「夫子憮然曰、鳥獣不可與同羣。吾非斯人之徒與、而誰與。
「論語」微子、第十八、六

2017/03/21

「砂漠の惑星」

やはりまだ冬だつたのか、と思はせる冷たい雨の一日。ラテン語の演習問題を解き、量子計算によるデータベース検索の効率について讀み、少し小説を讀んでから出勤。いつものやうに仕事。夕方ミーティングがあつたので少し遅い歸宅。

「砂漠の惑星」(S.レム著/飯田規和訳/ハヤカワ文庫)、讀了。もちろんポーランド語が讀めないので翻訳を通しての印象だが、レムの文章は讀み難い。とは言へ、好きな作家である。SF 作家の中では一番好きかも。「砂漠の惑星」も傑作だと思ふ。同じくファーストコンタクト主題の古典である「ソラリス」などよりも普通の(?) SF らしく、ストレイトに表現されてゐるのが好ましい。ただしこのアイデアは、現代から見ればやや陳腐かも知れない。しかしそれは、レムの先進性が漸くコンセンサスとして認められた、といふ面が大きいのでは。

次の「週末に名作 SF を讀もう」企画は、ブライアン・W・オールディス「地球の長い午後」の予定です。