「夫子憮然曰、鳥獣不可與同羣。吾非斯人之徒與、而誰與。
「論語」微子、第十八、六

2013/06/22

巌窟王

また夏が帰ってきた。 昨夜は外食だったので、朝食は珈琲、果物、ヨーグルトで軽く済ませて、 デリバティブ研究部会の自主ゼミへ。 伊藤先生のオルフス大学講義録より、 σ加法族の独立性、コルモゴロフの 0-1 則、 ボレル=カンテリの補題など。 そのあとのランチは、日本橋の鰻屋にて。 帰り道で、都議会選挙の期日前投票をして、帰宅。

帰宅して、しばらく昼寝。 お風呂に入ってから、夕食の支度。 自家製の麺つゆで、素麺。薬味は大葉と細葱と生姜。夏は素麺だなあ。 他に、玉葱とブロッコリと魚肉ソーセージと卵の炒めもの。

夜は「モンテ・クリスト伯」(A.デュマ著/山内義雄訳/岩波文庫) を読んだり。岩波文庫版、全七巻を再び読了。 私も子供の頃、ジュブナイル版の「巌窟王」を夢中で読んだものだが、 「モンテ・クリスト伯」のどのエピソードも「巌窟王」で読んだことがあるような気がする。 例えば、 黒人の召使が投げ縄を使って暴走する馬車を宣言通りのところで止めてみせるところとか、 メルセデスの息子と決闘をする前にトランプのマークを打ち抜いて拳銃の腕前を見せるところとか、 エドモン・ダンテスと気付かないフェルナンの前に昔の船員姿に着替えてくるところとか、 ダングラールにグラス一杯のワインを大金で売り付けるところとか。

どの場面も、 「嗚呼、なんということでしょう!」みたいな調子の文章と、 おどろおどろしい挿絵のおぼろげな記憶が蘇えってくるのである。 しかし、いかに腕のある翻訳家と言えども、 岩波文庫全七巻もある分量が、子供向けの一巻本に要約できるとは思えない。 おそらく、原作自体が名場面ぞろいであることもあって、 私の記憶の方が変形してしまっているのだろう。 昔読んだ「巌窟王」を今、読み返してみたいものだと思うのだが、 残念ながらどの出版社のどのバージョンだったのか覚えていない。 年代と判型の記憶からして、講談社世界名作全集の新しい訳あたりかも。