「夫子憮然曰、鳥獣不可與同羣。吾非斯人之徒與、而誰與。
「論語」微子、第十八、六

2015/10/31

塩味と音程

昨夜が遅かったので辛い。しかし、行かねば。ヨーグルト、林檎一つ、珈琲だけの朝食のあと、風呂に入ってから、出動。定例のデリバティブ研究部会自主ゼミ。楠岡近似の基本論文の読解の続きなど。そのあと所用があったので、いつものランチは失礼して水道橋へ。

帰宅して、少し昼寝。夕方になって買い出しなど。また風呂に入ってから、夕食の支度。豚肉と小松菜の常夜鍋。のち、鍋の残りのだしを使った味噌汁と、昨夜のお土産の秋刀魚御飯。美味しいのだけれども、やはりお店の味は塩がきつい。店で食べている時は気付かないが、家で自分の料理と並べると明らかに塩分が多い。お店では、いかにも美味しい、というはっきりした味つけをしないと意味がないので、当然のことではあるのだが。演奏会でピッチを少し高くとるようなものだろうか。

夜の読書は「新書漢文体系34 淮南子」(楠山春樹著/本田千恵子編/明治書院)など。

2015/10/30

ボッケリーニ

ようやく週末にまた辿り着いた、と毎週金曜日の朝、「古楽の楽しみ」のリクエスト特集に思う。今朝は、ボッケリーニのチェロソナタが聞けて良かった。

比較的静かな一日をオフィスで、正確には、コモンルームで過し、夕方退社。西麻布にて会食。帰宅が随分遅くなってしまった。明日の朝の定例ゼミが辛そうだなあ……お風呂に入って早く寝よう。

2015/10/29

藤袴

往きの車中の谷崎源氏は「行幸」の帖から「藤袴」へ。今日も比較的時間があったので、来週末の講演の準備を一気に片付ける。来週は忙しそうだし、念のため早めに。

夕方退社。帰宅して風呂に入ってから夕食の支度。豚肉と小松菜と常夜鍋、白ワインを少しだけ。あとは雑炊。卵と刻み葱。

夜の読書は、「黄金の13/現代編」(E.クイーン編/宇野利泰・他訳/ハヤカワ文庫)、「老子」(金谷治訳・註/講談社学術文庫)など。

2015/10/28

中日

週の中日でぽっかり何の予定もない日、ドキュメントを書いたり整理したり、講演の準備をしたり、あれこれ雑用を集中的に片付ける。ついでに、"El Capitan" にアップデートした。

夕方退社。帰宅して、風呂に入ってから夕食の支度。ブロッコリと玉葱と魚肉ソーセージのサラダで、白ワインを少し。のち、塩鮭、胡瓜もみ(若布、胡麻)、卵かけ御飯、じゃが芋の味噌汁。食後に林檎を一つ。

夜の読書は、「黄金の13/現代編」(E.クイーン編/宇野利泰・他訳/ハヤカワ文庫)、「老子」(金谷治訳・註/講談社学術文庫)など。

2015/10/27

コンピティション

火曜日は会議デーで、ミーティングを複数こなし、オフィスの近くで担々麺の夕食をとってから、夜は親会社で開催された講演を聴く。"kaggle" を始め複数のデータ解析のコンピティションでの優勝経験を持つ方のお話。

競争の面白さは理解できたが、競争のための競争と言う感じで、個人的にはもう一つ魅力を感じなかった。おそらくこの種のコンテストやコンピティションというものは、人材や才能を探すのにはいいと思うが、理論的にも応用的にも良いモデルやソリューションを探すのには向いていないような気がするからだろうか。

2015/10/26

行幸

また月曜日。朝は涼しくて快適だ。往きの車中の谷崎源氏は「野分」から「行幸」の帖に移った。会社にマイナンバーが到着して、ああ、マイナンバーって法人にもあったのだな、と今頃気付く。何故か人間より一桁多い。夕方退社。帰りの読書は「侵入」(D.フランシス著/菊池光訳/ハヤカワ文庫)。

帰宅して、夕食の支度。じゃが芋と玉葱とブロッコリと魚肉ソーセージのサラダで、南仏の白ワインを少し。のち、豚肉の漬け焼き、胡瓜と若布と胡麻の酢の物、御飯、里芋と葱の味噌汁。

夜は短篇ミステリの研究など。

2015/10/25

日曜日

特に何もない日曜日。朝食はヨーグルト、林檎、珈琲だけ。洗濯などのあと朝風呂。「淮南子の思想」(金谷治著/講談社学術文庫)を読んだり、クロスワードパズルを解いたりしているうちに、昼時。

ポテトサラダ、鶏肉の漬け焼きに山椒、冷凍庫の隅っこに残っていたしめじと牛脂身のアーリオオーリオ。小一時間昼寝をして、午後も家事と読書など。

また風呂に入ってから、夕食の支度。塩鮭、胡瓜と若布と胡麻の酢の物、御飯、里芋と葱の味噌汁。夜は「黄金の13/現代編」(E.クイーン編/宇野利泰・他訳/ハヤカワ文庫)など。

2015/10/24

屠竜の技

ああ良く寝た。朝食はヨーグルトと珈琲のみ。朝風呂の湯船で「荘子」(金谷治訳/岩波文庫)を読む。雑篇の終わりのあたり。朱泙漫という人が竜の屠り方を学ぶため、財産を注ぎ尽し、三年かかってその技を習得したのだったが、使い道はなかった。うーむ、大学院の博士課程で数学を学ぶことの比喩だろうか……と思ったりして(笑)。

この短い一節を指して「屠竜の技」の故事と言い、高価な犠牲を払って身につけても実際役に立たない技芸のことを指すことが多いようだが、「荘子」の精神から言えば、もっと深い哲学的な意味を内包しているような気がする。

ちょっと検索してみると、消防庁のハイパーレスキュー隊がこの言葉(「屠龍技」)を心得としているそうで、災害を竜に喩え、実際に現れなくても敵に備えるため研鑽を積む、というように解釈しているようだ。昔々、中国のある村に時に竜が現れて村民を苦しめていたのだが、ある青年が竜を殺す技の修行を始め、一生をその精進に捧げた。しかし、竜が村に現れることは二度となかった、というような話が添えられている情報もあった。実は、その青年を恐れて竜が来なくなったのだよ、という隠しオチなのだろう。

しかしながら、「荘子」雑篇にあるのは、屠竜の術を学ぶために家財を尽して三年かかって技を身につけたが使うことはなかった、という単純で短い文章だけであり、その解釈も書かれていない。

2015/10/23

津山ビール

ようやく週末に辿り着いた。今週はどうも体調が良くなかったのだが、何とか無事に金曜日。

夕方退社。帰宅して風呂に入ってから、夕食の支度。津山の地ビールで、ほっと一息。本格的で美味しい。しかし、津山といえば横溝正史的なことしか思い浮かばないのだが、どうして津山でビールなのだろう、謎だ。

さて、週末はゆっくり休んで体調を取り戻そう。

2015/10/22

包種茶

昨夜は会食で食べ過ぎ飲み過ぎ、睡眠は不足気味で、今日は非常に不調。往きの車中の谷崎源氏は「篝火」から「野分」に入った。昨日、お土産にもらった包種茶で一服してから、今日の業務開始。

夕方退社。帰宅して、注文していた荷物待ち。夕食は豚肉の漬け焼き、長芋短冊、焼き海苔、御飯、油揚げと若布の味噌汁。

夜の読書は、「黄金の13/現代編」(E.クイーン編/宇野利泰・他訳/ハヤカワ文庫)、「荘子」(金谷治訳/岩波文庫)など。

2015/10/21

東京タワーと豆腐

相変わらず涼しいような、まだ暑いような気候。

夜は東京タワーのほぼ真下と言っていいほどの好立地にある豆腐屋にて会食。これは外国から来たお客様にはエキゾチックでいいかもなあ。何かの機会のために覚えておこう。

そして今、帰宅。最後の会食を除いては、ほとんど予定のない作業日だったのだが、なんだか色々あって気疲れした一日だったような。

2015/10/20

1on1

朝夕は涼しいのだが、昼休憩に近所の学生食堂に行くと、まだ昼間は夏の日差しであることを知る。火曜日は主にミーティングの日。通常は連続している定例のミーティング二つの隙間が空いたことを利用して、その間に言わゆる "one on one"、つまり一対一面談を二つ入れる。

以前に弊社でパートタイムで働いてくれていた方が、某超有名エリートIT大企業 G 社で学んだことは「one on one 重要」だと、しきりに主張していた。だからと言うわけでもないのだが、春から二回目の面談を実施。全社員が数名しかいないし、毎日顔をあわせているので、わざわざ面談をする必要があるのか、と思わないでもない。また、私の理想の社長像である「いるのかいないのか分からない社長」にも反する。しかし、実際に "one on one" をやってみると、意外にも色々と教えてもらえることがある。四半期に一度か、あるいはもっと、実施してもいいのかも知れない。

夕方退社。帰宅して風呂に入ってから、夕食の支度。ポテトサラダ、鶏肉の漬け焼きに粉山椒、卵かけ御飯、焼き海苔、油揚げと葱の味噌汁。茶。

夜は短篇小説の研究の他、読書。「黄金の13/現代編」(E.クイーン編/宇野利泰・他訳/ハヤカワ文庫)、「荘子」(金谷治訳/岩波文庫)など。

2015/10/19

大根おろし

週明け。今日は特に予定もなく、比較的のどかに書き物などをして過せた。夕方退社。帰りの車中の読書は「侵入」(D.フランシス著/菊池光訳/ハヤカワ文庫)。今回は素直に主人公が騎手、しかも障害競争の騎手だ。

帰宅して風呂に入ってから、夕食の支度。豚と白菜の水炊きで冷酒を五勺、のち、しらす大根おろしに二杯酢、御飯、しめじと葱の味噌汁。大根おろし、うまい。どんな食べ方も美味しいが、シンプルにしらすと二杯酢が個人的にはベストだなあ。

夜の読書は「黄金の13/現代編」(E.クイーン編/宇野利泰・他訳/ハヤカワ文庫)など。

2015/10/18

世界一統

日曜日。いつも通り、一週間分の家事あれこれ。今日も鍋料理で、水炊き鍋。自家製のポン酢にて。冷酒を五勺。鍋のあとは饂飩。

夜は読書。「黄金の13/現代編」(E.クイーン編/宇野利泰・他訳/ハヤカワ文庫)、「南方熊楠」(唐澤太輔著/中公新書)など。南方熊楠は大きな酒造の息子だったので、あの時代に超長期留学も可能だったのだが、その南方酒造はいまも和歌山にある。ただ、社名は主力製品の名前にあわせて「世界一統」に変わっている。酒の「世界一統」は和歌山では一番有名なくらいのメジャー銘柄だが、県外では見かけたことがない。外に出すほどの酒ではないということもあるだろうし、それほど商売熱心でもないのだろう。

2015/10/17

大長編と短篇

特に何の用事もない土曜日。カフェオレだけの朝食。朝風呂に入って、"S/Z" (R.Barthes 著/ R.Howard 訳/ Hill and Wang)を読み始める。昼食は豚白モツのトマトソースのスパゲティと赤ワインを一杯だけ。

午後も読書など。通勤帰りの車中で読んでいる「幻の森」(R.ヒル著/松下祥子訳/ハヤカワ・ミステリ 1667)があとほんの少しになっていたので、読み終える。一ヶ月以上かかってしまった。R.ヒルは長くなる一方なので困ったものだ。最近の私は短篇小説の方に興味を持っているので、通勤車中は大長編でバランスがとれて良いのかも知れない。

他に「黄金の十二」(T.バーク他/黒沼健・他訳/ハヤカワ・ポケット・ミステリ 219)より、「黄色いなめくじ」(H.C.ベイリイ)、「ほんものの陣羽織」(E.C.ベントリイ)、「疑惑」(D.L.セイヤーズ)。

今日はちょっと肌寒いので夕食は鍋にしてみるかな、と思い、今期初のピェンロー。鍋のあとは雑炊。卵と刻み葱。

2015/10/16

コーヒーブレイク

往きの車中の読書、谷崎源氏は「蛍」の帖を終えて「常夏」に入った。昼は往訪仕事、午後は原稿書きなど雑用あれこれ。今週も色々ありましたが、何とか週末に辿り着きました。

夕方早めに退社して、家の近所で一つ用事を片付け、花屋で「コーヒーブレイク」という名前の薔薇を買う。秋薔薇の季節だそうで、色々な種類の薔薇が色とりどりに並んでいて目移りし、しばらく悩んでしまった。最後に「エーデルワイス」と迷った末に、「コーヒーブレイク」で。

帰宅して、風呂に入ってから夕食。「コーヒーブレイク」を愛でながらビール。夜の読書は、「黄金の十二」(T.バーク他/黒沼健・他訳/ハヤカワ・ポケット・ミステリ 219)、「荘子」(金谷治訳/岩波文庫)など。

2015/10/15

自然公園

今日も良い天気。昼食のあと久しぶりに自然公園を散歩した。ナチュラリストではないので、どの木も草も花も虫も魚も私にとってはほとんど無名の存在なのだが、先方にとっては私も無名なので相応だろう。秋とは言え、まだ日差しも厳しく、散歩には早かったかなあ、と後悔。

夕方退社。帰宅して、風呂に入ってから夕食の支度。長芋の短冊切りに鰹節とポン酢、塩鮭、しらす丼、小茄子の味噌汁。林檎。茶。

夜の読書は、「黄金の十二」(T.バーク他/黒沼健・他訳/ハヤカワ・ポケット・ミステリ 219)、「荘子」(金谷治訳/岩波文庫)など。

2015/10/14

胡蝶から蛍へ

往きの車中の読書は谷崎源氏。「胡蝶」の帖を終えて、中公文庫版巻二を読了。源氏は夕顔の忘れ形見の玉鬘を引き取って、あれこれと父親ぶるのだが、やはりそこはそれ光源氏なので、玉鬘に手を出し始めるまでは時間の問題だった。明日からは巻三、「蛍」の帖に入る。

今日も昼行灯らしく日中を過し、夕方退社。帰りの車中では、「幻の森」(R.ヒル著/松下祥子訳/ハヤカワ・ミステリ 1667)。時系列順に読んでいるのだが、ヒルはどんどん話が長く、大作になっていく。このあたりからはあまりに重厚で、ミステリとしては破格になってしまっている気がする。

2015/10/13

サラジーヌ

三連休のあとの火曜日は辛い。朝から妙に疲れている気がするのだが、これがいわゆる更年期障害だろうか、半世紀近くも生きていればしようがない。

帰宅が少し遅くなったので、風呂は後にして、夕食の支度。冷奴(生姜、鰹節)と塩鮭で冷酒を五勺。のち、長芋のとろろ御飯、落とし卵と細葱の味噌汁。林檎。お茶。

風呂に入って、湯船で「サラジーヌ 他三篇」(バルザック著/芳川泰久訳/岩波文庫)より「サラジーヌ」を読む。

2015/10/12

短編

月曜日祝日のおかげで三連休。昨日に続き、自宅で静かに読書と家事で過す。

「奪回」(D.フランシス著/菊池光訳/ハヤカワ文庫)、読了。「ロラン・バルト」(石川美子著/中公新書)、読了。バルザックの短編「サラジーヌ」のバルトによる分析に触発されたわけでもないのだが、夜は「黄金の十二」(T.バーク他/黒沼健・他訳/ハヤカワ・ポケット・ミステリ 219)、「黄金の13/現代編」(E.クイーン編/宇野利泰・他訳/ハヤカワ文庫)を題材に、短編ミステリの研究など。

2015/10/11

雨の日曜日

家事と読書で静かに一日を過す。まだ残っていた酢橘が黄色くなってしまったので慌ててポン酢に仕込んだり、マリナーラソースを作ったり。午後には雨があがって夕方には晴れ間も見えた。

「奪回」(D.フランシス著/菊池光訳/ハヤカワ文庫)。今回の主人公は誘拐対策会社の派遣コンサルタント。色々と考えてくるなあ。誘拐身代金の要求がポピュラーなビジネス分野になっている国もあるので、ヨーロッパなら誘拐対策専門の会社があっても不思議はないし、実際に少なからず存在するようだ。

相変わらず馬が出てくるのだが、今回は誘拐の被害者二人が騎手と馬主の息子。そうまでして馬を出す必要はないと思うのだが、やはり著者が心底から知り抜いていることを書き込めることは、他の方法ではできない深みを物語に与えるのだろう。

2015/10/10

阿古屋

午前中は定例のデリバティブ研究部会自主ゼミ。参加メンバでランチのあと、神保町へ移動。古本屋を周って、珈琲屋で一服。夕方からは歌舞伎座にて「壇浦兜軍記」の「阿古屋」の幕と、「梅雨小袖昔八丈」つまり「髪結新三」を観劇。

玉三郎が阿古屋を演じるのを観るのは初めてだったのだが、なかなか凄かった。玉三郎なら琴と三味線くらいはできても驚かないが、胡弓の演奏の手さばき指さばきが只者ではない感じ。しかしあまりにリアルに上手過ぎて、逆に芝居としてはどうなのだろう、と心配になるくらいだった。髪結新三は松緑と左團次が役柄にぴったりで予想通りの安定感。

2015/10/09

週末

今週もようやく週末に辿り着いた。今週もいろいろなことがありましたが、まあいいじゃない、と思いつつ、蒸し鶏と胡瓜の和え物でビール。うまい。のち、お土産の握り鮨。これから三連休だと思うと、なおビールがうまい。

夜は、「ロラン・バルト」(石川美子著/中公新書)や、「日影丈吉傑作館」(日影丈吉著/河出文庫)より「かむなぎうた」など。

2015/10/08

本の注文

今のオフィスの困ったところは、近所に本屋がないことだ。おかげで、普通の新刊書店で手に入るような普通の本でも注文で買うことが多くなる。

帰宅すると、「日影丈吉傑作館」(日影丈吉著/河出文庫)、「ロラン・バルト」(石川美子著/中公新書)などが届いていた。週末にゆっくり読もう。

2015/10/07

末摘花

往きの車中の読書は「潤一郎訳 源氏物語」(中公文庫)、「初音」の帖。光源氏は六条院の御殿に関わりのあった女性たちを集め、この人は西南の町に、この人は東北に、この人は西北に、などと住まわせて、ハーレム状態で暮らし始めた。

なんだかんだ言って、鼻の紅くて不細工なのをからかいながら、御殿にまで住ませて末摘花の世話をみている光源氏は優しいのか、優しくないのか。とは言え、末摘花がいなかったら、源氏物語がずいぶん締まりのないものになりそうなのは確かだ。


2015/10/06

プロジェクト

今日は秋らしく涼しい。氷河期が来てくれないものかな、と思っているくらいの私としては、もっと気温が下がってほしいが。帰宅して、風呂に入ってから、湯豆腐。冷酒を五勺。のち、出来合いの鰻かば焼きでひつまぶしと、長芋の味噌汁。煎茶と和三盆糖豆。

夜は自分のプロジェクトを色々。

2015/10/05

紫式部とラブレー

また月曜日だ。「潤一郎訳 源氏物語」(中公文庫)を読みながら出勤。現在は第二巻の「玉鬘」の帖を読んでいるのだが、ふと計算してみると、この調子で全五巻、あと三巻と少しを読み終えるには十ヶ月ほど、つまり来年の夏までかかりそうなのだ。

「源氏物語」を読み終えたあとは、ラブレーの「ガルガンチュアとパンタグリュエル」を同じようにして読もうと思っているのだが、やはり全五巻くらいあるので、そのあと一年半程度かかることになる。私が隠居するのが先か、源氏物語そしてラブレーを読み終えるのが先か、楽しみだ。

2015/10/04

ワインとイギリス人

今日も特に予定のない一日。家事と読書とクロスワードパズルの類。

朝食はヨーグルト、林檎一つ、珈琲。昼食は玉葱とハムのオムレツ、パンを少し、赤ワインを少し。夕食は、鯛の昆布締めに塩と酢橘で冷酒を五勺、冷奴、蒸し鶏、鶏スープかけ御飯。

「証拠」(D.フランシス著/菊池光訳/ハヤカワ文庫)、読了。今回の主人公はワイン酒屋の主人で、利き酒の名手。私はワイン通ではないので、ワインの銘柄や産地に寄せた微妙な意味合いがとれないところが多々あったかも知れないが、なかなか面白かった。ディック・フランシスの中期以降には、何らかの喪失感を持った主人公が冒険に巻き込まれた結果として本来の自分を取り戻す、というテーマがいくつかあって、多くは初期の傑作と比較して今一つの出来なのだが、「証拠」は成功作のような。

ところで、イギリス人のワインに対する思いは一種独特な面があるように思う。あまり知られていない作品だが、私のお気に入りの「ワインは死の香り」(R.コンドン著/後藤安彦訳/ハヤカワ文庫)でも、そういう印象を持った。それはさておき、「証拠」にも「ワインは死の香り」にも戦争ゲームが出てくる。かなりマニアックな趣味なので、偶然ではないかも知れない。つまり、ディック・フランシスがコンドンの作品にインスパイアされて「証拠」を書いた可能性もあるのではないだろうか。

2015/10/03

東郭先生、命を説く

特に何の予定もない週末。「証拠」(D.フランシス著/菊池光訳/ハヤカワ文庫)、「新釈漢文大系 第22巻 列子」(小林信明訳/明治書院)など。「列子」の「力命」第二章。こんな話が書かれていた。

北宮子が西門子に言うには、君と私とは氏素性も歳も容貌も言うこともすることも皆同じようなのに、君は高い身分と財産を得て皆から尊敬されていて何をしてもうまく行き、一方私は貧乏で身分もなく誰からも認めてもらえず何をしてもうまく行かない。それだからだろう、君は私を軽んじて侮り続けているね。人として自分の方がずっと上だと思っているのだろうか。西門子が答えるには、実際どうかは分からないけど、結果がこうなっていることからして、君と私が違うということを示しているんじゃないかね。それなのに君は、私を君と同じだと言う。ちょっとずうずうしくないかい。

北宮子はこれに答えることができず、がっくりとして帰る途中、東郭先生に会った。先生が、そんなに恥じ入った様子をしてどうした、と訊くので、北宮子は事情を話した。すると先生は、私が言い返してやろうと言って、二人は一緒に西門子のところに行き、再び同じ話を聞いた。先生が西門子に言うには、君は才徳の差を言っているだけだね、しかし私思うに、北宮子は徳は厚いのだが、命が薄い。君は命に厚くて、徳に薄い。君が恵まれているのは智の徳のせいではないし、北宮子が困窮しているのは愚かだからでもない。これは皆、天であって、人ではない。なのに、君は命の厚さを自ら誇り、北宮子は徳の厚さを自ら恥じている。もとからそうであるという理がどちらも分かっていないよ(「皆夫ノ固ヨリ然ルノ理ヲ識ラザルナリ」)。

これを聞いた北宮子は、もうやめて下さい先生、と言って、家に帰った。そのあとも北宮子の境遇は困窮したまま全く変わらなかったが、一生安らかに過し、栄辱が人にあろうが自分にあろうが気にしなかった。それを聞いた東郭先生は、彼は長く寝ていたが一言で目が覚めた、簡単なもんだね、と言った。

2015/10/02

週末

夏休みのあと、もう一つ調子の出ない週だったが、何とか金曜日の夜に辿り着いた。やはり世間に出るのは疲れるものだ。土日は「列子」でも読みながら、のんびり隠棲しよう。

親会社の全体ミーティングのあと、すぐ退社して帰宅。風呂に入ってから夕食の支度。油揚げの葱詰めの網焼き、鮭に玉葱のピクルスで冷酒を五勺。しらす丼と、落とし玉子の澄まし汁。

2015/10/01

列子

往きの車中の「潤一郎訳 源氏物語」(中公文庫)は「玉鬘」の帖に入った。休みボケから少しずつ回復。帰りの車中の読書は「幻の森」(R.ヒル著/松下祥子訳/ハヤカワ・ミステリ 1667)である。

帰宅したら、注文していた「新釈漢文大系 第22巻 列子」(小林信明訳/明治書院)が届いていた。岩波文庫版が品切れで相当の高値がついているし、どうしたものかと思っていたら、「新釈漢文大系」版の古本が千二百円くらいで市場に出ているのを発見したので購入。気軽に鞄に入れられるサイズでないのは残念だが、いい買い物をしたなあ、と思いつつ、夕食後の御茶請けに読む。