いつもより少し遅く起きて、休日用の朝食。ヨーグルト(チアシード入り)、小さなトースト一枚にバタ、スクランブルドエッグ、ボローニャソーセージ、キャベツの炒めもの、珈琲。
午前中は定例のデリバティブ研究部会自主ゼミに参加。「確率解析」(重川一郎著/岩波書店)より Ornstein-Uhlenbech 過程について K さんの発表。流石、良く準備された講義のやうに軽快だつた。ゼミ参加者によるランチはベトナム料理。ブンボーフエ、生春巻、ちまきなど。
図書館で「退屈」に就て調査をし、何冊か本を借り、スーパーで山葵を買つて帰宅。午後は「サミング・アップ」(S.モーム著/行方昭夫訳/岩波文庫)の續きを讀む。三時にいただきものの洋菓子で珈琲。
夕食は筑前煮、茄子の田舎煮、白菜の浅漬、押し麦入りの御飯、豚汁。夜も少しワインを飲みながら、「サミング・アップ」を讀む。讀了。充実した夜だつた。私にとつてモームは長い間、古い受験英語参考書にやたらと出てきて、人間と人生の真相を皮肉に語る、やや通俗的な作家、と言ふ程度だつた。今でも偉大な小説家とまでは思へない。ただし、その率直さ、明解さ、玄人のサーヴィス精神に裏打ちされた物語の面白さは、(モーム本人が思つてゐた以上に)、長く愛されて、何度も再發見され續けるのではないかと思ふ。