土曜日の朝食は珈琲とブルーベリーとヨーグルトだけで済ませる。 ジーンズを洗濯してから朝風呂。 湯船の読書は「食卓は人を詩人にする」(山縣弘幸著/潮出版社) より魚介篇。
魚偏に「時」と書く字に「魚」と続けて「シーユイ」と読む魚が揚子江にいて、鱗の見事さと美味で知られる。 この立派な鱗をつけたまま調理して、その鱗をしゃぶるようにして鱗と身の間の皮のところを賞味するのだそうだ。 清朝の頃のあるお偉方が、水槽にこの魚を入れて揚子江から北京までの二千五百里を、 時々水を入れ替えながら馬三千頭で運ばせ、それでも生きたまま到着したのは千尾のうち二、三匹で、「一尾値千金」と呼ばれた、とか。 また、清朝も下って日清戦争の頃となると、 食通で知られた欽差大臣の李鴻章は、この魚を軍艦で揚子江から天津に運び、天津から北京へは陸軍の大部隊に運ばせたらしい。 なお、この魚は自らの美しい鱗が傷つくことを恐れて、網にかかると動かなくなるため、惜鱗魚(シイリンユイ)とも呼ばれる、と。 うーむ、いやはや、なんとも東洋的。
昼食は、 胡麻鯖の照り焼き、納豆(大葉、茗荷、ちりめんじゃこ)、茄子の糠漬、豆腐と長葱の味噌汁、御飯。 食休みにしばらく昼寝してから、午後も料理の仕込みなど。 昨夜から塩をしておいた鶏胸肉を蒸しながら、 ココナツミルクで作った飲み物を傍らに "The second confession" (R.Stout 著 / Bantam books) を読む。
夕方になって、二度目のお風呂。湯上りにマカロニサラダと贋ビールで一服してから、夕食の支度。 蒸し鶏とオニオンスライスに胡麻油とポン酢と大葉のドレッシング、山形だしをかけた御飯、 生姜と長葱のチキンスープ。食後に冷やした桃を一つ。 夜も "The second confession" など。