「夫子憮然曰、鳥獣不可與同羣。吾非斯人之徒與、而誰與。
「論語」微子、第十八、六

2016/02/21

「密輸」

読書と一週間分の家事の一日。読書は「密輸」(D.フランシス著/菊池光訳/ハヤカワ文庫)、「怒りについて 他二篇」(セネカ著/兼利琢也訳/岩波文庫)。

少し前に思い立ち、本や雑誌を少しずつ処分し続けている。その減少の仕方はおおよそ線型なはずだが、なかなか減っている気がしない。しかし今日になって、「おや、いつの間にか随分と減ったな」と感じた。感じ方の方は非線型なのだろう。

「密輸」読了。いつもほど高潔な主人公像ではないし、全体に地味ではあるのだが、うまくまとまった佳作で、特にミステリとして出来がいい。伏線が巧妙に張られているし、EC 法規下でヨーロッパからイギリスに「密輸」されたものは何なのか、という謎の設定が独創的で、答にも意外性がある。