「夫子憮然曰、鳥獣不可與同羣。吾非斯人之徒與、而誰與。
「論語」微子、第十八、六

2012/08/31

「食卓は人を詩人にする」

今日も暑いよ…… 居間の冷房を入れると、猫がどこからともなく現れて、 涼風があたるのだろう辺りに寝転がる。あるいは「猫ろがる」。 この夏、百回くらいは見た風景。 寝坊したので、簡単な朝食をとって、素早くお弁当を詰め、 熱風の中へと出動。

午前、午後とお仕事。 昼食は持参のお弁当。塩鮭、隠元の和え物、湯葉入りふりかけ、梅干し、御飯。 昼休憩に古書店で 「食卓は人を詩人にする」(山縣弘幸著/潮出版社) を買う。 夕方退社。暑い。

近所のベルギービール屋にて夕食。 おともに「食卓は人を詩人にする」。 最初の「野菜篇」はグウルモンの詩で始まっている。 「シモオン、八月の庭は / 豊かに香く匂つてゐる。/ 庭には大根と蕪と / 茄子と砂糖大根がある、/ さうして青いさらだに交つて / 病人に食させる萵苣がある、/ その彼方にはきゃべつの群集。/ 私たちの庭は豊で美しい。」 ルミ・ド・グウルモン、堀口大學譯、か…… この「八月」っていうのは現代日本の都会の八月ではないようだ。

あすぱらがすはだんてるを着こみ
珊瑚珠のやうな實を育ててゐる。
つつましい處女の金蓮花は
蔓垣にお寺の繪障子をつくる。
さうして怠け者の南瓜は
暖い日向に頬をふくらます。
百里香と茴香草とが匂つて
私たちの庭は見事で呑氣だ。

(ルミ・ド・グウルモン、堀口大學譯)