朝から雨が降つてゐる。朝食はチアシード入りのヨーグルト、目玉焼きにボローニャソーセージとじゃがいもの酢漬け、トーストにバタと手製の葡萄ジャム、珈琲。朝風呂に入つて、湯船で吉田健一の文章を讀む。午前中は窓から雨など見ながら、ぼうつとしてゐる間に過ぎる。
昼食は人参のサラダを作つて、キヌアとチリビーンズに添える。スモークトチーズ、白ワインを一杯だけ。午後は、通勤の車中で讀んでゐる「死の笑話集」(R.ヒル著/松下祥子訳/ハヤカワ・ミステリ 1761)の最後の五分の一を一気に讀む。讀了。ヒルは後期に入つてもう一つだなあ、と思つてゐたのだが、「死者との対話」と「死の笑話集」の連作は樂しめた。蛇のやうに長過ぎる、とは思ふが。
夕方になり、家事をあれこれ片付けて、再び風呂に入つてから夕食の支度。南瓜の煮ものと納豆で「賀茂鶴」大吟醸を五勺飲みながら、「中華飲酒詩選」(青木正児著/東洋文庫 773)を讀む。青木先生もおつしやつてゐたさうだが、やはり酒を飲むには李白だ。のち、山葵丼と豚汁。暇で静かで良い一日である。