「夫子憮然曰、鳥獣不可與同羣。吾非斯人之徒與、而誰與。
「論語」微子、第十八、六

2013/02/08

恋バナ

ポアンカレ式を試しているので、 夕方のかなり早い時間に退社。 金曜の夜は夕食の支度を休むために外食。 まだ外も明るい時間、客も少なく、気怠いムードの漂う、中華料理屋にて。

近くのテーブルで、ちょっと派手な女性三人がビールを飲みながら話している。 どうやら一人が同僚二人に恋愛相談をしているようだ。 問題の相手は「支配人」らしい。 支配人は本気なのか、遊びなのか、ということがテーマと思われた。 しばらく聞き流していたのだが、 「でも本気だったら、お金貸してくれ、なんて言わないわよ」 と言う言葉が聞こえて来て、思わず散り蓮華を持つ手が止まった。 どうやら、相当の大金を支配人に貸してしまったらしい。 それは本気とか遊びとかいう問題じゃないだろう、 と心の中でツッコミを入れている私を他所に、 本気だからこそお金を借りるようなこともできるのだ、 と言った複雑な心理学へと議論が深まって行く。 しかし、「奥さんのこともあるから……」と話が急展開し、 どうやら支配人は既婚者なのである。 しかも、奥さんは結構偉い人らしく、頭が上がらないとか。 どんどん話は面白くなってきたのだが、残念ながらもう、 私の方が食べ終わってしまった。 名残惜しかったが、やむなく私が席を立った頃、 相談者の友人たち二人が 「やっぱり恋バナは癒されるぅ」 と声を合わせて言っていた。本当だな。

夜の湯船の読書は 「昭和史(上) 1926-45」(中村隆英訳/東洋経済新報社)。 第二次近衛内閣、北部仏印進駐、松岡外交のあたり。 風呂上がりに偽ビールを一本だけ。