「夫子憮然曰、鳥獣不可與同羣。吾非斯人之徒與、而誰與。
「論語」微子、第十八、六

2014/09/02

外国語で電話すること

かなり涼しくなってきたが油断はできない。最高気温 30 度以上の日が先にいくらでもあるようだ。

昔、サバティカルでイギリスに外留することになったとき、向こうで小切手を使うために、英国領にある銀行に口座を作った。そのままほぼ放置していたのだが、久しぶりに使ったらトラブル発生。私は英語も、電話も、口頭での問題解決も苦手なのに、外国の銀行に電話をかけてトラブルを解決するという三重の苦しみを受けることになった。

現地時間で週明け朝一番、すなわち昨日の夕方に電話を入れたのだが、週末からずっとそれがストレスで、電話をかける前に一杯引っかける必要があったくらい。結局、何とか解決できた(ようだ)が、終わった時には脇腹の辺りに冷や汗がたまっていた。そしてその後がっくりと膝をついて、「俺……ダメダメだ、やっぱり……」と深く反省した。明日から英単語ノートをつけることから始めるよ……くらいの感じで。

外国語で何が難しいと言って、電話で用を足すことほど難しいことはない。コミュニケーションの意外なほど多くの部分を、表情や身振り手振り、その時その場の状況が占めているのだ。私の経験によれば、フランス語しか話せないフランス人相手でも対面ならば関西弁で大抵のことは通じる。だから、「英会話が苦手」だと思っている人は「会話が苦手」なだけかも知れず、「英会話が得意」と自認している人もそういう事情を承知しているだけかも知れない。電話で覚める夢みたいなものだが。