シムノンのメグレ警視シリーズを読むのを老後の楽しみにとっておくなんて言っても、良く考えれば、私は何か楽しみを後回しにする年齢だろうか。セネカも書いていたと思うのだが、生きることをやめる頃になって生きることを始めようとは何と愚かしいことであろうか、長生きする保証もなければ、計画どおりに事が運ぶはずもないのである。
そんなわけで、もう一月も中旬だが、今年の目標はヴェルギリウスの「幸うすき人間どもにとって、まさに最良の日は真っ先に逃げていく」という言葉を忘れず、特に楽しいことやしたいことは後回しにせず、今を楽しく生きることにしよう。非常に難しいことではあるが。