「夫子憮然曰、鳥獣不可與同羣。吾非斯人之徒與、而誰與。
「論語」微子、第十八、六

2013/03/13

位相と五感

今日も温かいが、風が猛烈に強い。 出社してお仕事。 お茶の時間に、行きがかり上、コンパクト集合の説明をする。 コンパクト性の理解が応用上、本当に役立つことがあるのか、良く知らないのだが……。 逐次近似的なアルゴリズムを使う時に収束先があるかどうか、とか? 逆に教えてもらったことには、 ロジックの問題を位相の議論に持ち込むとすっきりする、ということがあるようだ。 また、 ボルツァノは相当、偉いらしい。 何も知らずに、ワイエルシュトラスのおまけくらいに思っていた。

集合と位相は数学の基礎なので、 数学者はそれぞれに直観、 例えば「コンパクト集合」がどんな感じのものか、という 実感ある直観を持っていると思う。 しかし、数学を離れると、その直観の応用先があるようでないような。 位相の深い結果やその理解が応用上クリティカルに効く、 という例はなかなか思いつかない。誰かご存知なら教えて下さい。

帰宅して、まずお風呂。 昼に食べたカレーが胃にもたれていたので、 夕食はあっさり。 御飯を炊いて、油揚げと菠薐草の味噌汁を作り、 作りおきの惣菜あれこれで。 食後にフルーツケーキを一切れ。

「死を招く料理店」(B.ヤウマン著/小津薫訳/扶桑社ミステリー)、読了。 なかなかの秀作。著者は世界の五つの都市を舞台に、 それぞれ五感の一つをテーマにした推理小説を書いていて、 これはその最終作で「ローマ」で「味覚」。 そして、ドイツ語から日本語に翻訳されているのは、この一作だけ。 あとの四つも訳してほしいものだ。 ちなみに、それぞれ、 「ウィーン」で「聴覚」、 「メキシコ・シティ」で「視覚」、 「シドニー」で「触覚」、 「東京」で「嗅覚」。