「夫子憮然曰、鳥獣不可與同羣。吾非斯人之徒與、而誰與。
「論語」微子、第十八、六

2016/11/11

ブランド薩摩芋

親会社の全体会議のあと退社して、帰り道で薩摩芋などを買つて歸宅。この前は近所の八百屋で処分品を買つたのだが、今回は某高級スーパーで福井県富津地区産「とみつ金時」を買つてみた。所詮が薩摩芋なので高価なものではないのだが、関西弁で言へば「なんぼのもんやねん」と言ふ気持ちで。私は子供の頃から焼き芋と言へば、お向かひの徳島県産「鳴門金時」だつた。さて、とみつ金時はなんぼのものか。

湯船の讀書は、"The Paper Thunderbolt" (M.Innes / Penguin) 。丁度、中程。謎の研究所から逃走を續けていた小悪党 Routh の進路がオックスフォードにてアプルビイと交錯。オックスフォードでは学生の他に子連れの外国人女性も謎の失踪。秘密は "Milton Porcorum" と言ふ妙な名前の村にあるらしい……と、漸く面白くなつてきた。しかし一日數ページづつしか進まないので、今年中に讀み終へられるかも怪しい。

そして食後にとみつ金時をオーヴンで焼き芋にして食べてみた。確かにうまい。ねつとりとしてゐて、甘みが強く感じられ、これだけでデザートとしての風格がある。一回つぶして裏漉ししてから固め直したかのやうな透明感……やるな、とみつ金時。でも、「当タリ」の時の鳴門金時もこのくらゐ美味しかつたはず、と弁護して置こう。