「夫子憮然曰、鳥獣不可與同羣。吾非斯人之徒與、而誰與。
「論語」微子、第十八、六

2012/10/31

TOEICを受験してみた

午前中はオフィスでお仕事。 昼食は近所のインド料理屋にて。 チェーン店なので敬遠していたのだが、 先日の「神田カレーグランプリ」で準グランプリだったそうだし、 神保町のサラリーマンとしてはおさえておかねば、と思い。 結果、私の好みからすると味は、可もなく不可もなく、の印象だったが、 値段が安いので悪くはないかな、と。

午後の途中からオフィスを抜け出して、本郷へ。 ファイナンス関係の国際ワークショップに参加。 サバティカルでオックスフォードにいた時に学友だった P 君が香港から来日しているので、 挨拶がてら。 プログラムの最後まで聴講。 レセプションに来ればいいのにと P 君は言っていたが、 流石にゲストでもホストでもない上に、アカデミックですらないので、 遠慮してまっすぐ帰宅。 代わりに明日、ランチかディナでもご一緒しようと約束しておく。

ところで、今日のように英語での講演を聴いていても、 日常的な会話をしていても、何となく分かっているような気がしていたし、 実際、自分で英語で論文も出版しているし、 英語で講演もしてきたし、 自分ではわりと英語ができる方だと思ってきた。 最近、そんな私に衝撃を与える事件があった。TOEIC を受験してみたのである。

動機は特になく、一つ試しに、くらいの気持ちで。 受験前に本屋で TOEIC の参考書をぺらぺらと見てみると、 問題はリスニングもリーディングも非常に易しく思えた。 いくら何でも八割(990 点満点なので 800 点くらい)とれないなんてありえない、 と思った。 実際、大学にいた時は、学生たちが就職活動のために受験した結果を聞いて、 自信ありげに 700 点だったとか言われると、「中学生じゃないんだから」 と心の中で思っていたくらいである。 学生時代に受験したと言う知り合い(英文科卒)にスコアを聞いてみたら、 彼女は 680 点だったそうだ。 正直に言おう、私はそれを聞いて失笑した。 そんな私が 9 月に自分も受験してみて、 一週間くらい前だろうか、その結果が返ってきた。 スコアは、その学生やその彼女と大差のない、「755 点」。 しかもリスニングなんて、平均点くらい。

受験してみて分かったのだが、TOEIC は易しくない。 問題は易しいのだが、リーディングはやたらに問題が多いし、 リスニングはどうだったっけと考えている内に次の次の質問になっているし、 兎に角、反射神経と集中力の長時間の維持が重要で、何の対策もせずに八割とれたら、相当できる方だと思う。 それに、自分が思っているほど英語が聞き取れてもいなければ、 読めてもいなければ、理解してもいない、という哀しい事実が、受験すると分かる。 最近、楽天のような企業が TOEIC スコアを要求したり、 そういう「グローバル」な話題が出るたびに、 語学に長けた人は TOEIC を馬鹿にして、 「TOEIC なんて英語を使っちゃ駄目な人の足切りテスト」 とか、「サムスンの新入社員は 900 点以上」とか言うので、 こちらまでそんな気になってくる。 しかし、私が思うに、TOEIC はわりと難しいし、わりと良いメトリックだと思う。

私は 40 歳を過ぎたあたりから自分を直視できるようになってきて、 周りの人は皆、自分より頭が良く、賢く、有能だ、と思うくらいが丁度いいし、 事実それに近いのだ、と認識している。 それでも、正直な話、このスコアはショックだった。 まだまだ修行が足りないな、と思う初老の秋である。 こんなことにショックを受けているようでは、という意味で。

2012/10/30

新聞とプルースト

昨夜、栗を剥いていたら左手の指を切ったものの、 右手にスイッチして問題なく食事できて、 普段左手を使っていた御利益を感じる朝。 朝食のあと、お弁当を詰める。 今日は料理が面倒だったので、 出来合いの鰻の蒲焼刻みで半分はひつまぶしにして、 残りのところには栗を並べ、白菜の浅漬を添えた。 超手抜きの割に贅沢に見えるお弁当を鞄に入れて、出勤。 今日はけっこう空気が冷たくて、いい感じ。

近所で新聞を買って、オフィスに出勤。 昨日から朝刊を買って読む習慣を始めた。 もう二十年以上も新聞を定期的に読んでいなかったのだが、 ここに至って、「新聞って一体どんなものだろう」と好奇心がわいたので。 そう言えば、ドーテの証言によれば、 プルーストは朝食をとりながら新聞を極めて丹念に、隅から隅まで、読んだそうだ。 ちなみにプルーストが読んでいたのは日刊紙「フィガロ」。 まあ、プルーストは自宅から外に出ることがほとんどなかったので、 女中が買ってくるクロワサン以外には、 新聞から覗き見る世間がほとんど全ての世界であり、 彼の想像力を持ってすれば、 短い数行で書かれる事件の一つ一つが、 超高密度に圧縮された小説のようなもので、 目眩くような面白さだったのだろう。

昼食は持参のお弁当。 昼休みに新刊書店で「久生十蘭『従軍日記』」(久生十蘭著/講談社文庫) を買った。 午後はミーティングなど。 夕方、退社。

帰宅して夕食の支度をし、いつもの如く、 平々凡々と夕食。今日も良い一日でした。 あ、もう十月があと一日しかない。

2012/10/29

わたしの献立日記

雨はすっかり上がって、朝は晴天。 珈琲、ヨーグルト、 鱈の塩麹漬け焼き、蕪の糠漬、納豆(葱)、油揚げとしめじとピーマンの味噌汁、御飯。 適当にお弁当を詰めて出勤。

人のいない午前中は主にプログラミング。 昼食は持参のお弁当。 鱈の塩麹漬け焼き、獅子唐とじゃこの炒め煮、牛蒡のきんぴら、玉葱のピクルス、御飯。 いつものように昼休憩に神保町を歩く。 今週は「古本まつり」なので、狭い道が古本屋のワゴンや仮設本棚や人で一杯。 銀行の ATM で住民税を払って、オフィスに戻る。 午後はデータの整理などして、夕方に退社。

帰宅して夕食の支度。鱈ちり鍋。 鱈を入れると「ちりちり」となるのを見ながら、 「ちり鍋」とはうまいこと言ったものだなあ、と思う。 ほのかなユーモアとつつましい品があって、語感も美味しそうだ。 特に「たらちり」なんて、ぐっとくる。 一方、「しゃぶしゃぶ鍋」はあまり良い感じがしない。 たらちりのあとは饂飩にした。 食後に蜜柑を一つ。 夜は読書の他、茹でた栗を剥いたり、 いただいた酢橘でポン酢を仕込んだり。ドメスティックを満喫。

夜の読書は、「わたしの献立日記」(沢村貞子著/中公文庫)。 最近、ここにずっと朝昼晩の献立を書いているのは、 沢村貞子の献立日記の影響なのだが、 やはり人様に台所事情を事細かにお見せするものではないなあ、と思い始めた。 沢村貞子のように大学ノートに自分で線を引いて書くか、 日記帳の類いを使うか、 来年の手帖を探すのと同時にあれこれ悩み中。

2012/10/28

栗を煮る

日曜日にしてはけっこう早起き。 珈琲、ヨーグルトで目を覚ます。 昨夜はかなり食べたので、朝食は焼き芋を少し。 この薩摩芋も知り合いが送ってくれたものだが、 まだ残っている大物は、薩摩芋、牛蒡、瓢箪南瓜、栗など。 栗は夜に茹でるために、朝から水に漬けておく。 朝風呂に入ってのち、洗濯などの家事。

昼食は獅子唐とじゃこの炒め煮、 茄子の蕪の糠漬、青梗菜と油揚げの味噌汁、卵かけ御飯。 二時間ほど昼寝。 午後もあれこれと家事をする。 いただきものの牛蒡とピーマンをそれぞれきんぴらにした。

夕食は白菜を消費するためにまた鍋。 変化をつけて、今日は鶏肉の水炊き。 自家製の酢橘ポン酢(もみじおろし、葱)で。 鍋のあとは雑炊。白菜の浅漬。食後に蜜柑を一つ。

夕方から降り始めた雨が、夜も続いている。 栗を煮つつ読書する、秋の雨の夜。

昨日のクイズの答は、「伊勢物語」。

2012/10/27

ボルヘスの「個人図書館」

朝食は珈琲、ヨーグルト、林檎だけ。 良い天気なので栗を干してから、 数理ファイナンスの勉強会に出かける。 今日は粘性解理論入門とベルマン原理について。 勉強会の後の恒例のランチは丸ビルのベトナム料理屋にて。 沢山の有閑マダムやママ友たちが優雅にランチしていらした。

神保町で夕食の約束をしていたので、 昼食後はそのまま神保町に移動して、オフィスで過すことにする。 土曜日なので仕事らしいことはせず、 「有閑階級の理論」(T.ヴェブレン著/高哲男訳/ちくま学芸文庫) を読んだり。 昨夜、ボルヘスについて書かれたものを読んでいたら、 彼が最晩年に選んだ「個人図書館 "Biblioteca Personal"」 (ボルヘスの死去により未完)の百作品にヴェブレン「有閑階級論」が入っているのに気付き、 興味を持ったので。 経済学でも社会学でもなく文学と見做しているのだろうか。 もちろん私の個人図書室にもあるので引っぱり出してきた。

ついでにクイズ。ボルヘスの「個人図書館」百冊の中に、 日本から唯一選ばれている作品は何でしょう。答は明日。 (ヒント。源氏物語ではない。)

ブックフェスティバルで本の屋台が沢山出ているすずらん通りを抜けて、待ち合わせ場所の三省堂へ。 夕方から、T さんと会食。 入院手術が近いらしいので、その景気付けに。

2012/10/26

光陰

朝、窓を開けると空気が随分と冷たくなってきた。 いい季節だ。もう 10 度か 20 度くらい下がって欲しいものだが。 珈琲、ヨーグルトののち、朝食の支度。 獅子唐とじゃこの炒め煮、蕪の糠漬、納豆(葱)、 油揚げと青梗菜の味噌汁、御飯。 お弁当を詰めて出勤。

泊まり込みする人がいたようなので、今日は二番手。 午前中は粛々とお仕事。 昼食は持参のお弁当。茄子と獅子唐とピーマンと豚肉のタイ風バジル炒めかけ御飯。 午後も同じ調子で過して、 今日はかなり早めに退社。

帰宅して、お風呂に入ってから、夕食の支度。 今日も白菜消費作戦としてピェンロー。 茹で立ての枝豆でヱビスビールを飲みながら、 出来上がりを待つ。 鍋のあとは、卵と葱の雑炊。

そろそろ来年の手帳を選ばないとなあ、 と思い、月日の流れの速さに気付く。 今年もあと二ヶ月ほどですよ。 忘年会の予約も始まってますし、 おせちの予約すら始まっているのですよ。

2012/10/25

緊急修正

久しぶりに炊飯を失敗して、朝からブルー。 私は専用の土鍋で米を炊いているのだが、 自動炊飯器に喩えて言えば「スイッチを入れ忘れていた」系の失敗。 おかげで朝食は珈琲、ヨーグルト、林檎一つ。 お弁当作りも急遽取り止め。 ゆっくりと出勤。随分と気温が下がってきた。秋は来ぬ。

今日もオフィスに一番乗りで出社して、午前中は静かにお仕事。 昼食は近所の中華料理屋にて。 歳のせいだろう、午後になるともう疲れてしまう。 村上春樹的に言えば、やれやれ、 あるいは、いやはや、閑話休題、歳はとりたくないものだな。 夕方退社。

帰宅して夕食の支度。 米を炊いて、秋鮭と茄子を焼く。 秋鮭は塩と酢橘、茄子は生姜醤油で。 他に獅子唐とじゃこの炒め煮、白菜の浅漬、茄子の糠漬、 蕪と油揚げの味噌汁。 お風呂に入ってから、晩酌は畳鰯と 「それをお金で買いますか」(M.サンデル著/鬼澤忍訳/早川書房)を肴に冷やで五勺。

SNS を駆け抜ける白うさぎこと、 usaggr(うさがー) の Ver.1.2.3 がリリースされました。 「twitter に(文章のみだと)投稿できない」という不具合の緊急修正版。 古い API を使っていた我々が悪うございました、 としか言いようがないのだが、 すぐに修正しても Apple の審査に時間がかかってしまうので、 「緊急」修正が緊急にリリースされないのが、激痛。 この二週間弱でそっぽを向いてしまったユーザの方々が、 再び戻って来てくれればいいのだが。 そんなわけで是非、アップデートをお願いします。 まだお試しでない方も、この機会に是非、白うさぎの飼い主に。

facebook のアプリセンターには、 usaggr の利用者数は 4,000 人と表示されているが、 おそらく本当のアクティヴユーザ数はまだ千人くらいだと思う。 今なら、「あの usaggr を最初から使っていた」 と後で自慢できますよ。 あるいは、「あいつら(弊社若手)には以前から目をつけていた」と後々に自慢できます。 インストールするなら今だ。

2012/10/24

欧風カレーとは

珈琲のあといつものように、猫とヨーグルトを分けあってから、朝食の支度。 納豆(葱)、茄子の糠漬、油揚げと青梗菜の味噌汁、御飯。 週の中日でお弁当作りはお休み。 ちょっとゆっくりしてから出勤。

ゆっくりしたわりに今日はオフィスに一番乗り。 静かなうちに、頭を使うことをする。 昼食は近所の欧風カレー屋さんにてチキンカレー。 神保町には欧風カレー屋さんがいくつもある。 「欧風カレー」とは何か、という一般的な定義は良く分からないが、 神保町で欧風カレーと言えば、 ふかしじゃが芋とバタが出てきて、ライスにチーズがのっているイメージ。 午後はプログラムを書いてはテスト、結果を見てはプログラムを書く、みたいな繰り返し。 夕方、退社して、帰り道で散髪をして帰る。

帰宅して、お風呂に入ってから、夕食の支度。 いただいた立派な白菜を大量消費する方法はピェンローしかないな、 と思い、かなり時期は早いのだが鍋料理。ピェンローのあとは雑炊。 鍋料理、最高。雑炊、万歳。

2012/10/23

家電の未来

起床して珈琲、ヨーグルトで目を覚ましてのち、 朝食の支度。 納豆(葱)、胡瓜の糠漬、油揚げとしめじと葱の味噌汁、御飯。 お弁当を適当に詰めて出勤。 日差しも強くて、何だか蒸し暑い。 しかし、遠くからもくもくと黒雲が近付いて来ているみたい。

やはりオフィスの窓の外が段々と暗くなり、 丁度、正午くらいに、嵐のような激しい雨になる。 昼食は持参のお弁当。秋鮭と玉葱のマリネ、獅子唐とじゃこの炒め煮、白菜の浅漬、御飯。 お弁当を食べている内に、嵐は通り過ぎた模様。 午後はミーティングなど。 弊社オフィスの片隅を借りていつも作業している別のスタートアップ企業、 某 P 社の社長からテスト機を預かって、夕方退社。 この基盤剥き出しの謎の装置で、 スマートフォンが自宅の全ての家電の万能リモコンになり、 家の中でも外でも世界のどこからでも操作できるそうだ。 少なくとも、そうなるはずだと聞いている。

帰宅して夕食の支度。 茹で立ての枝豆で冷やを五勺ほど飲みながら、 御飯が炊き上がるのを待つ。 豚肉と茄子とピーマンと獅子唐のタイ風バジル炒め、 青梗菜のおひたし、白菜の浅漬、 巻湯葉としめじと葱の味噌汁、御飯。食後に林檎を一つ。 夜の読書は、図書館で借りた 「それをお金で買いますか」(M.サンデル著/鬼澤忍訳/早川書房)、など。

2012/10/22

武田百合子は怖い

今日は健康診断なので、朝食は珈琲のみ。 食材を使いたいところなのだが、昼食も抜きなので、お弁当作りもなし。 おかげでかなり余裕をもって出勤。 午前中はひっそり簡単なプログラミングなど。

午後から健康診断に出かける。 待ち時間の暇潰し用に「ことばの食卓」(武田百合子著/野中ユリ画/ちくま文庫) を持っていく。 なんとなく選んだわりに、ぴったり。 武田百合子の文章からは、病と老いと死の匂いがする。 清潔でないものを書いていて、病院や少女のように清潔だ。 暇潰し用にと持っていったのに、 健康診断は効率の良い流れ作業のようで、一時間もかからずに終了。

朝から絶食の上に血まで抜かれたので、 オフィスへの帰り道に思わずカツカレーを食べる。 毎日三食きっちりと、かなり食べていると思うのだが、 現在の体重は 54 kg だそうで、 成人して以来もっとも痩せていた昨年よりちょっとましな程度。 オフィスに戻ってきたものの、医者がくれた下剤がやたらに良く効いて、 あまり仕事にならず。 夕方退社。

帰宅して夕食の支度。 昼食がかなり遅かったので、軽めに。 豚肉と青梗菜と葱のかけ饂飩。食後に柿を一つ。 料理の合間に、いただいた白菜の一部を漬ける。 「中に青虫がいますから気をつけてください」 と言われていたのだが、本当にいたので驚いた。 夜は読書など。また、「バベルの図書館」(旧版)より、 第29巻「最後の宴の客」(ヴィリエ・ド・リラダン著/釜山健・井上輝夫訳/国書刊行会)。

2012/10/21

代書人バートルビー

昨夜の遅くに「代書人バートルビー」(H.メルヴィル著/酒本雅之訳/国書刊行会「バベルの図書館」9」) を読み始めて最後まで読んでしまい、 今朝は寝坊。珈琲と林檎を一つだけの朝食。

「代書人バートルビー」は時々、読み返してしまう不思議な魅力のある短編。 法律事務所を営む主人公がバートルビーという男を代書人として雇う。 なかなか有能そうに思えたのだが、 書写以外のどんな仕事をさせようとしても「せずにすめばありがたいのですが」 と静かに、しかし断固として断ることに、主人公は気付き始める。 状況は徐々に悪化して、ついにはバートルビーは書写も含めて一切の仕事をしなくなり、 何も「せずにすめばありがたいのですが」の状態で、 オフィスに完全に住みついてしまう、という奇妙な物語。 それだけの話なのだが、何か気になる短編である。 もし私が明日からオフィスで、全ての業務を「せずにすめばありがたいのですが」 と言い始めたらどうなるのだろう、とか、考えてしまうからだろうか。 恐しいことに、何の問題もなかったりして。

この短編を所収している「バベルの図書館」のシリーズも、 岩波文庫の「幽霊船 他一篇」も、現在入手し難いので、 なかなか人に薦められなかったのだが、 どうやら柴田元幸訳の「書写人バートルビー — ウォール街の物語」の pdf ファイルが インタネット上にあるようだ ("bartleby_h.pdf")。 柴田訳では、「せずにすめばありがたいのですが」が「そうしない方が好ましいのですが」 になっていて、酒本訳の方が私は好みなのだが、それは読者によりけりだろう。

昼食は、菠薐草のスパゲティ・アーリオオーリオ、鶏肉のオムレツにバジルソース。 午後、親切な知人から大量の野菜が届く。 傷まないうちにどうやって食べ切るか、または保存食化するか、腕の見せ所ではある。 先週は実家から送ってもらった食材で暮らしたが、 今日からしばらくはこの食材で暮らせそう。ありがたし。

夕方、図書館に本を借りに行くついでに、 スーパーで野菜以外の食材を調達。 帰宅して夕食の支度。 秋鮭を焼き、じゃこと獅子唐の炒め煮、 冷奴(葱と生姜)、白菜の浅漬、胡瓜の糠漬、しめじと葱の味噌汁、御飯。 食後に柿を一つ。

2012/10/20

種村季弘を読んでちゃ女性にもてない

昨夜はまた 9 時に寝てしまい、今朝、目が覚めたのは 8 時過ぎ。 また 11 時間寝てしまった。 昨夜食べ過ぎたので、朝食は珈琲、ヨーグルト、林檎を一つだけ。

朝風呂に入って、湯船で 「食物読本 種村季弘のネオ・ラビリントス6」(種村季弘著/河出書房新社) より、「食物漫遊記」を読む。 種村季弘の書くものは女性にうけない、というのは本当だと思う。 同じような博覧強記の市井の学者に澁澤龍彦がいるが、似て非なり。 開高健が女性にうけないのと共通点があるかも。

今日、湯船で読んだ箇所は、画餅を食う話、というタイトル。 天下の美食家として知られた蘇東坡の食通はあまりあてにならない、 という歴史的逸話から始まり、 名代のお店のうまいに決まってるものを食べに行ってうまいと書くのは「お上りさん」であって、 軽率な嘘をものともせず夢想を表現する蘇軾が文章家、食通として一目置かれるのが文明と言うものだ、 と言う批判が展開される。 さらに、落語の「長屋の花見」の歴史につなげるところは、さすが博覧強記の種村先生。 そして、最後は種村先生自身が学生の頃のいじらしいエピソード。

著者は赤貧洗うが如しの貧乏暮らしで、 同じように貧乏な仲間どうしで、 「駒込クッキングスクール」の校舎を見下ろす位置にあるアパートに屯していた。 貧乏暇だらけの著者たちは毎日のように、この校庭を歩く女子学生を双眼鏡で覗いて暮らす、 変態学生だったのである。 そんなある日、 クッキングスクールで学園祭が開かれ、試食の食べ放題企画があるという情報を得た。 学園祭当日、著者たちは一人ずつ偵察に行くのだが、 バンカラ学生ならではの羞恥心と意気地なさ、 若い女性たちの花園で図々しく試食するなんてことができようはずもない。 みなそれぞれに、いかに素晴しいものを食べたかと言うことを、嘘八百で報告する。 これが実にいきいきとした描写で、 これは余程うじうじしたことのある人間でないとここまでいじらしくは書けまい、 と思うほど、可笑しい。ある意味、「長屋の花見」を越え、ニーチェにすら近い。 こんな具合であるから、種村季弘が女性に好かれないのはもちろん、 こんなの読んでちゃもてないな、とも思うわけである。

早めの昼食は、出来合いの鰻でひつまぶし、菠薐草のおひたし、白菜の浅漬、しめじと豆腐と葱の赤だし。 午後は、自宅の ubuntu を 12.04 に upgrade しながら、 暇潰し用の当たり障りのないエンタテインメント本のストックより、 「催眠 (上・下)」(L.ケプレル著/ヘレンハルメ美穂訳/ハヤカワ文庫) を読み始める。 upgrade も済んだので、ちょっと横になったら、また二時間以上寝てしまった。 ここまで眠れるのは、やはり病気だろうか。たまたま明後日は健康診断で良かったかも。 夕方になり、夕食の支度。 冷奴(葱、酢橘、薄口醤油)、枝豆、鰯の生姜煮で、ヱビスビールを小一本だけ。 のち、しめじの卵とじ饂飩。食後に柿を一つ。

2012/10/19

ドッグフードを食べる

昨夜は 9 時過ぎに寝てしまって、今朝、起きたのは 8 時近く。 眠り病だろうか。 まだ阿佐田哲也みたいに昼間に突然寝たりはしないので、 ナルコレプシーではないと思う。 珈琲、ヨーグルト、林檎を一つで目を覚ましてから朝食の支度。 鰯の生姜煮、納豆(葱)、莢隠元と葱の味噌汁、御飯。 お弁当に塩豚の炊き込み御飯の残りを詰めて出勤。

昨夜の内に、usaggr の次期ヴァージョンの社内リリースが出ていたので、 午前中は手持ちの iPhone4s (iOS5) でテスト。 とは言え、闇雲かつ積極的に使ってみます、というだけの偽テスター。 弊社は超零細なので、きちんとテスト体制を組むことが難しく、 自分たちで使ってみてバグや問題点の洗い出しをするしかない。 このことを、業界では「ドッグフード(を食べる)」と言う。 ちなみに、知り合いのネットワークハッカー N さんが、 「キャットフードを食べた」と言っていたが、あれはこのことではないと思う。 とは言え、この「ドッグフード」の語源は "Kal Kan" の社長のエピソードだという説もあるので (see "Eating your own dog food" in Wikipedia)、 キャットフードでもいいのかも知れない。 確か N さんは、「鳥の餌も食べたことがある」と言っていたような気がする。 何かの隠語だろうか。

午後は主にミーティング。 夕方、退社して近所のベルギービール屋で、 種村季弘の「食物漫遊記」(河出書房新新社「食物読本 種村季弘のネオ・ラビリントス6」、所収) を読みながら軽食でビールを一杯。 そののち、近所でラーメンを食べて帰る。 神保町の良いところは、ラーメン屋とカレー屋と餃子屋については、 いくらでも選択肢があるところだ。

2012/10/18

二枚目のエースのパラドクス

またしても良く寝た。 週の終わりに近付いてようやく体調が戻ってきたような。 珈琲、ヨーグルトのち、朝食の支度。 納豆、胡瓜の糠漬、莢隠元の味噌汁、御飯。 お弁当を詰めて出勤。

ようやく調子が上がってきたので、プログラム書きなど。 昼食は持参のお弁当。 鰯の生姜煮、筑前煮、白菜の浅漬、玉葱のピクルス、御飯。 昼あたりから雨が降り出した。 夕方、退社。

帰宅して夕食の支度。 冷奴(葱、生姜)、鰯の生姜煮、 白菜の浅漬、塩豚の炊き込み御飯に葱と粉山椒、とろろ昆布と葱の澄まし汁。 食後に柿を一つ。

ブリッジというトランプゲームでは、各プレイヤーに 13 枚ずつカードが配られる。 今、あるプレイヤーに「エースを持っていますか」と尋ねたところ、 答は「イエス」だった。 このときに、そのプレイヤーが二枚以上エースを持っている確率と、 「スペードのエースを持っていますか」と尋ねて答が「イエス」だったときに、 そのプレイヤーが二枚以上エースを持っている確率を比べると、 後者の確率の方がずっと大きい。 これは、よく考えると当たり前なのだが、何故か奇妙な気がする。 前者の方がずっと大きいような気がするのである。 しかし、エースを一枚以上含む手と、そのエースがスペードである手では、 前者の方がヴァリエーションがずっと広いので、 その内で、二枚以上のエースを含む手の割合、すなわち確率は小さくなる。 人間の直感が何故か、正しい確率と一致しない例の一つで、 面白いのは、どうして人間は明らかに間違っている確率を直感するのか、という疑問の方だろう。 (Futility Closet "The Paradox of the Second Ace"より。)

2012/10/17

法螺吹き友の会

昨夜は夕食後に急激に眠くなって、そのまま今朝まで寝てしまった。睡眠 11 時間弱。 良く寝たせいか、かなり体調が改善。今日をおとなしく暮らせば復活しそう。 珈琲、ヨーグルト、柿を一つの朝食のあと、出勤。

今日は三番手だ、珍しいなあ。 午前、午後と軽めのタスクで流し打ち。 昼食は近所のカレー屋さんにて、チキンカレーの 10 倍。 新刊書店で 「法螺吹き友の会」(G.K.チェスタトン著/井伊伸彦訳/論創社) を買う。 嵐が近付いているようなので、 雨が降り出す前に早めに退社しようと思っていたら、 ぎりぎり間に合わなかった。 会社に置いてあった小さな折り畳み傘が頼りの帰路。

帰宅してお風呂に入って身体を温めてから、 晩酌しながらの夕食の支度。 (晩酌しながら夕食の支度、って何か変かな。) 菠薐草のおひたし、白菜の浅漬で、冷酒を五勺。のち、 鶏笹身の塩麹漬け焼きに酢橘を絞り、 胡瓜の糠漬、莢隠元と切干し大根の味噌汁、卵かけ御飯。

夜の読書は「ニーチェ」(三島憲一著/岩波新書)など。 今週はニーチェ週間。

2012/10/16

ダ・ヴィンチの料理ノート

今週はどうも体調がいまいちだな…… まだ舌が腫れている。 珈琲、ヨーグルト、林檎一つで目を覚ましたあと、 バゲットの最後の残りでフレンチトーストとカフェオレの朝食。 お弁当を詰めて、即出勤。

朝の早い関連会社 P 社の G 社長が先に来ていたので、 今日はオフィスに二番乗り。 自宅のエアコンの型番を教えてくれと頼まれていたので、 G 社長に報告しておく。 昼食は持参のお弁当。 筑前煮、鰯の生姜煮、菠薐草のおひたし、玉葱のピクルス、御飯。 午後はミーティングなど。 夕方、退社。

帰宅して、まずお風呂に入ってから、夕食の支度。 枝豆、鰯の生姜煮で、冷酒を五勺ほど。 のち、ハムエッグ、キャベツの酢漬け、茄子の糠漬、じゃがいもと隠元豆の味噌汁、御飯。 食後に柿を一つ。和歌山の種なし柿。

夜は静かに読書など。 「レオナルド・ダ・ヴィンチの空想厨房」(S.ラウス&J.ラウス著/佐竹敦訳/東京図書)。 食についてはほとんど何も書き残さなかったとされていたダ・ヴィンチが、 実は料理ノートを書いていて、その写本が発見された、 という設定での偽書「ロマノフ写本」全文とその解説。 この大真面目な馬鹿馬鹿しさが素敵。 例えば、ダ・ヴィンチの有名な「ヘリコプター」の設計図は、 実はソーセージ用の肉を挽くための「ミキサーの羽の付加装置」だったのだそうだ。 そんな奇書なのだが、著者たちの 「レオナルド・ダ・ヴィンチのように、あらゆることに興味を持った人物が、 食物や料理についての関心事の記録をほんの少ししか残していないというのは奇妙なことだと、 ずっと私は思っていた」、という記述には同感だ。

2012/10/15

シュタインのパラドクス

ああ、また月曜日か。毎日が日曜日ならいいのに。 珈琲とヨーグルトで目を覚ましてから、 バゲットでフレンチトーストを作って朝食。 お弁当を詰めて出勤。

今朝も一番乗りだ。 昼食は持参のお弁当。 筑前煮、鶏笹身の塩麹漬け焼き、大根の浅漬、御飯。 午後は最近の懸案だった OS のアップグレード。 ubuntu 12.04 LTS へ。 時間はかかったが、特に問題なくできたみたい。 その間に、「シュタインのパラドクス」の解説記事、 "Stein’s paradox in statistics" (B.Efron and C.Morris, pdf)を読む。 面白い。 複数の(実際は3つ以上の)変数を一緒に考えるときは、 算術平均が期待値の必ずしも最も良い推定量ではない、 という一見、古典的な統計理論を真向から裏切るような例。 例えば、複数の野球選手の打率を考えるとき、 単純にヒット数を打席数で割るよりも良い推定方法がある。 うーむ、統計学は深いな。 夕方、退社。

帰宅してお風呂に入ってから、夕食の支度。 枝豆、筑前煮、ロースハムとトマトと胡瓜のサラダで、冷酒を五勺ほど。 そののち、カレー饂飩に油揚げと白葱の刻みをトッピングして、さらに一味を少々。

まだ月曜日で、しかも、今日はほとんど仕事らしい仕事をしなかったのに、 変に疲れが残っていて、舌も腫れているような感じ。 もう、ポンコツ車をなだめなだめ運転しているようなイメージなんだなあ。 お灸でもして寝よ。

2012/10/14

塩麹

起床。 カフェオレで目を覚ましてから、 朝食にサンドウィッチを作る。 トマト、胡瓜、ロースハムのハム野菜サンドと、 茹で卵、玉葱ピクルス、姫胡瓜糠漬の卵サンドの二種類。 朝風呂に入って、湯船で 「ソウル・コレクター」(J.ディーヴァー著/池田真紀子訳/文春文庫) を読み始める。 休日用の当たり障りのないエンタテインメント本ストックより。 風呂掃除や洗濯など家事をしているうちに、昼。 昼食は酢キャベツと塩豚とじゃがいもの煮込みと、バゲットを二切れほど。

実家から、野菜など食材の詰め合わせが届いた。 中に瓶詰めの塩麹が入っていて、 こういう「ブーム」ってあんな田舎にまで波及するんだなあ、と感心。 IT業界にいると、 「えっ、新聞とかTVとかって、まだユーザいるの?」なんて馬鹿にしがちだ。 実際、若い人に訊いてみると、新聞を読まないのは勿論、 TV も持っていないことが多い。 ニュースを知らないわけではない、言わゆる「新聞」を読んでいないのである。 動画を観ないわけではない、言わゆる「TV 番組」を観ていないのである。 しかし、私の実家の両親のように秘境に暮していても、 「塩麹」ブームが来るところからして、 オールドメディアの宣伝力も大したものだ。

空気もひんやりと冷たい快適な午後を読書で過し、 夕方になったら、心静かに夕食の支度。 油揚げの白葱挟み焼き(最近の好物)と、実家から届いた枝豆で、 ペールエールを一本だけ。枝豆、美味しいな。 そののち、鶏笹身肉を塩麹に漬けて焼き、 菠薐草のおひたし、茄子の糠漬、じゃが芋と三つ葉の味噌汁、御飯。 最近、歳のせいであまり量を食べられないこともあり、 小さな料理を沢山並べる食卓になってしまう。 私はこれを「愛人系」と呼んでいるのだが、 人に意味が伝わるのかどうか分からない。

2012/10/13

ドレッシング

昨夜はかなり遅かったので、寝坊。 珈琲とミルクで目を覚ましてから、 切ったバゲットにチーズとトマトを乗せてオーヴンで焼くだけの朝食。 手抜きのわりに美味しい。トマトとチーズは安心の組み合わせだ。 即、東京駅に向かう。

午前中は、数理ファイナンス関係の勉強会に参加。 確率制御とベルマン原理など。 次回再来週はベルマン方程式に進むので、 是非、粘性解理論の入門的解説をしてほしい、とスピーカにお願いしておく。 昼食は出席者と一緒に、近くのインド料理屋にて。

東京駅あたりで、数百ほども日本の国旗を掲げた大勢の集団に出会う。 拡声器越しの女性リーダーの叫び声が激し過ぎて何を言っているのか良く分からないが、 中国人と朝日新聞を攻撃しつつガンバレ日本、なデモ行列らしい。 ニュースによれば、今日は別の場所でも大規模な反原発デモが開かれているらしいし、 最近は主張の内容や思想の方向性に関わらず、デモが人気みたい。 きっと、民度が上がってきたんだね(微笑)。 帰宅して、昼寝。夕方まで熟睡してしまった。 こんなに寝てばかりいると、 一所懸命がんばって群集しては叫んでいる善良な人々に申しわけない、 と反省する夕べ。

夕食の支度。酢橘ポン酢ベースのドレッシングを作って、トマトと胡瓜のサラダ。 ドレッシングって、特に意識せずにでたらめに作ったときに限って、 たまたま美味しいような気がする。 自家製の塩豚を使ってカルボナーラ。食後に林檎のヨーグルト和え。 夜は静かに読書など。

2012/10/12

揚げ物パーティ

朝から良い天気。また昼間は暑くなりそうだ。 珈琲、ミルク、ヨーグルトで目を覚ましてから、 納豆(白葱)、姫胡瓜の糠漬、油揚げと三葉の味噌汁、御飯の朝食。 お弁当用として、久しぶりにサンドウィッチを作る。

出勤してお仕事。 昼食は持参のサンドウィッチ弁当。具は二種類で、 茹で卵と玉葱のピクルスと姫胡瓜の糠漬を刻んでマヨネーズで和えたものと、 豚ロースハムとゴーダチーズとトマト。 姫胡瓜の糠漬が漬かり過ぎたので、 ピクルス的に使えるかもと思って入れてみたら、けっこう美味しかった。

午後、オフィスに TV 撮影クルーがやって来る。 と言っても、残念ながら弊社の取材ではなく、 弊社の姉妹会社とでも言うか、出資者が同じ別の 会社の社長 T さんの取材。 情報 7days 何とかと言うニュース番組の、 「未来のノーベル賞受賞者を探せ!」みたいな企画らしい。 もう明日放送だとか(多分、一、二分くらい)。 これを機会に「アイアンマン」トニー・スタークの女性版、 天才美人科学者 CEO として売り出してもらって、 ついでに(?)弊社もその勢いにあやかれないものだろうか。 おせちもいいけどカレーもね、H 社もいいけど M 社もね、という感じで。

引き続き夕方から、 弊社の某サーヴィス開発のテストに協力してくださった方々への御礼のパーティ。 予想以上に沢山の方に来訪していただいた。 オフィスの片隅でささやかに、おもてなしは近所の肉屋さんの揚げ物で。 いつか大成功して、シャンパンとか買えるようになったらいいな。

2012/10/11

Scala と老眼鏡

今日も夢現に「古楽の楽しみ」を聞いているうちに二度寝して寝坊。 起床して、慌てて米を炊く。 珈琲で目を覚ましてから、朝食の支度。 納豆(白葱)、姫胡瓜の糠漬、巻湯葉と三つ葉の味噌汁、御飯。 さらに全速力でお弁当も作って、出勤。 今日は天気も良く、暑くなりそう。また夏日だそうだ。 早く隠居したいものだなあ。

出社して、平々凡々と仕事。 昼食は持参のお弁当。塩豚丼にキャベツのピクルス添え。 昼休憩に新刊書店で 「喜ばしき知恵」(F.ニーチェ著/村井則夫訳/河出文庫)を買う。 午後は主に Scala プログラミング。

Scala は凝縮度の高いコードが書けて面白いけれども、 それだけ頭を使うみたい。 それに、シンタックスがどうも目に優しくない。 そういった意味では、私のような老人にはなかなか厳しい言語だ。 それはさておき、 近頃、本屋のレジの横などでついでに売られている老眼鏡に目が行きがちの私。 老眼鏡か二焦点レンズの眼鏡を誂えようかなあ、 と本気で思っています。

夕方、ちょっと早めの退社。 スーパーで食材などを買って、夕食の支度。 塩豚とじゃが芋の酢キャベツ煮込み、 バゲットに焼きトマトとチーズのオープンサンドウィッチ。 食後に林檎を一つ。

2012/10/10

従業員一同

普段にも増して良く眠れるもので、なかなか起きられず。 珈琲、ヨーグルト、林檎一つの朝食をとって慌てて出勤。 今日は週の中日でお弁当作りは休みなので助かった。

今日はオフィスに一番乗り。 いつもと違ったタイプの作業をしようと思い、 Gimp でイメージ図を作ったり。 昼食は近所の鮨屋にて、お任せにぎり。 新刊書店で「暮しの手帖」別冊の「自家製レシピ 秋冬編」などを買って帰る。 夕方退社。神保町あたりもすっかり涼しくなった。

帰宅すると、ネットワーク・ハッカーの N さんから綺麗な和紙の封筒が届いていた。 やれやれ、また結婚式か、賃貸契約更新も近くて家計は火車なのに、 横浜の旧家の御曹司には御祝儀をどれくらい包まねばならんのかのう…… と思いながら開封すると、「事務所移転のお知らせ」だった。 「従業員一同さらに専心努力」って、代表・社長と専務理事と従業員全員合わせて、 一人と一匹じゃん。 引越し祝いは先週済ませたので、とりあえず御祝儀は払わなくて済んで良かった。

夕食の支度。 冷奴(白葱と酢橘ポン酢)、油揚げの葱挟み焼きで冷酒を五勺ほど。 そのあと御飯を炊くのが面倒だったので、 いただきもののペスト・ジェノヴェーゼで茄子とバジルのスパゲティ。 昼間にオフィス用の珈琲豆を SBUX で買った時にもらった試供品のヴァニラ風味粉末珈琲を使って、 食後のミルクコーヒー。意外に美味しい。

2012/10/09

献立日記

眠い……7 時間は寝たけど、あと 5 時間くらい寝たい。二度寝で少し寝坊。 珈琲、ヨーグルトで目を覚ましてのち、 キャベツの炒めもの、納豆、大根と油揚げの味噌汁、御飯の朝食。 鯖寿司を作ったときの残りの酢飯を使って、 ちりめんじゃこと姫胡瓜と白胡麻だけの貧乏散らしのお弁当を作り、出勤。

午前中は先週していたことを思い出したり。 昼食は持参の貧乏散らし弁当。 さすがに清らかな味わい。 午後はミーティングなど。 夕方退社。朝夕はずいぶんと涼しくなった。 ジャケットが必要なくらい。

冷奴(白葱と酢橘ポン酢)、大根おろしとちりめんじゃこ(二杯酢と山葵)で、 冷酒を五勺ほど。 のち、キャベツの酢漬けベースの塩豚とじゃが芋の煮込み、 卵かけ御飯と、三つ葉の赤だし。食後に林檎を一つ。

毎日、特に何事もなく静かに淡々と過ぎて行くので、 日記が沢村貞子の「献立日記」みたいになってしまう。 ついこの前、正月だったような気がするのだが、 もう近所のスーパーの店頭にはハロウィンのかぼちゃが飾られ、 おせち料理の受付が始まっている。 滅多に行かないので噂に聞いただけだが、百貨店は既に年末商戦、だそうだ。 少年老い易く、学成り難し。 「さあ今日も、ささやかなおそうざいを一生懸命こしらえましょう……」 (「わたしの献立日記」(沢村貞子著/中公文庫)より)。

2012/10/08

鯖の棒寿司

また十時間も寝てしまった。 珈琲、ヨーグルト、いただきものの栗渋皮煮の軽い朝食。 そうこうしている内にすぐに昼食の支度の時間。 米を炊いて酢飯を作り、鯖の棒寿司を巻く。 普通の棒寿司は太過ぎて食べ難いと常々思っていたので、 鯖を上下半身ずつに分けて細く巻いてみた。 ちょっと落ち着いた方が美味しいので、棒寿司は夕食用においておく。

昼食は余った酢飯をおむすびにして、 茄子の糠漬と、鯖の中骨を使った船場汁。 少し横になろうかな、と思ったら、また二時間以上寝てしまった。 今日も一日の半分以上も睡眠。 ロングスリーパーの自分がうらめしい。 短い午後は、掃除機がけや、キャットフードの買い出しなど。

夕食は冷奴(生姜と生醤油)と姫胡瓜(赤味噌)をお供にペールエイル一本で始め、 その後、鯖の棒寿司、卵と三つ葉の澄まし汁。 鯖の棒寿司は初めて自分で作ってみたのだが、 美味しくできたし、狙い通りの一口サイズ。 鯖寿司はさほど難しくない類の料理だと思う。 勿論、プロの逸品とは比較にならないが、 自分の好みにに調整できるし、 一旦鯖を塩すれば残りは、締め鯖、酒焼き、船場汁、と各種料理に展開できて無駄がない。 しかも、鯖は最も安価な魚だ。有り難いことである。 食後に林檎を一つ。

2012/10/07

鯖を〆る

10 時間ほど寝てしまって、遅い起床。 旅疲れと、雨の涼しさのせいだろう。 珈琲、ヨーグルト、いただきものの栗渋皮煮の朝食。 朝風呂に入り、湯船の読書は 「雇用の常識 決着版」(海老原嗣生著/ちくま文庫)。 洗濯などの家事ののち、早めの昼食。 キャベツ炒め、茄子の糠漬、玉葱の酢橘ピクルス、大根の味噌汁、 焼き海苔つきの卵かけ御飯。

しばらく昼寝。 二時間以上寝たが、まだまだ眠い。 この頃は、数日も根を詰めたり、 いつもと違う予定が続いたりすると、 二日や三日では調子が戻らない。 歳だからしようがないのだが、 どこか涼しい所に引っ込むまで何とか、無事に暮らしたいものだ。

午後も掃除や、片付け、買い出しなどの家事。 買って来た鯖をまずベタ塩にして冷蔵庫へ。 お店がお客に出すような締め鯖だと、 鯖をまず砂糖で軽く〆ておいてから塩で本〆したりするらしいが、 面倒だし、なんとなく砂糖は気味が悪い。 それに、以前に京都で好みの味の棒寿司に出会ったときに作り方を尋ねてみたら、 やはり塩して酢、という単純な方法だったし。

夕食の支度。 塩のあと酢で軽く〆た鯖の腹身を短冊に切り、大根おろしと山葵と二杯酢で。 これで冷酒を五勺ほど飲みながら、御飯の炊き上がりを待つ。 のち、腹身短冊をとった鯖の背側を酒焼きにし、 キャベツのピクルス、じゃが芋の味噌汁、御飯。 鯖の残りは明日以降、棒寿司などになる予定。 こういう鯖の食べ方はイラストレイターの矢吹申彦の書いたもので学んだのだが、 何はともあれ鯖は有り難い魚だ。鯖よ永遠に。 食後に冷やした桃を一つ。

2012/10/06

レストランの豆腐屋でパンを買う

山奥の大学で開かれている小さな研究会の二日目。

土曜日は大学内の施設も、キャンパス前のバス停もお休みらしい。昼休憩に散歩がてら、最寄のバス停を確認に行き、どんぐり拾いをしながら戻ってくる。徒歩圏内にある唯一のレストランだという豆腐屋で焼きそばパンを買って昼食にする。

最近は人里離れた場所に大学を作るのが流行っているようだ。ここまで隔離された環境だと、勉強や研究もさぞ進むことだろう。近いうちに日本の大学の知的生産性は急上昇するかもしれない。

夕食は新幹線の中で穴子飯。車中の読書は "Winter House" (C. O'Connell 著/ Berkeley Novel).

2012/10/05

薬膳

早起きして、新幹線で移動。山奥にあるキャンパスで開催されている応用数学系の研究会。

夜は薬膳台湾料理屋で会食。これで三日、会食続き。今日は薬膳なので少しは身体が癒されるのではないかと期待。

2012/10/04

夏の名残

8 時近くまで寝てしまった。いくらでも眠れる昨今。 昨夜は食べ過ぎたし、今日の昼は会食の予定があるので、 朝食は珈琲とヨーグルトだけ。 慌てて出勤。 秋晴れで厳しい日差し。

午前中は Scala のお勉強など。 お昼は、東京に出張中の K 大の Y さんと洋食屋で会食。 また一人、 usaggr のアクティヴユーザを育てる、 地道な宣伝活動。

外はかなり暑い。秋晴れと言うより、まだ夏の名残りか。 オフィスに戻って、午後はミーティング。 開発計画が始まったばかりの新サーヴィスの UI について。 こういう夢を相談しているときが一番楽しいのだが、 「あとは作るだけです」のパートが大変なのだろうなあ。 夕方、退社。

帰宅して夕食の支度。 大根のみじん切りと卵の雑炊、南瓜の煮付け、キャベツ炒め、茄子の糠漬と玉葱のピクルス。 冷酒を五勺ほど。 急に激しい雨が降り出した。この前の台風の時をも凌ぐような豪雨。 夏の置き土産だろうか。

2012/10/03

引越し祝い

曇り空。今日も気温が低くて結構なことだ。 珈琲、ヨーグルトののち、 焼き鯖の梅肉和え、茄子の糠漬、長葱と油揚げの味噌汁、 卵かけ御飯の朝食をとって出勤。

今日はオフィスに一番乗りだ。 午前中は Scala のお勉強など。 難しい言語だなあ、Scala って……。 昼食は近所のカレー屋さんにて。 午後も同じ調子で過して、夕方退社。 四谷に向かう。

夜は四谷の中国料理屋にて、ネットワーク・ハッカー N さんの引越し祝い。 猫を飼い始めたので、前の 3 倍の広さの住居に引っ越されたそうだ。 帰りの電車で、英文を暗唱していたら乗り過してしまい、 一つ先の駅から雨の中を歩いて帰ることに。 すっかり冷え切ってしまった。お風呂であったまろう。

2012/10/02

偏在の未来

昨日から急激に気温が下がって、涼しい朝。 年老いた身には、気圧や気温の差がこたえる。 珈琲、ヨーグルトのあと、 焼き鯖の梅肉和え、納豆(長葱)、茄子の糠漬、長葱と油揚げの味噌汁、御飯の朝食。 お弁当を詰めて出勤。

弊社オフィスの一角に間借りしている某スタートアップ企業の G 社長が、今日も私より先に来ていた。 今日は社長自ら基板に半田付けしている。 他にも、電話で工場に何事かをかけあったりと、大変そうだなあ。 そりゃ、大学を卒業している暇なんてないかもね。 昼食は持参のお弁当。南瓜の煮付けと、さんま御飯。 午後はミーティングなど。

夕方、件の G 社長が現在開発中の某システムのデモをしていた。 「未来は既にある。ただ偏在しているだけだ」、と言ったのは、 ブルース・スターリングだったっけ、エスター・ダイソンだったっけ。 最近、色々なことが思い出せないのだが、 もう既に若年性痴呆と言うジョークは通じず、 加齢による自然な老化としか見てもらえない哀しさ。

夕方退社。帰宅して夕食の支度。 南瓜の煮付け、油揚げの葱はさみ焼きで、冷酒を五勺。 のち、キャベツ炒め、船場汁、御飯。

2012/10/01

台風一過、涼しい秋がやって来た……のはずだったのに、朝から蒸し暑い。 日差しの厳しさと言い、ぐんぐん上がる気温と言い、まさに夏。 腹立たしいが、この気持をどこに向けて良いものやら。 昔、傲慢な王様が荒れる海に腹を立てたあまり海岸で波を鞭打った、 というエピソードを思い出した。 珈琲、ヨーグルトのあと、 焼き鯖の梅肉和え、納豆、豆腐と長葱の味噌汁、御飯。 お弁当を詰めて出勤。

午前中は Scala のお勉強。 昼食は持参のお弁当。南瓜の煮付けと秋刀魚御飯。 新刊書店で「催眠 (上・下)」(L.ケプレル著/ヘレンハルメ美穂訳/ハヤカワ文庫)を買った。 午後はプログラミングなど。 夕方退社。

帰宅して、夕食の支度。 冷奴(酢橘、生醤油)、焼き鯖の梅肉和え、キャベツ炒め、大根の千切りと油揚げの味噌汁、 卵かけ御飯。 食後に桃を一つ。

昨日、洗剤を切らせてお風呂の掃除が出来なかったので、 今日のお風呂の前に。 帰り道に 128 円で買った詰め替え用洗剤で掃除。さすが化学の力。 湯船も綺麗さっぱりして、気分良く入浴。