「夫子憮然曰、鳥獣不可與同羣。吾非斯人之徒與、而誰與。
「論語」微子、第十八、六

2016/11/02

「標的」と「論語」

水曜日。だが、明日は祝日なので週末気分。歸りの車中で「標的」(D.フランシス著/菊池光訳/ハヤカワ文庫)を讀了。

かなり後期に属する作品だが、安定した面白さ。今回は、小説家を目指すサヴァイヴァルの専門家が、アルバイトで伝記を書くことになり、調教師一家に関わる。設定をひねり過ぎてゐるし、今回こそ馬はいらないだろう、と思ひもしたが、それでも水準以上の出來。次はまたレジナルド・ヒルに戻つて「真夜中への挨拶」の予定。フランシスはあと八冊、ヒルはあと四冊。

歸宅して風呂に入つてから夕食の支度。また鍋。今日は寄せ鍋にしてみた。でも具は豚肉、小松菜、しめじ、えのき、長葱、と昨日とほとんど同じ。白ワインを一杯だけ。あとは饂飩。長葱の青いところと卵を追加。食後にカマンベールの燻製を切つてワインをもう少し。

夜は、愛讀書の「論語」(貝塚茂樹訳注/中公文庫)。どれくらゐ愛讀してゐるかと言ふと、左の写真くらゐ。私は「論語」より「荘子」や「列子」の方が遥かに好きだ。しかし、良く繙くのは何故か貝塚「論語」。カルヴィーノが、自分だけの古典とは自分が無関心でゐられない本であり、その本の論旨に賛成できないからこそ、さうなのかも知れない、と言ふやうなことを書いてゐたのを思ひ出す。