家事と読書で静かに一日を過す。まだ残っていた酢橘が黄色くなってしまったので慌ててポン酢に仕込んだり、マリナーラソースを作ったり。午後には雨があがって夕方には晴れ間も見えた。
「奪回」(D.フランシス著/菊池光訳/ハヤカワ文庫)。今回の主人公は誘拐対策会社の派遣コンサルタント。色々と考えてくるなあ。誘拐身代金の要求がポピュラーなビジネス分野になっている国もあるので、ヨーロッパなら誘拐対策専門の会社があっても不思議はないし、実際に少なからず存在するようだ。
相変わらず馬が出てくるのだが、今回は誘拐の被害者二人が騎手と馬主の息子。そうまでして馬を出す必要はないと思うのだが、やはり著者が心底から知り抜いていることを書き込めることは、他の方法ではできない深みを物語に与えるのだろう。