昨夜、「樽」(F.W.クロフツ著/霜島義明訳/創元推理文庫)を読了。意外なほど面白かった。子供の頃に読んだ記憶では、死体を詰めた樽が英仏海峡を行ったり来たりする無闇に複雑なアリバイトリックを、矢鱈に地道に解きほぐしていく、地味で陰気で粘着質な小説、という印象だったのだが、むしろサスペンスフルで読み易いことに驚いた。問題のトリックも思いがけなくも、自然でシンプル。やはり、若い頃に読んで分かった気になっているものを読み返すことは大事だ。
そんなわけで、次は「マルタの鷹」(D.ハメット著/小鷹信光訳/ハヤカワ文庫)を読むことにした。 最近、「改訳決定版」が文庫で出版されたところだし。
午後から曇り空になって、風も強まり寒い一日。夕方から臨時のミーティングがあったので、いつもより遅い退社。でも、夕食を予約していたレストランへ直接行くのに丁度良いタイミングだった。