いくらでも眠れる。晝寢を二時間した上に、夜は十時間寝てしまふ。ツェツェ蠅に刺されたのか。明日からちやんと通勤できるのか不安だ。遅く起き出して簡単な朝食。朝風呂に入つて、湯船で「茶話」(薄田泣菫著/冨山房百科文庫)を讀む。
晝食はマルタイの棒ラーメン(小松菜と豚肉と茹で卵と葱)。午後は讀書と家事など。三時に珈琲と、小さなトーストに厚くバタを塗り自家製の葡萄ジャムを乗せて焼き直したものを食べながら、「笑う食卓」(立石敏雄著/阪急コミュニケーションズ)を讀む。「笑う食卓」は兎に角、可笑しいし、猫のヒジカタクンが可愛い。
食と料理に関する笑へるエッセイと言えば、この立石敏雄とフェデリコ・カルパッチョが両雄だと思ふ。しかし、立石氏は 2008 年「笑う食卓」の一冊しか著書がないし、カルパッチョ氏は盟友ドットーレ・コグレ亡き後、消息不明と聞いてゐるので、残念至極だ。おそらく前者はますます深窓のをぢさん化して主夫業に励み、後者はイタリアに歸國して老いてますます盛んに健全な美女たちと健全な美食に耽つてゐるのだらう。どちらも羨しい限りである。
夕方再び風呂に入つて夕食の支度。小芋の煮物でぬる燗を五勺。日曜日くらゐは酒を控へようと思ふのだが、酒は憂ひを払ふ玉箒……などと呟きつつ、やはり飲んでしまふ。そのあと、鯵の開き、明太子だし巻き、焼き海苔、豚汁、押し麦入り御飯。さて、また一週間だ。