夕方退社して、近くの洋食屋で夕食をとり、冷たい雨の中を帰宅。風呂に入って身体を温めてから、「せとか」を食べながら「帳簿の世界史」(J.ソール著/村井章子訳/文藝春秋)を読む。会計、主に複式簿記と歴史の関係を書いた本。最近、役職上止むをえず、帳簿や数表を見ることが多くなってきたので、積極的な興味を持てるようにしよう、という目論見で読み始めた。実際、なかなか面白い。
とは言え、そもそも会計、帳簿、複式簿記などのテーマが地味なので、どう書いても地味にならざるをえない。会計技術とメディチ家の繁栄と没落、太陽王ルイ十四世と会計顧問コルベール、陶磁器メイカーの名門ウェッジウッドと帳簿分析、などなど一見カラフルで面白そうな話題が書かれているのだが、地味なものは地味。しかも全ての内容は、帳簿は大切だと分かっちゃいるけどつけられない、の一言でまとめられるくらい、人間と会計責任と政治の歴史は同じ失敗の繰り返しでした、ということに過ぎない。しかし、そこが会計の本質であってそれが地味に面白い、という感じ。