「夫子憮然曰、鳥獣不可與同羣。吾非斯人之徒與、而誰與。
「論語」微子、第十八、六

2012/06/30

今日も風邪

咳や鼻水などの症状はかなりおさまってきたが、 熱はまだ 37.5 度くらいから下がらず。 一日、寝台で横になって、 「ゲーデルに挑む」(田中一之著/東京大学出版会) を読んだり、 「四季の味」を眺めたりして過す。 食欲があるようなので、大事には至らないだろうと楽観している。

2012/06/29

山場

朝、起きたときは、かなり治ったかな、と思い、 いつもの朝食のあとお弁当を詰めて出勤したのだが、 出社したあと調子が悪くなってきた。 午後になって、大分とましになったが、 今日が山場のような気がする。 弊社もソフトウェアのリリースを間近に迎えて山場なのだが、 私にできることはほとんどないので、夕方退社。 この週末で何とか復調したい。

2012/06/28

翻訳との競争

やはり風邪かなあ。症状は軽いのでそれほど問題はないけれど、 喉と鼻の奥が痛いし身体も熱っぽくて、やる気が出ない。 朝食のあと、適当にお弁当を詰めて出勤。 昼食は持参のお弁当。塩鮭、だし巻き卵、ポテトサラダ、キャベツの酢漬け、御飯。 昼休みに新刊書店で、 キャロル・オコンネルの新刊が出ているのを発見。 前作以降もう翻訳は出ないような気がして、 原書を最新刊まで買って二冊ほど翻訳より先に行っているのだが…… そのあとも続けて原書を読むかどうか悩ましい。 翻訳との競争は常に悩ましい問題だ。 夕方、少し早めに退社。

食材など買い物をして帰宅。 夕食の支度。 御飯を炊いて、だしを引き、 塩豚の酢キャベツ煮、ポテトサラダ、胡瓜の糠漬、切干し大根と油揚げの味噌汁。 お風呂に入って、湯上がりにアップルマンゴー。 今夜も安静にしている。

2012/06/27

冷房病

今日もけっこう涼しい。 いつもの朝食のあと、出勤。 週の中日でお弁当作りは休み。 ますます佳境に入ってきたらしく、 メンバの出社時間がかなり遅くなってきた。 昼食は近所のタイ料理屋にてグリーンカレー。 今日は涼しいのに、この店では激しく冷房が効いていて、 しかも直接冷気があたっていたので、 何だか体調がおかしくなった。ちょっと風邪気味みたいな感じ。 午後は不調のまま過し、夕方に退社。

帰宅して夕食の支度。 出来合いの生餃子を焼いて、ポテトサラダ、隠元の胡麻和え、かけ蕎麦。 やはり風邪のひきかけみたいな感じで体調がよろしくないので、 夜は安静に。

2012/06/26

ダクトテープ

今日は爽やかで涼しい。こういう気候もあと数日かなあ。 いつもの朝食のあと、お弁当を詰めて出勤。 今日もオフィスに一番乗り。 しかし、何となく他に人がいるような気配がする。 あちこち机の下など探しまわってみたが、誰もいない。 おそらく、朝方まで頑張っているメンバがいて、 その気配が残っていたのかも。 昼食は持参のお弁当。 塩鮭、だし巻き卵、ポテトサラダ、キャベツの酢漬け、御飯。 午後はミーティングなど。 夕方退社。

帰宅して、まず、ダクトテープでダクトと冷蔵庫の補修作業。 ダクトテープは万能だ。 のち、夕食の支度。 酢キャベツと塩豚の煮込み、ポテトサラダ、冷奴、盛蕎麦。 お風呂に入って、湯上がりにライチを少し。 夜は、今日買ったばかりの、 「四季の味」夏号を読んだり。

2012/06/25

スポーツと数学

今朝はまた急に涼しくなった。 珈琲、ヨーグルト、バナナののち、 目刺し、納豆、胡瓜の糠漬、隠元と油揚げの味噌汁、御飯の朝食。 今日は情報処理系の某セミナに出るので、 お弁当はなしで出動。 午前、午後とセミナに参加。 なかなか面白かった。 昼食は近所のカレー屋にて、チキンカレーの10倍。 夕方、退社して、喫茶店で珈琲豆を仕入れてから帰宅。 夕食は御飯を炊いて、 金目鯛の煮付け、隠元の胡麻和え、冷奴、葱スープ、御飯。 お風呂に入ってから、湯上がりにライチを少し。

夜はお弁当のおかずの仕込みと読書など。 「オタクの行動経済学者、スポーツの裏側を読み解く」(T.J.モスコヴィッツ&L.J.ワーサイム著/ 望月衛訳/ダイヤモンド社)。 行動経済学を研究するのに、 スポーツのスコアのように測定しやすく統計データが沢山あるものを使うのは良いアイデアだと思って、 この本を読んでいるのだが、 例になっているスポーツの用語がまるで分からなくて、予想以上にハードルが高い (行動経済学については、むしろ易し過ぎる)。 「……32ヤードのゲインを獲得……クォーターバック・サックを食らってフォースダウンになる代わりに……」。 うーん、さっぱり分からない。 アメリカンフットボールはもちろん、 野球も、サッカーも、バスケットボールも、ゴルフも、 ルールをほぼ全くと言っていいほど知らないので、 どの例も良く分からないし、興味がわかない。 赤の他人がボールをどこに転がそうが、それに何の意味があって、どこが面白いのだろうか。 せめて、ビリヤードかスヌーカーならば、古典力学的側面に注目できるのだが……

あっ、数学が分からない人の気持ちってこういう感じ?

2012/06/24

最も難しい論理パズル(解答)

昨日の 「最も難しい論理パズル」の解答と解説。
色々な考え方と答があるが、おそらく以下が最もエレガントだろう。 まず、尋ねる妖精が正直でも嘘吐きでも、妖精語の「ジャー/ダー」が「はい/いいえ」 のどちらでも、答が知りたい質問Xが正しければ「ジャー」、 正しくなければ「ダー」という答が返ってくるような、 質問Xを埋め込んだ質問X’を作成する。 次に、この質問X’を使って、「ランダム妖精」でない妖精を同定する。 そして、その妖精に対して質問X’を使い、各妖精の種類を確定する。

「はい/いいえ」で答える二者択一の質問Xに対して、 「もしXと尋ねたら、あなたは『ジャー』と答えますか?」 という質問X’を考えよう。 すると、この質問に対しては、 尋ねられたのが「正直妖精」でも「嘘吐き妖精」でも、 妖精語の「ダー/ジャー」が「はい/いいえ」のどちらであっても、 埋め込まれた質問Xが正しければ「ジャー」、正しくなければ「ダー」と答える。 俄に信じ難いが本当なので、是非ご自分で確認していただきたい。 もし、「ランダム妖精」の意味が、気分次第でその質問に対して正直になったり、嘘吐きになったりする、 ということならば、これで全ての問題が解決したことになる。 三人それぞれに、誰がどの妖精かという質問Xを埋め込んで、質問X’を訊けば良い。

しかし、「ランダム妖精」の定義が、質問を無視して、でたらめに (例えば、コイン投げの結果に応じて)「ジャー」か「ダー」を答える、 ということならば、上のトリックは通用しない。 そこでもう一つアイデアが必要になる。 妖精をA,B,Cとして、そのAに、 「Bは『ランダム妖精』ですかと尋ねたら、あなたは『ジャー』と答えますか?」 と尋ねるのだ。 もしAが「ランダム妖精」でないならば、上のトリックが効いて、 答が「ジャー」ならBは「ランダム妖精」、「ダー」ならば「ランダム妖精」ではない。 しかし、A自身が「ランダム妖精」ならば、上のトリックは効かないので、 何の情報も得られない……ように思われるが、そうではない。 なぜならば、この場合、Aが「ランダム妖精」なので、Bは(そしてCも)「ランダム妖精」ではない。 よって、答が「ジャー」ならば、Bが「ランダム妖精」であるか、A自身が「ランダム妖精」であり、 いずれにせよCは「ランダム妖精」ではない。 また、答が「ダー」ならば、Bが「ランダム妖精」ではないか、A自身が「ランダム妖精」であり、 いずれにせよBは「ランダム妖精」ではない。 これによって、「ランダム妖精」ではない妖精が同定できる。

そして、「ランダム妖精」ではない妖精に対して、妖精の種類を確定する質問X’をすればよい。 例えば、「あなたは『嘘吐き妖精』ですかと尋ねたら、あなたは『ジャー』と答えますか?」と、 「Cは『ランダム妖精』ですかと尋ねたら、あなたは『ジャー』」と答えますか?」など。 (もし、質問は各妖精に対し一つずつに限る、という条件を付けると、答はないと(私は)思う。 微妙に異なるバージョンについて、「一人一つ」の場合に解があるかどうか、 あるいは、「全部で二回」の場合に解があるかについて、 いくつか議論と結果があることまでは調べたが、 このバージョンではどうなのか自分で詰め切れなかった。もし分かったら教えて下さい。)

このパズルには微妙に設定の違う(or 設定の曖昧な)バージョンが色々あるのだが、 おそらく起源は論理学者の R.スマリヤンによるもので、 「この本の名は?」(R.Smullyan: "What is the Name of This Book?", (1978))に登場している。 その後、計算機科学者の J.マッカーシーが「ジャー/ダー」が「はい/いいえ」 のどちらか分からないバージョンに拡張したらしい。 それを哲学者で論理学者の G.Boolos が論文 "The Hardest Logic Puzzle Ever"(Harvard Review of Philosophy, No.6, pp.62-65,(1996)) でとりあげて、「最も難しい論理パズル」と呼ばれるようになった。 これが、このパズルを最初に曖昧さのない形で定式化した論文と思われる。 私がこのパズルを知ったのは最近、「最も難しい論理パズルがさらに難しく」 というプレプリントが arXiv に出ていたから ("The hardest logic puzzle ever becomes even tougher")。 この問題に興味を持たれた方は、とりあえず、 Wikipedia 項目 "The Hardest Logic Puzzle Ever" から始めるとよいと思う。

この blog を読んで下さっている方は非常に知的であるようで、 紹介するパズルが高度であればあるほどアクセス数が多い、 という統計が得られている。 今回も最高難易度にチャレンジしてみましたが、どうでしょう?

2012/06/23

最も難しい論理パズル(出題)

曇り空。いつもより少し寝坊。 珈琲、ヨーグルト、果物だけの軽い朝食。 朝風呂に入って、湯船で読書など。 昼食は七味蒟蒻と盛蕎麦。 しばらく昼寝をしたあと、 午後ものんびり読書などして過す。 「ラスト・グッドマン」(A.J.カジンスキー著/岩澤雅利訳/ハヤカワ文庫)、 など。 夕食は出来合いの生餃子を焼いて、他に冷奴、蕪の糠漬。ペールエールを一杯。 食後にライチを三粒。

テューリング生誕百周年を記念して、今日のパズルはロジックの分野より。 「最も難しい論理パズル」と言われているもので、確かに相当、難しい。 全く不可能に思われるが、実際、答がちゃんとある。

今、三人の妖精、 「正直妖精」、「嘘吐き妖精」、「ランダム妖精」を召喚したのだが、 誰がどの妖精なのか分からないので、質問をしてつきとめたい。 ただし、妖精はこちらの言語(日本語)を完全に理解するものの、 答えるのは「はい」と「いいえ」を意味する妖精語の「ダー」か「ジャー」 だけであって、どちらが「はい」で「いいえ」なのか、妖精語に未熟な私は知らない。 質問に対して、「正直妖精」は常に正直に答え、 「嘘吐き妖精」は常に嘘を答え、「ランダム妖精」はランダムに答える。 この三人に個別に質問をして誰がどの妖精かを知るには、どうすればよいか? 答はいつものように明日。

注意:この問題には一つ、誤解されやすい点がある。 それは「ランダム」の意味。 「ランダム妖精」は、質問に対してランダムに正直に答えたり嘘を答えたりするのか、 あるいは、質問の内容とは全く関係なくランダムに「ダー」か「ジャー」を発声するのか。 この二つは、同じではない。 問題の意図は後者の方であって、もちろん、前者に比べて難易度がずっと高い。

2012/06/22

エニグマ

早朝は激しい雨。 一昨日の台風の時よりも、雨も風も凄い感じ。 今日は自宅勤務かなあと思っていたのだが、 しばらく待っていると小雨になってきたので、出勤。 今日もオフィスに一番乗りかと思ったら、 やはりハンモックで寝ている若者がいた。 そして、深夜や朝方のタイムスタンプで大量のコミットが。 昼食は持参のお弁当。 鮭そぼろ、南瓜の煮付け、蒟蒻と牛蒡のきんぴら、御飯。 夕方退社して、近所の中華料理屋でユーリンチなどの夕食をとって帰宅。

明日、6 月 23 日はアラン・テューリング生誕100周年。 さすがに今週の BBC は毎日のように関連記事を報道している。 例えば、この記事 から色々たどることができるし、 歴史のコーナー にも充実した情報が整理されている。 私も伝記 "Alan Turing: The Enigma"(A.Hodges 著/ Vintage) を買ってはあるのだが、まだ読み始めていない。 この本の著者A.Hodges は The Alan Turing Home Page というマニアックなサイトも運営している。 一時代前風のダサいデザインが一所懸命な雰囲気で、却っていい感じ。

2012/06/21

コミット

今日は急に涼しくなったが、それでも湿度は高く、変な感じ。 いつもの目刺し納豆定食の朝食のあと、 お弁当を詰めて出勤。 流石に今朝はオフィスに一番乗りだった。 人もいないので午前中はコーディングに集中。 なんだかプログラマみたいだぞ。 本物のプログラマである若者たちはいよいよ山場を迎えつつあるらしいのだが、 真の戦場は夜らしくて、朝に見かける大量のコミット情報からその熱気が感じられる。

昼食は持参のお弁当。 蒸し鶏の梅肉和え、南瓜の煮付け、蒟蒻と牛蒡のきんぴら、御飯。 午後はコーディングの続きとミーティングなど。 夕方退社。 昨日と今日で急に気温が上がって下がったせいか、 ちょっと風邪をひいたかも、と午後には思っていたのだが、 退社する頃には復調していた。多分、大丈夫。

帰宅してお風呂に入ってから夕食の支度。 実家産の獅子唐の網焼きに鰹節とポン酢、実家産の南瓜の煮付け、カレー風味のソース焼きそば。

2012/06/20

PとNP

あまりの蒸し暑さで 4 時半に目が覚めてしまった。 いつもの朝食のあと、出勤。 今日は週の中日でお弁当作りが休みということもあり、 かなり早く出社したので、 さすがに今日は一番乗りだなあと思っていたら、 しばらくしてどこからか寝息が。 各デスクの下には誰もいない。 さらに探してみると、ミーティング用テーブルの奥の方にハンモックが設置されていた。 佳境に入ってきたらしい。

昼食は近所の中華料理屋にて。 夕方、退社。今日の午後はずいぶん働いた気がするなあ……。 実際は 30 分ほど、チーフアーキテクトから手取り足取り、 python モジュールの配布方法を教えてもらっていただけなのだが。 思った以上に簡単なことが分かって良かった。 ちょっぴり成長。

帰宅して、まずお風呂に入ってから、夕食の支度。 南瓜の煮付けのあと、卵の薄焼き、蒸し鶏、胡瓜の千切りで素麺を二把。 こういう気候の日は素麺がいいね。

「P=NP 問題」と呼ばれる有名な未解決問題があるが、 同じクラスの問題に比べて一般向けの解説書がないよなあ、と思っていたら、 いい感じの本が出そうな気配。 この blog 記事によれば、 今、本の題名の決定に悩んでいるところだそうだ。 現状の仮題は "The Golden Ticket: P, NP and the Search for the Impossible" らしいから、翻訳すれば 「黄金のチケット:P と NP、そして不可能の探求」 と言ったところだろうか。

2012/06/19

メガネ

蒸し暑い曇り空。 珈琲、ヨーグルト、バナナのち、 目刺し、納豆、胡瓜の糠漬、長葱と油揚げの味噌汁、御飯。 お弁当を詰めて出勤。 昼食は持参のお弁当。 鰤の照り焼き、塩麹漬けの鶏肉を焼いたもの、 南瓜の煮付け、蒟蒻のきんぴら、新玉葱のピクルス、御飯。 午後は定例のミーティング。

若いメンバが眼鏡の超音波洗浄器を買ったらしくて、 そこから気付いたことには、 我らがM社のメンバは全員、眼鏡だった。 メガネ男子好きの女子にはたまらない環境ですよ。 若手も含め、男子と言うにはちょっと辛い年齢層ではあるが。

夕方退社。いかにも台風が近付いている感じの、蒸し暑い雨。 帰宅して夕食の支度。 御飯を炊いて、だしを引き、メインは親子丼。 他に牛蒡のきんぴら、蕪の糠漬、実家から送られてきた謎の隠元風の豆類の味噌汁。

2012/06/18

キタアカリ

今日は蒸し暑くなりそうだ。 それにもう台風が来るのか。早いなあ。 珈琲、ヨーグルト、バナナのあと、 目刺し、納豆、茄子の糠漬、長葱と油揚げの味噌汁、御飯。 お弁当を適当に詰めて出勤。

昼食は持参のお弁当。 鰤の照り焼き、南瓜の煮付け、牛蒡のきんぴら、新玉葱の酢漬け、御飯。 そろそろ食べ物が痛みやすい季節なので、対策を考えなければ。 夕方退社して、まっすぐ帰宅。

夕食の支度。 実家から送られてきたキタアカリを蒸してじゃがバタ、 蕪と長葱のチキンスープ、 これまた実家産の獅子唐と塩麹漬け鶏肉のスパゲティ。 お風呂に入って、湯上がりにオレンジを一つ。

2012/06/17

慣習

今朝も雨のせいで涼しい。 珈琲、苺ジャム入りヨーグルト、バナナの朝食。 洗濯をしてから、朝風呂。湯船の読書は、 「自由論」(ミル著/斉藤悦則訳/光文社古典新訳文庫)。 「われわれはなるべく変わった人になるのが望ましい」 と言われても、変わった人になる方法がなかなか思いつかない常識人の悲しさ。 慣習に従わないのがポイントなのだろうが、 常識人として慣習の中で暮らし過ぎていて、何がただの慣習で、 何が自分が望んでしていることなのか分からない。 「そして東洋では、習慣がひとつの宗教なのである」か……。

昼食の支度。 実家から送られてきた鶏肉の塩麹漬け焼きに、 やはり実家産のキャベツの千切りを添えてメインにし、 他に冷奴、茄子の糠漬、蕪と茗荷の味噌汁、御飯。 寝床で「自由論」の残りを読んで、読了。そのまま昼寝。 二時間ほど寝たあと、 掃除機がけなど掃除と料理の仕込み。 蒟蒻と牛蒡をそれぞれきんぴらにし、キャベツを酢漬けにし、蒸し鶏を作る。 午後からは雨が上がって、晴天。既に夏の蒸し暑さ。 今年も私の最大の弱点、「日本の夏」がやって来る。

お風呂に入ってから、 夕食は、蒸し鶏、トマトと胡瓜と新玉葱のサラダでヱビスを一杯だけ。 のち、盛り蕎麦。 夜は「追撃の森」(J.ディーヴァー著/土屋晃訳/文春文庫) を読んで、のんびり。

2012/06/16

本と野菜

昨日は 9 時頃に眠くなってそのまま寝てしまった。 軽く 10 時間ほど寝て、起床。 珈琲で目を覚ましてから、朝食の支度。 鮭そぼろ、蕪の糠漬、豆腐と白葱の味噌汁、御飯。 午前中は一週間の反省と来週の計画を立てたり、 朝風呂に入ったり、本を読んだり。 「ヴィルヘルム・マイスターの修行時代」(ゲーテ著/山崎章甫訳/岩波文庫)、読了。 切れ切れに読んでいたせいか、もう一つ乗れなかったなあ。

昼食は、カレーライスに半熟茹で卵乗せ、新玉葱のピクルス。 amazon から、 テューリングの伝記 "Alan Turing: The Enigma"(A.Hodges 著/Vintage), テューキーのデータ表現の教科書 "Exploratory Data Analysis"(J.W.Tukey 著/Addison Wesley) が届いたり、実家から庭や畑で作った野菜が届いたり。 本も野菜も一人では消費し切れないほど届くのだが、 本の方は自業自得だ。 そして、また寝る。昼寝を二時間ほど。

夕食の支度。 鰤の照り焼き、冷やしトマト、冷奴、素麺。 夜は「自由論」(ミル著/斉藤悦則訳/光文社古典新訳文庫)を読んだり。 「かつての時代においては、人と異なる行動をとるのは、 それが普通より優れているのでなければ意味がなかった。 しかし、現代においては、大衆に順応しない実例を示すこと、 慣習に膝を屈するのを拒否すること、ただ単にそれだけでも意味がある。 世論の専制は、変わった人を非難するものだ。 だから、まさしく、この専制を打ち破るために、 われわれはなるべく変わった人になるのが望ましい。……」(同書pp.163)。 うーむ、私は自他ともに認める常識人なのだが、 ちょっとは意識的に変わった人になるよう目指した方が良いのかも知れない。

2012/06/15

自由論

あまりに良く眠れる気候のせいで二日続けて手抜きをしてしまったが、 今日はちゃんと朝食の支度ができた。 納豆、蕪の糠漬、浅蜊の味噌汁、御飯。 お弁当を詰めて出勤。

昼食は持参のお弁当。鰤の漬け焼き、蕪の糠漬、新玉葱のピクルス、御飯。 午後は某社に出かけて行ってミーティング。 会社に戻って、しばらくしてから夕方退社。 新刊書店で「自由論」(ミル著/斉藤悦則訳/光文社古典新訳文庫)、 「追撃の森」(J.ディーヴァー著/土屋晃訳/文春文庫) を買い、 近くのベルギービール屋で夕食をとって帰る。

2012/06/14

キューブをたどる(解答)

また良く眠れ過ぎて寝坊した。 珈琲、苺ジャム入りヨーグルト、バナナだけの朝食を済ませ、 お弁当を詰めて慌てて出勤。 昼食は持参のお弁当。塩豚ごはんと、蕪の糠漬。 いつもの如く、ナンバクランチングをしたり、 「テスト」と称して Twitter など SNS を見たり、つぶやいたり。 夕方退社して、帰宅。 夕食は、鰤の漬け焼き、焼き茄子に生姜醤油、冷奴、蕪の味噌汁、御飯。 食べるときになって、全部醤油味だよ、と気付いた。修行が足りんなあ。 風呂上がりに、ライチを 3 粒。

昨日の 「キューブをたどる」パズルの解答。
26 個のキューブを面で接した隣へとたどることで一度ずつ訪れることは不可能。 最も簡単な証明方法は、こういった問題の常套手段「パリティ・チェック」を使うことだろう。 このルービックキューブが黒と白の市松模様に塗られているとしよう(隅が黒としておく)。 すると、26 個のキューブの色は 14 個が黒、12個が白である。 面で接した隣へ隣へと移動すると、キューブの色は黒と白が交互に変わっていくのだから、 もし可能であればキューブの色は半々、つまり 13 個ずつでなければならない。 しかし実際は 14 個と 12 個なので、それは不可能。

この問題は Futility Closet で知ったが、パリティ(偶奇性)が決め手になる類似のパズルは沢山ある。 例えば、非常に有名なものとしては、 8x8 のチェス盤の右上と左下の 2 マスを除いた 62 マスに、 1x2 のドミノを敷き詰めることができるか、という問題。 パズルではなくて、シリアスな数学の問題でも、 パリティに注目したとたんに不可能性が分かる、ということは良くあるので、 数学者にとってパリティはツールボックスの中の愛用の道具の一つだろう。

2012/06/13

キューブをたどる(出題)

梅雨時は涼しくて、いつも以上に良く眠れる。 おかげで少し寝坊。珈琲、苺ジャム入りヨーグルト、バナナだけの朝食のあと、 慌てて出勤。 昼食は近所の中華料理屋にて。 夕方退社して帰宅。 お風呂に入ってから夕食の支度。 浅蜊の酒蒸し、胡瓜と蕪の糠漬、茗荷の味噌汁、御飯。 食後にライチを二粒。

今日のパズル。立方体 27 個をルービックキューブのように 3x3x3 に積んだものを考える。 このうち外から見えない中心の立方体を除いた残り 26 個の立方体を、 そのうちのどこかの立方体から出発し、 面で接している隣の立方体へと次々にたどって、一筆書き的に全て一度ずつ訪れることはできるだろうか。 中心の立方体は立入禁止。 可能な場合はその方法を示し、不可能な場合はその理由を答えて下さい。

2012/06/12

ヴォンゴレ

今日は雨。 珈琲と苺ジャム入りヨーグルトで目を覚ましてから、朝食の支度。 納豆、蕪の糠漬、浅蜊と浅葱の味噌汁、御飯。 久しぶりの浅蜊の味噌汁が美味しい。 お弁当を詰めて出勤。 昼食は持参のお弁当。塩豚ごはん、胡瓜の糠漬。 夕方退社。 外は冷たい雨が降っている。もう梅雨かあ。

帰宅すると、税務署から住民税の納税通知書と、 amazon から "The Genius in my Basement"(A.Masters著/ Fourth Estate) が届いていた。 確か、テューキーの統計の教科書も明日あたり届くはずだ。 税務署と amazon は虎よりも猛し。

お風呂に入って、湯船でミクロ経済学の入門書を読む。 風呂上がりに、 浅葱入りだし巻き、塩豚と胡瓜の味噌和え、冷奴でギネスを一杯だけ。 晩酌ののち、浅蜊のスパゲティを作る。 浅蜊はまだ元気そうで大粒のものを選び、パセリの代わりに浅葱でやや和風。 浅蜊が美味しい。 そりゃあ、貝塚も出来るってものだ。

2012/06/11

箱ひげ図

曇り空。そろそろ梅雨か。 珈琲、苺ジャム入りヨーグルト、バナナで目を覚ましてから、 朝食の支度。 目刺し、納豆に浅葱、茄子の糠漬、蕪の葉と浅葱の味噌汁、御飯。 お弁当を適当に詰めて出勤。

昼食は持参のお弁当。浅葱入りのだし巻き、茹で塩豚と胡瓜の和え物、 新玉葱のピクルス、御飯。 生まれて初めて「箱ひげ図」("boxplot")を描いたり。 データのばらつき具合を「箱」とそこから上下に伸びた「ひげ」で表すもので、 箱はそこにデータの半分が分布していること、 ひげはそこにデータのほとんどが分布していることを示す。 外れ値や中央値も一緒に表示されるので、一目でデータの散らばり方の雰囲気が分かる。 初等的なものだと思ってちょっと馬鹿にしていたけれど、便利なものだな。 こういうことは子供でも思いつきそうで、実は、なかなか発想できない。 さすがテューキー先生、ただものではないなあ…… と思いつつのお仕事。

夕方、退社。近所のスーパーで、 おそらくこの模様はセルオートマトンなのだろうなと思いながら、あさりを買う。 帰宅して夕食の支度。 塩豚に山椒をもみこんで常温に戻し、焼き目をつけてから、 土鍋で米と炊いて、塩豚ごはん。浅葱をふる。 他に冷奴(茗荷と生姜と浅葱に、自家製ポン酢)、 蕪の糠漬、茹で豚を作ったときのだしで浅葱のスープ。 湯上がりに、ライチを二つ。

2012/06/10

いつもの日曜日

ああ良く寝た。寝坊して 8 時起き。 珈琲とジャム入りヨーグルトだけの朝食。 洗濯をしてから、朝風呂に入る。 早めの昼食はカレーライス。 二時間ほど昼寝。

午後は掃除や買い出しなどの家事。 合わせ味噌を切らしていたので買いに行ったら、 たまたま熊本の合わせ味噌の販売促進中で、味噌漉しをくれた。 ああ、いつか買おうと思ってたんだった。待てばカイロに航路あり。 夕方から空が俄に掻き曇り、今にも降り出しそうな気配。 やはり降ってきた。しばし猫と並んで窓から雨を見る。

夕食の支度。 茹で豚の薄切りと胡瓜の味噌和え、冷奴に生姜と浅葱に自家製ポン酢、茄子の糠漬、蕪の葉の味噌汁、御飯。 お風呂に入って、湯上がりにライチを二つ。 夜は料理の作り置きや、まな板、包丁、布巾の手入れなど日曜夜の台所仕事。 包丁を研ぐのは月に一度で十分だろうし、 一方で、まな板と布巾は毎日消毒した方がいいのだが、 どれもこれも週に一度、日曜夜のルーチンにしてしまっている。

2012/06/09

雨の一日

今日は雨の一日らしい。 昨夜、食べ過ぎたので、朝食は珈琲と苺ジャム入りヨーグルトとバナナだけ。 朝風呂のあと、午前中は趣味のプログラミング。 A/Bテストと "Multi Arms Bundit" の比較をしてみた。 実際に書いてみると、MAB で一つ間違って理解している箇所に気付いたので、 やはり応用と言うものは、 「ああ、簡単簡単、わかったわかった」と理論レベル(と自分が思い込んでいるレベル) だけで思ってしまうのは危険だなと。 大抵は、理論的にも詰め切れてなくて、その詰め切れていないということ自体が、 なかなか分からないんだね。

昼食は、 塩豚とキャベツの酢漬けと新玉葱と人参のポトフの最後の残りと、 自家製塩豚を使ってカルボナーラ。 食後に二時間半ほど昼寝。 涼しくて、いくらでも眠れる。猫よりも寝られそう。 午後は読書とか。

夕方、お風呂に入ってから夕食の支度。 御飯を炊いて、目刺しを炙り、納豆、焼き海苔、 ピーマンの焼き浸し、胡瓜の糠漬、玉葱の酢漬け、若布の味噌汁。 夜も読書など。

2012/06/08

二ヶ月

今日も晴天。暑くなりそう。 これから梅雨らしいが、夏が近いことの方がより身に迫って感じられるような。 一椀のヨーグルトを猫と分け合いながら、「古楽の楽しみ」 でイギリス組曲を聴く。 いつもの朝食のあと、お弁当を詰めて出勤。 昼食は持参のお弁当。塩豚と酢キャベツと玉葱と人参のポトフ、 高野豆腐の卵とじ、昆布の佃煮、御飯。

夕方から、オフィスの片隅にてささやかにパーティ。 インド料理をケイタリング。 先月まで他の仕事を掛け持ちしていたメンバたちのフル参加と、 別のメンバの誕生日の記念。 新会社が始まって、もう二ヶ月経ったのかぁ。

2012/06/07

ソフトウェア企業の社会学

今朝は良い天気。暑い一日になりそう。 いつもの朝食のあと、お弁当を詰めて出勤。 今日は一番乗りかなと思ったら、暗闇に中で若者が、 真っ白に燃えつきた「明日のジョー」の姿勢で座ったまま寝ていた。 昼食は持参のお弁当。 ポテトサラダのロースハム巻き、高野豆腐の卵とじ、玉葱のピクルス、御飯。 今日も粛々とナンバ・クランチングに勤しむ。 夕方、退社。

帰宅すると、電力メータを交換したとのお報せが郵便受けにあって、 いよいよスマートメータとやらになったのかなと思って見てみたが、 単に同じものが若干綺麗になっただけのような。 今日は先にお風呂。湯上がりにネーブルオレンジを一つ。 そのあと夕食の支度。ポトフの残りと、カルボナーラでつつましく。

夜の読書。「ソフトウェアの世界でキャリアを築く」(S.Lightstone著/吉平健治訳/オーム社)。 内容からすると、タイトルは「ソフトウェア企業でキャリアを築く」 とするべきかも知れない。 ある程度大きな企業の組織の中で、どう自分のキャリアを形成していくか、 というテーマなので、ルンバを入れても社員数が一桁の会社では、 直接的な役には立たなさそう。 でも一種の社会学としては、面白い。 それから、各章の後にある有名人たちへのインタヴュが面白いのだが、 キャリア形成について、ウォズやリーナスに訊いて意味があるかなあ……と思わないでもない。

2012/06/06

雨の水曜日

今朝は雨。もう梅雨なのだろうか。 珈琲、苺ジャム入りヨーグルト、バナナで目を覚ましてから、 目刺し、納豆、高野豆腐の煮物、茄子の糠漬、白葱の味噌汁。 週の中日でお弁当作りは休みなので、ゆっくりした朝。

出勤して、黙々とナンバ・クランチングのお仕事。 雨降りだからデータ分析でもしよう。 分析の内容がどうであれ、結果を "R" で綺麗なグラフにするのが、最近の秘かな愉しみ。 実際、計算時間より横軸をどう描くかなどの調整の方に時間がかかっているような。 つまり、逃避力か。 昼食は近所のシンガポール料理屋にて、 チキンライスとマレー・カレーなど。 夕方退社。

帰宅して夕食の支度。 塩豚と酢キャベツと玉葱と人参のポトフ、高野豆腐の卵とじ、ピーマンの焼きびたし、茄子の糠漬、御飯。 糠漬が絶好調。 風呂上がりにネーブルオレンジを一つ。

2012/06/05

行列マジック(解答)

昨日の 「行列マジック」 パズルの解答。
数学には「よくよく考えてみると当たり前なんだけれども、やっぱり不思議」 ということがあるもので、これはその典型例。つまり明らかだけれど、トリヴィアルではない。 2 行 2 列から試すのが筋で、しばらくすると(多分、4 x 4 あたりで)悟りが開けるのだが、 一般的な証明にチャレンジしてみよう。しかも、 数学記号を使わないと却って分かり難いところを、あえて、普通の言葉で説明してみる。 よーく考えると、「アーハー!」体験できること間違いなし。

すでに各行の中では大きい順に並び換え終わったとしよう。 どれでもいいのだが、一つの行について考える。 3 番目の行としておこうか。 さらにその行のどこでもいいから、二つの場所に注目する。 5 番目と 8 番目としておこう(5 番目の数の方が大きい)。 ここで、第 5 列、8 列それぞれの中で、大きい順に並び換えたあとでも、 この二箇所にある数の大小関係が変わらないことを示せばよい。 列の中で並び換えると、この二つの場所には各列で 3 番目に大きい数が入る。 列で並び変える前は、5 列目の数それぞれは同じ行の 8 列目の数より大きかった。 すると、第 8 列の数の中で、3 行目 5 番目の数 X より大きい可能性があるのは、高々 3 - 1 = 2 つしかない。 なぜなら、他の数は全て、X より小さいか(列で並び換える前に X と同じ行にあった)、 X より小さい数より小さい(X より小さい数と同じ行にあった)。 一方、現在 8 列目 3 行目にある数は 8 列目の中で大きさで 3 番目なのだから、 X より小さい。証明終わり。

説明するとややこしいが、分かってしまうと、どうにも明らかである。でも不思議。 もちろん、この性質は正方行列に限らず、 全く一般のどんなサイズの行列でも、どんな成分でも(順序づけ可能なら)、成り立つ。 衝撃的な性質の割にあまり知られていないが、古典的な定理である。 D.Knuth の "The Art of Programming" によれば、「Boerner の定理」らしい。

2012/06/04

行列マジック(出題)

どうしてこんなに良く眠れるのだろう。 珈琲、苺ジャム入りヨーグルト、バナナのち、 目刺し、納豆、蕪の糠漬、ピーマンの味噌汁、御飯の朝食。 お弁当を詰めて出勤。 昼食は持参のお弁当。 キャベツとロースハムのケチャップ炒め、大葉入りのだし巻き卵、 高野豆腐の煮物、新玉葱の酢漬け、御飯。 昼休みに新刊書店で 「十蘭錬金術」(久生十蘭著/河出文庫)を買った。 午後は、三人だけで起業されたハッカー系スタートアップの CEO, COO を迎えて、ミーティング。 夕方退社。 夕食は、キャベツとロースハムのケチャップ炒めの残り、 冷奴、蕪の糠漬、切干し大根と若布の味噌汁、御飯。 風呂上がりにネーブルオレンジを一つ。

今日のパズル。 1 番から 100 番の背番号をつけた生徒が、 背番号と無関係に勝手な順番で、10 行 10 列に並んでいる。 ここでまず、各行について背番号の大きい順に並び変える。 そのあと、各列について背番号の大きい順に並び変える。 すると、必ず、各行についてもまだ大きい順に並んだままになっていて、 行と列の両方について大きい順に並んでいる。 (本当です。嘘じゃないです。) このことを証明して下さい。

2012/06/03

A/Bテストを乗り越えろ

日曜日は家事の日。 珈琲、苺ジャム入りヨーグルト、バナナの朝食。 洗濯と紙類の片付けのあと、朝風呂。 昼食は御飯を炊いて、卵かけ御飯、焼き鮭、冷奴、蕪と胡瓜の糠漬、新玉葱と若布の味噌汁。 午後は昼寝ののち、家事のあれこれ。 主に掃除と、料理の仕込み。 夕食は作りおきのポテトサラダ、カレーライス、蕪の糠漬。 風呂上がりに、ネーブルオレンジを一つ。

二つの案のどちらかを選びたいときに、言わゆる「A/Bテスト」を使うことがある。 例えば、オンライン商店を作りたい。そのページのデザインとして A案とB案が Web 担当者からあがってきた。 どちらにしよう。多くの場合は、社長とか偉い人が「ピンと来た!Bで行こう」とか決めるのかも知れないが、 実証を重んじる場合には、両方試して比較しよう、ということになる。 Web ショップなら、ほとんどコストをかけずに同時に両方試せる。 二通りのページを作っておいて、接続してきた客を半々の確率でランダムに振り分け、 しばらく様子を見て、うまく行っている方を選べばよい。 これがA/Bテストである。 最近、これより「はるかに良い」方法が この blog 記事 で紹介されて、話題になっている。 "Multi-Armed Bandit" と呼ばれるもので、 Microsoft 研究所の プロジェクトがネタ元のようだ。

非常に易しいので、ここに紹介しておこう。 訪れた客に対して、(例えば)1 対 9 の割合でランダムに「調査モード」か「開拓モード」かを決める。 「調査モード」になった場合は通常のA/Bテストと同じく、A案とB案を半々の確率で提示する。 「開拓モード」の場合はその時点まででうまく行っている方の案を提示する。 これだけ。 この方法だと、A/Bテストに比べて、良い案の方がより多く提示される。 実際、Web コマースの言葉で言えば、常にコンバージョン率の期待値がより高い。 しかし、A/Bテストを打ち負かした、かと言うと、そうでもない。 極端なケースを少し想像してみれば(例えば、1 対 9 ではなくて、1 対 999 なら?)、 この方法は上の長所と引き換えに、二案を比較する能力そのものが劣化していることに気付く。 実際、統計的に有意な結果を得るまでに余計に時間がかかる (興味のある方には、例えば、 こちらの blog に詳しい説明がある)。 つまりこの方法には良い面もあるが、悪い面もあり、 特に統計的有意性の判断に関わるだけに判断はデリケイトである。

最初にリンクした話題の blog では、「そんなに簡単で強力ならどうして皆こちらのアルゴリズムを使わないのか」、 という疑問に対して、「ほとんどの人には統計学は理解できないし、 理解できないものも機械学習も信用しないからなんだよね」、と言った感じのことが書かれているが、 少し違うと思う。 統計学は強力ではあるが微妙なツールなので、一面だけの良い数字に飛びつくのは危険だ、 という程度のことは、(統計や数学に詳しくない)開発者も認識している、 ということなんじゃないだろうか。

2012/06/02

積読本と茄子の糠漬

ああ良く寝た。 ちょっと寝過ぎたので朝食は珈琲、苺ジャム入りヨーグルト、バナナだけ。 午前中は朝風呂に入ったり、 積読本の一冊 "Nerds on Wall Street (Math, Machines, and Wired Markets)"(D.Leinweber著/Wiley) を読み始めたり。

早めの昼食は、鮭と卵と長葱の炒飯、菠薐草のひたし、茄子の糠漬、葱と大葉のスープ。 茄子の糠漬の切り口の鮮やかな紫色は初夏の風物詩だなあ……。 特に発色の工夫はしていないのだが、 切り口の綺麗な紫に驚いた。 茄子と胡瓜の糠漬は様々な料理の中でも美しさで際立っていると思うのだけれども、 ローカルな美的感覚だろうか。 食後しばらく昼寝。 二時間ほどで無理矢理起きたが、まだまだいくらでも眠れそう。 煎茶で目を覚まし、 午後も本を読んだり、料理をしたり。 ポテトサラダを仕込み、豚肩ロース肉のブロックを塩豚にする。

夕食は作っておいたポテトサラダと、スパゲティ・ナポリタン。 湯船の読書で、これまた積読本の一冊、 "A Short History of Decay"(E.M.Cioran著/Penguin) を読み始める。 風呂上がりにネーブルオレンジを一つ。 今日も何事もない静かな良い一日だった。

2012/06/01

ほつれ髪の女

涼しくて良く眠れ過ぎて、寝坊。 いつもの朝食のあと、慌ててお弁当を作って出勤。 特に慌てる必要もないのだが、何だかあたふたしてしまって、 うっかり、ねこふんじゃった。 それでも出勤したらオフィスに一番乗り。 と思ったら、デスクの下で寝ている社員がいた。 昼食は持参のお弁当。 キャベツとハムのケチャップ炒め、半熟茹で卵、 菠薐草のおひたし、新玉葱の酢漬け、昆布の佃煮、御飯。 夕方退社して、蕎麦屋で季節の天ざるの夕食。 そのあと、渋谷に移動。

渋谷の Bunkamura で 「レオナルド・ダ・ヴィンチ 美の理想」 を観る。 ダ・ヴィンチの絵も良かったが、十五、六世紀あたりの本が展示されていて興味深かった。 五百年前の本は残っているけれど、 これから五百年後のデジタルデータは残っているのだろうか。 全部残っていて、そのあまりの膨大さに困っているのだろうか。 それとも、貴重なものだけが残っていて、 残っているが故に貴重なのだろうか。 または、 時の流れに篩にかけられることもなく、 どれも事実上無意味なデータなので、かえりみられることもないのだろうか。 それとも、何か素晴しい情報処理手段を見つけているのだろうか。