打ち合わせなど。気の重い懸案事項があったのだが、滑らかに進みそうで、とりあえず一安心。

帰宅して風呂に入ってから夕食の支度。油揚げを網で焼き、しらすの大根おろし和えを添えて、ビール。のち、柴漬けと御飯と豚汁。

夜の読書は、「キケロ −ヨーロッパの知的伝統−」(武田康成著/岩波新書)など。夜来香って本当に夜になると強く香りのだなあ。

2015/07/29

夜来香

今日も蒸し暑い。午前中は東新宿のあたりでミーティング。オフィスに戻って、午後は資料作成やあれこれ。夕方退社。季節ものだと言うので夜来香を買い、日本酒も買って帰宅。

風呂に入ってから、夕食の支度。冷奴(生姜、鰹節)と花を肴に冷酒を五勺ほど飲む。のち、しらす丼(大葉、生姜、茗荷、胡麻)と豚汁。

夜の読書は「キケロ −ヨーロッパの知的伝統−」(武田康成著/岩波新書)など。

2015/07/28

須磨

今日も暑いが、主に曇り空のせいか昨日ほどではない。通勤電車の往路の読書は潤一郎訳「源氏物語 巻二」(中公文庫)。「須磨」の帖。光源氏が都落ちしていく面白いところなので、須磨返しにはならないで済みそうだ。復路は「闇の淵」(R.ヒル著/嵯峨静江訳/ハヤカワ・ミステリ 1565)。

今日も五つ、六つほどミーティングをした。帰宅して風呂に入ってから、夕食。冷奴、オクラとしらすと干し海老のおろし和えでビール。のち、錦糸卵とオクラを添えた素麺。

夜の読書はペトラルカとショーペンハウアー。

2015/07/27

心の冬

猛暑日。言っても仕方がないが、暑い。スウェーデンのユッカスヤルヴィにあるアイスホテルに十四連泊したい。せめてステイシィ・ケントの「アイスホテル」を口遊みながら出勤。一刻も早く氷河期が来て欲しい。涙さえも凍りつくような白い氷原で雪に埋もれて死にたい。

猛暑の中、太田裕美の「さらばシベリア鉄道」を口遊みながら帰る。この線路の向こうにはなにがあるの、雪に迷う馴鹿の哀しい瞳……

帰宅すると、ポストの手紙のスタンプにはロシア語の小さな文字。いや、ただの日本郵政の消印だった。オクラとしらすと干し海老のおろし和えでビール。生き返った。やはり人生、捨てたものじゃない。のち塩鯖と梅そうめん。ふいに愛の意味を知る。

2015/07/26

日曜日

今日も特に予定のない日曜日。閑暇に憩う。最高気温 36 度を越す猛暑日らしいが、外に出ないので問題ない。明日は辛いだろうが……明日は明日自身が思い患うであろう。

朝食はヨーグルトと珈琲だけ。昼食はタイ風肉野菜炒めかけ御飯とビール。夕食は豚肉の冷しゃぶに大根おろし、鮪の切り落としでヅケ丼、若布と胡麻の澄まし汁。

家事の他は、読書やパズルなどの一日。ディック・フランシス「重賞」を読み終えたので、またレジナルド・ヒルに戻って、「闇の淵」(R.ヒル著/嵯峨静江訳/ハヤカワ・ミステリ 1565)を読み始めた。「金融工学入門(第2版)」(D.G.ルーエンバーガー著/今野浩・鈴木賢一・枇々木規雄訳/日本経済新聞出版社)も少し。

2015/07/25

「重賞」/ルーエンバーガー

D.フランシスの「重賞」(菊池光訳/ハヤカワ・ミステリ文庫)を読むことくらいしか予定のない土曜日。この前に読んだ「障害」の主人公は会計士(でもアマチュア騎手)だったが、今回はおもちゃの発明家(でも馬主)。だましとられた名馬を奪い返せ、からくり名人の奪還作戦!という趣向。フランシスについては、そこまで毎回筋書を工夫するくらいなら、いっそ馬から離れてみては、と思うことが多いのだが、自分の強みを手放さない、というのも一つのプロ意識なのだろうか。

朝食はヨーグルト、桃を一つ、珈琲。昼食はキャベツとソーセージの炒めもの、冷奴でビール。のち素麺を二把。夕食は、鮪の切り落としで赤ワイン一杯ののち、油揚げの納豆詰め、茄子の塩揉み、御飯、茄子と麩の味噌汁。夜、パン、チーズ、赤ワイン少々。

「重賞」、読了。痛快篇だった。他に「金融工学入門(第2版)」(D.G.ルーエンバーガー著/今野浩・鈴木賢一・枇々木規雄訳/日本経済新聞出版社)を少し。数理ファイナンスの確率解析以外の部分について、一度はちゃんと系統的に勉強しないと駄目だなと思い立ち、入門書から。

2015/07/24

秘書問題

今日も暑い。どうやら猛暑日。毎朝、通勤電車の中で少しずつ少しずつ読んでいる潤一郎訳「源氏物語 巻一」(中公文庫)、読了。帖の名前で言えば、「花散里」まで。一巻を読むのにおよそ五十日かかったので、あと四巻に二百日、来年の春までに読み終えられるかなあ。

夕方退社して、神保町で未読のディック・フランシスを三冊ほど買い、カレーライス屋でチキン十倍を食べて、丸の内へ。

数理ファイナンス系のセミナで、メキシコ経由イギリスからのゲストの講演を聴く。言わゆる「秘書問題」(日本では「最高の恋人選び」のような言い方をすることが多いように思う)の連続版みたいな話。最大値はフィルトレーションに適合していないので最適停止問題になりませんがどうしましょう、という課題になるほどと思う。

セミナ後の食事会は遠慮して、また丸の内の地下街を抜け、地下鉄で帰宅。

2015/07/23

雨の木曜日

雨のせいで少し気温が低いものの、蒸し暑いことには変わりない。

午前、午後とミーティング一つずつ。その前、合間、後に仕事をあれこれ。夕方退社して、帰り道の花屋でオレンジ色の薔薇を買って帰宅。

風呂に入ってから夕食の支度。塩鯖、葱入りのだし巻き玉子でビール。のち、鯛飯、柴漬け、葱と油揚げの味噌汁。夜は、「無知について」(ペトラルカ著/近藤恒一訳/岩波文庫)など。

2015/07/22

ペトラルカ

今日も蒸し暑い。猛暑日の定義には、ほんの少し足らなかったようだが、誤差。

今日は特にミーティングや会議や「往訪」の類の仕事がなかったので、一日自分のペースで作業ができた。夕方退社して、帰宅。風呂に入ってから、夕食の支度。冷奴(大葉と鰹節)、出来合いの豚カツとキャベツ千切りでビール。のち、鯛飯、柴漬け、油揚げと葱の味噌汁。

夜は心静かに、ペトラルカの「無知について」(近藤恒一訳/岩波文庫)を読む。

2015/07/21

週明け火曜日

三連休のあとの朝は辛い。結局、寝坊してヨーグルトと珈琲だけの朝食を済ませて、慌てて出勤。梅雨が明けたら、いきなり猛暑。熱中症を真剣に予防しなければならない老体にこたえる。

通勤電車はいつもの時間だが、普段より人がやや少ない気がする。こう蒸し暑いと当然のことながら、全うな精神の持ち主は夏休みに入ったのだろう。そしてマヨルカ島のパルマでレモンシャーベットを食べながら、ヴィヨロンセロより美しい辻馬車を待っているのに違いない。

夕方退社。帰り道の猫ロードでは、色々な模様の猫がばたばたと日影に倒れて伸びている。帰宅してお風呂に入ってから、夕食の支度。出来合いの豚カツとキャベツの千切りでビール。のち、茄子の塩揉みに辛子醤油、鯛飯、韮の味噌汁。

夜は、「パスコーの幽霊」(R.ヒル著/秋津知子訳/ハヤカワ・ミステリ 1412)より、「屋根裏のトランク」、「リオデジャネイロの講演」。

2015/07/20

水蜜桃

今日も休み。家事は昨日片付けたので、一日、静かに暮らす。閑暇って素晴しい。

昨夜、「障害」(D.フランシス著/菊池光訳/ハヤカワ・ミステリ文庫)を読み終えたので、またレジナルド・ヒルに戻って、「パスコーの幽霊」(R.ヒル著/秋津知子訳/ハヤカワ・ミステリ 1412)を読み始める。

朝食は平日と同じ、納豆とめざしと糠漬の定食。昼食はびんちょうまぐろの炙りと冷奴でビールののち、びんちょうまぐろのヅケ丼、落とし卵の澄まし汁。夕食は、風呂上がりに桃を一つ、鯛の塩焼を使って鯛飯、茄子の塩揉みに辛子醤油、葱と油揚げの味噌汁。