「夫子憮然曰、鳥獣不可與同羣。吾非斯人之徒與、而誰與。
「論語」微子、第十八、六

2014/05/31

癲狂院殺人事件

今日は真夏日になるらしい。幸運にも外に出る用がないので、構わないのだが。朝風呂に入ってからブランチ。ビールとスパゲティ・ナポリタン。我ながら上出来のレシピで、この一週間ほどで三回作ってしまった。

そのあとは、昨日読み始めた「迷走パズル」(P.クェンティン著/白須清美訳/創元推理文庫)を、寝室や居間でゆっくり読む。夕方になって二度目の風呂のあと、読了。なかなかの佳作だ。特に演出がうまい。クェンティンは全然読んでいなかったので、これからまるごと「パズル」シリーズやその他の作品も初心で読めるわけだ。嬉しい。特に次の「俳優パズル」はシリーズ最高傑作らしいので楽しみ。

夕食は、卵とトマトの炒めもの、ピーマン牛筋煮込み和え、大和芋のとろろかけ御飯、ピーマンの味噌汁。

2014/05/30

しまあじ

猫が床で伸びているのを見て、今日も暑くなりそうだな、と思う朝。 外に出るのも鬱陶しいが、労働者なので仕方がない。最近、オフィスも手狭だし、自宅勤務を名乗り出てみようかしらん、などと叶わぬ夢を思いつつ、サングラスを装着して家を出る。

夕方退社。赤坂の鮨屋にて夕食。 ヱビスビールの小瓶と、新潟の山廃純米を一合。今週の反省をしつつ、週末にはクイーンの「Xの悲劇」でも読み返そうかなあ、それとも未読だったクェンティンの「パズル」シリーズを一作目から読もうかなあ、と楽しいことを考える。縞鰺が旨い。やはり握り鮨の中で一番旨く、その佇まいも美しいのは、縞鰺ではないか。

2014/05/29

チェスタトン誕生日

今日は G.K.チェスタトンの誕生日だそうで東京創元社が、ブラウン神父ものの短篇の中でどれが好きか、とツイッターで問いかけていた。

もちろん、こういうときに「見えない男」とか「奇妙な足音」とか言っちゃ負けで、それはアガサ・クリスティで何が傑作かと訊かれて「アクロイド殺し」とか「オリエント急行の殺人」と答えるのと同じくらい負けなのだ。かと言って、どこも感心するところのないマイナー作品を挙げればいいのではなく、地味ながら独特の輝きを放つ佳品を指摘してこそ、マニアもしぶしぶ納得するのである。例えば、「通路の人影」とか「イズレイル・ガウの誉れ」あたりが「正着」になるだろうが、それでも裏のかき方が凡庸過ぎる、と思われかない。そこで、まあ私なら……ええと……「ヒルシュ博士の決闘」

今日もまるで夏だ。西日の中を帰宅して、風呂。湯船で「ディナーで殺人を」(P.ヘイニング編/創元推理文庫)よりガストン・ルルーの「胸像たちの晩餐」を読む。湯上りに胡瓜と胡桃味噌のもろきゅうでビールを一杯だけ飲みつつ、「たった一人の反乱」(丸谷才一著/講談社文芸文庫)を読む。今日も恙無く一日が終わりそうで、けっこうなことだ。今日も一日が小川のように流れて行く。夕食はスパゲティ・ナポリタン。この前作ったところなのだが、何故かまた食べたくなって。

2014/05/28

異臭騒ぎ

今日も夏のような気候。

出社するとオフィスに異臭が。 ゴミ箱ではないか、排水口ではないか、などと早く来たメンバの一人があれこれ対処する内にも、悪臭はどんどん強烈になっていく。一体何事かと皆で騒いでいたら、昨夜オフィスで生魚をさばいた者がいたという情報が発覚。きちんと始末していなくて、腐敗物が床まで漏れ出したに違いない。初動にあたったメンバの努力で、ようやく午後にはある程度おさまったのだが、初夏の珍事。急に蒸し暑くなったせいもあるのか、ワタ腐敗臭の破壊力は抜群だった。

夕方退社。帰宅して風呂。湯船で「ディナーで殺人を」(P.ヘイニング編/創元推理文庫)より L.P.ハートリーの「ディナーは三人、それとも四人で」を読む。湯上がりにアボカドの刺身でビールを一杯だけ飲みつつ、「たった一人の反乱」(丸谷才一著/講談社文芸文庫)を読む、という最近のお決まり。夕食は牛筋丼、トマトと玉葱入りに青葱沢山。豆腐と葱の味噌汁。


2014/05/27

火曜日

今日も曇り空。酷く蒸し暑い一日だったが、雨にはならなかった。

夕方退社。帰宅して風呂に入り、湯船で「ディナーで殺人を」(P.ヘイニング編/創元推理文庫)よりラ・ファージの「デュクロ風特別料理」を読む。湯上がりに、アボカドの刺身に山葵醤油で冷酒を五勺ほど飲みつつ、「たった一人の反乱」(丸谷才一著/講談社文芸文庫)を読む。

のち、トマトと卵の炒め物、しらす、大和芋のとろろ汁と御飯。パイナップルを少々。

2014/05/26

三人目のカー

曇り空。湿度が高く、雨が降りそうで降らない。暑いようで涼しいようで、いかにも体調を崩しそうな変な天気。

昼休憩に古本屋で「妖術師の島」(A.H.Z.カー著/大庭忠男訳/ハヤカワ・ミステリ 1212)を買った。ミステリでカーと言えば、J.D. や P. がいるが、短編の名手 A.H.Z. も忘れちゃいけない……はずだが、en.Wikipedia にすら項目がないことに驚いた。唯一、「妖術師の島」の原題 "Finding Maubee" の項目があるが、これは映画 "Mighty Quinn" (「刑事クイン 妖術師の島」)の原作としてだけの感じ。

夕方退社して帰宅。風呂に入ってから夕食の支度。御飯を炊く間に、牛筋の煮込みで安物のイタリア赤ワインを少々。のち、アボカドとトマトとベーコンの丼、豆腐と葱の味噌汁。パイナップルを少々。

2014/05/25

普通の日曜日

いつもの休日。つまり、自宅で家事と読書など。

「美食ミステリー傑作選」(小鷹信光編/河出文庫)、「たった一人の反乱」(丸谷才一著/講談社文芸文庫)。

ヨーグルト、パイナップル。冷奴、水餃子、ビール。アップルパイ、珈琲。牛筋の煮込み、隠元の胡麻よごし、大和芋のとろろ、玉葱の味噌汁と御飯。

2014/05/24

二十四羽の黒ツグミ

今日もいい天気だ。最近は早起きなので、出かける前にたっぷり時間がある。「たった一人の反乱」(丸谷才一著/講談社文芸文庫)を読み始めたり。

午前中は定例のデリバティブ研究部会自主ゼミに参加。加法過程の分解定理への準備。ゼミ後の参加メンバによるランチは、オープンテラスでステーキ・フリット。夏日だが風が涼しく、屋外の食事は快適。

帰宅してしばらく昼寝。また二時間ほど寝てしまった。食材の買い出しなど家事をあれこれ。夕方になって、風呂に入り、湯船で「ディナーで殺人を」(P.ヘイニング編/創元推理文庫)より、クリスティの短篇「二十四羽の黒ツグミ」を読む。

湯上がりに冷奴でビールを一杯だけ。のち、夕食にスパゲティ・ナポリタンを作る。食後にパイナップルを少々。夜も「たった一人の反乱」など。

2014/05/23

東京の景気

今日もいい天気だ。このまま夏になるのだろうか。

夕方退社。爽快な気候なので歩いて帰る。近道するため東京ドームシティの中を通り抜けたら、ものすごい人出で後悔。ドームで何かコンサートがあるのが主因らしかったが、その群集を抜けても、各レストランの前にはどこも行列が出来ていて、どの店も山ほど人が入っている。これは昭和の言葉で言うところの「花金」という奴なのか、それとも平成の言葉で言うところのアベノミクスなのか、どうやら世間は好景気に沸いている。

帰宅して風呂に入り、湯船で「美食ミステリー傑作選」(小鷹信光編/河出文庫)よりC.P.ダネルの「殺人料理」とJ.コリアの「完全犯罪」を読む。この「殺人料理」のテーマは、確か栗本薫の伊集院大介ものの短篇でも読んだことがあるような。コンドンの「オパールは死の切り札」でも同じ趣向が出て来たかな。

週末なので料理はお休み。湯上がりに、作り置きの胡瓜揉みで一服してから、出来合いの餃子を三つずつ茹でては食べ、茹でては食べ。お供はベルギーの白ビール。「ウォール・ストリート第三金曜日」(G.ベラック著/石森康久訳/新潮文庫)を読了。特に酷くもないが良くもない。

2014/05/22

食とミステリ

また初夏の陽気が戻ってきた。

昼休憩に古本屋で「美食ミステリー傑作選」と「美酒ミステリー傑作選」(小鷹信光編/河出文庫)の二冊を買う。ついでに(?)、「ディナーで殺人を (上・下)」(P.ヘイニング編/創元推理文庫)を amazon に注文してしまった。「ディナーで殺人を」はかなり長い間、古本屋の百円均一棚で探し続けていたのだが、つい安易さに負けてしまった。

夕方退社。帰宅して風呂に入ってから夕食の支度。御飯を炊く間に、胡瓜と胡桃味噌のもろきゅう風でビールを一杯だけ。のち、トマトと玉葱のサラダ、池田満寿夫の「コロンブスの卵丼」、オクラの味噌汁。

2014/05/21

「ウォール・ストリート第三金曜日」

深夜から降り出した雨が朝もまだ続いていた。気温も下がり肌寒い。

夕方退社して帰宅。風呂に入ってから夕食の支度。時鮭を焼き、玉葱とトマトのサラダ、胡瓜もみ、オクラの味噌汁、御飯。

夜は読書など。「狂風記」(石川淳著/集英社文庫)を読了。確かに怪作だ。次は傾向の全く違う、百円均一棚で見つけた「ウォール・ストリート第三金曜日」(G.ベラック著/石森康久訳/新潮文庫)を読み始める。

タイトルから想像がつくようにオプション取引などを背景にした金融系ミステリ。原作は 1988 年刊でブラックマンデーの翌年。小説内の時間設定はブラックマンデー直前の数ヶ月になっている。タイトルに魅かれて何となく買ったのだが、さして評判になることもなく忘れ去られた凡作なのだろうか、ネット上にもほとんど情報がない。

読んでみて面白かったら、隠れた佳作を発掘したと自慢するかも知れないが、そうでなければ単に、ぱっとしない作品を一つ二つ書いてそのまま消えていった、百万もの凡庸な小説家の百万もの凡庸な作品の一つをまた読んでしまった、ということになるのだろう。

2014/05/20

冷やし麺ふたたび

今日もまた良い天気。暑くなりそうだ。いつもの納豆目刺し糠漬のお決まりの朝食をとり、弁当に惣菜の残りを詰めて家を出る。

夕方退社。帰宅して風呂に入ってから、冷奴で一息つき、夕食の支度。昨日作った冷やし麺の味にもう一つ納得がいかなかったので、再度挑戦。今回はうまく出来た。普段は砂糖をほとんど使わないので、思い切り良く入れるのがなかなか難しい。

夜は「狂風記」(石川淳著/集英社文庫)を読みながら、いただきもののパルメジャーノレッジャーノでイタリアの安ワインを一杯だけ。「狂風記」は川上宗薫のポルノ小説みたいになってきた。

予報によれば今夜からの雨で急に気温が下がるとのこと。良く眠れそうだ。

2014/05/19

女が多過ぎる

今日もまた良い天気。パンが残っているので洋風の朝食にして、チキンライスの弁当を作り、家を出る。

昼休憩にミステリとSF専門の古書店で、R.Stout の "Too Many Women" と "Death of a Dude" を買う(どちらも Fontana 版)。

夕方退社して帰宅。風呂に入ってから、冷奴で偽ビールを始め、さらに時鮭のあらを焼いて肴にする。のち、出来合いの卵麺を茹でて、香醋と胡麻油を効かせた冷やし麺。具はトマトと胡瓜と薄焼き卵。

夜は「狂風記」(石川淳著/集英社文庫)を読んだり。下巻に入って、ますます猥雑。

2014/05/18

酒の達人

少し寝坊。ああ良く寝た。今日もいい天気。空気も乾き切って、洗濯日和だ。珈琲、トースト、ベーコンエッグ、キャベツ炒め、パイナップルの朝食を済ませてから、洗濯などの家事と朝風呂。「狂風記」(石川淳著/集英社文庫)を読んでいる内に昼。

昼食は浅蜊と三つ葉のフェデリーニ。安物の南仏白ワインを一杯だけ。食後に昼寝を少し、と思ったら二時間ほど熟睡してしまった。午後も家事と読書。

夕方になり風呂に入ってから夕食の支度。冷奴に生姜と醤油で冷酒を五勺の晩酌。のち、親子丼と三つ葉の味噌汁。今日もいい一日だった。「理想は、酒ばかり飲んでいる身分になることで、次には、酒を飲まなくても飲んでいるのと同じ状態に達することである」と書いたのは吉田健一だが、彼は家では客があるときしか酒を飲まなかったそうで、そのあたりさすが達人だな、と。

2014/05/17

好日

今日も良い天気。夏日だ。午前中は、配水管清掃の業者を迎えるため水廻りの掃除など。

昼食はキャベツの千切り、カレーライス、ビール。「五匹の赤い鰊」(D.L.セイヤーズ著/浅羽莢子訳/創元推理文庫)を読了。晴れた日、うまいカレー、冷えたビール、古き良き英国ミステリ。いい休日だ。

夕方になり風呂に入ってから夕食の支度。油揚げに胡桃味噌を挟んで網で焼き、冷酒を五勺。さらに浅蜊の酒蒸しに三葉。しらすと焼き海苔の貧乏丼と若布の味噌汁。

思いがけず「五匹の赤い鰊」を早く読み終えてしまったので、次を考えていなかった。何となく書架から「狂風記」(石川淳著/集英社文庫)を手にとり、読み始める夜。

2014/05/16

晩酌と依存症

ようやく週末に辿り着いた。また激しく気温が上がって、今日は夏日。ただでさえ老眼が進行中の目を守るため、サングラスをして家を出る。

昼休憩に古本屋で「兆民先生・兆民先生行状記」(幸徳秋水著/岩波文庫)を買おうかと思ったが、けっこう高い。いずれ百円均一棚で出会うこともあろうと思い、見送り。

夕方退社して帰宅。風呂に入ってから、晩酌。ピーマンの胡麻油炒めを胡桃味噌で和えたものと、実家から送ってもらった蒲鉾に山葵醤油で、ビールを一杯だけ。Wikipedia の「晩酌」項目によれば、看護学の教科書には「晩酌行動の大半は、明らかに精神依存と見なせる」と書かれているそうだ。「明らかに」とまで言うか。私の晩酌とは、ビール一杯(350 ml)か、日本酒五勺(90 ml)か、ワイン一杯(125 ml)程度なのだが、よくよく気をつけねばなるまい。ただでさえ物忘れなど老化が進んでいるのに、この上に依存症では、山田風太郎の言うところの「アル中ハイマー」になってしまう。

のち、作り置きのトマトと人参のカレーでカレーライス。うまい。いただきものの葡萄を少々。

2014/05/15

木曜日

昨日は夏だったが、今朝はひんやりした曇り空。老体にこたえる寒暖差。出社時に雨にあうことはなかった。

夕方退社して帰宅。風呂に入ってから夕食の支度。御飯を炊いている間に、油揚げに胡桃味噌を挟んで網で焼き、冷酒を五勺ほど。のち、冷奴、卵とトマトの炒め物、御飯、キャベツの味噌汁。葡萄を少々。

夜は「五匹の赤い鰊」(D.L.セイヤーズ著/浅羽莢子訳/創元推理文庫)を読んだり。

2014/05/14

夏が来た

午前中は本郷三丁目の関連会社にてミーティング。終了後、神保町に移動し、洋食屋で昼食をとってから出社。この日差しの強さ、気温、既に夏だ。いよいよ地獄の季節がやってきた。この夏を生き延びられるだろうか。

夕方退社。帰宅して風呂に入ってから、蒲鉾に山葵醤油と冷酒を五勺ほどで一服。のち、玉葱をじっくり炒めて、トマトベースのカレーを作る。カレーとキャベツの千切りで夕食。

カレーの残りを小分けにして保存したり、ピーマンの炒め物を作ったり、あれこれ料理を仕込んだ後、夜は「五匹の赤い鰊」(D.L.セイヤーズ著/浅羽莢子訳/創元推理文庫)を読んだり。

2014/05/13

3331

糠雨の降る朝。気温もやや低め。

午後は小学校を改築した建造物に入っている某メディアに宣伝活動に行く。階段の踊り場の鏡や、小学校ならではの手洗い場などが妙に懐しい。宣伝活動の方は、ユーザ数が本格的に増加する前に準備したいことが色々あるため、まだ全力で宣伝できずに隔靴掻痒だったが、色々と情報が仕入れられたことは有意義だった。

オフィスに戻って、定例のミーティングを終え、夕方退社。帰宅して、冷奴と蒲鉾に山葵醤油でビールを一杯だけ。のち、生姜焼きの残り、キャベツの千切りとトマト、玉葱の味噌汁。食後に葡萄を少々。

2014/05/12

「五匹の赤い鰊」

相変わらず月曜日は低調。五月病かも知れない。

今日も良い天気。昼休憩に古本屋の均一棚で「ペトラルカ ルネサンス書簡集」(近藤恒一編・訳/岩波文庫)を見つけて購入。 夕方退社。帰り道の八百屋で高級品種のトマトが、形が酷く悪いせいだろう、二個百円で売っていたので買い求める。一つの半分は生でつけあわせにし、半分は卵と炒めて、もう一つはカレーに使う……そんなところかな。

風呂に入ってから夕食の支度。米を炊く間に、いただきものの胡桃味噌を油揚げに挟んで網で焼き、日本酒を五勺ほど。のち、生姜焼き、キャベツ千切り、マカロニサラダ、玉葱の味噌汁、御飯。食後に葡萄を少々。

夜は「五匹の赤い鰊」(D.L.セイヤーズ著/浅羽莢子訳/創元推理文庫)を読んだり。古典ミステリ再読計画の一環。

2014/05/11

惰弱は限無し

今日もいい天気。家事のあれこれと昼寝と読書などで、あいかわらずの一日。こうやってだらだらと無為かつ惰弱に過していたい……などと思うのは五月病だろうか。

「勤勉は限あり、惰弱は限無し。他よりは励すなり、己よりは奮ふなり、何ものか附加するにあらざるよりは、人は勤勉なる能はず。惰弱は人の本性なり」。「緑雨警語」(斎藤緑雨著/中野三敏編/冨山房百科文庫)より。


2014/05/10

マカロニサラダと緑雨の午後

今日もいい天気だ。珈琲、ヨーグルト、果物類の簡単な朝食をとり、洗濯をして、定例のデリバティブ研究部会自主ゼミに出動。加法過程の定義など。ゼミ後のランチは近所のイタリアン。

帰宅してしばらく昼寝。午後は、昨日仕入れた人参とピーマン、実家産の玉葱でマカロニサラダを作ったり、「緑雨警語」(斎藤緑雨著/中野三敏編/冨山房百科文庫)を読んだりして、無為かつ惰弱に過す。

緑雨曰く、「偉人たるは易く、凡人たるは難し。謹聴すべき逸事逸話は、凡人に多く偉人に少し。われは今、世を同うせる人々のために、頻に逸事逸話を伝へらるゝの偉人多きを悲む」。ふうむ……そうだろうか。また曰く、「善も悪も、聞ゆるは小なるものなり。善の大なるは悪に近く、悪の大なるは善に近し。顕るゝは大なるものにあらず、大なるものは顕るゝことなし。悪に於て殊に然りとす」。なるほど……。また曰く、「不幸も弔はるゝ程なるは、猶楽しきものなり。これや限りの真の不幸は、竟に弔はるゝことなし」。この「楽しき」の凝縮度が凄い。

夕方、風呂に入ってから、マカロニサラダでビールを一杯だけ。のち、しらすにポン酢、蕪の糠漬、御飯、切干し大根の味噌汁。

2014/05/09

緑雨の警語

今日はまた初夏の陽気。今年初めてTシャツで出勤。昼頃には夏日になったが、午後になって激しい雷雨。夕方にはまた晴天。しかし表に出ると外の空気はひんやりとしていた。

帰り道の八百屋で小さな人参を五本とピーマンを五つ買う。計、二百円。マカロニサラダにして、残りはそれぞれ炒めものかな。帰宅して風呂に入り、湯船で「緑雨警語」(斎藤緑雨著/中野三敏編/冨山房百科文庫)を読む。

今時、緑雨を読むような人はあまりいないだろうと思っていたのだが、ちょっと検索をしてみたら、押井守監督の「イノセンス」というアニメ映画で緑雨の警語が多く引用されているため、押井ファンの間で緑雨は良く知られている、なんてことを知った。

湯上りに、鰯の生姜煮で週末夕方のビール。のち、アボカドとしらすの丼と、卵と菠薐草の味噌汁。

2014/05/08

「プロパガンダ」

今日もいい天気だ。急に温かくなったからか、最近は猫の抜け毛が凄い。そして、いつも以上に良く寝ている(私でなく猫が)。いつもの和風朝食をとり、弁当を適当に詰めて出勤。

午前午後と静かにお仕事。昼休憩に珈琲豆を買うついでに、珈琲と "The Father Hunt" (R.Stout 著/ FONTANA)で一服。夕方退社。

帰宅して風呂に入ってから夕食の支度。米を炊く間に、アボカドに山葵醤油と冷奴で冷酒を五勺ほど。のち、豚肉とキャベツの蒸し物に自家製ポン酢、菠薐草の味噌汁、御飯。

夜は「プロパガンダ」(A.プラトカニス、E.アロンソン著/社会行動学研究会訳/誠信書房)を読んだり。

2014/05/07

「名人」と傍目八目

四連休終了。さて、味噌代とキャットフード代を稼ぐために働きに出ねば。そう言えば、これだけ科学技術が発達して生産性が向上しているのだから、そろそろ週休三日制にすべきなのではないか、とか書いていたら、「週休三日制を考える会」みたいな twitter アカウントにフォローされた。しかし、私はもっと先を行っているのだ。そう、そろそろ文明国の市民は週休四日制に移行すべきではないか。労働が週の半分以下になってこそ、人間の勝利と言えるのではないか。

久しぶりに出社して、午前午後と静かにお仕事。夕方退社。帰宅して風呂に入り、湯船で「文章読本」(丸谷才一著/中公文庫)を読む。川端康成の「名人」の一節を引いて、ゆかりのない言葉を使うことの危うさを論じているところ。川端ともあろうものが「……高貴の少女の叡智と哀憐とを感じさせたものだが……」と二字熟語をべたべたと四つも並べる不用意さや「耳の悪さ」を晒してしまったのは、自分にとってゆかりのない語を使ったからであると言うわけだが、丸谷才一の文章もいつも完璧に注意が行き届いているわけでもないので、こういうことを、傍目八目、というのだろう。

夕食の支度。御飯を炊いている間に、高野豆腐と鰯の生姜煮でビールを一杯だけ。のち、豚肉とスナップエンドウとトマトのサラダ、豆腐の味噌汁、御飯。食後に珈琲と、会社でもらった鯛焼を一つ。

2014/05/06

連休終了

今日も特に予定はなく閑暇に憩う。

アリストテレスは幸福は余暇にあると言い、ソクラテスは余暇を人間の所有するものの中で最も素晴しいものだと讃え、アウグストゥス帝はいつの日にか余暇を得ることだけを楽しみに一生を過して叶わず、とにかく、過去数千年に生きた賢人や天才たちは口をそろえて、暇ほど素敵で貴重で大事なものはない、と言い続けてきたわけだが、耳を傾ける人が稀だったことも歴史上の事実である。おそらく、素晴し過ぎて、人間には贅沢に過ぎるのだろう。

2014/05/05

ラオ「統計学とは何か」第4章について

連休三日目。今日も何の予定もなく、閑暇に憩う一日。湯船で「統計学とは何か」(C.R.ラオ著/藤越康祝・柳井晴夫・田栗正章訳/ちくま学芸文庫)より、第4章「重み付き分布」を読む。

ラオのこの本は、一般読者向けに統計学の本質と意義を解説する易しい本だが、その中の第4章だけ、非常にテクニカルで数学的な内容になっている。私は長い間、これはずいぶんとアンバランスだなあ、と思ってきた(それにほとんどの読者がこの章で挫折するのではないか、とも)。そもそも他の章の表題が「不確実性を飼いならす」とか「統計学による真理探求」なのに、それと並んで「重み付き分布」は変ではないか。この理論はラオによって開拓されたので、我田引水しちゃったのかなあ、とさえ思っていたのだが、最近は考えを改めた。

基本的にこの章は、一つの数学的手法について書いているのではなく、データ自体に内在する偏り(観測誤差ではない)を議論する章だと考えるべきなのだろう。そう思って読むと、データ取得自体に自然に歪みが忍び込む興味深いケースが色々紹介されていて、それをどうモデル化するか、どう結果を解釈するかが、具体例を通して論じられている。これは統計学の根幹に関わる問題だし、特に応用の上で重要だろう。

例えば、我々はあまりにしばしば、ゼロ値をデータに数えることを忘れ、観測され易いものほどより多くデータになることを失念したままモデル化する。これは統計家や科学者だけでなく、我々の日常的な判断にひそむ問題でもある。そのような一般的で重要な問題に一章を割いても、当然だろう。


2014/05/04

日曜日

今日も何の予定もない。

午前中、実家から荷物が届いた。畑で採れた野菜と、母の手製の海苔巻、稲荷寿司、紅生姜、その他、惣菜色々。ありがたし。早速、昼食は海苔巻と稲荷寿司で南仏の安い白ワインを少々。

昼寝のあと、午後は家事のあれこれ。合間に柏餅を食べながら「薔薇の名前」(U.エーコ著/河島英昭訳/東京創元社)を読む。上巻を読了。

夕方になり、風呂に入って湯船で「文章読本」(丸谷才一著/中公文庫)を読む。湯上がりに、冷奴でビール。続けて、実家の畑から直送のキャベツを千切りにして柚子ドレッシング、出来合いの餃子に香醋。海苔巻を少し。

2014/05/03

土曜日

今日もいい天気。この四連休も何も予定がない。朝食は珈琲、ヨーグルト、果物類、オレンジジュース。

家事の合間に、「統計学とは何か」(C.R.ラオ著/藤越康祝・柳井晴夫・田栗正章訳/ちくま学芸文庫)や、「薔薇の名前」(U.エーコ著/河島英昭訳/東京創元社)などを読む一日。

最近、アボカドが妙に気に入ってしまって、昼食もアボカドとトマトとベーコンの丼。

夕食は、油揚げに梅醤を挟んで網で焼いたもの、ポテトサラダ、出来合いの餃子を香醋で。ビールを一杯だけ。

2014/05/02

連休前夜

今日もずいぶんと温かい。もう初夏。

午前中はあれこれ考えごとをして、午後は某 web ニュースメディアの取材とか。最近、ニュース系アプリが何かと話題なので、それに乗じて弱小勢力の弊社も存在をアピールしていくぞ、という作戦。

夕方退社して、近所の店で餃子などの夕食をとり、徒歩にて帰宅。お風呂に入って、湯船で「ヘンリ・ライクロフトの私記」(ギッシング著/平井正穂訳/岩波文庫)を読む。湯上がりにビールを一杯だけ。また明日から四連休。

2014/05/01

新人歓迎会

今日はやけに温かい。と言うより暑いくらい。

午前中は週報を書いたりまとめ仕事。昼休憩に古本屋で、「ヘンリ・ライクロフトの私記」(ギッシング著/平井正穂訳/岩波文庫)と横井也有の「鶉衣」(石田元季校訂/岩波文庫)の旧版を買う。「鶉衣」は、今では注釈の充実した上下巻の新版が出ているが、三百円だったので、まあいいかな、と思い。午後は定例ミーティングなど。

夕方より近所の中国料理屋にて、新人の S 君の歓迎会。個室に社員全員九人の円卓で、丁度いい感じ。プロジェクタを映す場所があれば、ここで定例ミーティングしてもいいのだが。