猛暑日。言っても仕方がないが、暑い。スウェーデンのユッカスヤルヴィにあるアイスホテルに十四連泊したい。せめてステイシィ・ケントの「アイスホテル」を口遊みながら出勤。一刻も早く氷河期が来て欲しい。涙さえも凍りつくような白い氷原で雪に埋もれて死にたい。
猛暑の中、太田裕美の「さらばシベリア鉄道」を口遊みながら帰る。この線路の向こうにはなにがあるの、雪に迷う馴鹿の哀しい瞳……
帰宅すると、ポストの手紙のスタンプにはロシア語の小さな文字。いや、ただの日本郵政の消印だった。オクラとしらすと干し海老のおろし和えでビール。生き返った。やはり人生、捨てたものじゃない。のち塩鯖と梅そうめん。ふいに愛の意味を知る。