私は昔から老人趣味で、小さな子供のうちから、老成していると人からも言われ、自分でも早く老人になりたいものだと思っていたし、今でも一刻も早い隠居が夢だ。そんなわけで、できるだけ老人くさく、いや、年相応に、見えるように努力している。例えば、よれよれの背広を着て、蝋纈染めのネクタイをする、などだ。
お金に余裕がないので、そこまで贅沢はしないが伊丹十三が「女たちよ!」に書いていたような、鶯のウンコ色の毛の上衣に、グレイのフラノのズボン、血膿色のネクタイ、抹茶色の腐った感じのカシミヤのセーター、靴は赤茶色のオックス・ブラッド、なんて感じに憧れたりもする。
それはさておき、そして今日はさらにもう一つ老人グッズを手持ちのカードに加えた。眼鏡チェーンである。