「夫子憮然曰、鳥獣不可與同羣。吾非斯人之徒與、而誰與。
「論語」微子、第十八、六

2012/04/08

貧困の罠

また十時間近く寝てしまって寝坊したので、朝食は果物類とヨーグルトと苺ジャムだけ。 お風呂に入ってのち、洗濯や掃除などの家事と読書。

「貧乏人の経済学」(A.V.バナジー&E.デュフロ著/山形浩生訳/みすず書房)、 読了。なかなか刺激的だった。 一言で言えば、ランダム化対照実験の根拠に基く貧困問題再考の本。 いわゆる「貧困層」に限らず、 ほとんど全ての人は実はもっと豊かになれるのに何らかの「貧困の罠」に陥っているんじゃないだろうか。 実際、三つのI(イデオロギー ideology, 無知 ignorance, 惰性 inertia) のせいで貧しくなっていない人などいない。 その意味では、この本の射程はもっと広くて遠い気がする。 人はもっと自由になれるのに、何故、自由になろうとしないのか、という問題は一般的で、深い。

昼食は御飯を炊いて、焼き鮭、納豆、里芋の煮物、菠薐草のおひたし、しめじの味噌汁。 食後に少し横になったら、また二時間以上も昼寝してしまった。 相変わらずの嗜眠症は何とかならないものか…… いや、春だからに違いない、と季節にせいにしておこう。 午後も朝と同じ調子で過す。掃除機がけをしたり、蕪を漬けたり、書類整理をしたり。 会社なり法人を退職するのはこれで三度目だが、その度にかなりの量の手続やら書類仕事がある。 必要悪だが面倒臭いことには変わりない。

夕食は肉骨茶、卵と長葱の炒飯、隠元の胡麻和え。食後にグレープフルーツ。 「デス博士の島その他の物語」(ジーン・ウルフ著/浅倉久志・柳下毅一郎・伊藤典夫訳/国書刊行会)、 読了。次は「新しい太陽の書」シリーズを読もう。