「夫子憮然曰、鳥獣不可與同羣。吾非斯人之徒與、而誰與。
「論語」微子、第十八、六

2014/07/09

「誰かが見ている」

午前中は本郷三丁目、午後は神保町。丁度移動中の昼頃は、空気から染み出してくるような糠雨。夕方退社。まだ雨は降っていないが、息ができないほどの猛烈な湿度。

湯船の読書は「美酒ミステリー傑作選」(小鷹信光編/河出文庫)より最後の短篇、J.ロナルドの「二本目の瓶」。読了。夕食は冷奴、マカロニサラダ、タンドリー風チキン、御飯、ピーマンの味噌汁。

夜は「誰かが見ている」(M.H.クラーク著/中野圭二訳/新潮文庫)や、「夏目漱石全集4」(夏目漱石著/ちくま文庫)より「虞美人草」を読んだり。

「誰かが見ている」、読了。短い作品なので二日で読み終えてしまった。今となっては凡庸な印象もあるが、1977 年作という書かれた時代を思えば、「古典」と言っても良いサイコスリラー。この種のページターナーは消耗品扱いですぐに品切れ重版未定になってしまう傾向があり、サスペンスの女王クラークと言えども例外ではない。とは言え、「誰かが見ている」は誘拐ものに死刑制度の是非問題をうまく融合して、物語に深みとタイムリミット型のスリルを加えたところなど、やはりただものではなく、重版をかけてもいいんじゃないかと思う。ついでに「子供たちはどこにいる」も。