「夫子憮然曰、鳥獣不可與同羣。吾非斯人之徒與、而誰與。
「論語」微子、第十八、六

2014/01/31

「料理人の休日」

ようやく週末に辿り着いた。 納豆と目刺しのお決まりの朝食で済ませ、作り置きのお惣菜を適当に詰めてお弁当を作り、出勤。 金曜日らしく低調な一日。

昼休憩に古書店で「料理人の休日」(辻静雄著/S.チェンバレイン画/鎌倉書房)を買った。 今は、新潮文庫版や復刊ドットコム版などでも読めるが、 それぞれ独自に編集されているため同じではないし、美しい装丁が復元されているわけでもない。

夕方退社して、近所の洋食屋でビールを飲みながら、「料理人の休日」を読む。 フォワ・グラの食べ方について、など。 「普通は薄皮をとり血抜きをしてコニャックをかけて数時間漬けておき、graisse d'oie で弱火で小一時間火を通す。 それからテリーヌに入れて、冷えたら、さきに煮るときにつかった graisse de cuisson を注ぎ入れて、さます。 いくらか脂がさめておちついたら、この上からうすくラードをかけて、ひやし、フタをしておいておくのだが、火を通すのをさっとやると、ビフテキでいうオー・ブルーという状態のままでとどまり、うす切りにすると、うっすらと血がにじんでくる。 そのおいしいこと、人間の知恵が生んだ僥倖としかいいようがないくらいだが……」

と、いうのが普通の食べ方だそうだ。 しかし一七〇〇年頃には紙にくるんで灰の下でじっくり焼いたりもしていたとのこと。 また、岩塩に漬けるという料理法もあるらしい。 一日漬け、二日漬け、と深さによって味わいが違う。 大蒜漬けというのもあり、十数個の大蒜を丸ごとフォワ・グラと一緒にして火を通したのを冷やして出すとのこと。 意外にも強い匂いはせず、ほのかな大蒜の香りがどことなく漂うのだとか。

2014/01/30

菠薐草のオムレツ

曇り空の朝。雨になるらしい。出社して粛々と作業。 夕方退社。小雨が降っている。今年の冬は雨が少ない。そう言えば、ひょっとして初雪もまだなのでは。

帰宅して、お風呂に入ってから夕食の支度。 御飯を炊いて、菠薐草入りのオムレツ、大根の糠漬と梅干し、油揚げと切干し大根の味噌汁。 やっぱりオムレツは久しぶりに作ると駄目だなあ。 食後に蜜柑を一つ。

夜は、ナッツ類とブリーチーズでスペインの赤ワインを一杯だけ飲みつつ、 「昨日までの世界」(J.ダイアモンド著/倉骨彰訳/日本経済新聞社)を読んだり。

2014/01/29

製図と書道

昼休憩の散歩中に、理工系専門の古書店の前で変わったものを見つけた。 立派な木箱入りの「クロソイド定規」と「円定規」。それぞれ一万円。 この大きさからして、色々なサイズ、色々な形のセットが入っているのか。 高いのか安いのか良く分からないが、おそらく製図のプロ仕様なのだろう。

大学一年生の時、「図学」という謎の科目があって、 高価なペンや定規を使って正十二面体やネジの絵を描いたりしたことを思い出した。 四半世紀前とは言え、流石に当時でもこれは無駄な授業なのではないか、と思ったものだったが、 指導する先生は「書道だと思いなさい」と言っていた。

夕方退社して帰宅。お風呂に入ってから夕食の支度。 鶏肉と焼き海苔で鶏丼、菠薐草のおひたし、糸若布と油揚げの味噌汁。 食後に蜜柑を一つ。 チーズとナッツ類で赤ワインを一杯だけ。

2014/01/28

「フランス料理の学び方」

やはり今週は朝が辛い…… 八時まで寝てしまったが、何とかいつもの朝食を用意して済ませ、お弁当を詰めて出勤。 昼休憩に「暮しの手帖」の最新号を買う。 午後は定例のミーティング。 夕方退社。

帰宅してお風呂。湯船の読書は、「フランス料理の学び方」(辻静雄著/中公文庫)。 1972 年に三洋出版貿易から出版されたものの文庫版。 第二部の対談集が秋山徳蔵との対談を除いて省略されているが、 洒落た装丁デザインも踏襲されているし、お得感がある。 私の散歩経路にある古書店に三洋出版貿易の初版が置かれているのだが、 かなり高価である上に、この文庫版を持っているものだから、なかなか買う踏ん切りがつかない。

夕食の支度。 御飯を炊いて、塩鮭、菠薐草のおひたし、卵かけ御飯、千切り大根と油揚げの味噌汁。 夜は「アガサ・クリスティ自伝」(A.クリスティ著/乾信一郎訳/ハヤカワ文庫) を読んだり。

2014/01/27

限界分析

何とか通常の平日スケジュールで起床。土日に身体を休められなかったので、かなり辛い。 いつもの納豆定食の朝食ののち、お弁当を詰めて出勤。 梅干しと沢庵と目刺しの清貧弁当になってしまったのは、家賃と住民税を一度に払ったショックのせいだろうか。 それに所得税の確定申告も近いのだった。

そう言えば、ネロ・ウルフものには、 この時期から働くと九割が税金で持っていかれてしまうから、と言って、 ウルフが仕事を断わろうとする場面がよくある。 私はそこから初めて、経済学で言うところの「限界分析」の概念を学んだ気がする。 つまり、日常の中でも、「追加的にもうちょっと何かしたときにどうなるか」という視点を得た。

そんなことを思いながら清貧弁当を食べているところに、弊社のメンバから相撲土産の焼き鳥をいただいた。 知り合いが用意してくれたチケットで、昨日、両国に千秋楽を観に行っていたそうだ。 全く知らなかったが、相撲の席には食べ物や飲み物の他、お土産まで色々なものが付属しているらしい。 つまり何も持っていかずに一日楽しめるわけで、悪くないシステムだ。

夕方退社して、帰宅。お風呂に入ってから夕食の支度。 塩鮭を焼いて、だし巻き卵、芽キャベツのサラダ、切干し大根の味噌汁、御飯。 食後に蜜柑を一つ。

2014/01/26

熱海の朝

昨日、会場に到着したときに知り合いが、ここは朝の風景がいいですね、と言っていた。 確かに。たまに海を見るのは良いものだ。

今日の午前中も研究会の続きだったのだが、私は一足先に帰る。 昼食は真鰺の握りとロブション・ヱビス。 それだけでは物足りなかったので、何故かラクサを一杯。 美味しかったが、さすがに食べ過ぎ。 午後は自宅で昼寝。やはりうちはいい。

昨日から食べ過ぎ飲み過ぎなので、夕食は軽く。 黒米入りの御飯を炊いて、切干し大根の味噌汁、目刺しと沢庵。 やはりうちの味噌汁が一番である。 食後に蜜柑を一つ。 夜は「アガサ・クリスティ自伝」(A.クリスティ著/乾信一郎訳/ハヤカワ文庫) など。

2014/01/25

熱海へ、そして駅弁に就て

朝食を済ませて、旅支度をし、熱海に出かける。 K 先生の還暦を記念した合宿型の研究会のため。 私は博士課程三年目の一年間だけ、(形式的に) K 先生が指導教授だったので、一応は門下生なのである。 しかし、この事実は関係者にもあまり知られておらず、 K 先生ご本人すら忘れている可能性があるので、 何故ここにいるのかといった風情で見られるかも知れないなあ、と思いつつ。

新幹線車内で駅弁の深川飯で早めの昼食。 駅弁といえば、吉田健一の「駅弁の旨さに就て」というエッセイを思い出す。

日本料理と西洋料理の違いについて長々と書いたあと、最後の段落に至っていきなり、 子供の頃に駅弁を買ってもらって旨かったという思い出を大人になっても忘れず、 駅弁を買うのを旅の楽しみにするような人は健康であり、そんな人こそどんな料理でも正しく味わうことができるのだ、 駅弁をまずいなんて言う食通にはなりたくない、と締め括ってしまう、印象的な小文である。

名人芸と言うには少々やり過ぎの感もあり、単に酔っぱらって書いたのではないかと思われもするのだが、何故か説得力がある。 「舌鼓ところどころ」(吉田健一著/中公文庫)に収められているので、興味を持たれた方はご一読あれ。

熱海駅からバスでホテルに移動し、午後から研究会に参加。

2014/01/24

フォトジェニック

明日、明後日と家事をする時間がないので、早起きをして家事をする。 おかげで一時間弱ほどいつもより遅れて出社。

サンプル用に猫画像を探していて、クロソフスカヤの若き日の写真を見つける。 ひょっとしたら十年以上前の写真かも知れない。 うーむ、若い頃はこんなに凛として、つやつやしていたんだなあ。 今は、ソファに置いた古毛布かと見間違えるときすらあるのだが。 あの頃の美少女は今どこに。

退社時間はもちろん同じ。 オフィスの近くで日本酒を買って帰る。 帰宅して、まずお風呂。 風呂上がりに、大根の皮のなますで酒を飲みながら、風呂吹き大根のできるのを待つ。 開けたての純米吟醸なので今日は冷や酒。

2014/01/23

愛は全てを包む

今日もお弁当を作って出勤。 お弁当用の風呂敷は、ずっと昔にいただいたもの。何かの記念に配るために作ったと聞いたように記憶している。 おそらく、このデザインは「愛は全てを包む」という駄洒落だろう。

夕方退社。帰宅してお風呂に入ってから夕食の支度。 芽キャベツと茹で卵の温かいサラダ、カレーライス。ライスは黒米入り。 シラーを一杯だけ。食後に蜜柑を一つ。

夜は「アガサ・クリスティ自伝」(A.クリスティ著/乾信一郎訳/ハヤカワ文庫) を読んだり。

2014/01/22

人は少しばかり驚かされることを好む

相変わらず冬眠に近いくらい良く眠れる。出社して地味に作業。 iOS 版アプリ申請の最終段階なので、 私以外のメンバは最後のテストと iTunes への申請準備に集中している。

昼休みに「アガサ・クリスティ自伝」(A.クリスティ著/乾信一郎訳/ハヤカワ文庫) を読んでいて、 「人は少しばかり驚かされることを好む ― あまりひどくではなしに」 という一節に行き当たり、やはりこれはクリスティの言葉だったと安心した。

「嵐の日に陸から海の船を見るのは楽しい」問題 については、ルクレティウスの詩句らしいという所から進展していないのだが、 ひょっとしたらこの本でクリスティが引用している箇所が見つかるかも知れない。

夕方退社。 私がオフィスを出る時点では、まだ iOS アプリのアイコンのデザインをどれにするか迷っているようだった。 帰宅して、お風呂に入ってから夕食の支度。 今日のメインは、だし巻きと塩時鮭。他に白菜の浅漬、切干し大根の味噌汁。 食後に蜜柑を一つ。

2014/01/21

ソースの本

昨夜は 9 時過ぎにもう眠くなって寝てしまったのだが、朝起きたのは 8 時近かった。 これでいいのだろうか。 慌てて、納豆と目刺しの朝定食を支度し、朝食のあと、お弁当を適当に詰めて出勤。

午前午後と地味に作業。 昼休憩に古本屋で「オリヴェ・ソースの本」(R.オリヴェ著/角田鞠訳/柴田書店)、 「ワインは死の香り」(R.コンドン著/後藤安彦訳/ハヤカワ文庫)を買う。 「ソースの本」に曰く、 「美食家とは、必ずしも珍しい鳥や、高価な肉を食べて生きている人を指すのではなく、 どんな料理に対しても、それが持っている価値を認めることの出来る人のことである」。

夕方退社して帰宅。 芽キャベツにポン酢ドレッシングの前菜のあと、牛筋と大根の煮込みの残りで赤ワインを少々。 メインに餅を二つ焼いて、豚肉の漬け焼きの煎り白胡麻和えと白菜の浅漬を添える。 食後に蜜柑を一つ。 夜はショコラ・ショーを傍らに、「アガサ・クリスティ自伝」(A.クリスティ著/乾信一郎訳/ハヤカワ文庫) など。

2014/01/20

黒米

ああ良く寝た。 いつもの納豆と目刺しの定食を作って朝食にし、適当に弁当を詰めて出勤。 今朝も良く冷えて爽やかだ。 午前午後と地味に労働して、夕方退社。

帰宅してお風呂に入ってから夕食の支度。 いただきものの黒米を少し混ぜて、御飯を炊いてみる。 ブロッコリと芽キャベツの温かいサラダ、牛筋と大根の煮込み、白菜の浅漬、鮭と大根としめじの味噌汁。 食後に蜜柑を一つ。

夜は「アガサ・クリスティ自伝」(A.クリスティ著/乾信一郎訳/ハヤカワ文庫) を読んだり、ラテン語の勉強をしたり。

2014/01/19

chocolat chaud

十時間以上寝たが、まだ寝足りない。いや冬眠したい。 昨夜は食べ過ぎ、飲み過ぎだったので朝食は珈琲とヨーグルトだけ。 朝風呂に入って、湯船で「殺意」(F.アイルズ著/大久保康雄訳/創元推理文庫) を読む。 午前中はホットカーペットに猫と並んで「殺意」の続きを読み、読了。

昼食は、芽キャベツとブロッコリの温サラダ、アーリオオーリオ。赤ワインを一杯だけ。 午後は家事のあれこれ。 外はびゅうびゅう冷たい風が吹いているが、老体に鞭打って買い出しから。 掃除機がけを終えて、よっこらしょーとしょこらしょー。 「アガサ・クリスティ自伝」(A.クリスティ著/乾信一郎訳/ハヤカワ文庫)を読んだり。

夕食は御飯を炊いて、塩秋鮭を焼き、大根と牛筋の煮込み、大根のなます、千切り大根と揚げ玉の味噌汁。 食後に蜜柑を一つ。

2014/01/18

軍鶏すき

何とか 8 時前に起床。たっぷり 9 時間は寝てしまったが、まだまだ寝足りない。寝て暮したい。 目刺し、納豆、実家製の沢庵などの朝定食。 朝風呂に入って、「殺意」(F.アイルズ著/大久保康雄訳/創元推理文庫)を読む。 午前中は「殺意」を読んだり、のんびり。 昼食は白菜とベーコンを炒めて、サッポロ一番味噌ラーメンを使い、タンメン風のものを作る。 食後しばらく昼寝。

午後は定例のデリバティブ研究部会自主ゼミへ。 普段は午前開催なのだが、今日はその後の新年会のため午後にシフトされた。 無限分解可能分布の Levy-Khinchin 公式の証明に入りかけたところ。 この証明はかなり長く難解。

夜は、自主ゼミの参加メンバで、人形町の軍鶏なべ屋にて新年会。軍鶏すきと親子丼。 丁度、メンバのうち二人の博士号取得が決まったところでもあり、おめでたい。

2014/01/17

倒叙ミステリ

一旦 6 時に目が覚めたのだが、「古楽の楽しみ」を聞いている間にまた寝てしまう。 何とか起き出して納豆と目刺しの定食を作って朝食にし、 作り置きの大根の葉のふりかけと大根牛筋煮込みを詰めてお弁当にして出勤。

昼休憩に古本屋で「殺意」(F.アイルズ著/大久保康雄訳/創元推理文庫)を買う。 そうそう、かつての創元推理文庫では倒叙ミステリは「時計マーク」なのだったなあ。

「殺意」は三大倒叙ミステリの一つだが、(多分)読んでいない。 あとの二つ、クロフツの「クロイドン発 12 時 30 分」とハルの「伯母殺人事件」は読んだはずなのだが、内容を覚えていない。 倒叙ものはコロンボ警部シリーズなど TV ドラマではポピュラな形式だと思うのだが、小説の方ではそれほどでもない。 その原因は映像ドラマの場合、「有名ゲストに犯人を演じてもらう」というズルい手が使えるからではないかなあ。

夕方退社して、帰り道で散髪。髪を切ってもらう間、「殺意」を読んでいた。 帰宅してお風呂に入ってから夕食の支度。 昨日作った大根と牛筋の煮込みを温めなおし、葱と七味をふって、赤ワインを一杯だけ。 のち、鰊蕎麦。熱い蕎麦もまた良し。

2014/01/16

牛筋と大根の煮込み

寝坊。八時過ぎまで寝てしまった……どうしてこんなに眠れるのか。 寒さで一日中きゅっと身体が縮こまっていて、それだけで身体が疲れるから、 と仮説を立てようが立てまいが、眠いことには変わりない。 朝食は簡単に済ませ、慌ててお弁当に適当に惣菜を詰めて出勤。

粛々と労働に励んで、夕方退社。帰り道で牛筋を買って帰宅。

お風呂に入ってから、牛筋に取り組む。 牛筋と大根の煮込みを作る合間に、じゃこ入り卵かけ御飯と、大根の皮のなます、大根と長葱の味噌汁で夕食。 牛筋の煮込みは大して手間がかかるわけではないが、時間はかかるので夕食には間に合わなかった。 しかし、夕食を済ませたあと、煮込みの味見。上出来。つい、赤ワインを一杯だけ。

2014/01/15

3ステップで作る美味しい風呂吹き大根

雪にこそならなかったが、今日はかなり寒い。 こんな日には風呂吹き大根で熱燗に限るな、と帰り道に思っていたので、 帰宅して自分がお風呂に入ってから、早速、大根を料理する。

3ステップでできる、美味しい風呂吹き大根の作り方。

まず、大根の葉の部分を落とし、葉は微塵切りにして胡麻油で炒め、じゃこと煎り胡麻を加え、 さらに炒めて、酒と醤油を加え、ふりかけにします。

次に、残りを輪切りにして皮を剥き、皮は千切りにして塩もみし、しばらく置いて水分を抜いたあと、酢と砂糖少々でなますにします。

最後に、その残りと水を土鍋に入れ柔くなるまで気長に煮て、できあがり。味噌か醤油で食べます。

大根の味について悟りが開けていない方は、私と同様に、 昆布を敷き、酒と塩少々を加えて煮ると良いでしょう。 それでも、下茹でをしたり、玉味噌や柚味噌を作ったりするのは邪道です。

2014/01/14

力蕎麦

三連休も終わり、ああ三十連休か三百連休をとりたいものだなあ、と思いつつ、 豚汁、納豆、蕪の糠漬などの朝食を済ませ、 鶏肉の漬け焼き、白菜の浅漬、沢庵などを弁当に詰めて出勤。 今朝もかなり寒い。 明日は東京も雪が降るかも知れないそうだ。

夕方退社。帰宅してお風呂に入ってから夕食の支度。 ベーコンとキャベツと大蒜の塩炒め、鶏肉の漬け焼きの残りで赤ワインを少々。 餅を焼いて力蕎麦。食後に蜜柑を一つ。

大晦日に片付けようと思っていたのに、いまだに居間から平積み本の山脈が消えない。 いや、むしろ大きくなっている。火山活動の影響だろうか。

2014/01/13

怖るべしアマゾン

今日も昨日と同じスタイルで読書の一日。 「ジェフ・ベゾス 果てなき野望」(B.ストーン著/井口耕二訳/日経BP社)を読んだ。 Amazon 怖るべし。

スタートアップ的な小さな会社は、ものを作って売るならマーケット・プレイス、 サーヴィスをするなら AWS という具合で、何かとアマゾンである。 今は当たり前だけれども、少し前まで想像も出来なかったんじゃないだろうか。 何かビジネスを立ち上げようとするとアマゾン様のお世話になるとは。

ところで、昨年、弊社のミーティングで、 そろそろスケール容易なクラウドに移行しないといけないね、と議論した途端、 その日だったと思うのだがアマゾンから、 そろそろ AWS いかがですか、と勧誘のメイルが届いた。 「聞いてたの?」という位のタイミングの良さは偶然だろう。 それでも、誰も知らないような小さな会社に目をつけて早々にアプローチしてくるとは、 その素晴しい営業力を見習いたいものだ、 と弊社では話題になったものである。

2014/01/12

猫と「月長石」

猫で足を温めながら、「月長石」(W.コリンズ著/中村能三訳/創元推理文庫) を読んだ一日。

770 ページもかかって宝石盗難事件を解決する退屈な小説、と思っていたのだが、 まさに巻を置くを能わず、ものがたりのうまさでどんどん読ませる。 昨日の続きを午後から読み始めて、とうとう夜には読了してしまった。

ミステリとは言えないかも知れないが、物語として兎に角おもしろい。 似ているのは当然ながらディケンズだが、ディケンズよりはずっと構成が緻密で、そのあたりがミステリらしいと言えるかも。 人物造形と描写においてもディケンズに勝るとも劣らず、 特に、「ロビンソン・クルーソー」を座右の書として愛読する老執事ベタレッジがいい。 「ロビンソン・クルーソー」を再読したくなるくらいだ。 また狂信者クラック嬢の造形は類型的と言えばそうだが、そのコミカルな描写に相応で、むしろ著者の計算だろう。 全体として、ああ、おもしろかった、と言う以上の「深さ」の意味ではディケンズに及ばないかも知れないとは言え、 古典と呼ぶにふさわしいエンタテイメントの傑作だと思う。

名作とは聞いているがあまりの長大さに敬遠している、という人には、是非お勧めしたい。 読み始めれば止まらなくなることを請け合う。

2014/01/11

珈琲とパン・オ・ショコラと「月長石」

いやあ、「月長石」(W.コリンズ著/中村能三訳/創元推理文庫) がこんなに面白いとは。

読み始めたらぐいぐい引き込まれ、午後を費して 「第一期 ダイヤモンドの紛失(一八四八年) ジュリア・ヴェリンダー夫人の執事ガブリエル・ベタレッジの手記」 の三百ページ強を一気に読み終えた。ちなみに、まだ全体の半分にも満たない。

2014/01/10

月長石

今週は低調だなあ……また寝坊して、珈琲、ヨーグルト、チーズ乗せトーストなどの簡単な朝食ののち、 作り置きの惣菜を適当にお弁当に詰めて出勤。 寒波襲来で今朝は流石に寒い。 オフィスまで歩いたので、デスクに到着したときには手がかじかんで、 パスワードがなかなか通らなかった。

昼休憩に古本屋で「月長石」(W.コリンズ著/中村能三訳/創元推理文庫)を買う。 詩人で文芸評論家のT.S.エリオットが「最大にして最上のミステリ」と讃えた古典中の古典だが、 実は、今まで読んだことがなかった。

最大にして、と言うだけあって約 770 ページもあり、しかもこれだけの分量を費して、宝石が盗まれるだけで、人一人殺されない。 さらに、1868 年という昔に書かれた作品なので、良く言えば堂々たる大河のようなと言おうか、悪く言えば古臭い。 読んだことがなくても、有名作品だけに、こういう性質は知っていたので、なかなか手が出なかったのである。 しかし、ついに、意を決して読むことにした。

夕方退社。近所のカレー屋でチキンカレーとヱビスビールの夕食をとり帰宅。 明日からは三連休。ゆっくり「月長石」を読むかな。

2014/01/09

寒波と湯豆腐

また寝坊。八時近くまで寝てしまった。どうもいかんなあ、いつまでもお屠蘇気分で。 慌てて珈琲、ヨーグルト、チーズを乗せたトーストなどで簡単に朝食を済ませ、 作り置きの惣菜を適当にお弁当に詰めて出勤。

午前午後と粛々とお仕事。夕方退社。 昼はそうでもなかったのに、急激に気温が下がっている。 寒波襲来だそうだ。

帰宅してお風呂に入ってから夕食の支度。 湯豆腐で熱燗を五勺ほど。こんな夜はこれだよね。 のち、レタスの温サラダ、じゃこ入りの卵かけ御飯、大根と人参と長葱の味噌汁。 食後にいただきものの柿を一つと、落花生を少々。

夜は「愛国殺人」(A.クリスティ著/加島祥造訳/ハヤカワ・ポケット・ミステリ 207) を読んだり。

2014/01/08

「愛国殺人」

まだ年始ぼけが抜けないなあ。まあ一年中年始ぼけみたいなものだが。 地味に目刺し、納豆、長葱の味噌汁、蕪の糠漬などで朝食を済ませ、出勤。

今日はオフィスに一番乗りだった。 水曜日なのでお弁当はなしで、昼食は外で済ませる。カツカレー。 ついでに近所の古本屋で「愛国殺人」(A.クリスティ著/加島祥造訳/ハヤカワ・ポケット・ミステリ 207) を 210 円で買う。 昨年末にクリスティの名作をリストアップして再読したのだが、「愛国殺人」は忘れていたな、と。 夕方退社。

帰宅して、お風呂に入ってから夕食の支度。 ブロッコリとチーズのグラタン、筑前煮などでシャルドネを一杯だけ。 そののち、卵と春菊入りのかけ蕎麦。

2014/01/07

仕事始め

まだまだ眠りたいところだが、何とか八時前に起床。 朝食をとり、お弁当を作って出勤。 十日ぶりくらいにオフィスへ、まだ自分の居場所があるかどうか確認に行く。

私の机はまだあった。 午前中は、去年は何をしてたんだっけ、と思い出すのに費し、午後は今年最初のミーティング。 夕方退社。

帰宅してお風呂に入ってから夕食の支度。 湯豆腐で冷酒を五勺ほど。のち、筑前煮、茹でレタスの温サラダ、御飯、水菜の味噌汁。

やはり久しぶりに出社したからだろうか、大したことはしていないのに、夜にはとても疲れていた。 歳だなあ…と思いつつ落花生を食べながら、読書などする夜。

2014/01/06

六日

寝ても寝てもまだ眠れるのだが、何とか 8 時前に起床。 珈琲、クランベリージャム入りのヨーグルトで目を覚ましてから、本格的に朝食の支度をする。 五目黒豆、蕪の糠漬、じゃこと大根の微塵切り入りの納豆、豚汁、御飯。

今日、六日月曜日は、特にイベントや用事はないが、 昨年末のうちに休むことを宣言しておいたので、まだ年始休み。 さあて何をしようかな…そうだ、お風呂に入ろう。 朝風呂に入って湯船で 「殺人犯はわが子なり」(R.スタウト著/大沢みなみ訳/ハヤカワ・ポケット・ミステリ 1741) を読む。

そうこうしているうちに昼時。 昼食はサッポロ一番味噌ラーメン。具はキャベツとブロッコリとハムと卵。 猫と人間との差をつけるため、昼寝は我慢。 珈琲と落花生を傍らに、「殺人犯はわが子なり」を読む。読了。 夕方まで家事など。余った鶏肉を山椒風味の漬け焼きにしておく。

夕方またお風呂に入って湯船で「ラテン語のはなし」(逸身喜一郎著/大修館書店)を読む。 さて夕餉の支度。 御飯を炊いている間に、豚肉と水菜の常夜鍋で冷酒を五勺ほど。 のち、五目豆と蒲鉾などで、長葱の味噌汁と御飯。

2014/01/05

五日

また寝坊してしまった。 が、ここで朝食を軽く済ませているようでは生活リズムが戻らないだろう、と思い、 珈琲、ヨーグルト、クランベリージャム、ベーコンエッグ、蒸した芽キャベツ、チーズを乗せて焼いたトーストの朝食。 朝風呂に入って、湯船の読書は「フェデリコ・カルパッチョの優雅なる倦怠」(木暮修訳・註/幻冬舎)。

そうこうしているうちに昼食の時間。 御飯を炊いて、豚汁を作り、おせちの最後の残りで済ませておく。 普段なら昼寝をするところ。 が、ここでまた寝ているようでは生活リズムが戻らないだろう、と思い我慢する。

午後は、掃除などの家事と料理の仕込み、その他はホットカーペットに猫と並んで、 珈琲と落花生を傍らに「殺人犯はわが子なり」(R.スタウト著/大沢みなみ訳/ハヤカワ・ポケット・ミステリ 1741)を読んだり。 ネロ・ウルフものの翻訳本の中で唯一、未読のまま残していた。

夕食はピェンロー。シャルドネを少々。あとは雑炊。卵を落とし、実家製の沢庵を添える。

2014/01/04

季語

またしても良く寝た。 寝坊したので、珈琲を淹れたあと、チーズを乗せて蓬餅を焼き、朝食にしておく。 朝風呂に入って、湯船で 「世界史」(W.H.マクニール著/奥田義郎・佐々木昭夫訳/中公文庫) を読む。 昼食は、鰤の照り焼き、大根の浅漬、納豆(長葱とじゃこ)、長葱の味噌汁、御飯。 久しぶりの白御飯はうまい。

食後に昼寝をしようかと思ったが、昼寝をすると夜に眠れないのではなくて、いつも通りに寝てしまうだけなので、控えておく。 さすがに一日の半分以上寝ているのは人としてよろしくない。

色々と送っていただいたおかげで野菜は沢山あるのだが、肉、魚類はないので近所のスーパーに買い物に行く。 午後は買い物、本、猫、クロスワードパズル、本、猫、本、猫、などしていたら過ぎていた。

夕食は、送っていただいた白菜や春菊で鶏と豚の水炊き。 やはりいただきものの柚子で作ったポン酢で。仕込んだばかりだが、新鮮な感じも悪くない。 お供にシャルドネを少々。あとは饂飩と卵。雑炊もいいけど饂飩もね。

今日も自堕落に過してしまったが、「四日」、「五日」、「六日」、「七日」はそれぞれ季語らしいから、まだまだ年始気分でよいに違いない。 昔の人は同じ年始でも一日一日毎に微妙に違う気分を感じとれて、しかも共感できたのだろうなあ。 今の私には「サザエさん」のエンディング効果が徐々に高まる、という程度しか感じられないが。

2014/01/03

三箇日

今年最初に読み終わった本は "Champagne for One" (R.Stout著 / Bantam Books) でした。 ミステリとしてのスタウトの弱点は、 基本的に行き当たりばったりの閃きで事件が解決することかなあ。 もちろん、言わゆる「本格」ではないので、そもそも期待されていないことではあるが、 ネロ・ウルフの天才性がもう少し具体的に示されても良い気はする。

また遅くまで寝てしまった。 珈琲と、チーズを乗せて焼いたトーストだけの朝食で済ませ、朝風呂に入る。 湯船の読書は 「世界史」(W.H.マクニール著/奥田義郎・佐々木昭夫訳/中公文庫) の上巻。 西暦 600 年から 1000 年あたり、イスラムの勃興と中国、インド、ヨーロッパへのその影響。

昼食はいただきものの蓬餅を焼いて、おせちの残りあれこれでスパークリングワインを一杯だけ。 午後も読書、昼寝、猫。

そうこうしているうちに夕食時。 前菜におせちの残りと五目黒豆でスパークリングの最後の残り、のち、カルボナーラ。

三箇日をまったく無為徒食に過してしまった。理想的だなあ。

2014/01/02

黒米

ああ良く寝た。8 時起床。 朝食は珈琲、クランベリージャム入りのヨーグルト、 チーズを乗せて焼いたトースト、パン・オ・ショコラ、ベーコンエッグ、人参の千切りの炒め物。 朝風呂に入ってから、午前中は "Champagne for One" (R.Stout著 / Bantam Books) を読んだり、猫を撫でたり、数独をしたりして過す。

昼食は稲荷寿司の残り二個、おせちの残りあれこれ、スパークリングワインを少々。 午後は読書をしたり、猫を撫でたり、数独をしたりして過していると、 奇特な方から野菜など食材が届いた。ありがたし。 柚子など柑橘類はポン酢に仕込み、蕪を糠漬にし、白菜の一部を塩で漬けておく。 他にも色々あるので使い道を考えないと。 謎の穀物が入っていたので問い合わせたところ、黒米だとのこと。

夕食は、これまたいただきものの蓬入りの餅を焼いて、 おせちの残りとスパークリングワインで済ませておく。 夜も読書をしたり、猫を撫でたり、数独をして過す。

2014/01/01

元日

明日を最も必要としない者が、最も快く明日に立ち向う。

「エピクロス —教説と手紙—」(出隆・岩崎允胤訳/岩波文庫)より