「夫子憮然曰、鳥獣不可與同羣。吾非斯人之徒與、而誰與。
「論語」微子、第十八、六

2012/04/07

グレープフルーツの切り方フランス流

珈琲、茹で卵、苺ジャムとヨーグルトの軽い朝食。 午前中は朝風呂に入ったり、本を読んだりでのんびり。 「貧乏人の経済学」(A.V.バナジー&E.デュフロ著/山形浩生訳/みすず書房)、 「シャーロック・ホームズの冒険」(A.C.ドイル著/深町眞理子訳/創元推理文庫)より 「くちびるのねじれた男」など。

昼食は焼き鮭、納豆、里芋の煮物、しめじと長葱の味噌汁、御飯。 食後にちょっと横になったら、二時間以上も寝てしまった。 近所のスーパーへ食材の買い物。外はかなり寒い。 帰宅して、「肉骨茶のもと」で肉骨茶を作り、菠薐草を茹でる。 夕食は肉骨茶に茹で菠薐草を添え、他に長葱としめじのアーリオオーリオ。 中華なのだか、イタリアンなのだか。食後にピンク・グレープフルーツのフランス流カット。 夜も「貧乏人の経済学」。

珍しく工作舎が出している料理本に 「ワンダーレシピ」(添田浩著/工作舎)というものがある。 著者は建築家で、料理好きの趣味が昂じて本まで出しちゃいました、という感じの本。 その最初のレシピとして「グレープフルーツのオードブル」が紹介されている。 単にグレープフルーツを切るだけの料理だが、 薄皮を取って果肉を一つずつ取り出す鮮やかな手法。 残念ながら、これは文章だけでは説明できない。 この本では、著者の手による大変に美麗なイラストで、 「マヌーヴァ」と呼ぶにも相応しいこの手法が説明されている。 著者によれば「フランスでは一般的」な切り方(剥き方?)らしいのだが、 これを見せられたら料理名人として尊敬すること間違いなし。 私も(今日を含め)何度かチャレンジしてみたものの、今までまともに出来たことがない。

料理としては、グレープフルーツをこの手法で皿の上に直接切り出し、 そのままオードブルに供する、というもの。 このシンプルさが正調らしいが、おそらく、 皿を廻しながら切り出した房を一つずつ落としていく姿や、 残った皮で最後に果汁を絞りかけるといった手順の鮮やかさ自体が味に含まれているので、 素人の場合は逆に少し手をかけた方が良いだろう。 例えば、色違いのグレープフルーツを交互に並べるとか、 シャンパーニュあるいは質の良いジンなどをかけたりすれば、 料理としての納得感が増すと思う。 多分、作業は人に見られないキッチンの奥でこっそりした方が。