「夫子憮然曰、鳥獣不可與同羣。吾非斯人之徒與、而誰與。
「論語」微子、第十八、六

2017/02/07

數學者の尻尾

毎朝、ちよつぴりづつ讀み續けてゐた「キューネン 数学基礎論」(K.キューネン著/藤田博司訳/日本評論社)がいよいよ最後の章の最後の節に入つた。ゲーデルの不完全性定理とか。おそらくあと一週間程度で讀み終へられるのでは。意外と進むものだなあ、と。

しかし一方では同じやうに毎日勉強してゐる "Wheelock's Latin"(F.M.Wheelock & R.A.La Fleur / HarperCollins)は未だに第 XI 章をやつてゐる。このテキストは全 XL 章、つまり全 40 章なので四分の一程度。未知の言語を學ぶのは難しい。數學も一種の言語だが、私も二流以下の三下だつたとは言へ、もと數學者としてこの言語の一通りは尻尾の先に畳み込んでゐる。新しい數學分野を學ぶ苦労も、今さらラテン語を學ばんなどと言ふ無茶に比べればさほどではないらしい。

朝の勉強のあと出勤して、いつものやうにお仕事をして夕方退社。歸宅して風呂に入つてから夕食の支度。生野菜に生姜醤油ベースのドレシング、出來合ひのポテトコロッケ、牛脛肉のカレー。赤ワインを一杯だけ。夜は老猫と人生に就て語り合ふ。つい話し込んで長くなつてしまつた。