「夫子憮然曰、鳥獣不可與同羣。吾非斯人之徒與、而誰與。
「論語」微子、第十八、六

2015/01/12

競馬スリラーと老後の読書について

珈琲、ヨーグルト、蜜柑。ボローニャソーセージとスクランブルドエッグ、納豆、大根の漬物、御飯、大根と麩の味噌汁。回鍋肉、白菜の浅漬、御飯、蕪の味噌汁。焼き鳥と赤ワインとディック・フランシスで静かに夜を過す。毎日がこうだといいのだが、命限りある身には一週間に一二回というところが相応しいのかも知れない。

「興奮」(D.フランシス著/菊池光訳/ハヤカワ・ミステリ 1007)、読了。今さらだが、ディック・フランシスが面白い。「競馬スリラー・シリーズ」なんて謳われているものだから、競馬に何の興味も知識もないとつまらないだろう、と思い続けて三十年、とんでもない勘違いをしていたものである。フランシスは多作で四十くらいは作品があり、これから初心のままにそれらを読めるのだから、ラッキーと言えなくもない。

私は老後のために、シムノンのメグレ警視シリーズを全て未読のままにしているのだが、このフランシスの件のように、実はごっそり未踏の沃野が他にも色々あるのかも知れない。それなら、老後のためになんて吝嗇くさいことを気にせず、どんどん読む方がいいのかも。