「夫子憮然曰、鳥獣不可與同羣。吾非斯人之徒與、而誰與。
「論語」微子、第十八、六

2016/10/16

「アラジンの奇跡のランプ」

日曜日は、家事と讀書の一日。いつものやうに 6 時には起きて、休日用の簡単な朝食。パンを少し焼いてバタと、いただきものの葡萄で作つたジャム、ヨーグルト、珈琲。午前中は大豆を人参と昆布と煮たり、料理を少し仕込んでのち、小一時間ほど書き物仕事。

晝食はお好み焼きでワインを一杯だけ。チーズを少し。食休みに少し横になろうと思つたら、二時間ほど熟睡してしまふ。その後、三時の珈琲とショートブレッドで目を覚まして、家事のあれこれ。夕方になり、風呂に入つてから夕食の支度。豚肉を焼いて、キャベツの千切り、麦入り御飯、豚汁。

ボルヘス編纂の「バベルの図書館」より「千夜一夜物語 ガラン版」(井上輝夫訳/国書刊行会」を讀む。前に讀んだはずだがすつかり忘れてゐて、アラジンと魔法のランプの物語が原文には含まれておらず(おそらく)ガランの創作であると知つて驚く。それに、物語の舞台が中国であることにも驚いた(もちろん中国にも回教徒が沢山ゐることは知つてゐるが……)。アラジンの魔法のランプは、なんと「中国の真ん中」に埋められてゐたのだ。それをアフリカの悪い魔法使ひが探しに來る。フランス人のガランにとつてみれば、アフリカもインドも中国も日本も一まとめにオリエントであり、アラビアン・ナイトの世界なのだらう。

ちなみに「バベルの図書館」では、ガラン版とバートン版が別の巻になつてゐて、ガラン版には「盲人ババ・アブダラの物語」と「アラジンの奇跡のランプ」が、バートン版には「ユダヤ人の医者の物語」と「蛇の女王」が選ばれてゐる。