「夫子憮然曰、鳥獣不可與同羣。吾非斯人之徒與、而誰與。
「論語」微子、第十八、六

2016/12/10

老後の樂しみ

あまりに早く目が覚めて、二度寢。8 時くらゐに起き出して朝食の支度。昨日買つた薔薇、ブルゴーニュが綺麗だ。休日の洋風朝食。朝風呂に入つてから、午前中はゼミの準備など。

晝食は春雨サラダと、海老と卵と大根葉のチャーハン、インスタントのトムカーガイ風スープ。晝間に飲むビールはうまい。午後は買ひ出しと料理の仕込み。里芋の煮物と雷蒟蒻を作る。

オーヴンで薩摩芋を焼いてお三時。包種茶を飲みつつ、「メグレと火曜の朝の訪問者」(G.シムノン著/谷亀利一訳/河出文庫)を讀む。メグレものは老後の樂しみにとつておいたのだが、考へてみたら既に老後なので、解禁することにした。そして、「火曜の朝の訪問者」を讀了。人間の謎を解く、か、なるほどなあ……としみじみ。また、完全犯罪の物語としても秀逸。最初から運良く傑作に当たつた可能性もあるが、他の作品も同レベルなら、今まで讀まずに残しておいて良かつたやうな、もつと早く讀むべきだつたやうな。

夕方になつて再び風呂に入つてから夕食の支度。海老と椎茸だけの茶碗蒸し。のち、刻み饂飩。刻み饂飩とは、刻んだ油揚げと葱だけが具のかけ饂飩である。七味ではなく山椒などふりかけて食すと、なかなか枯淡の味はひのあるもので、私のやうな老人向きである。