「夫子憮然曰、鳥獣不可與同羣。吾非斯人之徒與、而誰與。
「論語」微子、第十八、六

2012/09/11

赤いうさぎの秘密

今朝も朝食を堪能。昼休みに St. Stephen's Green まで散歩して、ジェイムズ・ジョイス像を見てくる。冷たい雨が降っていたので、昼食はホテルのバーで、アイリッシュローストビーフのサンドウィッチとポタージュスープで身体を温める。その他、午前午後とも ACM の Recommender Systems カンファレンスに参加していた。昨日はテーマを絞った各種ワークショップが並行で開かれていて、本会は今日からスタート。私は講演するとか大層なことはなく、気楽に、この業界の最先端はどんな感じかなという興味でのパッシヴな参加。

とは言え、私もレコメンドシステムにはシリアスな興味を持っていて、例えば、うわさの白うさぎ usaggr にもレコメンドのようなものが使われている。タイムラインに時々顔を出す「赤いうさがー」スタンプがそれである。これはうさがーさんが、「あなたはこのとうこうにきょうみをもつんじゃないかなーとおもいます」と合図しているのですね。

うさがーは兎なのであまり賢くはないのだが、それなりに知性を持っている。貴方が最近リツイートしたり、返信したり、「いいね!」したり、とアクションを起こした対象の文章の特徴を調べ、あなたの好みを(うさがーなりに)理解した上で、新たにタイムラインに流れてきた投稿一つ一つをチェックして、貴方が興味を持ちそうなものにスタンプをつけているのである。

これはけっこう大変な計算処理なのだが、実は、文章解析も含め全ての処理がその端末だけで完結している(そう思う人はなかなかいないだろうが、本当です)。これがユーザに認識されないほど高速かつリアルタイムに行われているのは、大部分は、弊社の優秀なプログラマによる高度な最適化のおかげではあるが、誰も褒めてくれそうにないので自画自賛すると、エンジンの基本設計が優れているからでもある(と主張してみたいときもある)。

しかし、「あの赤いうさぎはなんですか?」とよく訊かれるところからすると、やや空振り気味でちょっと悲しいのだが、「かわいい」という声もあるので素直によしとしておこう。と言うのも、このレコメンドをユーザにどう見せるかは議論になったところで、今の形は狙い通りではあるからだ。議論の中では、例えば、重要度の高そうな投稿だけを表示する「タイムライン要約モード」なども考えられてはいた。しかし、結局はうさがーのかわいさ頼みに落ち着いた。つまり、ユーザが邪魔に思わない範囲で、楽しい感じに実装しようという方針である。