「夫子憮然曰、鳥獣不可與同羣。吾非斯人之徒與、而誰與。
「論語」微子、第十八、六

2014/09/18

九日間の不思議

ようやく涼しくなってきたようだ。

夕方退社して、近所の洋食屋でステーキと黒ビールの夕食をとってから帰宅。風呂に入って、湯船で「半七捕物帳(一)」(岡本綺堂著/光文社時代小説文庫)より「お文の魂」を読む。

昨夜、都筑道夫のエッセイを読んでいたら、日本では「人の噂も七十五日」だが英語では "a nine days' wonder" と言って九日間で忘れ去られるらしい、というようなことが書いてあった。齋藤秀三郎「熟語本位英和中辭典」を参照すると確かに、 "It was a nine days' wonder" 人の噂も七十五日(に相當)、と書いてある。また、新しい辞書を引いてみると、"ninety-day", "thirty-day", "one-day" なども同様の意味で使われるようだ。

と言うことは、エラリイ・クイーンの「十日間の不思議」はこの言葉のもじりだったのだ。一つ賢くなったなあ。