実は魯山人があまり好きではない。どの器も、どうだ俺は偉いだらう、と言つてゐるやうに、こちらに押してくる感じがして騒がしい。さういふところが、貧乏臭い。本当に自分自身で豊かな人だけが持つ静けさがない。
と、思つてゐたのだが、私も歳をとつて、人間悟り切れないものだな、と思ふからか、魯山人のさういふところも込めて、悪くないな、と感じるやうになった。
「夫子憮然曰、鳥獣不可與同羣。吾非斯人之徒與、而誰與。」
「論語」微子、第十八、六
今朝も雨模様で涼しい。 朝食をとり、お弁当を作って出動。 都議会選挙が告示されたらしく、選挙カーが目立つ。 一昨日は右翼の軍歌、昨日は左翼の街宣、今日は各党の選挙カー。 あしたは兎か鹿かあなたであって欲しいものだ。
夕方退社して、青山へ。 骨董通りのハンバーガー屋で夕食ののち、 ゆずっていただいたチケットで、 すぐ近くのホールでの生け花と俳句の会へ。
今日も良い天気だ。 気温は高めだが湿度は低く爽やかなのは、やはり五月。 今日も午前、午後と粛々と働く。 昼休憩に新刊書店で 「驚きの数学 巡回セールスマン問題」(W.J.クック著/松浦俊輔訳/青土社) を買った。 夕方退社して、近くのビア・バーで夕食。 日の高いうちから飲むビールはうまい。
歩いて、東京国立近代美術館へ。 フランシス・ベーコン展 の会期終了が近いので、一応観ておくか、と。 事前に、 「ヘルメスの音楽」(浅田彰著/ちくま学芸文庫) を書庫から引っぱり出して来て、 所収の「F・Bの肖像のための未完のエスキス」 を読んでちょっと勉強しておいた。 ふーん、プルーストの「失われた時を求めて」 と通底しているのか、とか。
そして、美術館についてみたら、チケット売り場に長い行列が出来ていて驚愕。 こんな不気味な絵を観に、こんなに沢山の人が訪れるとは。 それはさておき、 私はベーコンの絵の実物を観るのは初めてで、 内容は別にして技術的には非常に綺麗なものだな、と思った。 それから直截的で神経を逆撫でするようなイメージを持っていたのだが、 意外とユーモアがある。 まあ一言で言えば、ゲイ・テイストなのだが、 この突き抜けた感じはやはりただものではないな、と。