「夫子憮然曰、鳥獣不可與同羣。吾非斯人之徒與、而誰與。
「論語」微子、第十八、六

2016/02/22

やどりぎ

往きの車中の谷崎源氏は「早蕨」を終えて「寄生」の帖に入った。源氏物語の登場人物は何かにつけては、浮世の無常とか、隠居したいとか、出家したいとか思うので、私にぴったりだ。とは言え、彼等がそう言いながら、したい放題なのとは対照的に、私の贅沢と言ったらおからと安酒で晩酌することが全てなので、私の方が悟りに近いはずだ。それとも、この世の栄華を極めた上でなお、この世の無常に思いを馳せるのが悟りというものなのだろうか。

帰りの車中の読書は「ベウラの頂」(R.ヒル著/秋津知子訳/ハヤカワ・ミステリ 1690)。夜になって冷たい雨になった。少し濡れて帰宅。風呂に入って冷えた身体を温めて、さらに、夕食は餃子鍋。あたたまる。