「夫子憮然曰、鳥獣不可與同羣。吾非斯人之徒與、而誰與。
「論語」微子、第十八、六

2014/11/01

黒い白鳥

午前は定例のデリバティブ研究部会自主ゼミとその後のランチ。今日は、私の昔の教え子で今は出版社に勤めている O 君が見学に来てくれた。

珈琲、ヨーグルト、紅玉一つ。壬生菜とベーコンのトマトソースのスパゲティ。グリーンカレー、巨峰と蜜柑、チーズとオリーヴのオリーヴオイル漬け、赤ワイン。

「黒い白鳥」(鮎川哲也著/角川文庫)、読了。時刻表トリック的なものが好きでないこともあって敬遠していた鮎川哲也の作品を、最近集中的に読んでいた。個人的にはこの作品がベスト。おそらく、私のミステリーの好みがいわゆる「モダーン・ディテクティヴ」的なのに対し、鮎川哲也は基本的にクラシックな本格派であって、たまたまこの作品にはモダンな風味があることによるのだろう。

例えば、最後に登場人物の一人と鬼貫警部のそれぞれが、なぜ事件の真相に気付いたかを明かすところや、東京と地方の差を丁寧に書き込んでおく周到さなどである。つまり、犯人がしかけるトリックではなくて、作者がしかけるトリックあるいはツイストが冴えている。