さてまた月曜日。ラテン語と線形代数の勉強を済ませて外に出ると、雨が染み出して來さうな蒸し暑い朝。暑さの故にか電車も遅れてゐたが、最早ヴァカンスに入つた幸福な人が多いのだらう、混雑は然程でない。
夕方退社。朝以上の蒸し暑さ。歸宅してまず風呂。さうでなくてはをられぬ。湯船で「兆民先生・兆民先生行状記」(幸徳秋水著/岩波文庫)より、「兆民先生」を讀む。講談のやうな調子良さがあつて讀み飽きない。
一書生に二十五両もの大金出せるかと言つた、藩の先輩岩崎弥太郎に、若き日の先生怫然と、「然れども僕の一身果して二十五両を値ひせざるや否や、之を他日に見よ」と啖呵を切つて「袂を払ふて去れり」。ところが一方後藤象二郎は、先生が「此身合称諸生否、終歳不登花月楼」と一絶を賦して献じたところ、(岩崎とのやりとりを知つてゐたのだらう)笑つて二十五両をぽんと出して与へた、と。流石、三菱のやうな小商人風情とは器が違ふなあ、と湯船で思ふ。
夕食の支度。冷奴に山形だし、冷やしトマト、冷やし饂飩(刻み葱、揚げ玉、茹で卵、七味)。と、冷やし三昧。體に悪さうだが、かう言ふものでなければ食欲が出ない。しかし天気予報によれば明日の最高気温は三十六度を越えるとのこと、何を食せば良いのか。かき氷と西瓜?