「夫子憮然曰、鳥獣不可與同羣。吾非斯人之徒與、而誰與。
「論語」微子、第十八、六

2012/04/30

大富豪と仲の悪い子供たち(解答)

朝カレーにしてみた。食後にパパイヤのヨーグルト和え。 朝風呂に入ってのち、読書と昼寝。 昼食は菠薐草と油揚のアーリオオーリオ。食後にオレンジ一つ。 午後、西方から宅急便。 昨日、いい筍があるから送りましょうか、と声をかけていただいて、 「ぜひ」と返事しておいたら、筍の他、大量の野菜が届いた。 無駄にしないように計画的に消費するなり、保存食化しないと。 とりあえず筍を下茹で。 その間に、ミントを生け、春キャベツの半分と二十日大根の全部を酢漬けにした。 夕食は早速、筍御飯。 筍、油揚、木の芽でシンプルに。 鯖の梅干し煮、菠薐草のおひたし、三つ葉の澄まし。 食後にミントティ。 夜は、料理の仕込みの他、読書など。 「ウォッチ・メイカー (上・下)」(J.ディーヴァー著/池田真紀子訳/文春文庫)、 読了。ディーヴァーは何を読んでも安定して面白い。 今日も静かな良い一日だった。

昨日の 「大富豪と仲の悪い子供たち」 のパズルの解答。
色々と方法はあるが、以下のものがもっともエレガントだと思う。 「遺産を隠した地点を中心に秘密の円を描いて、 その円周上の 5 点をランダムに選び、その一つずつを各子供に教える」。 協力した三人は、自分たちの三点から秘密の円を特定でき、その円の中心に遺産がある。 二つ以下の点では円周を定めることはできないが、 三つの点があれば円周が一つ決まる。 そしてこの三点は五つの内のどれでもよい。

このパズルは、分散コンピューティングに現れる問題とその解法の一つを題材にしたもの。 (例えば、 "What scientific concept would improve everybody's cognitive toolkit?" より、計算機科学者 J.Kleinberg の回答 "E Pluribus Unum" の中に例として挙げられてる。) 原理的には、上のパズルの解答を使えば、 一つのデータを 5 つに分散して、そのうちの 2 つまでは失われても大丈夫で、 しかも、2 つまでの秘密が漏洩しても安全であるようにできる。 「クラウド」と呼ばれる分散コンピューティングの背後では、 一つのデータを分散しながらもそれが一つのデータであるかのように振る舞わせつつ、 安全性と秘密を守るために、巧妙な数学的アルゴリズムが色々と使われています。

2012/04/29

大富豪と仲の悪い子供たち(出題)

今朝もいい天気。 クロにキャットフードと水を与え、ポト吉に水をやり、 自分には珈琲、バナナ、ヨーグルト。 朝風呂に入って、洗濯機を仕掛けてから、午前中は 「食の終焉」(P.ロバーツ著/神保哲生訳/ダイヤモンド社) の続きを読む。 昼食はだしを引いて、目刺しを炙り、納豆、生卵、蕪の酢漬け、里芋と油揚の味噌汁。 しばらく昼寝。 午後からは小説にスイッチして、 「ウォッチ・メイカー (上・下)」(J.ディーヴァー著/池田真紀子訳/文春文庫) を読み始める。 合間に掃除をあれこれ。 夕食は、御飯を炊いて、鯖の梅干し煮、菠薐草のおひたし、新じゃがと若布と油揚げの味噌汁。 食後にパパイヤを四分の一と清見オレンジを一つ。 夜も「ウォッチ・メイカー」を読む。静かな日曜日。こともなし。

連休のパズル。今日は 前回 のような超難問ではないのでご心配なく。
ある大富豪の老人には、五人の子供がいる。 寿命も近い老人の唯一の心残りは、子供たち同士の仲が非常に悪いことだ。 そこで老人は、広大な土地のある場所に遺産を隠し、 子供たちが互いに信頼し協力しあって初めて遺産が手に入るようにしたい、と思った。 しかし、五人全員が仲良くなれるとは思えない。 モトナリ・モーリィの三本の矢の故事もあることだし、五人のうちせめて三人が協力できるようになれば、 その三人に事業を任せられるだろう……

では、問題。 五人の子供のそれぞれに異なる情報を与え、 一人や二人では駄目だが、 どの三人でもいいから三人の情報をあわせれば遺産の場所が分かる、 そんな良い方法を老人のために考えてあげてください。
いつものように解答は明日。

2012/04/28

メトセラの子ら

ラジオから流れるグールド演奏の平均律で目が覚めた。 珈琲、ヨーグルト、グレープフルーツだけの朝食のあと、 寝床に戻って読書。 「老化の進化論」(M.R.ローズ著/熊井ひろ美訳/みすず書房)、読了。 ショウジョウバエの交配だけで通常の二倍、三倍の寿命を持つ「メトセラ蠅」を最初に創り出した著者が、 研究内容と研究者としての人生を語るドキュメンタリ。 老化を進化論から説明する、って言われてみれば明白だけれども、深遠な発想だ。 次は、「食の終焉」(P.ロバーツ著/神保哲生訳/ダイヤモンド社)を読み始める。

朝風呂に入ったのち、 昼食に饂飩を茹でて、青葱の千切りと生卵と山椒と生醤油をかけて食べる。 しばらく昼寝。 午後からはドキュメンタリから小説に切り替えて、 「技師は数字を愛しすぎた」(ボワロ&ナルスジャック著/大久保和郎訳/創元推理文庫) 。 読書の合間の散歩に近所のスーパーへ。初夏のような陽気。 帰宅後も、読書や、料理の仕込みなど。 さらにその合間に、 少し前に原因不明で停止していた Torブリッジサーバを復旧させた。

夕食の支度。 御飯を炊いて、鯖の梅干し煮、だし巻き、 一切れだけ残っていた筍の煮物、菠薐草と油揚げの味噌汁。 食後にパパイヤを四分の一。 もう一日か二日、追熟すべきだったか。 お風呂に入って、湯上がりに清見オレンジを一つ。 夜も読書など。「技師は数字を愛しすぎた」を読了。 静かな土曜日。こともなし。

2012/04/27

フレンチミステリの日

今日も朝から雨。 珈琲と梅ジャム入りヨーグルトで目を覚ましてから、 目刺しを焙って、納豆、蕪の酢漬け、菠薐草の味噌汁、御飯の朝食。 お弁当を作って出勤。

弊社が何をしているのかは秘密のベールに覆われているのだが、 と言うより、覆っておいた方が魅力的に見えるのではないかと思っているのだが、 午前中は同僚の天才プログラマと 「Twixxer のリツイートとは何ぞや」など、SNS の API について議論をし、 午後は主にデータを噛み砕いていた。 昼食は持参のお弁当。だし巻き、筍の煮物、鰤の子の煮物、御飯。 昼休憩に新刊書店で、 「技師は数字を愛しすぎた」(ボワロ&ナルスジャック著/大久保和郎訳/創元推理文庫) などを買った。 "L'Ingénieur aimait trop les chiffres" って、いいタイトルだなあ。 夕方退社。

某カレー屋にてチキンカレー(10倍)の夕食ののち、 地下鉄で表参道駅へ。 青山のイメージフォーラムにて「刑事ベラミー」(C.シャブロル監督/2009年)を観る。 今日はフレンチミステリな日だ。 そのあと、骨董通りのバーが空いていれば、一休みしてから帰るかも。

2012/04/26

鯖と梅干し

今日も雨がちな天気。空気もひんやりとしている。 おかげで良く眠れるのだけれど。 朝食は塩鮭、納豆、蕪の酢漬け、若布の味噌汁。 お弁当を詰めて出勤。 昼食は持参のお弁当。南蛮漬、筍の煮物、鰤子の煮物、御飯。 夕方退社して、スーパーで買い物をして帰宅。 今日は生鯖と菠薐草が安い。

御飯を炊いて、夕食のメインは鯖の煮付け。梅干しと生姜入り。 他に菠薐草のおひたし、玉葱人参のマリネ、里芋の味噌汁。 梅干し入りの鯖の煮付け、って懐しい味だなあ……。 子供の頃は、あまりに食卓で頻繁にお見かけしたせいか好きではなかったのだが、 今自分で作って食べると美味しいものだね。 とは言え、子供時代にあまりに鯖を食べたことは間違いなく、 今の私があるのも鯖のコストパフォーマンスのおかげだと言ってもいい。

食後にマンゴスチンと、グレープフルーツ。 最近、日常の唯一の贅沢は果物道楽。今はパパイヤの追熟待ち。 湯船の読書は、 「老化の進化論」(M.R.ローズ著/熊井ひろ美訳/みすず書房)。

2012/04/25

M社の近況と新入社員

ポール・グレアム風に言えば、 普通の会社があれこれオプションのついた大衆車ならば、 社員数名のスタートアップは速く走るためだけに設計されたF1なのである。 形は奇妙でも、いつ炎上するか知れなくとも、とにかく、走るのは速い。 あンたたち、そんな無駄なウェイトじゃ、次のカーヴで追い抜くぜ。

そんな(?)弊社にもスタート三週間目にして新入社員が入りました。 夜間シフトの予定なのですが「働きぶりが心配」とのことから、 しばらくは他のメンバがいる昼間にも時々働いてもらっています。 でも、面倒がかかると言いますか、色んなことを周りが気遣ってあげなければ座礁してしまうし、 けっこう騒がしくもあります。今時の新入社員とはこんなものなのでしょうか。 推薦書によればかなり賢いらしく、得意言語は Lisp というところも期待を持たせますが、 今のところその知性を隠しているようです。 とは言え、愛嬌のあるのが救いで、専用の休憩室で休んでいる姿に癒されます。 そんな休憩中の姿をメンバが撮った写真が こちら(instagramより)。 早く一人前に成長して欲しいです。

2012/04/24

百人の囚人の賭け(解答)

昨日の 「百人の囚人の賭け」 パズルの解答。
まず、囚人たち全員で各人に各名札を割り当てる。 名札に書かれた名前と混乱するので、「担当」という言葉を使おう。 例えば、一列に並んでいる名札に対して、 一番左の名札は囚人Aの「担当」、次の名札は囚人Bの「担当」、 というように各人への名札の割り当てを約束する。 この割り当ては全員で一つ決めさえすれば何でも良い。 各囚人は部屋に入ったらまず自分の「担当の」名札を調べる。 そして、その名札に書いてある名前の囚人の「担当の」名札を調べる。 さらに、その名札に書いてある名前の囚人の「担当の」名札を調べる、 という手順を自分の名前に当たるか、五十個を調べるまで続ける。 これが、答の戦略である。 今、初めてこの答を知った人は、よほど数学的直観に優れた方でない限り、 「はあ?そうしたところで確率はほぼゼロのまま変わらないでしょう?」 と思ったことだろう。その気持ちは良く分かる。 最近の私は老境に至ったせいか、自分の愚かさをフランクに直視できるようになってきたので、 正直に認めてしまうが、私も答を知ってしばらくの間、その意味が分からなかった。 何故、これで囚人全員ともが釈放される確率が 30 パーセント以上にもなるのか? 以下で、ちょっとくどいくらいに説明してみよう。

数学の言葉で言えば、「ランダム置換のサイクル長の分布の性質による」、 ということなのだが、とりあえず小さな例で具体的に説明する。 数学が得意な方は次の段落を飛ばして下さい。最後の段落に一般的な説明と文献情報があります。

では、囚人が 4 人で、2 回以内に自分の名札をひけば釈放、というケースでやってみよう。 囚人の名前を A, B, C, D とする。 まずは例として、テーブルの名札は左から D, C, B, A の順に並んでいるとしよう。 もちろん、囚人たちはこのことを知らない。 まず名札の担当者を打ち合わせる。左から A, B, C, D と決めたとしよう。 囚人 A は部屋に入ると、自分の担当の名札、つまり一番左の名札を確認する。 その名札には D の名前が書いてあるから、次は D の担当の名札、つまり 4 番目の名札を確認する。 そこには A の名前が書いてあるので「当たり」。 囚人B, C, D についても同様に、全員 2 回で「当たり」をひけることが分かる。 では、別の例でやってみる。 名札が B, C, D, A と並んでいるとしよう。今回は、 囚人 A は 1 番目の名札を調べ、2 番目の名札を調べ、3 番目の名札を調べ、ようやく最後の 4 番目で自分の名札に当たる。 残りの囚人たちも同じく、自分の名札に行き着くのに 4 回かかってしまう。 この二つの場合の違いは何だろうか。 それは、自分の担当の名札から始まって、そこに戻ってくるまでの「輪」の長さである。 一つ目の例では、A と D の輪、B と C の輪になっていて、長さ 2 の輪が二つある。 一方、二つ目の例では、A, B, C, D が輪になっていて、長さ 4 の輪が一つある。 これが違いだ。 ポイントはこの輪の長さが短いケースがけっこう多いことである。 実際、数学的事実として、全ての輪が全体の長さの半分以下であるケースが30パーセントを越す。 この 4 つの名札の場合で考えてみると、名札の並べ方は全部で 24 通りあるが、 そのうちで、長さ 2 以下の輪しか含まない並べ方が 10 通りある。 確率で言えば、そのような並べ方にあたる確率は 10/24 であって、これはもちろん 30 パーセントより大きい。

ここでこの問題の本質をまとめれば、こういうことだろう。 囚人たちは、並び換えの中の「輪」という隠された構造に注目することで、 名札の並びの「美味しいところ」を調べることができ、 しかも、 内在的な性質を用いているが故に、それを指し示すだけで、つまり、 事前に了解しあっておくだけで、そのことが可能なのである。

では、数学が得意な方向けの説明。 結局、100 個の要素の置換に対して、自分の名前を含む巡回(サイクル)の長さが、 50 以下ならば「当たり」ということになるので、 その置換の中にある巡回の長さが全て 50 以下ならば全員が釈放される。 2n 要素の置換の中にある長さ k のサイクルの個数を数えることは、 組合せ論の易しいエクセサイズに過ぎない。ランダムな置換に対して、 長さが丁度 k (> n) のサイクルを含む確率が 1/k であることが分かるので、 囚人全員が「当たり」を引く確率は、 1 から 1/51 + 1/52 + ... + 1/100 を引いたものになり、31.18 パーセントを越える。 さらに言えば、囚人の数が無限大の極限では 1 - log 2 になる。 数学的な興味としては、この戦略は最善なのか、という疑問が当然浮かぶが、 その答はイエスであることが次の最近の論文で証明されている。 E.Curtin and M.Warshauer: "The Locker Puzzle", The Math. Intelligencer 28:1, 28--31 (2006). なお、最初にこのパズルの概念が現れたのは、情報科学系の論文 A.Gal and P.B.Mitersen: "The Cell Probe Complexity of Succinct Data Structures", Lec.Note in Comp.Sci 2719, Springer, 332--344 (2003)で、 著者たちも執筆時点ではこのような戦略があるとは思っていなかったそうだ。 以上の文献情報は、"Mathematical Mind-Benders" (P.Winkler 著/ AK Peters, Ltd.)で知った。

さらに註(28 Apr. 2012):
読者の方から指摘があり、 最後の段落で、「少なくとも一つ長さが丁度 k のサイクルを含む確率が 1/k」とおかしなことを書いていたのを訂正。 正しくは、k が置換の長さの半分より大きいとき、長さが丁度 k のサイクルを含む確率が 1/k。 k が全体の半分より長いのが味噌で、数えるのが易しい。 全体の長さを 2n とすると、長さ k のサイクルの要素を選ぶ方法が 2n 個から k 個選ぶ組合せの数 (2n)!/((2n - k)!k!) だけあり、 その要素の並び換えが (k - 1)! 通りあり、選ばなかった要素の並び換えが (2n - k)! 通りあるから、 長さ k のサイクルを含む置換はこれらの積をとって (2n)!/k 通りある。 置換の方法は全部で (2n)! 通りあるから、これらを一様として、求める確率は 1/k。

2012/04/23

百人の囚人の賭け(出題)

今日のパズルは難しい。 問題も答も易しいが、なぜそれが答なのかを理解するのにかなり深い数学を必要とする。 しかし、非常に不思議な、衝撃的なパズルなので紹介してみる。 私自身はこのパズルを数年前、K 大の S 井君から教わった。 ある研究会のあとの懇親会で、会場に移動する道すがら出題され、 私はその懇親会のあいだ、パーティそっちのけで真剣に考えた末、 「絶対に答はありえない」としか思えなかった。 また、S 井君自身も何日か考えたが分からない、と言っていた。 しかし、「S 田さんは解けたらしいので、問題は間違っていないし、答があるはず」 とのことだった。 S 井君と S 田さんの二人は確率論のプロであると同時に、 私の知る人の中で屈指の頭脳の持ち主である。 その二名でも一勝一敗だったほど、このパズルは難しい。 私も入れれば一勝二敗だが、それはどうでもいいね。

無期懲役の百人の囚人に対し、恩赦の賭けが提供されることになった。 部屋の中のテーブルに、この百人の名札が裏を向けて横一列に並べられている。 囚人は一人ずつこの部屋に入り、 百個の名札のうち五十個まで自分の好きに選んでは表に返して名前を確認できる。 この五十個のうちに自分の名札があれば「当たり」で、その囚人は釈放される。 「当たり」でもそうでなくても、囚人は名札を元通りに裏返して別の出口から部屋を立ち去り、 そののち、次の囚人が入室する。 よって、囚人の間で連絡する手段はないし、何か状況を変えたり、情報を残す方法もない。 各囚人が自分の名札を見つける確率は 50/100、つまり二分の一だから、 百人全員が釈放される確率は公平なコイン投げを百回して百回とも表が出る確率に等しく、 ほぼゼロである。

ここからが本題。今、確率はほぼゼロと言ったばかりだが、 この賭けを始める前に囚人全員で打ち合わせをして良いなら、 百人全員が釈放される確率を 30 パーセント以上にできる戦略がある。 (本当です。嘘じゃないです。) その戦略とはどんなものでしょう? 答はいつものように明日。

2012/04/22

朝食の支度の音

朝食の支度をする音で目を覚まして、Y さん宅で起床。 U さんとともに朝食をふるまっていただく。 筍の煮物、キャベツと人参などの生姜風味の浅漬、アスパラ入りのオムレツ、筍の散らし寿司、 菠薐草の胡麻汚し、なめこの味噌汁。据え膳上げ膳。 こういう贅沢も季節に一度くらいなら、罰は当たらないだろう。 午後、新幹線で帰京。 夕食はお土産にもらった、蚕豆とベーコンのキッシュ、油揚げの袋煮など。 他にも昨日の残りもの中心にあれこれとおみやげにいただいてきたので、しばらくお弁当のおかずに困らない。

2012/04/21

今日は宝塚

自宅で朝食ののち身支度をして、午前中のうちに宝塚に移動。 車中の読書は "This Will Make You Smarter" (J.Brockman 編/ Harper Perennial), "The Information Diet" (C.A.Johnson 著/ O'Reilly)など。 正午くらいに現地に到着。 午後からスタートして夕方まで途切れることなくあれこれと料理が出て、 ゆっくりとした会食。スローフード、スローライフ。 良い筍が入手できたと聞いていたので、御飯ものは私のリクエストで筍の散らし鮨。

2012/04/20

週末夕方のビール

「古楽の楽しみ」のリクエスト特集を聞きつつ、朝食の支度。 朝のスカルラッティはいいな。 しかし、来週はドイツ・バロックの受難曲特集らしい。 一週間毎朝、ルカの受難曲、マタイの受難曲、ヨハネの受難曲、また受難曲、延々と受難曲。 エリ、エリ、ラマ、ラマ、サバクタニ。 五月を前に五月病を発症するリスナーが急増しないか心配だ。

朝食ののち、昨日のおかずの残りの塩鮭、だし巻きなどをお弁当に詰めて出勤。 今朝も昨日に続き、少し肌寒い。 今日はたまたま休みのメンバが多く、オフィスも静か。 夕方退社。 水曜の昼と金曜の夜の週二回は食事を作るのを休むことにしているので、 夕食は靖国通りの洋食屋にて。まだ明るいうちから生ビールを一杯だけ。 嗚呼、労働者のよろこび。しばらく本を読んでから、カツレツを食べる。 帰宅して、オレンジを一つ。 風呂上がりに、グレープフルーツを半分。

2012/04/19

二本の釘に一本のひも(解答)

今日はちょっと気温が下がったようだ。 いつもの朝食のあと、襟巻をして出勤。 昼食は持参のお弁当。タイ風の炒めものかけ御飯。 夕方退社して、スーパーで買い物をして帰宅。 塩鮭を焼いて、他にだし巻き、蕪の漬物、菠薐草の味噌汁、御飯。 今日はだしがうまく引けたし、だし巻きも良い出来だった。 食後にペリカンマンゴーを一つ。 湯船の読書は、 「回想のシャーロック・ホームズ」(A.C.ドイル著/深町眞理子訳/創元推理文庫)より「海軍条約事件」。

昨日の 二本の釘に一本のひもパズルの解答。 雑すぎる絵ですが、分かってはいただけるかと。 このなかなかに小粋なパズルを、 私は "Mathematical Mind-Benders" (P.Winkler著/ A.K.Peters,Ltd./ 2007)で知った。 その Winkler 自身はダートマス大学数学科の院生 G.Genovese 氏から教わったそうで、 G 氏はヨーロッパのあちこちでこのパズルを耳にしたとのことだ。

2012/04/18

二本の釘に一本のひも(出題)

今日はわりといい天気。 いつもの珈琲、果物、ヨーグルトのち、目刺し定食のあと、出勤。 週の中日でお弁当作りを休んだこともあり、今日はかなり早い時間の出社。 昼食は小川町の鮨屋にて。 夕方退社して、スーパーで買い物をして帰宅。 先にお風呂に入って、湯上がりにオレンジを一つ。 夕食は長葱、玉葱、ピーマンの塩焼きそば、胡瓜と茹で卵のサラダ、若布と胡麻のスープ。

以下の幾何的(?)なパズルは、落書きをすれば 5 分間ほどで解けるだろうが、 頭の中だけで考えようとすると、かなりいいエクセサイズになる。
一枚の絵を飾るために、壁に釘を二本、互いに少し離して打ってある。 額縁の裏側には、一本のひもの両端を額の左右の縁に結んであって、 このひもを二本の釘にひっかけて飾るのである。 釘は二本あるので、もしどちらかの一本が抜けてしまっても、 絵が下に落ちることがない。 しかし、ここで問題。 逆に、二本の釘のどちらの一本でも抜けると絵が落ちてしまうような、 ひものかけ方があるだろうか?

2012/04/17

楽天という信仰

曇り空。いつもの目刺し定食の朝食のあと、お弁当を作って出勤。 今朝は少し肌寒い。 昼食は持参のお弁当。今日はちょっと手抜きで、焼きそばと目玉焼き。 夕方退社。外には急に黒々とした雲が広がって、不穏な感じ。 帰宅して夕食の支度。 そぼろかけ御飯と、梅きゅう、蕪の漬物、若布と長葱の味噌汁。 ちょっと塩分が多過ぎの献立だな、と気付いたときには遅かった。 食後にペリカン・マンゴーを一つ。

前の会社を辞めて零細企業スタートアップに加わった、と、ようやく最近、両親に連絡したところ、 早速に父から手紙が来た。 お前は強運の持ち主だから心配ないだろう、とのことである。 本当に私が強運なら今頃どうなっていたことだろうか、と思わないでもないものの、 まあ親がそう言うのならそうなのだろう。 毎回、父の手紙は結びに一句引用しているのだが、 今回は「楽天とは人を成功に導く信仰である」だった。 ヘレン・ケラーの言葉だそうだ。 万葉集から随分と俗化してきたな。

2012/04/16

つぶやきプログラミング

目刺しを焦がしてしまって、朝から意気消沈。 炭になってしまった部分をとって食べたけれど。 お弁当を詰めて出勤。 昼食は持参のお弁当。タイ風の炒めもの、蕪の漬物、もろきゅう、御飯。 夕方、退社。 夕食は、タイ屋台風の焼きそば、と言うより油そば? 昨日、N さんからいただいたノンアルコールビール。 食後にオレンジを一つ。 湯船の読書は「回想のシャーロック・ホームズ」(A.C.ドイル著/深町眞理子訳/創元推理文庫) より、 「寄留患者」、「ギリシア語通訳」。

同僚が最近、「つぶやきプログラミング」という手法を提案している。 どこまで真面目に主張しているのかは謎だが、かなり説得力がある。 プログラミングやSE仕事をするときは、 どんなことを考えてどんなことをしたか、 何らかの形でログ(時系列の作業記録)に残すのが定石である。 どんな方法で記録するかは、その仕事内容や人にもよりけりなのだが、 私の見るところ、優秀な技術者はほぼ確実に常にログをとり、 しかもその粒度が細かい。 例えば、ちょっとしたスクリプトを書くときでも、 ほとんど脊髄反射で $git init して、小まめにコミットする。

提案の「つぶやきプログラミング」とは、 社内のチャットシステムにスレッドを作って、 そこにつぶやくことで記録するというアイデアである。 そもそもプログラマは仕事中にぶつぶつと独り言をつぶやいていることが多い。 その出力を口先から指先に「リダイレクト」するだけだ、と言うのである。 すぐに慣れるし、 自動的にログが保存される上に、情報がオンタイムで社内共有される。 時々、「あ、そっか。」とか「だめじゃん。」とかノイズをつぶやいてしまうかも知れないが、 それはそれで後に重要な情報かも知れない。 また、意外に現実的な利点として、 そのままペア・プログラミングや共同作業に滑らかに移行することも可能だ。 画期的なエクストリーム・プログラミング・パラダイムなのかも知れない。

2012/04/15

春のうららの隅田川

今日は良い天気だ。 珈琲と果物とヨーグルトで目を覚ましたあと朝食の支度。 小さな目刺しを二つ焼いて、納豆、蕪の漬物、豆腐と若布の味噌汁、御飯。 うーん、中村主水家の朝食のような。 朝の間に洗濯、掃除などの家事をして、お風呂に入る。

午後から浅草へ。 ネットワークハッカー N さんとほぼ月例の会食。 N さんは個人事業主として、私はスタートアップ零細企業勤務として、 さほど贅沢ができる身分ではないという共通認識から、 今回は隅田川沿いの墨田区側に段ボール箱を開いて敷いて、持ち寄った食べ物と飲み物で。 予算は各自 500 円と大盤振る舞いした上に、 N さんが貰い物の牛肉時雨煮などを持ってきてくれたので、 十分過ぎるほどだった。 道行くリアルライフ充実した人々を地面から眺めつつ、 勿論、向こうからは視界に存在しないが如く無視されつつ、 串カツでビールやリキュール(発泡性)1などを飲む、春のうららの隅田川。

帰宅して、しばらく休んでのち、夕食の支度。 タイ風の炒めものかけ御飯。食後にオレンジを一つ。 お風呂に入って湯船で 「回想のシャーロック・ホームズ」(A.C.ドイル著/深町眞理子訳/創元推理文庫) より、「ライゲートの大地主」を読む。

2012/04/14

玉葱のプロトコル

朝から雨。春だからだと言って良く眠れ、雨だからと言って良く眠れる。 寝床でしばらく「回想のシャーロック・ホームズ」(A.C.ドイル著/深町眞理子訳/創元推理文庫) を読んだり。 起床。昨夜は食べ過ぎたので、珈琲と果物だけの朝食。 朝風呂に入ってから少し早めの昼食の支度。 菠薐草とベーコンの炒麺、溶き卵と青葱のスープ。 食後にヨーグルトと苺ジャム。 しばらく昼寝。ああ、またしても良く寝た。 雨の中を最寄りのスーパーまで食材の買い出し。 うーむ、野菜の値段が高くなりつつあるかな……。 それに最近、果物道楽なのでさらにお財布に厳しい。 帰宅して、午後も静かに読書などで過す。 夕食は御飯を炊いて、メインは麻婆豆腐、他にもろみ胡瓜、若布と胡麻のスープ。 食後にミネオラオレンジを一つ。

一昨日、昨日と Diffie-Hellman プロトコルに関係するパズルについて書いたから、 と言うわけでもないが、 Tor(トーア、"The Onion Router") の話。 おおざっぱに言うと、Tor とはインタネットの接続径路を(つまり身元を)匿名化する規格と実装で、 基本的なアイデアは、ランダムにサーバを選んでは暗号化径路を張ることを複数回続けてリレーし、 プロトコルを玉葱の皮のように包み重ねること。玉葱の皮それぞれは他の皮のことを知らないのが味噌である。 そして Tor では、この各サーバ間通信の暗号化が Diffie-Hellman 鍵交換アルゴリズムで行われている (必ずしも、婚約指輪を送るためだけに使われているわけではないようだ)。 単なる実験的な興味で私も Tor のブリッジ・サーバを運用してみているのだが、 近頃で主に接続してくるのは中国、イラン、シリアから。 これは通常の Tor リレー・サーバへの接続をブロックされている活動家がブリッジを求めて来ている、 と考えたいところだが、 ブロックする側がブリッジを虱つぶしに探しているケースがかなりあるかも知れない。

2012/04/13

婚約指輪のプロトコル(解答)

今日も良い天気だ。 いつもの朝食のあと、適当にお弁当を詰めて出勤。 昼食は持参のお弁当。塩鮭、鶉卵の燻製、隠元の胡麻和え、蕪の漬物、御飯。 休憩時間の読書は、 "The Information Diet" (C.A.Johnson 著/ O'Reilly)など。 夕方退社して、近くの中華料理屋にて夕食。皮蛋と砂肝大蒜揚げを肴にビールを飲みつつ、 「回想のシャーロック・ホームズ」(A.C.ドイル著/深町眞理子訳/創元推理文庫)より 「〈シルヴァー・ブレーズ〉号の失踪」を読む。 子供の頃に最初に読んだ翻訳では馬の名前が「銀星号」となっていたので、 いまだに、「ああ、銀星号事件ね」と思ってしまう。 さらに水餃子を食べて、うらぶれたサラリーマン情緒を満喫して帰る。

昨日の 「婚約指輪のプロトコル」 パズルの解答。
B 君が A さんに指輪を送りたいとしよう。 まず、B 君が箱に指輪を入れ自分の南京錠をつけて鍵をかけ、A さんに郵送する。 A さんは箱が届き次第、その箱にさらに自分の南京錠もつけて鍵をかけ、B 君に送り返す。 B 君はその箱が届き次第、その箱から自分の鍵で自分の南京錠だけを外し、A さんの南京錠をつけたまま A さんに送り返す。 今回 A さんに届いた箱には、自分の鍵で開けられる自分の南京錠がついているだけなので、 無事に B 君からの贈り物を取り出せる。 ついでに言えば、A さんは箱が最初に届いた時点で、 プロポーズにイエスなら自分の錠前をつけて送り返し、 ノーならばそのまま送り返す、ということもできるので、なかなかよろしいプロトコルである。

2012/04/12

婚約指輪のプロトコル(出題)

喉が痛いのは風邪かしらん。 いつもの朝食のあと、お弁当作り。 今日はゼブラ印の弁当缶に、肉骨茶と菠薐草と炒麺。 出社して、あれこれお仕事など。 夕方退社して帰宅。 夕食は御飯を炊いて、鮭を焼き、蕪の漬物、卵かけ御飯、豆腐と青葱の味噌汁。

以下のパズルは暗号理論では良く知られているが、 子供にも分かるくらい簡単なのに、トリッキィで面白い。
ある国では郵便局が大変に腐敗していて、小包の中身がしばしば局員に着服されてしまう。 そのため、何か大事な物を送りたいときには、 それを丈夫な箱に入れて南京錠をかけ、その箱を郵送するのが習慣である。 その南京錠の鍵を事前に相手に渡しておかねばならないのが面倒ではあるが、 腐敗と戦うためには仕方ない。 いま、インタネットで知り合った二人がメイルだけで恋を育み、 一方が相手に婚約指輪を郵送したいと思った。 しかし二人は一度もまだ現実に会ったことがなく、 当然、鍵も渡しあってはいない。 どうすれば婚約指輪を無事に相手に郵送することができるだろうか。 この国の南京錠は(腐敗と戦うため)非常に高度かつ複雑なので、 鍵の画像なり情報を相手にメイルで送って向こう側で複製を作ってもらうことはできない。 南京錠と箱だけを使って、無事に婚約指環を届ける方法はあるだろうか?

2012/04/11

10 のベキ乗の人生論

今日は雨。 8 時台に出社。 でもこの時間はもう空気が綺麗とは言えず徒歩通勤が楽しくないし、 かと言って地下鉄は混んでいるしで、あまり気分が良くない。 もっと早く出社するか、遅く出社するかのどちらかにすべきかなあ。 今日はお弁当作りお休みの中日なので、昼食はインド料理屋にて。 タンドリーチキン、シシカバブ、野菜のカレー、ナン、サフランライス、フルーツライタ。 夕方退社。 帰宅してお風呂に入ってから夕食の支度。 グレープフルーツのオードブル、肉骨茶、菠薐草の塩味焼きそば。

昼休みの読書は "This Will Make You Smarter" (J.Brockman 編/ Harper Perennial). 「全ての人間の認識力を改善しそうな科学的概念は何でしょう」 という質問への科学者、有名人たちの 回答 を本にしたものだが、 もちろんけっこう答が重なっている。 例えば、「確率」と答えた人はわりと多いし、何らかの意味での「無神論」も多い。 今日、読んだのは「10 のべき乗」という答で、これも偶然、二人の回答者で重なっていた。 つまり簡単に言えば、大きな数をその桁数でざっくり把握すること、 数学的に言えば「対数」の概念は、 比較的に簡単で非常に役立つわりには多くの人に理解されていない。

例えば、人生の長さを秒で測ると大体 10 桁、つまり 10 の 9 乗程度である。 一方、大組織では良くあることだが、何の意味もない会議を 3 時間くらいしたとすると、 それは一時間=3600秒の三倍で一万程度だから 5 桁、つまり 10 の 4 乗になったばかりのあたり。 とすると、この会議は人生の中でどれくらいの割合を占めるか。 10 桁から 5 桁あるいは4桁を引いて 5、6桁程度、 つまり数十万分の一というところだろう (割り算が簡単な引き算に化ける、これが「対数」の力)。 しかし、これは一様に人生の時間が流れているとした割合であって、 時間の流れ方は死に向かっておそらく指数的に、速くなり、価値も上がっていく。 さらに言えば、一生の長さに対してよりも、肝心なのは余命に対しての割合である。 これらの補正を行えば、一体、何分の一程度か? それは人それぞれによって異なることでもあるし、 対数と指数の概念の実感を持った理解が必要なことでもあるから、 あなたへの宿題、ということにしておこう。

2012/04/10

三叉路の島(解答)

昨日ほどではないが今日も温かい。流石にもう春なのだろう。 いつもの朝食のあと、お弁当を適当に詰めて出勤。 昼食は持参のお弁当。塩鮭、里芋の煮物、隠元の胡麻和え、菠薐草のおひたし、御飯。 夕方退社。 帰宅して夕食の支度。 肉骨茶、菠薐草と卵の炒飯。食後にグレープフルーツ。

昨日の 三叉路の島 パズルの解答。 まず、おおざっぱな「証明」。 いつまでも出発点に戻って来ないとすれば、 どこかでループが生じて同じところをぐるぐる回っているということだが、 そのループに入り込む道があるならば、 その交差点と次の交差点で「右、右」か「左、左」と曲がることになってしまうので、 このループが出発点自体を含まざるを得ない。 よって、必ず出発点に戻ってくる。

もう少し数学的な証明の格好をつけると、以下のようになるだろう。 道を歩いている状態は、どの道を、どちらの方向に歩いていて、 次に左右のどちらに曲がることになっているか、の三つで完全に決まる。 島には有限個の道しかないので、この状態も有限個しかなく、 ゆえに、いつか必ず同じ状態の繰り返しが生じる。 この繰り返しが初めて生じるところが出発点に他ならない。 なぜならば、ある状態から一つ手前の状態は唯一つに決まるので、 もしそこが出発点でないならば、 その一つ手前の状態も繰り返しであるはずで、 それは繰り返しが「初めて」生じたという仮定に反する。

2012/04/09

三叉路の島(出題)

今朝はまた急に温かい。 珈琲、ヨーグルトと苺ジャム、果物などで目を覚まして、 里芋の煮物、隠元の胡麻和え、納豆、切干し大根の味噌汁、御飯。 昼食は持参のお弁当。 鶏と長葱の照り焼き、里芋、隠元の胡麻和え、昆布の佃煮、御飯。

休憩時間の読書は、 "Code Simplicity" (M.Kanat-Alexander 著/ O'Reilly), "The Information Diet" (C.A.Johnson 著/ O'Reilly), "This Will Make You Smarter" (J.Brockman 編/ Harper Perennial). これらは iPad 上の Kindle で読んでいるのだが、電子書籍って何故か、 読み方が細切れになって、さほど集中できず、かつ、あまり進まない、という特徴があるような気が。 単に私が旧石器時代人だからだろうか。 マンモスと追いかけっこして、猿酒を飲んでいた時代は良かった。 O'Reilly の割引価格がやたらに安いのと、 老眼に優しく、暗いところでも読める、という三つの理由で電子書籍に毒されつつあるのだが、 もう一つしっくり来ない。 夕方退社して帰宅。 夕食はグレープフルーツのオードブルと、カルボナーラ。 夜は「拷問者の影」(G.ウルフ著/岡部宏之訳/ハヤカワ文庫)など。

これも Futility Closet からのパズル。 ある島では、どの交差点にも三本の道が集まっている。 今、ある道から出発して交差点に来る度に、最初は右、次は左、次は右、次は左、 と交互に道を選んで進んで行くことにした。 すると、いずれ必ず出発した場所に戻ってくることを証明せよ。

2012/04/08

貧困の罠

また十時間近く寝てしまって寝坊したので、朝食は果物類とヨーグルトと苺ジャムだけ。 お風呂に入ってのち、洗濯や掃除などの家事と読書。

「貧乏人の経済学」(A.V.バナジー&E.デュフロ著/山形浩生訳/みすず書房)、 読了。なかなか刺激的だった。 一言で言えば、ランダム化対照実験の根拠に基く貧困問題再考の本。 いわゆる「貧困層」に限らず、 ほとんど全ての人は実はもっと豊かになれるのに何らかの「貧困の罠」に陥っているんじゃないだろうか。 実際、三つのI(イデオロギー ideology, 無知 ignorance, 惰性 inertia) のせいで貧しくなっていない人などいない。 その意味では、この本の射程はもっと広くて遠い気がする。 人はもっと自由になれるのに、何故、自由になろうとしないのか、という問題は一般的で、深い。

昼食は御飯を炊いて、焼き鮭、納豆、里芋の煮物、菠薐草のおひたし、しめじの味噌汁。 食後に少し横になったら、また二時間以上も昼寝してしまった。 相変わらずの嗜眠症は何とかならないものか…… いや、春だからに違いない、と季節にせいにしておこう。 午後も朝と同じ調子で過す。掃除機がけをしたり、蕪を漬けたり、書類整理をしたり。 会社なり法人を退職するのはこれで三度目だが、その度にかなりの量の手続やら書類仕事がある。 必要悪だが面倒臭いことには変わりない。

夕食は肉骨茶、卵と長葱の炒飯、隠元の胡麻和え。食後にグレープフルーツ。 「デス博士の島その他の物語」(ジーン・ウルフ著/浅倉久志・柳下毅一郎・伊藤典夫訳/国書刊行会)、 読了。次は「新しい太陽の書」シリーズを読もう。

2012/04/07

グレープフルーツの切り方フランス流

珈琲、茹で卵、苺ジャムとヨーグルトの軽い朝食。 午前中は朝風呂に入ったり、本を読んだりでのんびり。 「貧乏人の経済学」(A.V.バナジー&E.デュフロ著/山形浩生訳/みすず書房)、 「シャーロック・ホームズの冒険」(A.C.ドイル著/深町眞理子訳/創元推理文庫)より 「くちびるのねじれた男」など。

昼食は焼き鮭、納豆、里芋の煮物、しめじと長葱の味噌汁、御飯。 食後にちょっと横になったら、二時間以上も寝てしまった。 近所のスーパーへ食材の買い物。外はかなり寒い。 帰宅して、「肉骨茶のもと」で肉骨茶を作り、菠薐草を茹でる。 夕食は肉骨茶に茹で菠薐草を添え、他に長葱としめじのアーリオオーリオ。 中華なのだか、イタリアンなのだか。食後にピンク・グレープフルーツのフランス流カット。 夜も「貧乏人の経済学」。

珍しく工作舎が出している料理本に 「ワンダーレシピ」(添田浩著/工作舎)というものがある。 著者は建築家で、料理好きの趣味が昂じて本まで出しちゃいました、という感じの本。 その最初のレシピとして「グレープフルーツのオードブル」が紹介されている。 単にグレープフルーツを切るだけの料理だが、 薄皮を取って果肉を一つずつ取り出す鮮やかな手法。 残念ながら、これは文章だけでは説明できない。 この本では、著者の手による大変に美麗なイラストで、 「マヌーヴァ」と呼ぶにも相応しいこの手法が説明されている。 著者によれば「フランスでは一般的」な切り方(剥き方?)らしいのだが、 これを見せられたら料理名人として尊敬すること間違いなし。 私も(今日を含め)何度かチャレンジしてみたものの、今までまともに出来たことがない。

料理としては、グレープフルーツをこの手法で皿の上に直接切り出し、 そのままオードブルに供する、というもの。 このシンプルさが正調らしいが、おそらく、 皿を廻しながら切り出した房を一つずつ落としていく姿や、 残った皮で最後に果汁を絞りかけるといった手順の鮮やかさ自体が味に含まれているので、 素人の場合は逆に少し手をかけた方が良いだろう。 例えば、色違いのグレープフルーツを交互に並べるとか、 シャンパーニュあるいは質の良いジンなどをかけたりすれば、 料理としての納得感が増すと思う。 多分、作業は人に見られないキッチンの奥でこっそりした方が。

2012/04/06

観葉植物

珈琲、苺ジャムとヨーグルトのあと、朝食の支度。 鯵のひらきを焼いて、里芋の煮物、納豆、しめじと長葱の味噌汁、御飯。 昨日と一昨日と弁当作りをサボったので、 今日はせめて手をかけようと思い、 おせち用の重箱の一段にあれこれ詰めて、出勤。

開店祝いのいただきもので何故か大きな観葉植物が重なり、 やけに緑が豊かなオフィスになりつつある。 男所帯なので、枯らしてしまわないか心配だ (心配しているのはA型の私だけなのだろうか?)。 昼食は持参のお弁当。 鶏肉と長葱の照り焼き、焼き鮭、里芋の煮物、半熟茹で卵、梅干し、昆布の佃煮、御飯。 昼休憩に新刊書店で 「貧乏人の経済学」(A.V.バナジー&E.デュフロ著/山形浩生訳/みすず書房) を買った。 神保町はまた何かのフェアらしく、交差点のあたりでは無料で甘酒がふるまわれていて、 あちこちの古書店が古本の屋台を出している。 pylint でほぼ満点を達成したところで退社。 私の日々の目標は、一番に出社して一番に退社すること。

近所のベルギービール屋で夕食。 フリッツ、アボカドのグラタン、熟成ラム肉のローストに隠元のつけあわせ。 店を出たら、急に外が寒くなっていた。 花冷えと言うには、ちょっと早いのかな。

2012/04/05

スタイル

昨夜は遅い時間に飲み食べをしてしまったので、 朝食は珈琲とヨーグルトと苺ジャムと葡萄だけ。 昨夜に仕込みもできなかったため、お弁当は今日もお休み。 今朝も一番乗りで出社。 昼食は近所のカレーライスのチェーン店にて、メンチカツ・カレー。

午後、ふと自分の書いたコードをスタイルチェッカ(pylint)にかけたら、 10 点満点で 3 点台。けっこう自信があったのでショック……。 しかし内容を見ると、全ての関数やクラスやメソッドにコメントの docstring をつけろとか、 この一字や二字の変数名は駄目だとか、一行は 79 文字までとか、完全に厳密な一貫性を求めていて、 しかもルールを破った箇所毎に減点する。 少しは大人の事情というものを理解してくれても良いだろうに、と思ったが、 やはり厳密にチェックしてくれないと lint としては使い物にならないのだろう。 実際、 PEP 8 自体が、 "A Foolish Consistency is the Hobgoblin of Little Minds" という言葉で始まっているくらいで、 スタイルとはスタイルをいつ破るかを知ることである。 とは言え、破り過ぎかと思ったので、ちょこちょこと手直し。

夕方退社して、帰り道のスーパーで食材を買って帰宅。 御飯を炊いてだしを引き、 夕食は鶏肉と長葱の照り焼き、里芋の煮物、新じゃがの味噌汁、御飯。 うっかり芋が重なってしまったが、気付いたときには遅かった。 食後に八朔を一つ。 お風呂に入って、湯船で 「デス博士の島その他の物語」(ジーン・ウルフ著/浅倉久志・柳下毅一郎・伊藤典夫訳/国書刊行会) より、「眼閃の奇蹟」を読む。 夜は、鮭を焼いたりと、さらに料理の仕込み。

2012/04/04

朝型

また、あまりに早く寝てしまって早起きし過ぎ。ちょっと遅らせよう。 珈琲とヨーグルトと苺ジャムと葡萄少しのあと、 鯵のひらき、納豆、切干し大根の味噌汁、御飯の朝食。 週の中日なのでお弁当はなし (実際、水曜日に一日休めると大変に楽)。 出社。今日もオフィスに一番乗り。 私がメンバの中で唯一の朝型らしいので、ほとんど自動的なのだが。 (そして私がメンバの中で唯一のA型であることは関係ないと思う。)

昼食は近所のインド料理屋にて、卵のカレーとナンとフルーツライタ。 T大大学院の起業検討中チームが面白そうなデモをしに来ると言うので、 夕食も近所の中華料理屋の餃子で済ませて、夜はそのミーティング&デモ会。 内容はもちろん内緒。

2012/04/03

嵐の夜

今朝は早起き。 珈琲とヨーグルトと手製の苺ジャムで目を覚ましてから、 鯵のひらきを焼いて、昨夜の残りの炊き込み御飯、若布の味噌汁の朝食。 今日は嵐が来るらしいが、朝はまだ日も差していて穏かな春の気配。お弁当を詰めて出勤。 今日も一番乗りで出社。昼食は持参のお弁当。昨日の炊き込み御飯の残り、 昆布の佃煮、キャベツの酢漬け。 午後になって段々と外が暗くなってきた。 嵐の行方も気になって、集中した仕事ができない。 気象情報を時々チェックしながら、 Python のスタイルガイド(PEP 8)や、Docstring 規約(PEP 257)を読んだり。 結局、夕方からかなり危険という確度が高まってきたので、早めに退社。 我々はスタートアップ企業ではあるが、けっしてブラック企業ではない。 風も雨もまだ大したことないものの、時々、突き飛ばそうとするかのように強い突風が吹きつける。 傘を差すと危いので少し濡れながらも、無事に帰宅。

帰宅して、夕食の前にお風呂。湯船で読書。 blog のタイトルを変えたからと言うわけでもないが、「シャーロック・ホームズの冒険」(A.C.ドイル著/深町眞理子訳/創元推理文庫)より、「ボヘミアの醜聞」。夕食は茹でた新じゃが、カレーライスに半熟茹で卵添え、 キャベツの酢漬け。食後にペリカン・マンゴーを一つ。 嵐の夜は時々窓の外を気にしながら、ホームズの続き。 嵐の夜に沖の船を陸地から見るのは楽しい、 と言ったのは誰だったかなあ……クリスティだったような、そうでなかったような。 「赤毛組合」、「花婿の正体」など。

2012/04/02

苺ジャムを煮る

昨夜は遅かったので、かなり寝坊。 さらに昨夜は食べ過ぎ飲み過ぎだったので、朝食は珈琲と果物のみ。 鶏肉とキャベツの炒め物メインのお弁当を作って、出勤。 夕方退社して、果物屋で買い物。 小粒の苺が大安売り。250 円で二パック分を購入。 他にペリカンマンゴーなど。 夕食は鶏とエリンギと切干し大根の炊き込み御飯、キャベツ酢漬け、新じゃがの味噌汁。 食後に葡萄を少しと八朔を一つ。

夜は本を読みつつ、二パック分の苺を土鍋で煮て、ジャムを作る。 家中が甘い香り。 読書は "Code Simplicity" (M.Kanat-Alexander 著/O'Reilly), 「デス博士の島その他の物語」(ジーン・ウルフ著/浅倉久志・柳下毅一郎・伊藤典夫訳/国書刊行会)より 「アメリカの七夜」など。

2012/04/01

本日開店

ちょっと寝坊。珈琲と苺で目を覚ましてから、 鯵のひらきを焼いて、納豆、キャベツ酢漬け、菠薐草と麩の味噌汁、御飯の朝食。 洗濯と掃除機がけ。 昼食は鶏肉と菠薐草のパスタ、新じゃがバタ。

形式的には今日が転職日で、初出勤ということになるのだろうか。 準備期間がかなりあったので、全然そんな気はしないのだが、気持ちを新たに神保町へ。 突然ですが、先日 3 月 14 日の「数学の日」に設立登記し、今日 4 月 1 日にオープンした、 小さな小さな零細スタートアップ企業に移ることになりました。 社長には某社の前社長の K 博士を頂き、他に「スーパー総務」の H さん、 老テックが天才プログラマ K さんと私の二人、 ザッカーバーグ世代の若い俊英ハッカーが 4 人。 オフィスはまた神保町。

午後はキックオフミーティングから。 後、夕方からオフィスにてオープニングパーティ。 数名の創立メンバだけで段ボールを床に敷いて宅配ピザ一枚と「第三のビール」とかで乾杯かな、 と思っていたのだが、 多くの人が集まってけっこう立派なパーティだった。 「この会社がどういう風に成功していくのか取材したい」というライターさんまで来て下さっていたのだが、 うちの若い俊英が「どういう風に成功するのか、こっちが知りたい」 と言っていたのに頷かざるを得ないほど、不安で一杯です。