「夫子憮然曰、鳥獣不可與同羣。吾非斯人之徒與、而誰與。
「論語」微子、第十八、六

2012/12/31

後足で耳をかく

朝は曇り空。 いつものように珈琲で目を覚まし、 猫と一椀のヨーグルトを分け合い、 朝食の支度。 刻んだ若布入りの納豆、蕪の糠漬、煮染めの残り、 玉葱と若布の味噌汁、御飯。

朝風呂に入って、湯船で 「生成文法の企て」(N.チョムスキー著/福井直樹・辻子美保子訳/岩波現代文庫) を読む。 そのあとは、午前も午後も家事と読書など。 今日も平穏無事な一日だ。

猫が後足で耳をかこうとして、足が届いていない。 目があうと、ちょっとばつの悪そうな顔をしている。 私もこうなんだろうなあ……お互い歳だなあ、と思う。 「人生とは一個の撤退戦である」が私のモットーなのだが、 再びこの意味をかみしめるため、 冬の読書計画も順調なことだし、 私の心の古典「アナバシス」を追加して読み返すのも良いかも知れない。

2012/12/30

雨読

今日は主に雨。 午前中は掃除などの家事、 午後は NHK-FM で「名曲のたのしみ」の最終回スペシャルを聞きながら煮染め作り。 その他は、静かに読書。

「マンキュー 入門経済学」(M.G.マンキュー著/東洋経済)、 読了。 経済学の教科書は色々な著者のもので時々読み返すのだが、 初めて読んだこれはなかなか面白かった。 次は、 「ローマの歴史」(I.モンタネッリ著/藤沢道郎訳/中公文庫) を読む予定。

「生成文法の企て」(N.チョムスキー著/福井直樹・辻子美保子訳/岩波現代文庫)は、 続行中。 第一部は刺激的だったのだが、 第二部は生成文法理論をかなり詳しく知っていないと意味不明で、 事実上、読めないみたい。 まだ先だけれど、第三部が一番面白そう。

2012/12/28

煮染めの練習

昨日の午後から作り始めた煮染めが、 今日の午前中に完成。 練習の二回目。前回の反省をもとに、 今回は強めの味付けにしてみた。 なかなか良し。これなら御飯にもお酒にもあうだろう。 本番もこの手順と味付けで行ってみよう。

「われらが背きし者」(J.ル・カレ著/上岡伸雄・上杉隼人訳/岩波書店)、 読了。うーむ、こんなに唐突に終わってしまうとは。 次は 「生成文法の企て」(N.チョムスキー著/福井直樹・辻子美保子訳/岩波現代文庫) を読み始める。 「マンキュー 入門経済学」(M.G.マンキュー著/東洋経済) は、あと二章ほど。

2012/12/26

お出かけ

この数日、ほとんど外に出ていないので、 今日は雑用がてら身体を動かすべく、お出かけ。 気温は低いが、良い天気だ。

まず神保町に出て、洋食屋でランチ。 昼時のみの小さなサイズの生ビールを一杯だけ。 次は、青山に移動して、銀行で雑用を片付ける。 少し時間が余ったので、 近くの SBUX で珈琲とドーナツをお供に、 「われらが背きし者」(J.ル・カレ著/上岡伸雄・上杉隼人訳/岩波書店) を読む。

少し歩いて渋谷の映画館へ。 「砂漠でサーモン・フィッシング」 を観る。 前に読んだことのある「イエメンで鮭釣りを」(P.トーディ著/小竹由美子訳/白水社) の映像化。 映画らしく全体がかなり単純化され、結末もアレンジされていたが、 映画は映画でうまくまとまっていて、楽しめた。

映画のあと、寒空の下を帰宅。 今日は冷えるなあ……。 だしを引いて、煮染めを煮返し、時鮭、御飯、若布と油揚げのお味噌汁と。

2012/12/24

煮染め

昨夜、急に調子が悪くなって、 夕食も抜いて 20 時頃に寝たら、今朝の 8 時まで眠ってしまった。 でも、おかげで回復したみたい。

午後をまるごと使って、やや簡易版の煮染めを作る。 一番簡単な煮染めは、適当なだしで食材を煮て出来上がりだが、 ちょっとこるつもりなら、下茹でしたり、食材毎に別々に煮たり、 煮たものを一旦冷ましてから火を入れ直したり、 こちらの煮汁であちらを煮たり、と色々なことができる。 本格的な御節料理の煮染めは、 こういったことを数日に渡って繰り返して煮染めていくから、「煮染め」と言うらしい。

「エンデュアランス号漂流記」(A.シャクルトン著/木村義昌・谷口善也訳/中公文庫) を昨日、読了。 「言葉とは何か」(丸山圭三郎著/ちくま学芸文庫) を、今日読み始めて、読了。 次は、 「われらが背きし者」(J.ル・カレ著/上岡伸雄・上杉隼人訳/岩波書店) を読む予定。 「マンキュー 入門経済学」(M.G.マンキュー著/東洋経済) は引き続き。

2012/12/22

代打

寝坊。8 時近くまで寝てしまった。 すると、朝一番のメイルで、 今朝の勉強会でスピーカ当番の方が急用でキャンセルするので代打をしてくれ、 という連絡が。 弱ったなあ……と思いつつ、東京駅方面に向かう。 デリバティブ研究会の自主ゼミ。

結果、かなりラフな内容だったが、 「ラフパス理論とは何か(と私は思うか)」 をネタに、即興で一時間半ほど話させていただいて、何とか危機を乗り切った。 今年最後のセミナ後恒例のランチは中華料理。舌が痺れる本格的な麻婆豆腐。

やれやれ、これで冬休みだ。 外資の投資銀行などでは冬休みの間に席がなくなったりするんだよ、 ヴァカンス先に電話がかかってきて「もう来なくていいです。と言うか、来ることはできません」 なんてことがあるんだよ、という話を先程のランチで聞いたばかりで、 IT系弱小零細会社でも油断はできないと思われるのだが、 とりあえずは無事の冬休み入りを言祝ぎたい。

帰宅して、午後は蜜柑や磯辺焼きを傍らに、のんびり読書。 今日は、 「エンデュアランス号漂流記」(A.シャクルトン著/木村義昌・谷口善也訳/中公文庫) と、 「マンキュー 入門経済学」(M.G.マンキュー著/東洋経済) の二冊を読み始めた。

2012/12/21

仕事納め/冬休み課題図書

いつもの朝食をとり、いつもの如くお弁当を作り、出勤。 朝から主に整理整頓的な仕事をして、 午後に入った頃には一段落ついてしまった。 自分の机の周りを掃除して、 ゴミ出し用に新聞紙をまとめる。 その他、細々と後片付け。

会社の公式な休暇は来週末からだが、 私は一足お先に今日で仕事納めとさせていただく。 メンバ達が懸命にコーディングなどをしている後ろ姿と、 某P社メンバが懸命に噂の「Pステーション」のケースのネジ締めをしたりしている姿に、 「よいおとしをー」と声をかけつつ、こそっと退社。

帰宅して夕食の支度。 何となく無性に食べたくなって、夕食のメインはサッポロ一番味噌ラーメン。

明日からは冬休み。 明日に年内最後の自主セミナがあるが、それを除けば何の予定もない。 冬休みの課題図書として買ってある本は、 「エンデュアランス号漂流記」(A.シャクルトン著/木村義昌・谷口善也訳/中公文庫)、 「マンキュー 入門経済学」(M.G.マンキュー著/東洋経済)、 「われらが背きし者」(J.ル・カレ著/上岡伸雄・上杉隼人訳/岩波書店)、 「言葉とは何か」(丸山圭三郎著/ちくま学芸文庫)、 「生成文法の企て」(N.チョムスキー著/福井直樹・辻子美保子訳/岩波現代文庫)、 「ローマの歴史」(I.モンタネッリ著/藤沢道郎訳/中公文庫)、 「ファスト&スロー (上・下)」(D.カーネマン著/村井章子訳/早川書房)。

冬休み中は、更新したり、しなかったり、 猫画像だったり、料理画像だったりです。

2012/12/20

煮染めプロジェクト

8 時近くまで寝坊してしまった。 ちょっと飲み過ぎたかな……。 とは言え、いつも通りに出勤。 夕方、退社して帰宅。 夕食の支度。 鰤の漬け焼き、菠薐草のおひたし、蕪と梅肉の三杯酢漬け、 若布と油揚げの味噌汁、卵かけ御飯。

冬休みに御節料理を作るのは流石にやり過ぎかなあ、と思い、 では「煮染め」を作ってみようと計画する。 まずは心構えから入ろうと、 西からは「吉兆味ばなし」(湯木貞一著/暮しの手帖版)、 東からは「隠し包丁」(田村隆著/白水社)、 精進料理からは「精進 SHOJIN」(棚橋俊夫著/文化出版局) などを書架から引っぱり出してくる夜。

2012/12/19

マフィアの食卓

今朝は急に気温が下がったみたい。 朝、私が寝室から出ると、 ドアに一番近い絨毯の端ぎりぎりのところで、 いつも猫が座って待っている。 夜はソファに置いた専用ホット座布団で寝ているはずなので、 おそらく私の足音を聞いて待機するに決まっているが、 「ずっと前からここで待ってた私はいい猫」という顔をしている。 しかし、今来たばかりの癖にそんな顔をして、 しかも、床が冷たいからドアの近くまで来ずにあくまで絨毯の端まで、 というところが「ワル猫」なのではないか。

いつもの如く出勤して、いつもの如くお仕事。 休憩の散歩中に、 古書店で 「マフィア、殺しの食卓につく」(J.ケルモアル&M.バルトロメイ著/菊池道子訳/徳間書店) を 500 円で買った。 シシリアン・マフィアの歴史やエピソードが多分本題だと思うのだが、 そのついでに、その歴史の瞬間の食卓の献立とレシピを紹介する、という変な本。 私は料理関係の「変な本」が好きなので即、購入。 変な本なのに、と言うか、それだから、と言うべきか、 イタリアとマフィアの歴史について読者が既に相当の知識を持っていることを仮定していて、 かなり難しい内容ではある。

夕方、退社して、市ヶ谷へ向かう。居酒屋にて会食。熱燗にはいい夜だ。

2012/12/18

御節料理の本

今日もそれほど寒くない。 この冬は一畳分の最弱設定ホットカーペットだけで越せそうな気がしてきた。 私は夏に弱いので、通年で消費エネルギィのバランスがとれているのかも知れない。 牡蠣の炊き込み御飯の最後の残りをちょっとアレンジしてお弁当を作り、出勤。

昼休みにいつものように神保町散歩。 最近、年末になっても、 御節料理の作り方の指南本や御節の特集雑誌をあまり見かけないように思うのだが、 気のせいだろうか?

午後に定例のミーティング。 私は今週末が仕事納めなので、年内最後の全体(と言っても数人だが)ミーティングになる。 夕方、退社。

2012/12/17

雨の月曜日

今朝は雨。今日一日は続きそうだ。 ニュースによれば、選挙が終わって、また歴史的大勝と惨敗だったらしい。 「余政治に興味なきを以て一大臣の生死は牛馬の生死を見るに異ならず、 何らの感動をも催さず」くらいの態度でいたいところだが、 そう書きながらも政治的な記述が段々と荷風散人の日記を侵食していったように、 そうも無関心でおられないのかも知れない。

月曜日は低調気味に、粛々とお仕事。 昼食のお弁当の御飯は、昨夜の残り、牡蛎の炊き込み御飯の牡蛎抜き。 昼休憩に新刊書店で 「儀礼としての消費」(M.ダグラス&B.イシャウッド著/浅田彰・佐和隆光訳/講談社学術文庫) を買った。 午後もひっそり過し、夕方退社。

帰宅して、夕食のメインに鰤を焼く。 今年は天然鰤が安くて結構だ。

2012/12/16

牡蛎の炊き込み御飯

今日はまた急に暖かくなり、 昼間などはコートも入らないくらいだったが、 夕方になるとやはり、所詮最後は寒い冬。

夕食のメインに牡蛎の炊き込み御飯を作る。 実は私は、あまり牡蛎が好きでない。 しかし、あまり好きでなかったはずなのに、 自分で作ってみると美味しい、 という経験がけっこうあるので、一度試しに。

作り方は 「ワンダーレシピ」(添田浩著/工作社) に従った。 具は牡蛎の他に牛蒡のささがきのみ、 味付けは生姜汁、昆布、酒、醤油、塩だけ、 というシンプルなもの。 牡蛎を少量ずつ軽く茹でておく、 という一手間あって、 その茹で汁で御飯を炊き、 最後のあたりで牡蛎とあわせるところがポイント。 大体、うまい料理のレシピには、 一旦別れさせておいて別々の道を歩んだのち再会させる、 という「再構成」ものが多いような。

結果は劇的、というほどでもなかったが、 確かに牡蛎が「ぽんぽこりん」な感じに仕上り、 牡蛎もなかなか美味しいものだな、というレベルではあった。 一冬に一回くらい作ってもいいかな。

2012/12/15

雨の土曜日

冷たい雨の降る土曜日。 NHK FM で "Brother, can you spare a dime" が流れている。Jim Kweskin Band の演奏。 しんみりした良い歌いぶりだが、雨の土曜日にはむしろ気が滅入る。

午後は、雨の中を本郷まで歩いて行く。 圧縮センシング関係の研究会で聴講。なかなか面白い。 夕方また歩いて帰宅して、夕食はピェンロー。

2012/12/14

ガタリとキノコとオムレツと

いつものように昼休憩に神保町を散歩していると、 80 年代後半あたりの "Brutus" のバックナンバが一冊百円で山積みされているのを発見。 バブルだったなあ……と思いつつ、楽しく立ち読み。 一冊だけ 89 年 2 月 15 日号、特集「男たちの厨房哲学。」を買った。 なんと表紙が F.ガタリだ。 特集にも記事を寄せていて、 キノコと海老のオムレツを作るためにキノコの皮を剥いている写真が出ている。 名づけて「オムレツ・ポストモダン」だそうだ。赤面。 ちなみに、ガタリはこの三年後に心臓発作で亡くなるのだが、 なかなか元気そうだ。 特集ではガタリの他、P.ソレルスも文章を書いている。 ソレルスの写真は、豚の耳の前でポーズ。赤面。

その一冊をオフィスに持ち帰ってぺらぺらと眺めていたら、 連載の「巴里レトロ紳士録」で、 マルセル・デュシャンの思い出を継子のジャクリーヌ・モニエが語っているのに気付く。 なんだかお得な買い物をした感じ。 百円でずいぶん楽しめる。

夕方、退社して、髪を切り、期日前投票を済ませ、 近くのカレー屋さんで夕食をとって、帰宅。

2012/12/13

沢庵

今日も鍋日和だなあ…と思いつつ出勤。 粛々と仕事に励み、夕方退社。 鍋日和だなあ……と思いつつ帰宅。 あ、期日前投票に行くのを忘れてた。 夕食は鳥鍋。いただきものの柚子胡椒と自家製のポン酢で。 あとは饂飩。 うどんはうまい。 禅寺で何よりのごちそうと言えば、うどんぢゃ。

最近、空気が非常に乾いているので、 ベランダに大根を吊して干している。 沢庵漬けを作ってみよう、と思って。

2012/12/12

鈍感

最低温度が 3 度くらいまで下がって来たが、 大して寒いとは感じない。 寒さに強くなってきたのかなあ、と思っていたら、 この前 N さんに指摘されたことには、 それは寒さに強くなったのではなくて鈍感になっただけだから、 気をつけろとのこと。鋭い指摘である。歳はとりたくないものじゃのう。

週の中日は、小さな軽いジョブをまとめて片付ける日。 昼休みに、 「ファスト&スロー (上・下)」(D.カーネマン著/村井章子訳/早川書房) を買った。 帯に N.タレブの言葉として 「アダム・スミスやフロイトの著作に匹敵する」 と書かれていたが、流石にそれはちょっと言い過ぎでは。 流し打ち気味に過して、夕方退社。

2012/12/11

もののたとえ

今日もオフィスに一番乗り。 昼休憩に、 冬休み用の課題図書としてさらに、 「ローマの歴史」(I.モンタネッリ著/藤沢道郎訳/中公文庫) を古本屋で買う。 古代ローマ史が一冊にまとまっていて、 かつ、無類に面白いという評判なので。 カヴァーに書かれた辻邦生の宣伝文句によれば、 「シェークスピア劇が連続上演されているようだ」 とのことだが、 この喩えを、息つく暇もないほど面白い、 という意味にとる人はあまりいないような気がする。 辻先生はそのつもりで書いているのだが。 午後は定例のミーティングなど。 夕方退社して、帰宅。

寒いので今日も鍋料理。 今日はピェンローにしてみました。あとは雑炊。

ソーシャルネットワークを駆け抜ける白うさぎ、こと、 usaggr Ver.1.3.3 が App Store に登場。 うさがーさん曰く、今回は軽微なバグの修正のみだそうです。

2012/12/10

冬休み本、さらに

月曜日は低調だが、 私が原因のバグが週末に発覚していたので、朝から粛々と訂正。 昼休みに近くの新刊書店で、 冬休みの読書用の本を購入。 「マンキュー入門経済学」(M.G.マンキュー著/東洋経済)、 「われらが背きし者」(J.ル・カレ著/上岡伸雄・上杉隼人訳/岩波書店)、 「言葉とは何か」(丸山圭三郎著/ちくま学芸文庫)、 「生成文法の企て」(N.チョムスキー著/福井直樹・辻子美保子訳/岩波現代文庫)。

他に、この前古本屋で買った 「エンデュアランス号漂流記」(A.シャクルトン著/木村義昌・谷口善也訳/中公文庫) と、あと何冊か、持っているものの再読を加えて、 冬休み課題図書とする予定。

夕食は常夜鍋(豚肉、菠薐草)。あとは御飯と蕪の葉を足して雑炊。 蕪の糠漬と、若布の三杯酢。 鍋料理となると、どうしてもお酒をつけちゃうし、 あとは雑炊とか饂飩とかにして食べ過ぎちゃうんだなあ。

2012/12/09

結婚の幸福度

いつもの日曜日の通り、 家事あれこれと読書の一日。 夕食は、キャベツと豚バラ肉の塩麹鍋を作ってみた。 ピンと来ないレシピだなあと思っていたのだが、大変美味しかった。 (単に、キャベツのザク切りと豚肉をだしと塩麹で煮るだけ。 黒胡椒か、柚子胡椒で食す。) 若干、塩麹を侮っていたことを反省。

今日の読書は、 「人はお金だけでは動かない」(N.ヘーリング&O.シュトルベック著/熊谷淳子訳/NTT出版)。 最近の経済学研究の成果を幅広く平易に紹介している本なので、 翻訳タイトルはややミスリーディングか。 一つの話題が 20 ページくらいずつショーケース的に紹介されていくので、飽きずに読めるし、 内容もなかなか面白く、色々と考えさせられる。

第二章「幸福の追求」によれば、 「通勤時間が 19 分長くなるごとに、(生活)満足度は平均 0.12 低下する。 ちなみに、独身者が新しい人生の伴侶を見つけたとき、 これと同じだけ生活満足度が上昇する」そうだ。 結婚して、通勤時間が 20 分伸びると、トータルで幸福度は赤字なのか? さらに、具体的な例として、 「毎日 45 分かけて仕事に行く専門職業人が通勤のない同僚と同じ満足度を得るためには、 平均的な月収のほぼ五分の一にあたる 380 ドルの増給が必要になる」 とも書かれていたのだが、 この二つの引用文から、結婚の幸福度がいくらの昇給に対応するか計算できるような……。 いやいや、きっと世の中には定量化したり、計算してはいけないものがあるのだ。 きっとそうに違いない。

2012/12/08

Rな人々

昨夜は食べ過ぎ飲み過ぎたので、 朝食は珈琲と果物だけにしておく。 朝風呂に入ってから、東京駅に向かう。 隔週定例、デリバティブ研究会の自主セミナに参加のため。

セミナに使っている部屋の近くの別の部屋で、 「Rの会」という名前の会合が開かれていて、 おや、統計解析プログラミング言語「R」の勉強会かな、 と思って、ちらっと中を除くと、 かなり年配の方々がずらりと並んでいる。 どうやら別の「R」の方々らしい。 あとで検索してみたら、世の中には色んな「Rの会」があるようだ。

今日は Revuz-Yor の教科書より、 ブラウン運動の excursion 過程の定義など。 いいかげんに分かったつもりになっていたことが、 あれこれ議論している内に明晰に分かって、 大変に勉強になった。 参加者によるセミナ後のいつもの会食ランチは、 今年一杯で店を閉める予定だというイタリアン。

帰宅して、昼寝。また二時間近くも寝てしまい、 目が覚めたら、外はもう真っ暗。

2012/12/07

冬休み本その1、決定

今日は寒い。とは言え、私には丁度快適なくらい。 氷点下にならない程度の寒さが一番暮らし易いと思う。 頭が冴えるような気がするし、ものが腐らないし、 厚着すれば特に暖房もいらないくらいの割には、冬向きの食べ物が美味しいし。

いつものように朝食をとり、 お弁当を作り、出勤。粛々とお仕事。 昼休みに近くの古本屋で 「エンデュアランス号漂流記」(A.シャクルトン著/木村義昌・谷口善也訳/中公文庫) を買う。 冬休みの読書用の本、その一。 寒いのが好きとは言え、南極はちょっと寒過ぎなので、本の中だけでいい。 夕方退社して、赤坂へ。

夜は赤坂の四川料理屋にて、 ネットワークハッカー N さんとほぼ月例の会食。 今回は「火鍋であたたまろう」企画。

2012/12/06

待ち遠しいのは冬休み

あまりに良く眠れて寝坊。 いつもの納豆定食を作るのが面倒で、 切り餅を焼いてチーズと海苔で済ませておく。 お餅って便利だ。お弁当を適当に詰めて出勤。

今日はかなり暖かく、 昼休憩の神保町散歩の足取りも軽い。 東京堂書店が 5 パーセントのポイント還元セールをしているので、 期間中に冬休みの読書用の本をまとめ買いするかなあ、 などと思案する。 ちなみに、今年の冬休みは 22 日から 16 日間とることを、既にメンバに宣言済み。 特にどこに出掛ける予定もないので、 読書、猫、家事、一人鍋、 といったキーワードの半引きこもり休暇のはず。 おせち作っちゃおうかな、重箱三段分。

夕方退社。また外は冬に戻っていた。 家の近くで、名前を連呼している選挙カーを見かけたので、 「絶対に投票しない」リストに名前をメモしておく。

帰宅して夕食の支度。 寒いので、常夜鍋。誰が考えたのやら、良いものだなあ、常夜鍋。 豚肉と菠薐草と酒と大蒜、という絶妙の組み合わせは、シンプルでいて、 なかなか思いつけそうにない着想だ。 器には大根おろしと自家製の酢橘ポン酢。 鍋のあとは雑炊。卵を落として、万能葱を散らす。大根の皮のなますを添える。 税金の安い偽ビールを少々。

2012/12/05

十蘭文庫

今朝の気温は 5 度くらいだが、 特に寒いとは感じない。今年は空調いらないかもなあ、 と爽やかな朝の冷気に思う。 朝食をとって出勤。

いつもの通り、水曜日はお弁当作りをお休み。 昼食は近所のインド料理屋にて。 新刊書店で 「十蘭ビブリオマーヌ」(久生十蘭著/河出文庫) を買った。 この十蘭の短編集の文庫シリーズはこれで六巻め。 十蘭ファンでも読んだことがないような渋いセレクションが多く、 私個人はとても嬉しいのだが、 大きなお世話ながら、商売になっているのだろうか。 どう考えても、損益分岐点を越えるほど読者がいるとは思えないのだが。

水曜日なので、ペースを落として、小さな軽いジョブをまとめてこなす。 夕方、早めに退社。

2012/12/04

朝も昼も鰤

朝から土砂降り。 どうなることかと思ったが、すぐに雨は上がり、 いつも通りに出勤してお仕事。やや気温が高い。 昼食は持参のお弁当。 先日、大量に鰤大根を作ってしまったため、 お弁当にも鰤大根。 アラの良さそうなところは塩焼にして変化をつけたのだが、 あと一週間くらいは毎日、鰤を食べられそう。 いや、食べざるを得ない。 午後は定例のミーティングなど。 夕方、退社。

帰宅して夕食の支度。 天然鰤は美味しいけれども、 せめて今夜は鰤を食べるのを止しておこう。 酢とオイルと玉葱だけで味つけする超シンプルなポテトサラダ、 先日いただいたチーズとオリーヴのオリーヴオイル漬けを使って、 金時豆とチーズとオリーヴの和え物、 ハムエッグ、大根の皮のなます、切干し大根の味噌汁、御飯。

2012/12/03

パレート

今季一番の冷え込み。 それでも特にエアコンをつけるほどでもない。 年々、私自身が寒さに強くなっているような気もする。 昼時に同僚の天才プログラマが、 仕事がなくなったら田舎で慈姑農家をしたい、 そうすれば毎日でも慈姑が食べられる、と主張していた。 それくらい慈姑が好きだ、ということらしい。渋い好みだ。 私は仕事がなくなったら、田舎で何を作るかなあ。 私がそれくらい好きなものは、豆腐、油揚げ、厚揚げなどの大豆製品だが、 大豆農家は規模が余程巨大でないと難しそうだ。 豆は仕入れることにして、豆腐屋がいいな。

「不平等について 経済学と統計が語る26の話」(B.ミラノヴィッチ著/村上彩訳/みすず書房) を読み終えて、また、パレート (Wikipedia 項目「ヴィルフレド・パレート」) って面白い人だなあ、と思う。 以前から、時にパレートの人物や業績について書かれた一節を読むたびに、 常に心に引っかかっていた。 よし、この際、 本人の著書や論文とまでは行かなくとも、 伝記や業績紹介の本などから読んでみようと思い、 ちょっと検索してみたのだが、驚くほど資料が少ない。 日本語の翻訳書がないのは、珍しいことではないが、 英文でも非常に少ない。 私のような一般人でも「パレートの法則」とか「パレート最適」とか、 彼の名前を冠した概念を聞いたことがあるくらいだから、 もっと文献があって良さそうなものだ。

とりあえず、数少ない翻訳書のうちから、 「一般社会学提要」(V.パレート著/姫岡勤訳/名古屋大学出版会) を古書店で買ってみる。

2012/12/02

猫の悟り

どうやらうちの猫が、老齢(12歳)に至り、 ドアの仕組みを理解した模様。 ごく最近までは、少し手前に開きかかっているドアを、 引くのではなくて押してドアを閉めてしまい、 哀しげに鳴いたりしていた。 それが今や、引くべきときは引き、押すべきところで押している。 これは人間で言えば、 何か訳が分からず翻弄されていた世界の謎を豁然として大悟、 その仕組みを理解したような、巨大な認識の飛躍なのではないだろうか。 例えて言えば、ものには名前があるのかと気付いたヘレン・ケラーとか、 比重を計算する方法に気付いたアルキメデスのような。 このことに気付いたとき、クロは「にゃー(ユウレカ)!」と叫んだのだろうか…… などと思う午後。

近所の図書館に行った帰りに、スーパーで食材を買う。 天然鰤の刺身用の冊が特売になっている。 と言うことは、このアラが大量に出ているに違いない。 と思って魚棚を探すと、 確かに隅っこの方に山盛りで 500 円のアラが。 もちろん、アラだけを買って帰る。 帰宅して、実家産の大根と鰤のアラで鰤大根を仕込む。 あまりに大量で、霜降りに一苦労だった。

夕食は、鰤大根で熱燗を少々。 のち、蕪の葉のおひたし、蕪と梅肉の三杯酢、 しめじと若布の味噌汁、御飯。

2012/12/01

冬来たる

さらに気温が下がったようだ。冬だね。 午前中は朝風呂に入ったり、ゆっくりと過してから、外出。 お仕事で東京に来ている Y さんとシンガポール料理店で会食。 チーズとオリーヴの実を大蒜やハーブなどとオリーヴオイルに漬けたものをお土産にいただく。 お手製だそうである。ありがたし。

会食中に外がどんどん暗くなり、冷たい小雨が降ってきた。 慌てて、家に帰ったものの、 帰宅した途端に晴れてきた。おかしな天気。

午後は読書と昼寝。 読書は、 「不平等について 経済学と統計が語る26の話」(B.ミラノヴィッチ著/村上彩訳/みすず書房) など。二時間ほど寝て目が覚めると、外はもう暗い。

夕食には、牛筋と大根の煮込みを再利用して牛筋丼(大根、青葱、卵)、 蜆の味噌汁、他に作り置きの春菊のおひたし、大豆の大根おろしポン酢和え。 夕食の支度と並行して、大根の葉の部分とじゃこでふりかけも作っておいた。