「夫子憮然曰、鳥獣不可與同羣。吾非斯人之徒與、而誰與。
「論語」微子、第十八、六

2017/03/24

ペンローズ

夢現に「古楽の楽しみ」のリクエスト特集を聞いてから起床。納豆定食のあと、ラテン語の演習問題を解き、ペンローズの量子脳理論への Aaronson による批判のところを讀んで、出勤。

ペンローズのあれはちよつと變だよなあ、と思つてゐたのだが、その違和感がどこにあるのか、すつきりして有意義だつた。しかし、専門外でおかしなことを言つてゐるからと言つて、ペンローズが現存する世界最高の數理物理學者であることに違ひはない。私もペンローズの結構な、いや、大ファンだ。

私はオックスフォードの數學研究所でペンローズと隣同士のオフィスを使つてゐた。でも自慢するほどのことではない。私のオフィスはヴィジタ用の相部屋であり、ペンローズのオフィスは有名人用の相部屋だつたのである。その頃の私は、``The Road to Reality" に感激してゐたので、本にサインでもしてもらへば良かつたのだが、何度か見かけた時にも勇氣が出なかつた。今は後悔してゐる。講義や講演も、非専門家(だが數學者)向けのツイスター理論の講演に一つ出席したきり。

日差しには春らしい強さを感じるものの、風が冬の冷たさ。夕方退社して歸宅。風呂に入つてから夕食の支度。出來合ひの焼き餃子とポテトサラダでギネスビールを 1 パイントだけ。のち、焼きビーフン(豚肉、干し海老、長葱、人参、木耳)を作つて食す。さて、週末だ。樂しみにしてゐた「地球の長い午後」(B.W.オールディス/伊藤典夫訳/ハヤカワ文庫)を讀もう。