昨夜、「トレント最後の事件」を読み終えたので、今日と明日の計画は「ナイン・テイラーズ」(D.L.セイヤーズ著/浅羽莢子訳/創元推理文庫)を読むことである。
休日なので珈琲とヨーグルトだけの朝食を済ませたのち、朝風呂に入り、湯上がりに安物のロゼ・スパークリングを飲みつつ「ナイン・テイラーズ」を読み始める。子供の頃は、有能な執事を連れたピーター・ウィムジイ卿が嫌いではなかったとは言え、無駄に「文学的」な気もしたりして、私のセイヤーズ評価は低めだった。今読み直してみると、ゆったり物語を楽しめるという感じで、悪くない。
早めの昼食は油揚げを網で焼き、納豆、胡瓜の糠漬、菠薐草のひたし、御飯、とろろ汁。午後も同じ調子で「ナイン・テイラーズ」を読んだり、夕食の買い出しに行ったり。季節だし、蛤でもどうかな、と思っていたのだが、国産の立派な蛤はびっくりするようなお値段で、流石に手が出なかった。どこのお大尽様のお女中が買っているのだろうか、憎むべき格差社会め。やむを得ず、十分の一くらいの値段の浅蜊を買う。
夕食は浅蜊の炊き込み御飯。他に菠薐草のひたし、落とし卵の味噌汁。浅蜊ごはん、うまい。蛤だったらまた別の美味しさだっただろう、と思わないでもなかったが、浅蜊もまたよし、浅蜊しか買えない自分もまたよし。五羽の雀は二銭にて賣るにあらずや、然るに其の一羽だに神の前に忘れらるることなし。食後に苺を少々と、ロゼ・スパークリングを一杯だけ。