かつてモスクワ大学の数学科では、 ユダヤ人など、望まない受験生を口頭試問で確実に落とすための、 極秘の問題セットがあったそうだ。 その問題は、試験する側がけちをつけられないよう非常に簡単な答を持ち、 かつ、その答を見つけるのがほぼ不可能なくらい難しい、 という特徴を持つ。 その問題セットの 21 問の問題とヒントと解答を含む文献が、 arXiv に投稿されていたのがこれ。 "Jewish Problems" (T.Khovanova and A.Radul, arXiv:1110.1556).
以下に、そのうちから比較的に易しい 3 問を選んでみた。
第 3 問:「与えられた三角形 ABC に対し、 定規とコンパスだけで、辺 AB 上に点 K, 辺 BC 上に点 M をとり、 AK と KM と MC の長さが等しくなるようにせよ」
第 11 問:「sin 10° が無理数であることを証明せよ」
第 18 問:「125 の 100 乗は何桁か?」
(もちろん受験生は具体的な対数の値など覚えていない。
対数を使わずに、うまい計算をするのである)。
21 問全部にチャレンジして人生を棒に振る前に、 この 3 問で力試ししてみることをお勧めする。