夕方退社。外は夏。いよいよ夏がやって来やがった。
帰宅して風呂に入り、湯船で「美酒ミステリー傑作選」(小鷹信光編/河出文庫)よりL.G.ブロックマンの「赤ワイン」を読む。湯上がりに、冷奴(生姜)とうるめ鰯でビールを一杯だけ。のち、時鮭を焼き、マカロニサラダ、御飯、切干し大根の味噌汁。
「白衣の女」(W.コリンズ著/中島賢二訳/岩波文庫)、上中下巻読了。私の好みでは「月長石」の方に軍配を上げたい。フォスコ伯爵やマリアンなど魅力的な人物が登場するが、「月長石」の老執事ベタレッジやカッフ刑事には及ばないのでは、と。しかし、同じように、鷹揚としていながらもサスペンスフルで、ぐいぐい読ませるし、特に第二部の衝撃的な最後のあと復讐譚としての第三部が始まるところなど、構成も巧妙。公平に見れば、甲乙つけ難いというところだろう。