往きは「源氏物語」だが、最近の帰りは「武器と女たち」(R.ヒル著/松下祥子訳/ハヤカワ・ミステリ 1710)を読んでゐた。読了。私の嫌いなタイプの女性像であるエリー・パスコーが主役なので、読むのが時に辛かつた。しかし、こんなタイプの人物を描けると言ふところがレジナルド・ヒルの偉いところだらう。
愚かで嫌な人間を描くのは難しくないが、それでも愛すべきところがなくもなく、たまには許してあげたくなるし、一瞬、好きになる時さへなくはない、と言ふ塩梅の人物を創造するのは難しい。しかし私の見るところ、世の中のほとんどはそんな人間なのである。
帰宅して風呂に入つてから夕食の支度。冷奴、ゴーヤのおひたし、焼き鳥でビール。のち、冷やし蕎麦。我ながら満足度の高い夕餉だつた。