「夫子憮然曰、鳥獣不可與同羣。吾非斯人之徒與、而誰與。
「論語」微子、第十八、六

2015/09/30

殿うつり

往きの車中の読書は相変わらず「潤一郎訳 源氏物語」(中公文庫)。「乙女」の帖。光源氏は六条に贅を凝らした広大な邸宅を建て、関わりのある女性たちをここに集めて暮らし始める。どうやらこれが平安朝の貴族男子の理想の生活らしい。厄介なだけのような気がするのだが。

長く休んだあとに昨日、急に激しく働いたせいか、体調はもう一つ。運良く今日は特に予定がなかったので、普段よりもゆっくりしたペースで仕事をする。

夕方退社して帰宅。風呂に入ってから夕食の支度。油揚げの葱詰めの網焼き、しらす大根おろしで冷酒を五勺。のち、塩鮭、御飯、里芋の味噌汁。

夜はラテン語の勉強と、「荘子」(金谷治訳/岩波文庫)など。

2015/09/29

出勤

12日ぶりに出勤。昼間はミーティングの連続、夜は親会社の新人さんたちの企画のイベントで講演、帰宅は今。キックスタートは老体にこたえる。

明日はちょっとゆっくりめに仕事をしよう…

2015/09/28

休暇第十一日(最終日)

「夏休み」の最終日の正午少し前、神保町の「ランチョン」で、世間が忙しく動いている昼間に飲むビールはうまいなあ、と思っていると、新聞だけを片手に持った老人が階段をゆっくり上がって来た。

私の近くのテーブルについたその老人が日本酒を注文したことに驚いたのだが、確かにこの店にも日本酒があるらしく、瓶詰めの「大関」一合とガラスの猪口が運ばれてきた。老人はチリビーンズだけを肴に、安酒をちびちびと飲みながら、小一時間かけて読売新聞を隅から隅まで読み、満ち足りた顔で帰って行ったことであった。おそらく毎日がこの調子なのであろう。

これは私の如き凡庸な人間にはとても及び至らない境地である、さては巷の賢人もしくは真人、至人の類であろう、と感心し、人はかくありたいものだ、とも思ったのだったが、明日からはまた労働を日銭に替える私の毎日なのである。

2015/09/17

課題図書

雨。気温も低く、秋らしい雨の一日。しかし私は明日から「夏休み」なのだ。セキュリティ分野の方が商談にやってきてマニアックな話をひとしきりしていった他は、細々した問題をあれこれ片付けて休暇の準備をする。夕方退社。

以下は休暇中の課題図書。


2015/09/16

エラータ

曇り空。昨日よりもさらに気温は低いが、やはり上着を着るほどではない。どうも世の中が乱れているようで、税務署は知らない会社の納付書を送ってくるし、某政党本部は何故か私に党代表の精緻な活動スケジュールをメイルで報せてくるし、一体どうなっているのか。

夕方のミーティングを終えて退社。雨がぽつりぽつり微かに降っている。帰宅して、冷奴(生姜、鰹節)、焼き餃子、イクラ丼と落とし玉子の澄まし汁。

2015/09/15

深層学習

まだ暑いが乾いた空気はやはり秋の気配か。今日も真面目に働き、夕方少し早く終わった会議の後の隙間時間を利用して生協食堂で夕食をとり、夜は親会社の企画で、人工知能と言えば最近はこの人、M 先生の深層学習についての講演を聞く。特に知らない話はなかったが、講演後の質疑応答は面白かった。

帰宅して今、湯船に湯を張っているところ。

2015/09/14

月曜日

さて、また一週間が始まった。ようやく少しは涼しくなってきたが、シャツ一枚の上に何か上着を着るには暑過ぎる。

夕方退社。帰宅して、また今夜も秋刀魚を焼く。あはれ/秋かぜよ/情あらば傳へてよ/—男ありて/夕餉に ひとり/さんまを食ひて/思ひに耽る、と。なんだかんだと言って、やはり佐藤春夫は心の詩人であるなあ……。それはさておき、たっぷりの大根おろしと酢橘。他に冷奴(茗荷、鰹節)、梅干し、御飯、油揚げと若布の味噌汁。

読書は、「幻の森」(R.ヒル著/松下祥子訳/ハヤカワ・ミステリ 1667)、「エラスムス=トマス・モア往復書簡」(沓掛良彦・高田康成訳/岩波文庫)など。

2015/09/13

酢橘

知り合いの方が今年もご実家から酢橘を送って下さった。ありがたし。これで冬の鍋用のポン酢を秋に仕込むのが恒例。もちろん、秋刀魚によし、豆腐によし、酢橘は大変にけっこうなものである。

夕食は、秋刀魚の塩焼に大根おろしと酢橘、玉子かけ御飯、大和芋のとろろ汁。

秋刀魚は素晴しく美味しいし、酢橘は大量にストックされたし、筋子からイクラの醤油漬けを作ったり、「幻の森」(R.ヒル著/松下祥子訳/ハヤカワ・ミステリ 1667)をゆっくり読んだりの、静かな一日だった。

2015/09/12

HFT

午前中は定例のデリバティブ研究部会自主ゼミ。S さんによる Gaussian K-scheme 論文読解の第一回。今回は H さんが香港から一時帰国のついでに顔を出してくれたり、懐しい方が中国からネットで参加してくれたりと、充実したゼミだった。ゼミ後のランチは鉄板焼屋の壺焼きカレー。この激辛カレーは金融業界の一部のセクションに中毒者が多いという噂である。

午後は桜上水に移動して、自主ゼミ仲間の A 先生の講演を聞く。3時間もお一人で話されるマラソン講演会。高頻度取引について。やはり 2000 年からの十年間、ニューヨークの HFT 業界で戦った経験者の言葉には重みがあり、色々と勉強になった。個人的には、機械学習や「人工知能」の文脈での最近の動向が知りたかったのだが、それはまた別の機会に私的に訊いておこう。

帰宅してお土産のお寿司と冷酒を五勺。

2015/09/11

平安時代の大学

往きの車中で「潤一郎訳 源氏物語」(中公文庫)より「乙女」の帖を読んでいて、蛍雪の故事はこの時代から既に日本に伝わっていたのだなあ、と感心していると、さらに、この頃は上中下の階級の人々がわれもわれもと学問をしようと大学に集まってくるので、才人や賢人が多く、博士や学者どもは優遇されていて、総じて何の道につけても才能のあるものが世に認められる時代です、なんて書いてあって、「マジか平安時代!」と思う。

夕方退社。途中下車して神保町で焼き餃子のお土産を買い、帰宅。お風呂に入ってから、ギネスと焼き餃子二人前で餃子祭。いやあ今週もとりあえずは無事に週末に辿り着けて良かった良かった。これくらいの贅沢をしても罰は当たるまい。

2015/09/10

乙女

今日も雨。東京の雨はそれほどでもなかったが、近県では特別警報も出て大変なことになっていたようだ。往きの車中の「潤一郎訳 源氏物語」(中公文庫)は「槿」の帖を終えて「乙女」に入った。

喉のいがらっぽさが抜け切らないまま週末を迎えそうだ。体調が特に悪いわけではないが、良くもない、という中途半端な感じ。やや控え目に仕事をして、夕方退社。

帰宅して風呂に入ってから夕食の支度。ブロッコリと茹で玉子のサラダ、鶏肉の甘辛煮、御飯、若布と麩の味噌汁。林檎を一つ。

「反射」(D.フランシス著/菊池光訳/ハヤカワ・ミステリ文庫)、読了。シリーズ中の凡作かも知れないが、それなりに面白かった。主人公がアマチュア写真家で、プロットとからんで相当に専門的な知識が書き込まれていることや、全き高潔な人格ではないところなど、ちょっと他の作品とは違う雰囲気を持っている。

2015/09/09

大雨警報

ずっと雨が続いている。午後いつものようにコモンルームで仕事をしていたら、あちこちから大きな警告音らしきものが鳴り出し、何事かと思ったら、港区に大雨警報が出たため携帯電話にその情報が一斉通知されたらしい。きっとオフィスはもっと賑やかだっただろう。

夕方、雨が少しおさまったところを狙って退社。うまい具合に激しい雨には出会わずに帰宅できた。夕食の支度。油揚げを網で焼いて山葵と醤油でビール。蒸しブロッコリと茹で玉子のサラダ。大和芋のとろろかけ御飯、胡瓜の三杯酢漬け、若布と麩の味噌汁。

夜はラテン語の勉強、風呂、「痴愚神礼讃」(エラスムス著/沓掛良彦訳/中公文庫)をこの順序で。

2015/09/08

火曜日

一日、雨。雨で涼しいようだが、やはり少し蒸し暑い。風邪はかなり良くなった。明日には完治しそう。

夕方、退社して雨の中を帰宅。今日は少し遅くなったので、風呂より先に夕食の支度。焼き油揚げと三つ葉のポン酢和えで冷酒を五勺。ポテトサラダ、えぼ鯛のひらき、御飯、じゃが芋の味噌汁。林檎を一つ。

夜は風呂と、ラテン語の勉強と、「痴愚神礼讃」(エラスムス著/沓掛良彦訳/中公文庫)。

2015/09/07

槿(あさがお)

通勤の往きの車中での「潤一郎訳 源氏物語」(中公文庫)。「薄雲」の帖を終えて「槿」に入った。「薄雲」は、自分が光源氏の隠し子であり不倫の子であったことを帝自身が知るという衝撃展開だったのだが、「槿」の帖ではまた光源氏が性懲りもなく昔の恋心を再燃させて槿の姫君に猛烈に言い寄っている。

それはさておき、昔は天皇の系図についてもおおらかだったのだなあ、と。なにせ、唐土(中国)ではこういうこともたいそう多いことが公然の秘密だし、日本では文献の中には見つけられないが、あったとしてもそういうことは伝えられないもんね、なんてことがさらっと書かれているのだ。

まだ喉のあたりに風邪が残っているが大分と良くなって、食事も美味しくなってきた。夕食は、三つ葉と網で焼いた油揚げのポン酢和え、ポテトサラダ、親子丼。林檎を一つ。

2015/09/06

安静日2

今日も主に寝室で安静に過す。まだ喉が少しいがらっぽいものの、夜にはかなり良くなったような気がする。

「反射」(D.フランシス著/菊池光訳/ハヤカワ・ミステリ文庫)、「痴愚神礼讃」(エラスムス著/沓掛良彦訳/中公文庫)、「古代懐疑主義入門」(J.アナス&J.バーンズ/金山弥平訳/岩波文庫)など。

2015/09/05

安静日

今週はかなり調子が悪かったのだが、どうやら風邪らしい、と判断して、今日明日は安静に過すことにする。家事もできるだけサボり、寝室で読書などして過す。

「反射」(D.フランシス著/菊池光訳/ハヤカワ・ミステリ文庫)、「痴愚神礼讃」(エラスムス著/沓掛良彦訳/中公文庫)、「古代懐疑主義入門」(J.アナス&J.バーンズ/金山弥平訳/岩波文庫)など。

2015/09/04

秋味

ようやく週末。今週はかなり危なかったが、何とか週末まで持ち堪えることができた。

夕方から親会社の全体会議のあと、特別企画として弊社の前社長の講演。これで今週の全予定終了。退社して、帰り道のスーパーに立ち寄って食材を買い、花屋でトルコ桔梗数本を求めて、帰宅。

そしていま、やれやれ今週も大過なく週末に辿り着いたことを一人で言祝ぎ、お土産の焼き餃子でビール(秋味)を飲んでいるところ。この土日はしっかり休んで体力を取り戻そう。

2015/09/03

木曜日

今週はかなり体調がよろしくないのだが、とにかく、あと一日になった。既に初老なので、体調が気候や気圧の変化に大きく影響を受けるのは、もうそういうものなのだと諦めてはいる。

夕方退社して帰宅。風呂に入ってから夕食の支度。近所の肉屋のチキンカツとポテトサラダ、自家製の玉葱ピクルスでギネスを一杯。のち、鯛まぶし御飯と大和芋のとろろ汁。残った鯛を昆布締めにしておく。

夜は「痴愚神礼讃」(エラスムス著/沓掛良彦訳/中公文庫)を読んだり。風邪のような風邪でないような。何にせよ良い調子ではない。

2015/09/02

夏の名残

やはり蒸し暑い夏が帰ってきた……蝉まで鳴いている。夏と秋の間の憂鬱な気候だが、今日は特に予定がなかったので機嫌良く働く。とは言え、後回しにしていた雑用をあれこれの一日なのだった。

夕方退社。帰宅して風呂に入ってから夕食の支度。鯛の刺身、油揚げの葱詰めの網焼きで冷酒を五勺。のち、鮭茶漬。

夜はラテン語の勉強と「痴愚神礼讃」(エラスムス著/沓掛良彦訳/中公文庫)。

2015/09/01

「反射」

いくら寝ても寝たりないような、いつも寝不足のような、今週は体調がもう一つ。多分、夏の疲れなのだろうなあ。

低空飛行気味ではあるが、今日することを何とか片付け、夕方退社。駅を出たところで豪雨につかまり、軒下で雨宿り。「反射」(D.フランシス著/菊池光訳/ハヤカワ・ミステリ文庫)を読む。ディック・フランシスの作品の主人公の中では、この「反射」のフィリップ・ノアが一番近いかなあ、この大変に消極的で、自分で重大な決断をしたことがない、なんて言うところとか。などと思いながら二十分ほど。

帰宅して、夕食の支度。たらこを芯にしただし巻き玉子。鮭茶漬。食後はラテン語の勉強などして、これからお風呂。夜は「痴愚神礼讃」(エラスムス著/沓掛良彦訳/中公文庫)でも読むかな。