永らく、食に関する本で何度読み返しても面白いのは子母澤寛の「味覚極楽」にとどめをさすと思っていたのだが、最近の私には内田百間の「御馳走帖」の方が面白い。結局、いくら名聞き書きで、いくら味があると言っても、まあ、「味覚極楽」は有名人各々の自慢噺のようなものであって、百鬼園先生の自由闊達さには及ばない。
とか言って、またしばらくすると、食の本は開高健の「開口閉口」に限る、などと言い出しかねないので、今のところは、に過ぎないのだが。
夕食には、おからの煮物でワインを少々飲み、そのあとは、豚肉の漬け焼きと生キャベツの千切り、黒米入りの御飯、大根の漬物、豚汁。