「夫子憮然曰、鳥獣不可與同羣。吾非斯人之徒與、而誰與。
「論語」微子、第十八、六

2012/10/30

新聞とプルースト

昨夜、栗を剥いていたら左手の指を切ったものの、 右手にスイッチして問題なく食事できて、 普段左手を使っていた御利益を感じる朝。 朝食のあと、お弁当を詰める。 今日は料理が面倒だったので、 出来合いの鰻の蒲焼刻みで半分はひつまぶしにして、 残りのところには栗を並べ、白菜の浅漬を添えた。 超手抜きの割に贅沢に見えるお弁当を鞄に入れて、出勤。 今日はけっこう空気が冷たくて、いい感じ。

近所で新聞を買って、オフィスに出勤。 昨日から朝刊を買って読む習慣を始めた。 もう二十年以上も新聞を定期的に読んでいなかったのだが、 ここに至って、「新聞って一体どんなものだろう」と好奇心がわいたので。 そう言えば、ドーテの証言によれば、 プルーストは朝食をとりながら新聞を極めて丹念に、隅から隅まで、読んだそうだ。 ちなみにプルーストが読んでいたのは日刊紙「フィガロ」。 まあ、プルーストは自宅から外に出ることがほとんどなかったので、 女中が買ってくるクロワサン以外には、 新聞から覗き見る世間がほとんど全ての世界であり、 彼の想像力を持ってすれば、 短い数行で書かれる事件の一つ一つが、 超高密度に圧縮された小説のようなもので、 目眩くような面白さだったのだろう。

昼食は持参のお弁当。 昼休みに新刊書店で「久生十蘭『従軍日記』」(久生十蘭著/講談社文庫) を買った。 午後はミーティングなど。 夕方、退社。

帰宅して夕食の支度をし、いつもの如く、 平々凡々と夕食。今日も良い一日でした。 あ、もう十月があと一日しかない。