田舎の母から一日早いが「年越し」の巻き寿司などあれこれが届く。
私の生まれた村はあまりに田舎なので、精緻な祭祀や儀式のシステムを持った風習はない。 残っていないのではなくて、昔から存在しないのだと思う。 しかし、立春の前日を年越しと呼ぶところからして、 農作業と陰暦に結びついた季節の節目は残っているらしい。
そんなわけで昼食は、母の手製の巻き寿司、稲荷寿司、紅生姜。日本酒を冷やで五勺。 明るい日差しの中で飲む酒はうまい。毎日こうだといいのだがなあ。
午後は「昨日までの世界」(J.ダイアモンド著/倉骨彰訳/日本経済新聞社)や、 「アガサ・クリスティ自伝」(A.クリスティ著/乾信一郎訳/ハヤカワ文庫) を読んだりして過す。 クリスティは離婚後、一人旅を決意。オリエント急行に乗ってバクダッドへ。
夕食はうちの田舎の畑で採れた白菜でピエンロー。のち雑炊。 アルザスのリースリングを少々。いい日曜日だ。毎日こうだといいのだがなあ。