休日の洋風朝食ののち、朝風呂。午前中はゼミの準備。A4 ノートで 8 ページほど書いた。晝食のあとヴィデオで「エクス・マキナ」(A.ガーランド監督/2015)を観る。
カルト的にヒットした「AI 映画」らしいことに興味を持つて観てみた。映像は凄いが、内容は「AI 風味」の軽いスリラー。登場人物は三人だけ、場面はほぼ別荘の中だけの心理サスペンスで、フランス風(?)かも知れない。とは言へ、視覚効果は凄い。映画でなければここまで素晴しい映像は作れないだらう。クーポン券とつぶしたい暇がある人にはお勧めできる。無論、百三十年前に書かれたヴィリエ・ド・リラダンの「未来のイヴ」を読み返す方が刺激的で知的な時間の過し方だとは思ふが。
なお、「AI 風味」については、主人公のプログラマが美少女アンドロイド相手にチューリングテストをする、と言ふ基本設定であること、その中で「色を見たことのない色彩科学者」の思考実験に言及すること、アンドロイドの顔の表情のアルゴリズムが世界中のスマートフォンから集めたデータを基礎に作られてゐるとか「AI」のアルゴリズムは検索エンジンそのものだとか、それつぽいことを言ふこと、アンドロイドを開発した天才技術者の会社が "blue book" と言ふ名前でウィトゲンシュタインの「青色本」からとつたらしいこと、で凡そ全部。
夕方まで一週間分の家事をあれこれ。そろそろ白菜が美味しくなつて來たので、夕食はピエンロー。もちろんビール。あとは雑炊。さらに包種茶と焼き芋。焼き芋ブームが続いてゐて、色々な薩摩芋を試してゐる。夜は「やっぱり美味しいものが好き」(J.スタインガーテン著/野中邦子訳/文春文庫)など。